2013年5月25日土曜日

IMMポジションは、ドルロングがさらに拡大

IMMポジションは、除くメキシコドルでついにドルロング321,520コントラクトへ膨らむ。円+ユーロ+ポンド+豪ドルのショートが拡大するはか、カナダドルのショートは減少し、NZドルだけが昨年6月からロングを維持、投資家に好かれている。


5月24日(金曜)海外市場の動き

5月24日(金曜)海外市場の動き

市場が焦点を当てているのは、日本株の動き。独経済指標が強かったが、米耐久財受注が強く1.30の大台達成できず失敗。主要国3連休前であとが続かず、大きな変動もなく、結局は円高。

日経平均株価が、23日の上下幅1458.62円に次ぐ、1025.98円と激しい値動きの中で、前日比+128.47円で終了し、USDJPYも102円台を回復していた。しかし、米国市場では、日経先物は14100円の安値を付け、14250円と前日比-360円で終了。USDJPYも一時100.66円まで下落し、101.30円で終了した。今後も株と円相場連動の動きになりそうである。

EURUSDは、独経済指標(GFK消費者信頼感調査=6.5予想6.2 前回6.2、IFO業況指数=105.7予想104.5 前回104.4)、が強く、IFOエコノミストはドイツ経済が第2四半期に拡大すると予測、1.3000の大台をトライしたが失敗。米耐久財受注も強く、主要国3連休を控え、再び元の水準の1.2910へ、結局は1.2900~1.3000のレンジ。いつになったら、1.2800~1.3000のレンジを抜け出す事ができるのか? この水準を抜け出した方向に暫くは動きそうである。

話はそれるが、興味深かったのは、24日から米政府職員の5%に当たる11.5万人が一時帰休に入った、この影響は今後ないのか? また、トムソン・ロイター社が発表した資料で、上場企業の株式売却は過去最高となった。世界で年初から売り出された上場企業株式の累計額が、1980年に統計が開始して以来の最高で、年初からの株式売却額は累計で2192億ドルとなっており、前年同期比で31%増加。もちろん自社株買いもあるが、世界的な株高の中で上場企業の株売却が大幅に拡大していた。興味深い話である!

2013年5月24日金曜日

5月24日(金曜) アジア市場の動き

5月24日(金曜) アジア市場の動き

今日は金曜日。昨日の日本株の大変動に、今日のアジア市場は株の動きが主役で、為替・債券は脇役。

日経平均株価は乱高下。前日終値14483.98→始値14731.75→高値15007.50→安値13981.52(-1000円超の下落)→終値14612.45(前日日+128.47+0.89%)上昇。

それを見ながら、USDJPYはNY終値102.01→高値102.59→安値101.08(1.5円近く下落)→101.80台まで上昇し、株価の上昇にも、円クロスでも円高傾向は止まらず、戻り売り圧力が続いている。

EURUSDは、独第1四半期GDPが前期比0.1%と予想・速報と変わらずだったが、GFK消費者信頼感(6.5予想6.2前回6.2)が予想を上回り2007年9月以来の高水準、IFO業況指数(105.7予想104.5前回104.4)が予想・前回を上回り、EURUSDは重かった1.2950台をブレークし、1.3000の大台を試す勢いで、クロスでもEURは全面高の展開が続いている。

AUDUSD+NZDUSDは、日本株の上昇にも、豪株(S&P/ASX200)が-93.25-1.84%と弱く、売りプレッシャーを受けながら、AUDUSD=0.9650~0.9700、NZDUSD=0.8070~0.8120のレンジで推移している。

AUDUSDチャート

AUDUSDは、中銀が先に予想外の利下げを実施し、通貨防衛に乗り出しAUD安が進んでいる。しかし、NZと同じく更なる利下げの可能性は極めて低く、米国を除き主要国が金融緩和姿勢を示す中で、その面では優位性も残っている。弱点は中国経済の伸び悩みと商品価格の低迷と、長期的AUDロングポジションの巻き戻し。

そこで、チャートから今後の動きを考えたい。
Dailyチャートは、ストキャスティクスがローバンドで買いへと変化し、ボリンジャー・ローバンドが0.9587と、ほぼ昨日の安値にあり下げ止まり、ローソク足では長い下髭で下げ止まり感もある。

Weeklyチャートでは、2012年3月以来、大枠で0.9600~1.0600のレンジで推移しており、今、まさにその下限で下げ止まっている。2010年10月以降でも安値は0.9390でそれ以下の水準はない。

重要なのはその前提で、0.9580~0.9600を底値を維持している限りは、下げ止まり感が出てきても不思議ではない。戻りを考えれば、1.0582→0.9593の23.6%=0.9826で、この水準は5月17日以降の高値で何度も上値を失敗している水準と合致する。次は38.2%=0.9971。

それらを考えれば、0.9650~0.9950のレンジが予想でき、0.9580割れで下落幅が拡大、0.9970を超えるまでは戻り売り。

5月23日(木曜)の海外市場

日経平均の暴落(前日比-1143.28円-7.32%)は別としても、オセアニア(豪株-102.92-1.99%)・アジア(香港ハンセン-591.40-2.54%)・欧州株(EURO STOXX50-58.23-2.05%)は軒並み下落していた。ドルインデックス(DXY)は、-0.55-0.65%下落、原油(0.26+0.28%)+金価格(+20.0+1.46%)は上昇。

心配された米株は、強い米経済指標(新規失業保険申請件数=34.0万件予想34.6万件)+新築1戸建て住宅販売(前月比+2.3%予想1.9%)とHP株(+17.1%)の大幅上昇に助けられ、ブラード・セントルイス連銀総裁=景気支援策の解除開始はそれほど差し迫っていない、ウイリアムズ・SF連銀総裁=QE縮小には更なる改善が必要と、債券買い入れの縮小期待が弱まり、小幅下落(DJIA-12.67-0.08%)にとどまり、安心感が広まる。

日銀の金融政策に対して、不気味な発言が気になった。
バイトマン独連銀総裁は、「金融政策が困難な領域に押し込まれる可能性があることを日本の例でわかる、日本に実験での検討を祈る」と、日本の将来を懸念。同様の発言はドイツ議員からも出ている。

もし、彼らの懸念が、杞憂デはなく現実のもとのなれば、USDJPYはどこまで上昇することになるのであろうか? 考えるだけでも寒気がする。

6月のECB理事会で、下限金利0.0%→マイナス金利の可能性がEUR相場に影響を与えている。ノボトニー・オーストリア中銀総裁は「ECBは6月に最新の予想を公表し、これが金利政策の決定に役立つだろう」と指摘、3月予想はGDP2013年-0.5%、2014年1.0%。この水準の変化が即、EURUSD相場に影響を与えることは避けられない。

NY連銀報告書では、2014年GDP=3.25%近くへ上昇、2014年失業率は年末に6.5%に低下、2013年第4四半期は平均7.25%、2013年年物価上昇率は年内さらに鈍化し、2014年目標2.0%に上昇とある。引き続き好調な米経済が期待され、ドル高の流れは変わらず。

USDJPYは、一時101円を割り込み2.74円の下落値幅となったが、終値はかろうじて102円を維持、基本の円安は変わらずだが、円ショートの取り残しが高値圏であり、最近の値動きから102円近辺の円ショートポジションが多く、積極的に動き難い。

EURUSDは、1.28を維持し買いの流れが続き、終値ベースでは5営業日ぶりの高値圏だが、前日の高値1.30を超えられず、ECB理事会の決定を気にしながら、引き続き1.28~1.30のレンジ内で動く可能性が高い。

AUDUSDは、二日続けての大相場。一時184ポイント近く下落し0.96を割り込んだが、終値ベースでは前日を上回り、0.9750近くまで値を戻した。ようやく実需の買いに下げ止まり、0.96~1.0のレンジに入りやすい。

USDCADは、一時1.0286と100ポイント超のCAD安となったが、前日に続き1.04を超えられず、1.03近辺で終了した。1.03台の維持を失敗すると、1.02~1.03のレンジに入りやすい。



2013年5月23日木曜日

今日、大幅な円高となったドル円のチャートを見てみよう

今日、大幅な円高となったドル円のチャートを見てみよう。

Dailyチャートは上昇トレンドを維持し、トレンドラインの上限できっちりと上げ止まっている。今日の終値ベースを確認をすることが前提となるが、今現在では過去6営業日を陰線で割り込み、101.80以下で終了すれば、暫くは調整局面に入り、戻り売り圧力が続く可能性が高くなる。逆に、終値が102円台となれば、戻り売りも続きながら、101.20を底値にして再び押し目買いの相場に入りやすい。

ストキャスティクスは、5月20日にクロスし、ハイバンドで売りサインが点灯。5月9日の上昇が始まった日の安値98.64→22日高値103.73の、38.2%=101.79、50%=101.19、61.8%=100.59円が、調整局面の下値ターゲットに入ってくる。また、ボリンジャーバンドのMIDは100.39円に位置し、今回の下げ局面では、100.40~60をボトムにし、再び上昇することが予想できる。




Weeklyチャートは、ストキャスティクスは上限にとどまり、強いトレンドのある上昇局面が継続している。トレンドラインの上限近くと、ボリンジャーバンド・アッパー=103.55で上げ止まり、秩序ある上昇が続いている。過去の調整幅を検証すると、4月21日の週は高値99.88→安値97.55で約2.3円下落した。2012年11月11の週から続く上昇局面でも、今年2月24日の週94.50→90.88=3.62円が最大となっている。

この最大値を今回の高値103.73-3.62円=100.11円となり、Dailyチャートで計算した、50%=100.59円、ボリンジャーバンドMID=100.39円に近い水準となる。リスクだけを考え仮に、日本株や世界的な株価の下落が続き、債券利回りが上昇することになれば、上昇トレンドの下限となる97.86円まで下落する可能性が出てくるが、そこまで考える必要があるとは思えない。

5月23日(木曜) 株価は暴落の領域へ

5月23日(木曜) 株価は暴落の領域へ

日経平均株価は-1143.2円-7.32%下落する暴落。USDJPYは103.50台→101.50割れまで約2円大幅下落。中国株(ハンセン-566.07-2.43%)や豪株(ASX200 -102.92-1.99%)も大幅下落、AUDUSDも続落しAUDJPYは100.00→97.50台まで約2.5円大幅下落。

要因として考えられることは、以下3点だが、米量的緩和縮小(終了)=ドル高のセオリーは続く。
◎前日のバーナンキFRB議長の議会証言で、資産買入を縮小する可能性を危惧
◎中国のHSBC製造業PMI・速報値=49.6(予想50.5 4月50.4)→ 7カ月ぶりの低水準で50を割り込み、経済見通しへの懸念が再燃
◎国内長期金利が1%を超え、日銀は2.81兆円の資金供給を実施 

EURUSDチャート



Dailyチャートは、昨日はスローストキャスティクスが買いを示し、1.3242→1.2796の50%=1.3000、ボリンジャー・ミッド=1.3008近くまで上昇し、再び下落した。 これで調整がある程度進み、1.2800~1.2970のレンジに入りやすくなっている。

ただ、Weeklyチャートと、Monthlyチャートのスローストキャスティクスが売りを示唆し、Weeklyチャートのレンジ相場から、1.2750~1.3240のレンジ下限を割り込み、68.1%=1.2650を割り込むと話は別。Monthlyチャートは引き続きダウントレンドを示し、大きな下落へと動く可能性が高まる。

5月23日(木曜) 相場見通し

6月18日・19日のFOMCでQE3の出口戦略の最初のステップとなる、資産買入プログラムの縮小を示唆することが期待され、ドルロングのポジション調整は危惧されるが、ドル高の流れが継続することが予想できる。

USDJPYは103円台へ突入。緩やかな円安が続くことが望ましく、クロスではEURJPYを除き円安が加速していない。今後、加速すると海外からのプレッシャーが気になってくるので、その際には利食い千人力。多くが予想している105.00円台、そして、海外からプレッシャーが飛ぶ出すのか?、その前に自律的な調整による円買い戻しが始まるのか? 現状では試してみなければわからない。

EURUSDは逆に、ECBは金融政策の手段を拡大することが可能で、資産買入を検討する可能性が高く、6月6日のECB理事会までは、そのプレッシャーに大幅なユーロ高も期待できない。モルガンスタンレーのエコノミストは、6月に0.25%の利下げを予想、ムーディーズは「格付け会社はユーロ圏周辺国をさらに格下げする可能性がある」と警告。昨年7月の安値1.2650を割り込むと、考えたくはないが続落のシナリオが描ける。

GBPUSDも逆に、BOEは6月6日のキングBOE総裁の最後の金融政策決定会合(MPC)では金融政策の据え置きが予想されるが、7月4日のカーニー新総裁が就任し最初のMPCでは、追加緩和が期待されており、これも、1.52台をどんどん買っていける状況にない。

AUDUSDも逆に、豪中銀による予想外の利下げと自国通貨高阻止へ動き、中国経済の伸び悩みや、商品価格の下落やドル高に、1.00のパリティーをあっさり割り込み、行き過ぎ感以外は、買い材料も弱く、昨年5月の安値0.9600を割り込むと底値が見えない。

5月22日(水曜) 米国市場の動き

5月22日(水曜) 米国市場の動き

バーナンキFRB議長の議会証言の受け、債券買入の早期縮小が遠のくとの期待に、停滞気味の欧州株は上昇(EURO STOXX50+13.36+0.47%)、今後の資産買入プログラムの縮小観測に、FOMC議事録後も米株は続落し一時+155から逆に小幅下落(-80.41-0.52%)。

米10年債利回りは2.0%台に上昇。ドルは全面高=DXY+0.45+0.53%上昇。クロスではEUR高、円はEURJPYを除く横ばい。原油(-1.86-1.94%)+金(-5.20-0.38%)下落。

◎バーナンキFRB議長の議会証言(1)→ 冒頭の「金融引き締め派景気回復へのリスク」発言で株高+ドル安へ。
→ 経済の勢いを示す徴候がさらに増えないと緩和ペースを縮小できない→ 必要な限り緩和策を維持する方針を繰り返し、期尚早の金融引き締めは、景気回復をリスクにさらす恐れがある→ 債券買い入れの早期縮小を示唆する発言はなく、直後に一時ドル売りが強まる。

◎バーナンキFRB議長の議会証言(2)→ 債券買入の縮小期待に株安+ドル高へ。
→ 労働市場とインフレ見通しに応じ、資産買入ペースの拡大や縮小をする用意がある、低金利を長期間維持するリスクに警鐘。今後、数回の会合を経て資産買入ペースを鈍化することも可能 → 米経済が一段と改善すれば年内に債券買い入れが縮小される可能性に、ドルは全面高へ変化。

◎FOMC議事録で、「資産買入の縮小開始時期について活発な議論が交わされたが、多くは資産買入の縮小には、米経済の回復を示す一段の裏付けが必要と認識」に、ドル買いもやや弱まる。

USDJPYは、2008年10月の水準となる103円台へ上昇。
EURUSDは、1.3000の大台近くまで一時上昇、1.2840割れまで下落したが、他通貨ではEUR高。
AUDUSDは、17日の安値0.9711を割り込み、一時0.9660台まで下落。
NZDUSDは、0.80の大台を前に、0.8050台を4営業日維持。AUDNZDは続落。
USDCADは、2023年6月の1.04台に迫る。1.0250を底値に1.0300の大台を超え、1.0390近くまで上昇。
GBPUSDは、1.5000の大台直前となる1.5020近くまで一時下落。

2013年5月22日水曜日

欧州市場では、スイス安+ユーロ高+円安。


欧州市場では、スイス安+ユーロ高+円安。

USDJPYは、日銀の金融政策決定会合+黒田日銀総裁の記者会見を経て、円売りの流れが続き、103円の大台をクリアし、円売りの流れは止まらず。円クロスでは、下落したスイスフランのCHFJPYの下げは別として、EURJPYの上昇が目立ち、他の主要通貨での円クロスはほぼ横ばい。

EURUSDは、引き続き1.29台を維持しながらも、イベント・リスクに積極的な動きは見られず、EURCHFの買いにも1.2950台の上値は重く、1.2910~50のレンジ相場。モルガンスタンレー・エコノミストは、「ECBが6月に0.25%の利下げし、中銀預金金利の引き下げは年内実施の可能性」の予想を発表したが、相場への影響は見られない。

欧州に入り、スイスフランの変動が大きい。ジョーダン・スイス中銀総裁が、「為替レートの上限調整の選択肢+必要な限り為替レートの上限を維持+介入の可能性」を示唆、EURCHF=1.2530→1.2600台と、今年1月の高値1.2568を超え、2年ぶりの水準まで上昇、USDCHF=0.9750台まで上昇。



5月22日(水曜) アジア・欧州市場序盤の動き


アジア市場は、本日のバーナンキFRB議長による上下両院合同経済委員会で米経済見通しについての証言や、FOMCの高いイベントリスクを控えながらも、「米通貨当局者の発言で米金融緩和の継続を期待感の高まり=ドル安+株高要因」+「日銀が長期金利の上昇をけん制せず=円安+株高要因」に、日経平均株価は終値15627.26円(+246.24+1.60%)と大幅上昇、USDJPYは再び103円台を試す水準まで上昇、

クロスでは、EUR全面高で、EURJPYは133円台と2009年8月以来の高値水準に上昇、EURGBPは0.8570台、EURCHFは1.2560台、EURAUDは1.3250台まで上昇。

EURUSDは、1.29台を維持しながら、大枠1.2900~1.2950の狭いレンジで推移。

AUDUSDは、ウエストパック・メルボルン研究所の消費者信頼感指数が、前月比-7.0% 4月-5.1%と、予想外のマイナス幅で、AUD売りが強まる。

GBPUSDは、前日発表された英国消費者物価・生産者物価の予想外のマイナス幅に弱く上値の重い展開から、英中銀の金融政策議事録は予想通り、6対3で資産買入枠の据え置きを、金利は9対0で据え置きを決定。ただ、英小売売上高が、前年比-1.3%(予想0.0% 3月-0.6←速報-0.7%)と弱く、GBP売りが強まり1.51を割り込み続落。

GBPUSDのチャート


昨日最も弱かった、GBPUSDのチャートを見てみよう。

Dailyチャートでは、上昇トレンドの下限をブレークし、1.5200のポイントで売り買い交錯しながら下落傾向が続いている。

ボリンジャーバンドの下限1.5115で下げ止まり、スローストキャスティクスは、ローベース近くに位置し買いへ変化するかが注目される。

フィボナッチ・リトレースメントでは、23.6%=1.5228、38.2%=1.5300までの戻る可能性がある。

一方、Weeklyチャートを見ると、大枠1.48~1.56のレンジに入り、スローストキャスティクスは売りを示唆し、1.4825、1.4650までの下落余地が残る。


結論としては、消費者物価・生産者物価が落ち込み、カーニー新総裁が就任する7月に追加緩和策は量的緩和の可能性が払しょくできない状況で、積極的なポンド
買いが難しい中で、ポンドショートの投機的なポジションが積み上がりやすい。

これからは、投機的なポジションが積み上がりを注意し、1.52台の戻りを待つ必要もある。

5月21日(火曜日)海外市場の動き


5月21日(火曜日)海外市場の動きは、英消費者物価&生産者物価が弱く、BOEの緩和策期待にGBPは下落、ドイツ連銀月報は景気回復を示唆しEUR買いが強く、FRBの資産買入規模でブラード・セントルイス連銀総裁は縮小を支持せず、ダドリーNY連銀総裁は判断していないと発言。

日本株(+20.21+0.13%)と米株(DJIA+52.30+0.34%)は小幅上昇。欧州株(EURO STOXX50-2.85-0.10%)は小幅下落。原油(-0.98-1.01%)+金価格(-17.2-1.23%)は下落。米10年債利回りは、一時2.0%まで上昇。ドルインデックスは84.00の上値が重くなるが、小幅上昇。

今日の、バーナンキFRB議長の議会証言を直前にして、ブラード・セントルイス連銀総裁「インフレ率が低水準で、現段階では買い入れ規模の縮小を十分正当化することはできない」。ダドリーNY連銀総裁は「FOMCは、債券購入プログラムの拡大か縮小か自身はまだ判断していない」と発言、現行の金融緩和を継続する可能性が高まり、ドル売りの流れが一時強まった。

昨日はポンド安の一日。英国の消費者物価指数は、前年比2.4%(予想2.7% 前回2.8%)と非常に低く、生産者物価指数も前年比1.1%(予想1.5% 前回1.9%)と弱い。BOEの金融緩和余地が拡大との思惑にGBP売りが強まる。GBPUSDは1.5240→1.5120割れまで一時大きく値を下げ、一時ドル買いをリード。

ドイツ連銀月報は、「ドイツ経済は個人消費の底堅さを背景に景気後退を回避」、「第2四半期は回復ペースが強まる」、この発言を受け、ドイツ10年債国債利回りが上昇し9週間ぶりの高値をつけた。

ポンド安+ユーロ高に、EURGBP=0.8450→0.8510台へ大幅上昇、EURUSD=17日の1.28を底値に、20日・21日と1.2850を底値に下げ止まり1.29台まで上昇。1.2850割れの水準を維持でき、再びEUR買いの流れへと変化し、一時1.2930台まで上昇。EURクロスは上昇。

USDJPYは、引き続き102円近辺を底値に102~103のレンジ。円クロスはレンジ内での動きで、GBPJPYを除き、小幅な円安。

AUDUSDは、17日の0.97を底値に、20日・21日と0.98台まで上昇したが、過去3日間では0.9830を高値に上げどまり、上値は引き続き重い。

USDCADは、1.0300で天井観が強まっている。

2013年5月21日火曜日

5月21日(火曜)のアジア市場


5月21日(火曜)のアジア市場は、エバンズ・シカゴ連銀総裁(20日)の「労働市場の改善が十分得られたと確信するまで月額850億ドルの資産買い入れを継続し、その時点で早急に停止するやり方もある」=「量的緩和の出口支持」との判断のドル買いなのか?

ムーディーズ(20日)が、「議会予算局(CBO)が公表した最新の財政収支予想は米国の信用力にプラスだが、今年の格下げを回避するには2010年代後半に増加見込まれる債務の抑制に政策当局者が取り組む必要がある」と発表=「米格下げの可能性?」。米格付け会社のイーガン・ジョーンズとS&Pの米格付け引き下げ続く可能性が危惧のドル売りなのか? 

BOAのレポートで、「中国の実際の貿易黒字 は今年これまでに発表された公式統計の610億ドルの1割にとどまる」との内容も興味深い。もし、これが事実ならばAUD売りの流れが強まる可能性が出てくるが、もちろん確認はできない。

売り買い拮抗に、USDJPYを除き、主要通貨のEURUSD+GBPUSD+USDCHF+USDCADでは動きは鈍く、豪中銀理事会の議事録で変動した、AUDUSD+NZDUSDが売り→買い→売りに変動していた。

USDJPYは、甘利経済再生担当大臣が、円買いの材料となった19日の発言「円高是正は進んできた、円安がどんどん進むと国民生活へのマイナスの影響が出てくる」を、否定するように「円相場は経済の基礎体力に見合った水準で落ち着くことを期待」との発言に、今日は朝らか円売りが加速し、円は全面安の展開となったが、103円台は達成できず。

AUDUSDは、豪中銀理事会議事録で「あらゆる要素を考慮した結果、理事会は政策緩和の余地を一部活用すべきと判断」、「非鉱業部門の投資は依然低調で、業況は引き続き平均を下回り、豪ドルが歴史的水準からみて依然高水準にあることが一因である可能性がある」と、今後の利下げの可能性を残したことで、発表直後には一時0.9760台まで下落したが、ドル安の流れに0.9830台まで上昇した。

5月21日(火曜)USDJPYのDailyチャート




USDJPYのDailyチャートでは、上昇を続けこの流れに変化はないが、トレンドの上限近くに位置している。前日・先週金曜日のレンジ内でほぼ推移し、過去4日間では102.00円で底固めをしている。ボリンジャーバンドのアッパーBB=103.65、ローワーBB=96.22で、スローストキャスティクス%K=86.52、%D=86.52で、ほぼクロスしバンド上限にあり、売り転換するかが注目される。

上値のポイントは103.17&103.65で、暫くはこの水準を超えることは難しいと思われるが、103.65をブレークすると、105円台へ上昇する可能性が高くなる。

下値のポイントは101.80で、暫くはこの水準で推移することが予想されるが、101.80を割り込むと、100.90~102.00のレンジへと変化する可能性が高くなる。

5月21日(火曜)主要通貨の変化率



主要通貨の変化率を見てみよう

USDJPYは、久々に1%近い円高へと動き、最近の傾向としては、通常のポジション調整の幅の中で推移となった。しかし、過去の推移を検証すると、1%近くの円高局面では、複数日この傾向が続く可能性が高くなっている。

EURUSDは、8営業日でようやくEUR高へと動いたが、長いEUR下落局面からの変化にしては、上昇力は弱い。

GBPUSDは、GBP高・GBP安にかかわらず、最近の傾向では大枠0.5%前後の変動にとどまり、この変動率を利用した取引も一案。

5月20日(月曜)の海外市場の動向。


5月20日(月曜)の海外市場の動向。

日本株は大幅上昇(日経平均株価+222.69円+1.47%、欧州株は小幅上昇(EURO STOXX50+6.51+0.23%)、米株は小幅下落(DJIA-19.12-0.12%)、金(+33.60+2.47%)、原油価格(+0.90+0.94%)は大幅上昇、ドルは先週金曜日と様変わりで全通貨で軟調に推移し(.DXY-0.45-0.54%)、直近では一日ごとに変化。

USDJPYは、過去4日間では102.00割れを底値に、これで4日間連続で高値圏で推移し上昇傾向を維持。早朝の甘利経済再生担当相によるサプライズの円高「過度の円高の是正はかなりできた」の反応も極短期間で終了し、102円割れの厚い買いを確認。後は特に重要な材料もなく、総じてブルー・マンデーに動きは鈍化。

AUDUSD+NZDUSDは久々に大きく反発、EURUSDは底値1.2800、GBPUSDは底値1.5200で底堅くなり、USDCADは高値1.0300で上値が重くなっている。

市場はドル・ロングポジションの巻き戻しが強く、フィッシャー・ダラス連銀総裁の「月額850億ドルの資産買入れを、今後現行ペースで維持、もしくは減速させる可能性が高い」との発言もいつもながらの持論で反応なし。動きが始まったのは、エバンズ・シカゴ連銀総裁の「FRBの月額850億ドルペースのる資産買い入れは、労働市場の見通しが著しく改善するまで継続する」、「労働市場の著しい改善にはより時間が必要」との発言に、量的緩和の出口を期待した一部には失望感が見られ、ドル売りの材料となる。

また、ムーディーズが、「米政策当局者は年内の格下げを回避するために債務問題に取り組まなくてはならない」、「債務比率の上昇に対処するため、政策面で一段の取り組みが必要」と発言 → これを材料にドル売りが強まり、安全資産としての金の上昇が目立った。

2013年5月20日月曜日

アジア・欧州市場序盤の動き


アジア・欧州市場序盤の動き

週末のTV放送で、甘利経済再生担当相が、「過度の円高の是正はかなりできたと世の中で言われている、円高是正は進んできた」、「円安がどんどん進むと国民生活へのマイナスの影響が出てくる、それをどう最小限にするかがわれわれの仕事だ)との内容に、相場が変動。

週明けの為替相場はオセアニア市場から変動、USDJPYは103.20台の前週末クローズから、いきなり102.00近くまで急落し、クロスを含めて、円全面高で始まった。

しかし、アジア市場・欧州市場では、前週金曜日に安倍首相が発表した「成長戦略第2弾」にエネルギーをもらい、日経平均株価は前日比+222.69円(+1.47%)と大幅上昇、中国株も上昇した。

USDJPYは102.00をクリアにブレークできず、目先のタイトストップを付けただけで、再び円売りへと動いたが、欧州株は伸び悩み円売りは弱い。他の主要通貨もUSDJPYの下落の影響を受け、ドル安相場へと動いたが、それ以外に特に材料も見当たらず、上下に動いているが、強い方向感は感じられない。

今週の経済指標の発表・要人発言・イベント


今週も多くの経済指標の発表・要人発言・イベントなどが控え、22日(火曜)が要注意。

5月21日(火曜)
◎豪中銀理事会の議事録公表は、利下げや自国通貨高の防衛に向けた判断材料が示されるのか? AUD相場にとっては特に重要である。

5月22日(水曜)
◎最も重要で、①バーナンキFRB議長の議会証言(上下両院合同経済委員会で米経済見通しについて証言)、②FOMC議事録公表(4月30日~5月1日分)、③日銀の金融政策決定会合+日銀総裁記者会見、④英中銀金融政策委員会の議事録公表が控えており、特にバーナンキFRB議長の議会証言の注目度は高く、量的緩和の縮小、または、拡大を示唆する発言が飛び出すのか、注目される。これによって、最近のドル高相場が、加速するか、逆走するか重要。

5月23日(木曜)
◎ユーロ圏の総合・製造業・サービス業PMIの5月速報値、ユーロ圏消費者信頼感が予定され、やや拡大が予想されているが、ユーロ圏の主要国の景況感を判断でき、EUR相場にとっては特に重要である。それと、いつもながら週間新規失業保険申請件数、米住宅価格指数、新築一戸建て住宅販売などの、雇用+住宅関連の経済指標はいつもながら、特に重要となっている。

5月24日(金曜)
◎NZの貿易収支、独第1四半期GDP確報値、独IFO業況指数、米耐久財受注が注目されている。

EURUSD Daily&Weeklyチャート


EURUSD

Daily Chart
◎引き続き大枠1.2750~1.3250のレンジに入り、その中間点となる1.3000で上下を繰り返している。1.2700~50を維持できれば、レンジ相場の確認となり1.3000を目指す上昇も考えられるが、その前に、下値リスクが残る。

◎スローストキャスティクスは、20を割り込み、%K=12.65、%D=16.95で売りサインは変わらずだが、LOW Baseを割り込んでいることでやや売られ過ぎ感がみられる。

◎1.3242→1.2796の、23.6%=1.2901、38.2%=1.2966で、目先は1.2800~1.2900、または、1.2800~1.2960の相場に入りやすくなっている。

◎1.2700を割り込んだ場合だが、Weekly Chartをみてみると、1.3714→1.2745→1.3248から、下値ターゲットは1.2280となり、その前に、68.1%=1.2650がポイントとなる。結果、1.2650が下値の大きなポイントと考えられ、この水準で下げ止まるか否か、今後のEURUSD相場に大きな意味を持っている。

USDJPYのDaily Chart


USDJPYのDaily Chart

◎上昇トレンドの上限近くまで上昇、ボリンジャーバンドのアッパーバンド103.36を上限を前に上げ止まり、大幅な上昇ができにくい状況となっている。結果、上昇トレンドに変化は見られず、最大の調整局面にも102円を底値に時間的な調整を迎える可能性が高い。逆に、上昇が続く局面では、103.17、105.99が次のターゲットになる。

◎スローストキャスティクス=ハイベースの80を超え、スロー%K=90.88、%D=86.53と売り転換は未確定ながら、20日朝現在では売りへ転換する可能性が高まっている

◎エクスパンション=138.2%=105.25が次の上値ターゲットに入る。

◎リトレースメント=23.6%=101.81、38.2%=100.89と続くが、102円割れの水準は難しく、買いの流れは変わらない。