2014年3月15日土曜日

最新の米CFTC発表の通貨先物取引(IMMポジション) 3月11日分

最新の米CFTC発表の通貨先物取引(IMMポジション) 3月11日分


今回の最新版は3月11日がデータの集計日。後に「クリミア自治共和国の住民投票=ロシア編入」の危惧に相場は急変しており、タイミングは最悪。

円は、中国の経済成長鈍化にもかかわらず、円ショートが2万コントラクトと拡大していたが、リスク回避の円買い戻しへと流れは変化してしまった。そのため、今回のデータで示された円ショート・ポジション拡大は何かを意味することになっていない。

一方、ユーロは、ロングが1.3万コントラクト拡大、11日の1.38台からその後も1.3970台近くまで上昇し、先高センチメントが高まっている。もちろん安全資産としての買いもあろうが、予想外に強い成長率やユーロ圏への資金流入、銀行の資金吸収などが要因と思われ、逆に金融緩和期待が続くなか、不思議なほど堅調である。ドラギECB総裁のユーロ高けん制発言とも受け取られる発言にも、意外なほどユーロ売りは鈍い。

その他の主要通貨でも、11日データ集計日以降で大きく動いているので、あまり今回の数字を気にしても利は少ない。

ちなみに、ポンドはロングが減少、スイスフランはロングが増加、カナダドルはショートが減少、豪ドルは若干の増加、NZドルはロングが増加し4週連続の拡大となった。





3月15日(土曜)昨日、海外市場の動き

3月15日(土曜)昨日、海外市場の動き、ケリー・ラブロフ会談も決着できず、クリミア住民投票の結果待ち

***** 昨日のポイント *****

ウクライナのクリミア住民投票を控えて緊張感の高まりに、欧米株も下落傾向は止まず。注目のケリー米国務長官とラブロフ・ロシア外務相の会合ではウクライナ情勢の悪化を打開することはできず、16日(日曜)のクリミア住民投票の結果に持ち越しとなり、強い警戒感に取引を手控える動きが強まる。

英国の貿易赤字は予想外に拡大しポンド売りが一時強まり、クロスでは弱含みで推移。米国の生産者物価指数は予想を下回り債券利回りは低下しドル売りへと傾き、ミシガン大学消費者信頼感指数の予想外の悪化に、ドル売りが再び強まったが、ケリー・ラブロフ会談で解決策を見いだせずドル売りも続かず。


***** 発言・その他 *****

◎ユーロ統計局=2013年第4四半期のユーロ圏就業者数は、前期比0.1%(第3四半期0.0% 第2四半期0.0% 第1四半期-0.5%)で、3年ぶりにプラスへ。
◎ビーンBOE副総裁=企業調査では生産や雇用の伸びが公式データより高い。
◎日銀の金融施策決定会合(2月18日)=複数は輸出と設備投資の増加がカギ。
◎浜田内閣官房参与=日銀は消費増税の影響が深刻なら5月中に追加緩和すべき。昨年の10~12月気のGDPはアベノミクスが十分な強さではないことの印。今後の心配はデフレではなく、インフレ。
◎カーニー・ホワイトハウス報道官=クリミア自治共和国でロシア編入の是非を問う住民投票が実施となれば、米国は早急に対応する
◎ラブロフ・ロシア外務相=西側との共通認識は得られなかった。クリミア自治共和国の住民投票を尊重し、侵略の計画はない。米ロはウクライナに関して依然対立。
◎ケリー米国務長官=プーチン・ロシア大統領は住民投票が終了するまで何も決断を下さないが、16日以降は不明。ウクライナ国民に脅威を与えれば、代償も大きい。米国と国際社会はクリミアでの住民投票の結果を承認しない。プーチン・ロシア大統領はクリミアの併合ではなく自治国家を支援する選択肢もある。軍隊配備の凍結も協議した。
◎フィッシャー・ダラス連銀総裁=米住宅セクターの改善は持続する可能性。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

16:00 GER 2月 消費者物価指数・確報値=前月比0.5%(予想0.5% 速報値0.5%)、前年比1.2%(予想1.2% 速報値1.2%)、EU基準前月比0.5%(予想0.5% 前回0.5%)、前年比1.0%(予想1.0% 前回1.0%)
18:30 GBP 1月 貿易収支=-97.93億ポンド(予想-86億ポンド 前回-76.62←-77.17億ポンド)→ 予想外に赤字額が拡大し一時GBP売りが強まる
21:30 USD 2月 生産者物価指数=前月比-0.1%(予想0.2% 前回0.2%)、前年比0.9%(予想1.2% 前回1.2%)、コア前月比-0.2%(予想0.2% 前回0.2%)、前年比1.1%(予想1.4% 前回1.3%)
22:55 USD 3月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=79.9(予想82.0 前回81.6)、現況指数=96.1(2月95.4)、消費者期待指数=69.4(2月72.7)→ 予想外に弱くドル売りが強まる

2014年3月14日金曜日

3月14日(金曜) アジア市場の動き

3月14日(金曜) アジア市場の動き

****** ポイント、これからの注目点 ******

日経平均株価は大幅下落、中国株や新興国株も軒並み下落しているが、円相場は昨日の円急騰の水準で停止状態。その他の主要通貨も思考停止状態で動けず。

今日14日、ロンドンでケリー米国務長官とラブロフ・ロシア外務相が会合する。その結果待ちで動けないことが主因。

もし、合意に至らず、その後も何らかの対応策が打ち出せなければ、16日にはクリミア自治共和国でロシア編入の是非を問う住民投票が実施され、ロシアに編入される可能性が高い。。

これに対して、米国・ユーロ圏は報復措置を取ることを言明し、週明けに容易ならぬ事態が起こることをロシアに事前通知している。

状況証拠は、「リスク回避」へと誘われ、株式市場ではロングを手じまい、為替市場では円ショートを手じまい激しい円高へ。そして、ややドル買い方向へと動いているが、対主要国では100ポイント近い調整だが、予想外に大幅な下落となっていない。

別途、昨日の「ドラギ・サプライズ」である「ECBのガイダンスは実質金利とユーロを下げることを目的」との発言はフレッシュながら、それでも下落幅は他と同じ100ポイントと、予想外に限定的。

この結果が米ドルの評価ではとおもいたなる。つまり、ウクライナネタが尽きてしまったら、ドルはどこまで売られるのか? そう思いたくなる。

その動きに反して、英ポンドもしかり、ユーロもしかり、かつての豪中銀やNZ中銀のように自国通貨高への警戒感を示し始めており、ウクライナネタがなかったとしても、手放しでポンドやユーロを買い進めることへの警戒感もあったはず。

それでも昨日の下落幅は100ポイント前後。今は、それが限界なのか、それともこれから売りが加速するのか、よくわからないとしか言いようがない。

とりあえずは、ウクライナネタが決着を見たあとの、水準や値動きからこれらを見極めることにしたい。

これから、欧州市場へと移っていく。
ドル円の現状は101.55円で推移しているが、2月3日~5日と三日間費やしても割り込めなかった、100.70円台まであと約80ポイント。その前に、3月3日の安値101.20円まであと30ポイント。

どこまで下げられるかを試し、失敗したら、ウクライナ情勢の展開と欧米ロシア要人の発言待ちと判断したい。


****** 今までの発言・その他 ****** 特になし

****** 今までのイベントと経済指標の結果 ****** 特になし

3月14日(金曜)昨日、海外市場の動き

3月14日(金曜)昨日、海外市場の動き、ドル全面安からドル全面高へ、円は全面高でスイスフランはなぜか弱い。


***** 昨日のポイント *****

ウクライナ情勢を危惧した動きに、株価は下落し、債券は上昇(利回り低下)、VIX指数も上昇。ドルはアジア・欧州市場の下落から反転し全面高へ。円買いの流れが続き、クロスを含め円は全面高へ、しかし、安全資産のスイスフランは逆に下落。

NZ中銀の利上げと追加利上げ期待に上昇したNZDと、雇用者数が予想外に増加し上昇したAUDも高値から下落し、上昇開始前の水準まで値を下げる。

ケリー米国務長官はロシアへの制裁強化の可能性を示唆し、リスク資産売りが強まる。バイトマン独連銀総裁は「ユーロ相場は金融政策で考慮」と発言、ドラギECB総裁は「金利水準の更なる低下の可能性」を指摘、「ユーロ相場の下押し圧力」を示唆したことで、EUR売りが加速。



***** 発言・その他 *****

◎豪2月の雇用統計は、失業率6.0%(予想6.0% 前回6.0%)、新規雇用者数=47,300人(予想18,000人 前回18,000人←-3,700人)、労働参加率64.8%→ 予想を大幅に上回る雇用者数の増加にAUD買いが強まる
◎李克強中国首相=シャドーバンキングの監督を強化へ。金融・財政改革を優先課題として推進。経済成長より雇用に重点を置く。
◎李克強中国首相=一部ローンのデフォルトは避けられない。危機に陥った全ての投資商品の救済は考えていない
◎クーレECB専務理事=借入コストが低下しなければ、行動する用意がある。金利は長期的に現行水準近くで推移。
◎バイトマン独連銀総裁=ユーロ高はインフレ見通しに影響を及ぼし金融政策で考慮。デフレリスクは極めて限定的。伝統的な政策を講じる余地は少ない。金融機関が自発的に長期融資資金を返済、過剰流動性が低下したことは正常化の兆し。低インフレに対応するために行使できる政策手段がある。
◎クノット・オランダ中銀総裁=マイナス金利は選択肢の一つだが、デフレ状態が制御不能になるとは考えていない。一段の非伝統的な金融政策手段は不要。
◎メルケル独首相=プーチン・ロシア大統領の行動がウクライナやその他の諸国に大惨事をもたらす。すウクライナ問題でロシアが軌道修正しなければ、甚大な」政治的・経済的損害を被る恐れがある。
◎プラートECB専務理事=ユーロ圏の経済情勢は2012年よりも顕著に改善。
◎ドラギECB総裁=フォワードガイダンスは実質金利の低下を招き、政策スタンスは緩和的になる→ 金利水準の更なる低下の可能性。ユーロ相場は政策目標ではないが、物価安定で重要で、他の条件が同じならユーロ相場は下押し圧力となる。デフレリスクは非常に限定的。フォワードガイダンスの維持を強調し再表明→ EURUSDは1.39台→1.3850割れまで下落
◎NZ中銀=政策金利を0.25%引き上げ2.75%に決定、予想通り。声明では、現行の為替水準は長期持続は不可能→ 直後一時下落。2014年インフレ見通しを1.5%→1.9%に上方修正。NZドル高は輸出に逆風。物価抑制を目的とした利上げが必要。
◎ウィーラーNZ中銀総裁=今後数カ月以内に追加利上げの可能性。2014年度に利上げ幅は最大で1.25%→ NZDは続伸へ。
◎マクダーモットNZ中銀総裁候補=今後年間は穏やかな金利上昇が望ましい。
◎ロシア軍=ウクライナ国境付近で8500人規模の軍事演習を実施
◎プーチン・ロシア大統領=ウクライナ、および欧州と米国のパートナーとどのように関係を構築するか考えていきたい。
◎ケリー国務長官(議会公聴会)=16日にクリミア自治共和国でロシア編入の是非を問う住民投票を実施すれば、米国と欧州連合は一連の重大な措置を発動。
◎ケリー米国務長官とラブロフ・ロシア外務相と電話会談し、3月14日にロンドンで協議することで合意。
◎フィッシャーFRB副議長指名公聴会=FRBは毎月の資産買い入れペースを縮小しており、継続する条件は示されている。現政策スタンスはおおむね適切で、インフレ回避に向け政策を調整する必要はない。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

5:00 NZD NZ中銀 金融政策発表=政策金利2.5%を0.25%引き上げ2.75%を決定、予想通り。
9:00 AUD 2月 消費者インフレ期待=前月比2.1%(予想 前回2.3%)
9:01 GBP 2月 RICS住宅価格指数=45%(予想52% 前回53%)→ 予想を下回る
14:30 AUD 2月 雇用統計: 失業率6.0%(予想6.0% 前回6.0%)、新規雇用者数=47,300人(予想18,000人 前回18,000人←-3,700人)、労働参加率64.8%→ 新規予想を大幅に上回る雇用者数の増加にAUD買いが強まる
14:30 CNY 1月 鉱工業生産=前年比8.6%(予想9.5% 前回9.7%)→ 予想を下回る
14:30 CNY 1月 固定資産投資=前年比17.9%(予想19.4% 前回19.6%)→ 予想を下回る
14:30 CNY 1月 小売売上高=前年比11.8%(予想13.5% 前回13.1%)→ 予想を下回る
21:30 USD 2月 小売売上高=前月比0.3%(予想0.2% 前回-0.6←-0.4%)、除く自動車前月比0.3%(予想0.1~0.2% 前回-0.3←0.0%)→ 予想をやや上回るが、前月は大幅に下方修正される
21:30 USD 週間新規失業保険申請件数=31.5万件(予想33.0万件 前回32.4←32.3万件)→ 予想より改善へ
21:30 USD 2月 輸入物価指数=前月比0.9%(予想0.6% 前回0.4←0.1%)、前年比-1.1%(予想-1.9% 前回-1.2←-1.5%)
21:30 CAD 1月 新築住宅価格指数=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.1%)、前年比1.5%(予想 前回1.3%)
23:00 USD 1月 企業在庫=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.5%)


***** きょうの予定、主な経済指標・その他 *****

8:50 JPY 日銀金融政策決定会合議事要旨(2月17~18日分)
16:00 GER 2月 消費者物価指数・確報値=前月比予想0.5% 速報値0.5%、前年比予想1.2% 速報値1.2%、EU基準前月比予想0.5% 前回0.5%、前年比予想1.0% 前回1.0%
21:30 USD 2月 生産者物価指数=前月比予想0.2% 前回0.2%、前年比予想 前回1.2%、コア前月比予想0.1% 前回0.2%、コア前年比予想 前回1.3%
22:55 USD 3月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=予想81.6 前回81.6

2014年3月13日木曜日

3月13日(水曜) アジア市場の動き

3月13日(水曜) アジア市場の動き

NZ中銀の利上げと追加利上げ期待にNZDが上昇、強い雇用にAUDが上昇、弱い中国経済指標に、円とスイスフランが買われ、EURやGBPも確りと高値圏で推移。結局は、ドル全面安へ。

****** 今までのポイント ******

NZ中銀の利上げと今後の追加利上げ観測にNZドルは0.8560台へ続伸。さらに、2月の豪雇用統計は、失業率は6.0%と横ばいながら、新規雇用者数は47,300人(予想18,000人)と大幅に上昇、さらに1月分は18,000人(前回-3,700人)と大幅に上方修正されたことで、AUDUSDは0.9060台まで急伸。NZDとAUDの上昇が目立つ。

中国の鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資は共に弱かったが、中国株は堅調に推移し大きな変動は見られなかったが、日経平均株価はマイナス圏へ下落、円とスイスフランの買い戻しが強まった。

****** 今までの発言・その他 ******

◎NZ中銀=政策金利を0.25%引き上げ2.75%に決定、予想通り。声明では、現行の為替水準は長期持続は不可能→ 直後一時下落。2014年インフレ見通しを1.5%→1.9%に上方修正。NZドル高は輸出に逆風。物価抑制を目的とした利上げが必要。
◎ウィーラーNZ中銀総裁=今後数カ月以内に追加利上げの可能性。2014年度に利上げ幅は最大で1.25%→ NZDは続伸へ。
◎豪2月の雇用統計は、失業率6.0%(予想6.0% 前回6.0%)、新規雇用者数=47,300人(予想18,000人 前回18,000人←-3,700人)、労働参加率64.8%→ 予想を大幅に上回る雇用者数の増加にAUD買いが強まる
◎李克強中国首相=シャドーバンキングの監督を強化へ。金融・財政改革を優先課題として推進。経済成長より雇用に重点を置く。


****** これからの注目点 ******

21:30 USD 2月 小売売上高=前月比予想0.2% 前回-0.4%、除く自動車前月比予想0.2% 前回0.0%
21:30 USD 週間新規失業保険申請件数=予想 前回32.3万件
21:30 USD 2月 輸入物価指数=前月比予想0.6% 前回0.1%、前年比予想 前回-1.5%
21:30 CAD 1月 新築住宅価格指数=前月比予想0.3% 前回0.1%、前年比予想 前回1.3%
23:00 USD 1月 企業在庫=前月比予想0.4% 前回0.5%
23:00 米上院銀行委員会=FOMCメンバーの承認公聴会(パウエル現理事、フィッシャー 前イスラエル銀行総裁、ブレイナード元財務次官


****** 今までのイベントと経済指標の結果 ******

5:00 NZD NZ中銀 金融政策発表=政策金利2.5%を0.25%引き上げ2.75%を決定、予想通り。
9:00 AUD 2月 消費者インフレ期待=前月比2.1%(予想 前回2.3%)
9:01 GBP 2月 RICS住宅価格指数=45%(予想52% 前回53%)→ 予想を下回る
14:30 AUD 2月 雇用統計: 失業率6.0%(予想6.0% 前回6.0%)、新規雇用者数=47,300人(予想18,000人 前回18,000人←-3,700人)、労働参加率64.8%→ 新規予想を大幅に上回る雇用者数の増加にAUD買いが強まる
14:30 CNY 1月 鉱工業生産=前年比8.6%(予想9.5% 前回9.7%)→ 予想を下回る
14:30 CNY 1月 固定資産投資=前年比17.9%(予想19.4% 前回19.6%)→ 予想を下回る
14:30 CNY 1月 小売売上高=前年比11.8%(予想13.5% 前回13.1%)→ 予想を下回る

予想外に強い豪新規雇用者はサプライズ

予想外に強い豪新規雇用者はサプライズ

豪州の2月の新規雇用者数は予想外の増加で、1月分も大幅に上方修正されたことで、今までの強い住宅市場に加え、雇用者数の増加が示され、緩和期待は遠のき、AUD高をけん制する水準が切り上がっている可能性がある。

NZDとAUDは共に、どこまで上昇し、どの水準でけん制発言が発せられるのかを試す動きが予想される。

今後もNZDの変動が続く可能性に注目

今後もNZDの変動が続く可能性に注目

本日の早朝に発表されました、NZ中銀の金融政策では、予想通り政策金利0.25%の引き上げを決定しました。

直後の反応は、「現行の為替水準は長期持続は不可能」との声明に振らされ下落、逆に、「今後数カ月以内に追加利上げの可能性。2014年度に利上げ幅は最大で1.25%」とのウィーラーNZ中銀総裁発言に上昇しています。

この、継続的な大幅な利上げ期待のNZD買いと、為替水準を巡るNZ高けん制への警戒感と、相反する材料が示されました。

今後は、「どの水準で、NZドル高へのけん制発言」が示されるのか? それを試す動きが強まる可能性が高いと予想しています。

もちろん、「いつ、どの水準」というキーワードが重要になりますが、暫くは押し目買いと、猫に鈴をつけるNZD買いの流れが続くことが予想されます。

3月13日(木曜)昨日、海外市場の動き、EURは高値水準近くまで上昇、NZDは利上げと継続期待に上昇へ。

3月13日(木曜)昨日、海外市場の動きは、EURは高値水準近くまで上昇、NZDは利上げと継続期待に上昇へ。


***** 昨日のポイント *****

ウクライナ情勢の緊張が続き、G7はロシアにクリミア併合の自制を求め、欧米とロシアの緊張が高まり、安全資産の買いに円とスイスフランは堅調に推移し、金価格も大幅上昇へ。しかし、アジア・欧州と続いた株価の下落も米国では下げは一服し前日とほぼ変わらず、円とスイスフランの買いも弱まるが、新興国市場の株価の下落は止まらず、引き続きリスクとして残る。

GBPUSDは、ビーンBOE副総裁は「利上げは急ぐ必要はない」との発言に一時ポンド売りが加速し伸び悩む。EURUSDは、早期緩和を示唆する発言も見られず、ユーロクロスの買いが続き、欧米市場から上昇を続け1.39台へ上昇し、3月7日の高値1.3915を目指す動きへ。13日早朝に利上げを実施したNZDUSDは0.8520まで上昇し、AUDUSDも0.90直前まで続伸へ。USDJPYは、欧米市場で下値トライが続くも102.60割れは続かず、結局は下げ止まり狭いレンジで推移。


***** 発言・その他 *****

CNY 米国銅スクラップ商者は中国の取引相手のデフォルトで多大な損失を被る(3月11日)。
EUR プラートECB専務理事=必要と判断すれば行動するが、まだその時期ではない。政策手段には非伝統的な措置が含まれ、活用する準備がある。理事会で経済の緩みについて言及することで、ECBはフォワードガイダンスを強化した。
EUR クーレECB専務理事=ECBはユーロ圏にはディスインフレ懸念はないが、兆候があれば行動する。流動性の供給は可能だが、現時点では必要ない。ユーロ圏の金融不安は後退。
EUR ショイブレ独財務相=金利は中期的に低すぎる。
EUR リンデ・スペイン中央銀行総裁=金融政策の維持を表明しているが、状況によるが、新たな措置を導入する可能性がり、EURUSDが上昇を続ければ、追加措置の導入につながる可能性がある。長期流動性供給オペ(LTRO)の期限が2015年に迎え、ECBは数カ月以内に新たな措置が必要になる可能性。
GBP ビーンBOE副総裁=利上げは今後の経済動向次第だが、利上げは急ぐ必要はない。利上げの時期が来れば段階的に実施。
JPY シラー・エール大学教授=アベノミクスには感銘を受けているが、成功がいつまでも続く保証はない。映画が大ヒットするか100%の確信を持てないのと同じ。中銀の力には限界がある。バブルを日銀が崩壊させたのではなく、自滅しただけ。
OTH メルケル独首相=ウクライナ問題で数日中に外交的な解決姿勢を示さなければ、ロシアにより厳しい制裁を発動する。
OTH ジョージ・ソロス氏=欧州は改革がなければ不景気の25年に直面する。
OTH G7声明=ロシアにクリミア併合の自制を求め、ロシア軍が撤退し対話がなければ制裁を強化と警告。ロシアにクリミア共和国の住民投票の支持を止めるように求める。
USD ルー米財務長官=ウクライナ支援の用意があり、ロシアに危機解決で行動を求める。ウクライナへの国際支援パッケージは150億ドル以上必要でIMFの対応が必要。
USD フィッシャー次期FRB副議長候補(議会指名公聴会の証言原稿)=米失業率は高水準で大規模な緩和策の継続が必要。FRBは物価安定と雇用拡大に加え、金融安定が必要。
USD パウエルFRB理事=金融緩和の解除には慎重で均衡のとれた対応が必要。金融政策に求められることは、必要な限り継続的に下支えすることであり、将来的にインフレや金融の不安定を招くことなく正常な状態に戻すこと。
USD PIMCOは今年の米成長率を引き上げへ=2014年米成長率は2.25~2.75%→2.5~3.0%へ引き上げた。
USD オバマ米大統領=ロシアがクリミアを編入することの住民投票を承認せず。ロシアのウクライナ侵略は国際法に違反。
USD ブレイナード次期FRB理事=FRBは貯蓄者や退職者の保護が必要。
NZD NZ中銀=政策金利を0.25%引き上げ2.75%に決定、予想通り。声明では、現行の為替水準は長期持続は不可能→ 直後一時下落。2014年インフレ見通しを1.5%→1.9%に上方修正。NZドル高は輸出に逆風。物価抑制を目的とした利上げが必要。
NZD ウィーラーNZ中銀総裁=今後数カ月以内に追加利上げの可能性。2014年度に利上げ幅は最大で1.25%→ NZDは続伸へ。


***** 主な経済指標・その他の結果 *****

8:30 AUD 3月 ウエストパック消費者信頼感指数=99.5(予想 前回100.2)→ 予想外に弱くAUDUSDは前日の安値を割り込む
9:30 AUD 1月住宅ローン=前月比予0.0%(予想想-0.5% 前回-3.3%)

2014年3月12日水曜日

3月12日(水曜) 欧州市場の動きは、リスクオフを継続


3月12日(水曜) 欧州市場の動き


****** 欧州市場のポイント ******

欧州市場に入っても株価の下落は止まらず、ウクライナ情勢の緊迫化は止まず。豪ドルとカナダドルは、商品価格の下落と、リスクオフの流れに続落傾向が続き、ユーロは、EURGBP、EURAUD、EURCADなどのユーロクロスの買いが続く。

ビーンBOE副総裁は「利上げは急ぐ必要はない」との発言にGBP売りが強まり、プラートECB専務理事の「必要と判断すれば行動するが、まだその時期ではない」、ショイブレ独財務相の「金利は相当低いとの認識」との発言に、ECBによる早期の追加金融緩和の思惑が弱まり、EUR買いが強まる。


****** 欧州市場の発言・その他 ******

◎プラートECB専務理事=必要と判断すれば行動するが、まだその時期ではない。政策手段には非伝統的な措置が含まれ、活用する準備がある。理事会で経済の緩みについて言及することで、ECBはフォワードガイダンスを強化した。
◎クーレECB専務理事=ECBはユーロ圏にはディスインフレ懸念はないが、兆候があれば行動する。流動性の供給は可能だが、現時点では必要ない。ユーロ圏の金融不安は後退。
◎ショイブレ独財務相=金利は相当低いとの認識。
◎ビーンBOE副総裁=利上げは今後の経済動向次第だが、利上げは急ぐ必要はない。利上げの時期が来れば段階的に実施。
O◎ジョージ・ソロス氏=欧州は改革がなければ不景気の25年に直面する。
◎G7声明=ロシアにウクライナ関与の自制を求める。ロシアにクリミア共和国の住民投票の支持を止めるように求める。


****** 欧州市場のイベントと経済指標の結果 *****

特になし。


****** 今後のイベントと経済指標の注目点 *****

3:00 USD ルー米財務長官の議会証言
5:00(13日未明)NZD NZ中銀 金融政策発表=政策金利2.5%を0.25%引き上げ2.75%を予想

3月12日(火曜) アジア市場の動き

3月12日(火曜) アジア市場の動き


****** 今までのポイント ******

アジア市場は、日経平均株価は2.59%近く下落、中国株を含め新興国株の下落が続き、円とスイスフランの買いが続いている。明日利上げが予想されるNZDの買いの影響を受けている可能性もあるが、豪ドルの売りは予想外に弱く、リスクオフの輪の中に入りながらも、全体的には緩慢な値動きとなっている。

欧州市場も既に参戦しており、引き続きどこまで円買いを試せるかを注目したいが、ウクライナ情勢に予想外の動きがなければ、現状では極端な動きも期待できにくいと思われる。


****** 今までの発言・その他 ******

◎シラー・エール大学教授=アベノミクスには感銘を受けているが、成功がいつまでも続く保証はない。映画が大ヒットするか100%の確信を持てないのと同じ。中銀の力には限界がある。バブルを日銀が崩壊させたのではなく、自滅しただけ。
◎米国銅スクラップ商者は中国の取引相手のデフォルトで多大な損失を被る(3月11日)。


****** これからの注目点 ******

17:00 プラートECB専務理事講演
19:00  クーレECB専務理事講演
3:00 ルー米財務長官の議会証言


****** 今までのイベントと経済指標の結果 ******
8:30 AUD 3月 ウエストパック消費者信頼感指数=99.5(予想 前回100.2)→ 予想外に弱くAUDUSDは前日の安値を割り込む
9:30 AUD 1月住宅ローン=前月比予0.0%(予想想-0.5% 前回-3.3%)

毎度ならが、動かないアジア市場で、ふと考えること!

毎度ならが、動かないアジア市場で、ふと考えること!


昨日の、日銀金融政策決定会合と黒田日銀総裁の記者会見では、円売りを示す材料は提供されず、為替相場は、ウクライナの政情不安や中国経済の減退、不安定な商品相場(銅)に移り、結果として、投機筋は円とスイスフランの買いに結び付けている。


















今、日本国内の要因はそれほど重要視されておらず、遅かれ早かれ経常赤字化を材料とした円売りへと移る可能性は高いと思うが、今はその時期になっていない。

代わって、市場が目を付けた、または、復活させてのは、ウクライナ問題と、中国の景気の減速懸念と、中国初の社債デフォルトと、銅の下落である。

周知の通り、ウクライナ情勢は、16日のクリミア自治共和国での住民投票で、ロシアへの編入の可能性を問うことになるが、連日これを支持する動きが報道されている。

ウクライナという国が二分されることになる可能性に、欧米とロシアの裏工作が新たな相場変動要因を生み、中国ネタと銅価格の下落ネタと複合させた、いわゆる「リスクオフ」相場である。

原油価格の下落という事実もあり、豪ドルは主要国で最もいじめられ役になっており、NZドルは13日未明のNZ中銀の利上げ(最近ではフレッシュな本当に久々の利上げ)に、積極的にNZDを売ろうとする向きは少ない。

ただ、早朝、期待に反して「利上げなし」にでもなれば、それこそ、「サプライズ」でNZドルは激しく売られる可能性が高まる。が しかし、今回ダメでも、次回利上げの可能性は残り、NZドル売りは長期間継続的に続くことも考えにくい。

結局のところ、「みんながNZ売り」に傾斜したら、逆に「NZドル買い」の好機で、問題はそのタイミングのみ。

3月12日(水曜)昨日、海外市場の動きは、ウクライナ情勢の緊張に、円・スイスフラン買い、豪ドル・NZドル売りのリスクオフへ

3月12日(水曜)昨日、海外市場の動きは、ウクライナ情勢の緊張に、円・スイスフラン買い、豪ドル・NZドル売りのリスクオフへ

***** 昨日のポイント *****

米国市場を含め終わって見れば、材料も少なく一日を通じて為替の変動率は低下へ。16日のウクライナのロシア編入の有無を問う住民投票を控えて、ウクライナ情勢の緊張が続く中、リスクを避ける動きが続きが緩やかに続き、スイスフランと円は上昇し、豪ドルとNZドルは弱く、欧米株は小幅下落となった。

欧州市場では、コンスタンシオECB副総裁が「ECBは利下げや量的緩和策も選択肢」との発言にEUR売りに傾き、カーニーBOE総裁発言の「当面利上げを見送ることが妥当」との発言に、最近の持論と変わらないがGBP売りも強まるが、値動きは緩慢。

アジア市場では、日銀の金融政策決定会合は政策方針を現状一致で据え置き、黒田日銀総裁の記者会見、「現時点で何かの調整の必要あるとは思わない」と発言したが、動意で動けず。


***** 発言・その他 *****

CNY 中国商務省=2月の輸出鈍化は季節的な要因。
EUR コンスタンシオECB副総裁=ECBは利下げや量的緩和策も選択肢。3月の理事会で経済の緩みの存在と関連で、フォワードガイダンスが明確化されたが、市場には伝わらず→ 3月6日のECB理事会後のドラギECB総裁発言の意図を、市場は理解していないとの意味。
GBP カーニーBOE総裁(下院財政委員会)=昨年からの強い景気回復にも、景気の過熱を懸念していない。GDP比の余剰生産能力は1.5%強で、当面利上げを見送ることが妥当→ いつもと変わらぬ発言ながら、この発言を契機にしてGBP売りが強まる 。 フォワードガイダンス(金融政策の先行き指針)を修正し、余剰生産能力に関する幅広い指標を注視する。最近のデータからは失業率低下の鈍化を示す。量的緩和の解消は数回の利上げ実施後。
JPY 黒田日銀総裁の記者会見は、2%の物価目標の実現に向けた道筋を順調に進んでいる。現時点で何かの調整の必要あるとは思わない。輸出が弱いのは事実で今後は注目。本質は基本は2%物価安定目標実現が困難と判断すれば、政策をちゅうちょなく調整する。
OTH UBS銀行のウェーバー会長=日銀、ECB、FRBは新しい局面に入った。FRBは債券購入を縮小し金利の上昇を容認。ECBは唯一市場から流動性を引き上げつつあり、現在のEURUSDは高水準を維持している。米国は来年のある時期に利上げの見通しで、ユーロはドルに対して長期的に弱含み、円は対ドルで大きく値を下げると予想→ この内容は1月22日のダボス会議時の発言と全く同じ。
OTH OECD短期経済見通し=先進国が景気回復の軌道にあるが、主要新興国の成長鈍化で、世界景気の成長率は穏やかな伸び率にとどまる。FRBの量的緩和の縮小は2年かけ段階的に進めるべき。日本とユーロ圏は追加の刺激策が必要になる可能性。
OTH OECD短期経済見通し=G7の2014年第1四半期成長率は2.2%、第2四半期2.0%、日本第1四半期4.8%、第2四半期-2.9%、米国第1四半期1.7%、第2四半期3.1%。ドイツ第1四半期3.7%、第2四半期2.5%、
OTH ウクライナ情勢の緊張感は続く=ヤヌコビッチ氏が「私が大統領」と主張を続ける中、 16日のロシアへの編入是非を問うウクライナ住民投票を前に、クリミアにロシア兵1.9万人が駐留。ウクライナ軍2万人が国境防衛で動員の可能性。


***** 主な経済指標・その他の結果 *****

9:01 GBP 2月 BRC小売売上高=前年比0.7%(1月5.4%)、既存店売上高=前年比-1.0%(予想1.6% 1月3.9%)→ 予想外に悪化へ
9:30 AUD 2月 NAB企業景況感指数=0(予想 前回4)、企業信頼感指数=7(予想 前回8)→ 前回を下回る
12:00 JPY 日銀金融政策決定会合=2%の物価安定の目標、量的・質的金融緩和の継続を決定、予想通り
16:00 GER 1月 国際収支: 経常収支=162億ユーロ(予想153億ユーロ 前回211←235億ユーロ)、貿易収支=150億ユーロ(予想150億ユーロ 前回139←142億ユーロ)、貿易収支(季調済)172億ユーロ(予想177億ユーロ 前回183億ユーロ)。

2014年3月11日火曜日

3月11日(火曜) アジア市場の動き

3月11日(火曜) アジア市場の動き


3年前の大震災を思い出す今日、3月11日。当日40kmの道のりを歩いて帰宅したことを思い出します。

決定的な材料が乏しいい展開の中で、明朝発表のNZ中銀の金融政策では、初の利上げ開始国となるのか? 世界中の注目が集まる中、市場の予想は0.25%の引き上げで、フライング気味のNZD買いが続いています。

****** 今までのポイント ******

朝方発表された、NAB企業景況感指数と企業信頼感指数は共に弱く、AUDUSDは買いから売りへと変化。

注目の日銀金融政策決定会合は政策方針を現状一致で据え置いた。日経平均株価は一時130円近く上昇したが、日銀の追加緩和はなく前日終値水準まで一時値を下げたが、引けにかけて再上昇。

黒田日銀総裁の記者会見は、「現時点で何かの調整の必要あるとは思わない」と発言、発表直後からやや円買い戻しが強まるが、下落幅は限定的。


****** 今までの発言・その他 ******

OTH UBS銀行のウェーバー会長=日銀、ECB、FRBは新しい局面に入った。FRBは債券購入を縮小し金利の上昇を容認。ECBは唯一市場から流動性を引き上げつつあり、現在のEURUSDは高水準を維持している。米国は来年のある時期に利上げの見通しで、ユーロはドルに対して長期的に弱含み、円は対ドルで大きく値を下げると予想→ この内容は1月22日のダボス会議時の発言と全く同じ。
JPY 黒田日銀総裁の記者会見は、2%の物価目標の実現に向けた道筋を順調に進んでいる。現時点で何かの調整の必要あるとは思わない。輸出が弱いのは事実で今後は注目。本質は基本は2%物価安定目標実現が困難と判断すれば、政策をちゅうちょなく調整する。


****** これからの注目点 ******

18:30 GBP カーニーBOE総裁、マイルズ政策委員、ウィール政策委員、フィッシャー市場担当ダイレクターの議会公聴会 ⇒ 特にGBPへの影響は大きくなる可能性が高いので要注意!


****** 今までのイベントと経済指標の結果 ******

JPY 日銀金融政策決定会合=2%の物価安定の目標、量的・質的金融緩和の継続を決定、予想通り
9:01 GBP 2月 BRC小売売上高=前年比0.7%(1月5.4%)、既存店売上高=前年比-1.0%(予想1.6% 1月3.9%)→ 予想外に悪化へ
9:30 AUD 2月 NAB企業景況感指数=0(予想 前回4)、企業信頼感指数=7(予想 前回8)→ 前回を下回る
16:00 GER 1月 国際収支: 経常収支=162億ユーロ(予想153億ユーロ 前回211←235億ユーロ)、貿易収支=150億ユーロ(予想150億ユーロ 前回139←142億ユーロ)、貿易収支(季調済)172億ユーロ(予想177億ユーロ 前回183億ユーロ)、

3月11日(火曜)昨日、海外市場の動き、AUDとGBPの下落が目立った

3月11日(火曜)昨日、海外市場の動き、AUDとGBPの下落が目立った


***** 昨日のポイント *****

週明けの為替市場は、先週土日に発表された弱い中国の貿易収支と消費者物価や、マレーシア航空機の行方不明でテロの可能性が残り、リスクオフの流れからスタートし安全資産買いとリスク資産売りからスタートした。日本の経常赤字は過去最高を記録し、GDPも速報値から下方修正へされ、円買いも限定的。

欧州市場に入り、ノワイエ仏中銀総裁はユーロ高に懸念を表明、ビーンBOE副総裁はポンド高をけん制し、EURとGBPは下落、AUDとNZDも弱く一時ドルは全面高へ。ただし、ユーロ圏の経済指標は強く欧州の債券市場も安定し、EUR売りは限定的でGBPの下落だけが目立った。

米国市場に入ると特に大きな変化は見らないが、ウクライナ問題でロシアと欧米で意見相違の溝は埋まらず、ラブロフ・ロシア外相はケリー米国務長官も開催できずにいたことが分かり、ウクライナ南部のクリミアに展開するロシア部隊は最大2万人規模と判明。相変わらず、IMFはECBに追加緩和へのプレッシャーをかけ、ラウテンシュレーガーECB専務理事はマイナス金利の可能性を示唆。結局はEURUSDは上値も押さえられ気味。


***** 発言・その他 *****

EUR ノワイエ仏中銀総裁はユーロ高に懸念を表明=ユーロ高は景気とインフレの下押し圧力で、現状に満足していない。証券市場プログラム(SMP)の不胎化停止は必要なら活用できる手段の一つで、バイトマン独連銀総裁と完全に意見は一致。ECBは行動する用意がある。
EUR IMF首席エコノミスト=特にユーロ圏ではデフレリスクが間違いなく存在する。各国中銀は金融市場のバブル問題に取り組むべき。
EUR ラウテンシュレーガーECB専務理事=ECBは行動する余地があり、中銀預金金利のマイナスも可能。
GBP ビーンBOE副総裁はポンド高をけん制=一段のポンド高は輸出を支援せず。ポンド相場の現水準は問題ないが、よりポンド高になれば利上げが遅れる可能性がある。ポンド高で輸入価格が下落にインフレ率が鈍化し、緩和的な政策金利をより長期間続けることが必要になる。
JPY 財務省・財氏制度等審議会=実質2%・名目3%の経済再生ペースの成長で、歳出を最大限抑制しても2020年度の国・地方の基礎的財政収支は6.1%円の赤字となり、黒字化達成は困難で、財務省の報告でも経常赤字と財政赤字という「双子の赤字化」を懸念。
NZD キーNZ首相=総選挙を9月20日に実施。対反のエコノミストは3月13日に利上げを予想している。
USD プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=現在のペースにしっかりコミットしているとのシグナルを送ることが重要。FOMCが方針の変更をするにはハードルは極めて高い。失業率は年末までに6.2%へ低下の可能性。
USD マクドナルドの売上高は悪天候の影響に4カ月連続落ち込む。
USD エバンズ・シカゴ連銀総裁=FOMCごとに100億ドル縮小するペースは継続され、変更するハードルは非常に高い。米国のインフレが目標の2%に到達するにはしばらくかかる。米悪天候で経済指標の評価は困難。FRBのガイダンスは量的ではなく質的になる可能性。
USD エバンズ・シカゴ連銀総裁=最大雇用下の失業率は5.25~75%。2014年見通し:成長率は2.5~3.0%、失業率6.0%、インフレは1.5%。
OTH ウクライナ問題でロシアと欧米で意見相違の溝は埋まらず=ラブロフ・ロシア外相はケリー米国務長官にウクライナ問題で協議を提案したが、ロシア訪問を拒否していた。
OTH 米国防総省=ウクライナ南部のクリミアに展開するロシア部隊は最大2万人規模に及ぶ。


***** 主な経済指標・その他の結果 *****

8:50 JPY 1月 国際収支: 経常収支=-1兆5890億円(予想-1兆4,118億円、前回-6,386億円)→ 予想を上回る赤字額で、過去最大、貿易収支=-2兆3454億円(予想-2兆5,896億円 前回-1兆474億円-1兆2,126億円)
8:50 JPY 第4四半期 GDP・2次速報値=前期比0.2%(予想0.3% 速報値0.3%)、前期比年率0.7%(予想1.0% 速報値1.0%)→ 設備投資が弱く、速報値から下方修正へ
17:15 CHF 1月 小売売上高=前年比0.3%(予想3.3%  前回2.5←2.3%)
18:30 EUR 3月 センティックス投資家信頼感指数=13.9(予想14.0 前回13.3)
21:15 CAD 2月 住宅着工件数=19.21万件(予想19万件 前回18.01←18.02万件)

2014年3月10日月曜日

3月10日(月曜) 欧州市場の動き

3月10日(月曜) 欧州市場の動き


****** 欧州市場のポイント ******

欧州市場は、自国通貨高をけん制する発言にも、ユーロとポンドの動きに相違が見られた。強いユーロ圏の経済指標にユーロ買いからスタートしたが、ノワイエ仏中銀総裁がユーロ高に懸念を表明、EURUSD値を下げるも売りは限定的。ポンドはビーンBOE副総裁はポンド高をけん制、GBPUSDの売りは止まらず1.6730台→1.6620台へ大幅下落。

円相場は特に材料は見られず。一時103円割れのストップの売りを試しながらも、継続的な主要通貨でのドル買いに、USDJPYも金月のギャップを受け103.30台を維持。欧州株は予想外に動かず。


****** 欧州市場の発言・その他 ******

USD プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=現在のペースにしっかりコミットしているとのシグナルを送ることが重要。FOMCが方針の変更をするにはハードルは極めて高い。失業率は年末までに6.2%へ低下の可能性。
EUR ノワイエ仏中銀総裁はユーロ高に懸念を表明=ユーロ高は景気とインフレの下押し圧力で、現状に満足していない。証券市場プログラム(SMP)の不胎化停止は必要なら活用できる手段の一つで、バイトマン独連銀総裁と完全に意見は一致。ECBは行動する用意がある。
GBP ビーンBOE副総裁はポンド高をけん制=一段のポンド高は輸出を支援せず。利上げは段階的に。
USD マクドナルドの売上高は悪天候の影響に4カ月連続落ち込む。


****** 欧州市場のイベントと経済指標の結果 *****

17:15 CHF 1月 小売売上高=前年比0.3%(予想3.3%  前回2.5←2.3%)
18:30 EUR 3月 センティックス投資家信頼感指数=13.9(予想14.0 前回13.3)
21:15 CAD 2月 住宅着工件数=19.21万件(予想19万件 前回18.01←18.02万件)

3月10日(月曜) アジア市場の動き

3月10日(月曜) アジア市場の動き


先週末から北米市場はサマータイムに突入していますが、英国のサマータイムの起源は「第一次世界大戦中の燃料不足対策」と言われています。

日本の経常収支は大幅な赤字となり、「双子の赤字化」の懸念も指摘される中、膨大な貿易赤字の主因はエネルギー輸入の増加で、潜在的な円売り材料は変わらず。


****** 今までのポイント ******

週明けのアジア市場は、週末発表された弱い中国の貿易収支と消費者物価、マレーシア航空機の行方不明でテロの可能性が捨てきれず、リスク資産売り・安全資産買のセオリー通り、円買いの流れからスタートした。

予想通りというのか、早朝発表された日本の経常赤字は-1兆5890億円(予想-1兆4,118億円、前回-6,386億円)と過去最高を記録し、GDPも前期比年率0.7%(予想1.0% 速報値1.0%)と設備投資が弱く、速報値から下方修正へされ、一時円買いの流れが強まった。

しかし、悪い筋書きはある程度織り込み済みなのか、先週末終値103.25円超えの水準の上値は重く、日経平均株価を含め、上海総合は-2.86%と大幅下落、新興国株は弱く、人民元売りも強まり、リスクオフの流れに豪ドルやNZドルは弱く円高傾向が続いているが、先週末の米雇用統計直後の水準となる102.90円台は確りと維持。

2013年度の日本の経常赤字化や高水準の貿易赤字の改善は見られず、双子の赤字化の懸念や、海外投資家の日本への期待感が冷え込む可能性も高まっている。結果、円ショートの巻き戻しが終われば、円買いの材料も見当たらず。

****** 今までの発言・その他 ******

JPY 財務省・財氏制度等審議会=実質2%・名目3%の経済再生ペースの成長で、歳出を最大限抑制しても2020年度の国・地方の基礎的財政収支は6.1%円の赤字となり、黒字化達成は困難で、財務省の報告でも経常赤字と財政赤字という「双子の赤字化」を懸念。
NZD キーNZ首相=総選挙を9月20日に実施。対反のエコノミストは3月13日に利上げを予想している。


****** これからの注目点 ******

19:15 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁、ノワイエ仏中銀総裁討論会
21:15 CAD 2月 住宅着工件数=予想19万件 前回18.01万件


****** 今までのイベントと経済指標の結果 ******

8:50 JPY 1月 国際収支: 経常収支=-1兆5890億円(予想-1兆4,118億円、前回-6,386億円)→ 予想を上回る赤字額で、過去最大、貿易収支=-2兆3454億円(予想-2兆5,896億円 前回-1兆474億円-1兆2,126億円)
8:50 JPY 第4四半期 GDP・2次速報値=前期比0.2%(予想0.3% 速報値0.3%)、前期比年率0.7%(予想1.0% 速報値1.0%)→ 設備投資が弱く、速報値から下方修正へ。

3月10日(月曜) 注目された早朝の動き

3月10日(月曜) 注目された早朝の動き

米国がサマータイムに突入した、週明けのアジア市場は、週末発表された弱い中国の経済指標と、マレーシア航空機の行方不明でテロの可能性が捨てきれず、リスク資産売り・安全資産買のセオリー通り、円買いの流れからスタートした。

予想通りというのか、早朝発表された日本の経常赤字は-1兆5890億円(予想-1兆4,118億円、前回-6,386億円)と過去最高を記録し、GDPも前期比年率0.7%(予想1.0% 速報値1.0%)と設備投資が弱く、速報値から下方修正へされ、円売りの流れへと変化し、USDJPYは一時103円を試す水準まで下落。

しかし、悪い筋書きはある程度織り込み済みなのか、先週末終値103.25円超えの水準の上値は重く、小康状態を保っている。

これで、予想される範囲のイベントと経済指標は出尽くしとなり、日本株を含め中国や新興国株や、新たな材料と欧米市場の動き待ち。

現状では上値は重く、マレーシア航空機ネタに先週末に積み上がった円ショートポジションを吐き出させる動きも考えなければいけないが、円安から方向転換するには材料不足で、円売りの流れは変わらず。



2014年3月9日日曜日

USDJPYの相場展開を考える

USDJPYの相場展開を考える

土曜日発表されたの弱い中国の2月貿易収支(収支-229.8億ドル)と、日曜日に発表されたの弱い中国の2月消費者物価指数(前月比0.5%、前年比2.0%)の影響に、月曜日の早朝からリスク資産売り、AUD売りの流れから入りやすく、逆に安全資産の部類に属する円は買いの流れになりやすい。

しかし、3月10日(月曜)08:50に発表される、日本の経常収支の赤字額の予想-1兆4,118億円、前回-6,386億円と急拡大。また、貿易収支の赤字額も予想は-2兆5,896億円 前回-1兆2,126億円と、共に前回12月の倍近くに膨らんでいる。

また、3月11日(火曜)昼頃発表の日銀金融政策決定会合では、2%の物価安定の目標、量的・質的金融緩和の継続を予想しているが、先週のWSJ紙で、「日銀金融政策決定会合では、輸出の伸び悩みが中心議題になる可能性があり、輸出見通しを下方修正する可能性もある」と報じられており、いずれにしても円売りの材料に使われやすい。

このことから、円買いも限定的で円安方向の流れが続くと考えたい。

USDJPY
Dailyチャートでは、4日連続で陽線引けで、三角持ち合いを上抜けし円安方向に流れが傾斜している。先週金曜日には高値103.76円を付けた後に値を下げ、上髭が長くして終了したことで、この103.76円を上抜けすることが円安方向への必要不可欠な条件となる。それを上抜けすると、104.20~30円を円安のターゲットで、加速した場合には104.75円、105.20円と続くが、その確率は低い。逆に円高に振れた場合には、102.40~45円がターゲットななり、この水準を割り込むと、意外感は強まる。ストキャスティクスは買いを示唆、トレンドモメンタムも買いを示唆している。