2014年3月8日土曜日

来週の経済指標と発言から(3月10日~14日)

来週の経済指標と発言から(3月10日~14日)


3月9日から北米市場は夏時間へ移行、NY市場の終了時間は日本時間の午前6時(冬時間は午前7時)と一時間早まる。

今週は重要な経済指標と発言は極端に少なく、ウクライナ情勢の行方が相場の変動要因の重要な地位を占めているが、ロシアのソチでパラリンピックが開催されている期間中に、武力行使などロシア・米国共に強硬手段に出るとは思えないが?


円相場に注目!

週明け10日(月曜)と11日(火曜)には、ようやく上抜けしたUSDJPYを含めクロスでの円相場にとって、重要な発表が多く、その結果によってではあるが、さらなる円売り圧力が強まる可能性を秘めている。
3月10日(月曜)08:50 日本の経常収支の赤字額の予想-1兆4,118億円、前回-6,386億円と急拡大。また、貿易収支の赤字額も予想-2兆5,896億円 前回-1兆2,126億円と、共に前回12月の倍近くに膨らんでいる。

3月11日(火曜)昼頃発表の日銀金融政策決定会合では、2%の物価安定の目標、量的・質的金融緩和の継続を予想しているが、先週のWSJ紙で、「日銀金融政策決定会合では、輸出の伸び悩みが中心議題になる可能性があり、輸出見通しを下方修正する可能性もある」と報じられており、いずれにしても円売りの材料に使われやすい。





















NZ中銀は利上げを決定するのか?

それ以外では、3月13日(木曜)午前5時のNZ中銀の金融政策で、今回の世界的に長い金融緩和の時代の中で、主要国で初めて利上げを実施するのか? 非常に注目される。市場予想では政策金利0.25%引き上げ2.75%の予想が多い。

ポジションは当然NZDロングが多いと予想されるが、予想外の結果や、声明内容によってはNZDは上下に変動する可能性が非常に高くなっている。


新たなFOMCメンバーに注目!

また、特に注意する必要はないと思われるが、3月13日(木曜)には、米上院銀行委員会で、FOMCメンバーの承認公聴会(パウエル現理事、フィッシャー 前イスラエル銀行総裁、ブレイナード元財務次官)が開催される。どのような発言をするのであろうか?




米CFTC発表の通貨先物取引(IMMポジション) 3月4日分

米CFTC発表の通貨先物取引(IMMポジション) 3月4日分

ポジションから予想する市場参加者のセンチメントは、円安、カナダドル安、豪ドル安。それと、ポンド高、NZドル高。そして、現状はユーロ高。

最新のIMMポジションでは、円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドルの主要7カ国の通貨はネットショート113,256(コントラク)で、1月21日週以来ショートポジションは減少傾向を続け、米ドル安志向が増加している。

通貨別にみると、「円」は、ネットショート79,709(コントラク)で、今年の1月28日週からは大枠70,000~80,000で安定している。2012年10月23日週以来、長期に渡りショートポジションが続いているが、、2012年11月20日週以降は、ショート60,000を割り込んだことはなく、4日時点の円ショートポジションが積み上がっていることはない。逆に考えれば、潜在的な円売りの余力は十分残っているともいえる。

「ユーロ」は、ネットロング23,452(コントラクト)で、2月11日のショートからロングへ転換し増加が続き、ポジションは昨年末以来の水準で、ユーロ高志向が続いている。

相変わらず「ポンド」と「NZドル」は買い志向が強く長期にわたっている。ポンドのロングは29,605で3周連続で増加し、昨年初めに匹敵する高水準を維持し、NZドルはロング13,432で、3週連続の増加となっている。

こちらも相変わらずとでもいうのか、「カナダドル」と「豪ドル」はネットショートの常連で、カナダドルはショート61,096で、昨年12月10日週からネットショートは50,000~70,000の水準が続き、「豪ドル」は4週連続でネットショート40,000台を維持している。


















3月8日(土曜)昨日、海外市場の動きと、円相場

3月8日(土曜)昨日、海外市場の動き


弱い米雇用統計を期待し、テクニカルにドル売りの流れへ変化した動きは、週末の強い米雇用統計を受けたドル買い戻しに変化して週が終わった。

前日3月6日と7日のクローズを比較すると、データーではドル売りの継続を示唆しているが、EURUSDは1.39台が髭で1.38台で終了し、GBPUSDは1.68台を超えられず、どうも力強さに欠けており、ドル売り再開の有無を確認するのは来週に持ち越しとなった。

逆に、円クロスでは上昇傾向が続き、新たな円安ゾーンに入る可能性を示唆している。もちろん、ウクライナ情勢の悪化と新興国市場の悪化は、円買い材料でこれらの動きに目は離せない。一方、来週月曜日の日本の経常収支とGDPは、数字の結果次第ではあるが、弱ければ絶好の円売りに利用され、データー発表には特に注意が必要。

いずれにしても、ウクライナ情勢という週末リスクを気にしながらも、なにもでなければ来週月曜日の円相場は興味深い。

前日との比較





前週との比較




***** 昨日のポイント *****

週末金曜日の海外市場は、非農業部門雇用者数は予想外に増加し過去2カ月分も上方修正され、FRBが緩和策の解除を継続との思惑に、弱い数字を予測しドル売りを強めていた相場の流れは急変し、ドル全面高へ。新興国株と欧州株は弱く米国は小幅上昇。

ウクライナ情勢はロシア・米国の首脳会談でもすれ違いが続き、米国は黒海に訓練目的として米海軍ミサイル駆逐艦を派遣し、緊張が弱まらず。

カナダの雇用統計は雇用者数が予想外のマイナスとなり、拡大した米国と対象的な結果にカナダドル売りは特に加速、USDCADは1.0980→一時1.1100直前まで上昇。

BOEのインフレと利上げ期待に関する四半期調査結果は、2015年の利上げ期待が昨年11月の34%から40%へ上昇。ポンド買いの材料で堅調に推移したが、強い米雇用統計に失速するも、ポンドはクロスでは一時健闘。

豪ドルは、アジア市場のスティーブンス豪中銀総裁の議会証言で、当面利下げなどは考えていないことを示す一方、豪ドル高を憂慮しているものの、直接けん制する発言とは繋がらず、直後のAUD売りの限定的で、米雇用統計はでAUD買いの流れが続いたが、米雇用統計の結果を受けて急落。


***** 発言・その他 *****

AUD スティーブンス豪中銀総裁=AUDUSD0.9000は歴史的にみて高水準。予想通りの景気となれば、金利安定期が続くとの可能性を示唆してき。低水準の金利で安定感が生まれ、企業や家計をある程度下支えできるはず→ 当面利下げなどは考えていないことを示す一方、豪ドル高を憂慮しているものの、直接けん制する発言とは繋がらず、直後のAUD売りの限定的。
CHN 人民元買い強まる=USDCHNは6.10を割り込み2月25日の水準へ人民元高。
CNY 中国の太陽光発電関連メーカーの上海超日太陽能科技=7日に予定していた社債の利払いを全額は履行できず。中国本土の債券市場で初のデフォル状態が発生した。
EUR メルシュECB専務理事=経済成長が再加速する局面では、供給面で十分な準備が必要。欧州銀行セクターの不良債権処理を遂行するとともに、企業の資金調達環境を改善し、中小企業への貸し出しを支える必要。
GBP BOEインフレと利上げ期待に関する四半期調査結果=来年の利上げを予想は34%(昨年11月)→40%へ上昇。現在のインフレ率を3.5%と感じており、水準は1月の実際のインフレ率1.9%をかなり上回る。向こう1年のインフレ率予想3.5%→2.8%に低下。
USD ダドリーNY連銀総裁=米経済の見通しは適度に明るいが、失業者が多くインフレ率が低く、大規模な緩和策はかなりの時間続ける必要がある。2015年半ばごろ、失業率が6.0%に近ければ利上げと、予想している市場の思惑は妥当。
USD ロックハート・アトランタ連銀総裁=非農業部門雇用者数が10万人を下回ると、3カ月連続の弱い数字となり懸念要因。悪天候が経済指標に悪影響を与え、第1四半期の景気は弱含み、第2四半期に成長が加速する見通し。雇用統計が軟調でも緩和の縮小は継続すべき。


***** ウクライナ情勢*****

1 ロシア大統領府=米ロ首脳会談でウクライナ危機の評価や対応で意見相違が判明。
2 プーチン・ロシア大統領とオバマ米大統領とウクライナ情勢で電話会談=意見相違の溝は埋まらず。オバマ大統領は外交的解決に向けた条件を受け入れるようプーチン大統領に迫ったが、プーチン大統領はウクライナでのロシアの動きに全く問題はないと主張、ロシアはクリミア半島の支配に関与していないと反論。
3 安倍首相とオバマ米大統領と電話協議=ロシアの行動は国際平和と安全保障への脅威との認識で一致。
4 欧州連銀(6日)=ロシアとのビザ発給と貿易自由化に関する協議を停止。
5 オバマ米大統領(6日)=ロシアとウクライナの一部当局者を対象に、渡航禁止や資産凍結の大統領令に署名。
6 米海軍ミサイル駆逐艦=黒海での合同演習に参加のため、ボスポラス海峡を通過。
7 ロシア外務省声明=欧州連合の対ロシア制裁措置の決定は、極めて非建設的で実施すれば報復する。
8 ウクライナ国境警備隊=南部クリミアでのロシア軍の規模が3万人と通常から倍増。
9 ロシア・ガスプロム=不払いならウクライナ向けガス供給停止。


***** 主な経済指標・その他の結果 *****

15:45 CHF 2月 失業率=3.5%(予想3.5% 前回3.5%)
15:30 CHF スイス中銀2013年 年次報告書
17:15 CHF 2月 消費者物価指数=前月比0.1%(予想0.2% 前回-0.3%)、前年比-0.1%(予想0.0% 前回0.1%)
22:30 CAD 1月 貿易収支=-1.8億カナダドル(予想-12億カナダドル 前回-9.2←-16.6億カナダドル)→ マイナス幅は予想外に縮小
22:30 CAD 2月 失業率=7.0%(予想7.0% 前回7.0%)、雇用変化-0.7万人(予想1.5万人 前回2.94万人)→ 雇用者が予想外の減少にカナダドル売りが加速
22:30 USD 2月 雇用統計: 失業率=6.7%(予想6.6% 1月6.6%)、非農業部門雇用者数=17.5万人(予想15万人 1月12.9←11.3万人 12月8.4→7.5万人)→ 失業率は上昇したが、非農業部門雇用者数は予想外に増加し過去2カ月分も上方修正され、FRBが緩和策の解除を継続との思惑に、ドル全面高へ。
22:30 USD 1月 貿易収支=-391億ドル(予想-388億ドル 前回-389.8←-387億ドル)→ 対中赤字が拡大し前回を若干上回る

2014年3月7日金曜日

3月7日(金曜) アジア市場の動き

3月7日(金曜) アジア市場の動き


****** 今までのポイント ******

前日NY市場の株高の流れと、ドル円103円台の上値は重く、日経平均株価は上昇、人民元高の流れが続き、上海総合株も前日同水準で推移。週末の金曜日で、米国の雇用統計の発表を控えて積極的に動きにくいこともあるが、前日のECB理事会で金融政策が据え置かれ、ドラギECB総裁は新たな措置は必要はないとの発言の影響は拭えず、EURUSDの調整の売りも力が入らない。

豪ドルは、スティーブンス豪中銀総裁の議会証言で、当面利下げなどは考えていないことを示す一方、豪ドル高を憂慮しているものの、直接けん制する発言とは繋がらず、直後のAUD売りの限定的。

USDJPYは102.80円を超え、EURUSDは1.38台をクリアに上抜け1.38台でクローズし、AUDUSDは1月13日の高値0.9085を超え0.91台でクローズして力強さが感じられ、この動きが継続する可能性が高まる。

円クロスでは、143円台をクリアに超えられず、1月3日以来の高値水準が重しになっており、AUDJPYは昨年12月2日以来の抵抗線となる94.00円の大台を達成できずにいる。GBPJPYは1月2日の高値174.82円をピークに下落傾向が続いていたが、下降トレンドの上限を上抜け新たなポンド高の流れへと入っている。


****** 今までの発言・その他 ******

USD ロックハート・アトランタ連銀総裁=非農業部門雇用者数が10万人を下回ると、3カ月連続の弱い数字となり懸念要因。悪天候が経済指標に悪影響を与え、第1四半期の景気は弱含み、第2四半期に成長が加速する見通し。雇用統計が軟調でも緩和の縮小は継続すべき。
AUD スティーブンス豪中銀総裁=AUDUSD0.9000は歴史的にみて高水準。予想通りの景気となれば、金利安定期が続くとの可能性を示唆してき。低水準の金利で安定感が生まれ、企業や家計をある程度下支えできるはず→ 当面利下げなどは考えていないことを示す一方、豪ドル高を憂慮しているものの、直接けん制する発言とは繋がらず、直後のAUD売りの限定的。
CHN 人民元買い強まる=USDCHNは6.10を割り込み2月25日の水準へ人民元高。



****** これからの注目点 ******

22:30 CAD 1月 貿易収支=予想 前回-16.6億カナダドル
22:30 CAD 2月 失業率=予想7.0% 前回7.0%
22:30 USD 雇用統計: 失業率=予想6.6% 前回6.6%、非農業部門雇用者数=予想15万人 前回11.3万人
22:30 USD 1月 貿易収支=予想-388億ドル 前回-387億ドル


****** 今までのイベントと経済指標の結果 ******

15:45 CHF 2月 失業率=3.5%(予想3.5% 前回3.5%)


****** ウクライナ情勢 ******

1 ロシア大統領府=米ロ首脳会談でウクライナ危機の評価や対応で意見相違が判明。
2 プーチン・ロシア大統領とオバマ米大統領とウクライナ情勢で電話会談=意見相違の溝は埋まらず。オバマ大統領は外交的解決に向けた条件を受け入れるようプーチン大統領に迫ったが、プーチン大統領はウクライナでのロシアの動きに全く問題はないと主張、ロシアはクリミア半島の支配に関与していないと反論。
3 安倍首相とオバマ米大統領と電話協議=ロシアの行動は国際平和と安全保障への脅威との認識で一致。
4 欧州連銀(6日)=ロシアとのビザ発給と貿易自由化に関する協議を停止。
5 オバマ米大統領(6日)=ロシアとウクライナの一部当局者を対象に、渡航禁止や資産凍結の大統領令に署名。

3月7日(金曜)昨日、海外市場の動き

3月7日(金曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

BOEとECBは共に金融政策の据え置きを発表。米新規失業保険申請件数は予想外に改善しドル買いの流れへと一時動いたが短時間で終了。

ドラギECB総裁の記者会見で「景気回復が順調に推移し、新たな措置は必要はない」、「インフレ率は穏やかに加速し2.0%近い水準に上昇へ」と強気の発言、スタッフ予想では「2014年の成長率見通しを1.1%から1.2%に引き上げ」、「インフレ率予測2014年1.0%、2015年1.3%、2016年1.5%」と、緩やかな上昇を予測。 EURUSDが1.38台へ上昇、EURJPYも142円台へ上昇、円を除き主要通貨でドル売りの流れが強まる。

カナダのIvey購買部協会指数は57.2(予想56.7 前回56.8)と、予想を上回り、USDCADは急落しカナダドル買いが強まるが、マリー・カナダ中銀副総裁は、「カナダ経済は期待したような強い兆しは見られていない」との発言に下げ止まり値を戻す。

円相場は、GPIFの運用で国内債中心の運用を求めない方針が示され、外債購入など海外へ資金移動の思惑に円売りが強まり、ウクライナ情勢の極端な危惧感も薄れ、日本を含めアジアや新興国株高の流れに、円売りは止まず。アジア市場から続いた円売りの流れは、欧米市場でUSDJPY102.80円のポイントを超えてから加速し、103.10円台へ続伸。

豪ドルは、豪小売売上高は予想を上回り高水準が続き、豪貿易収支は想外に黒字額が拡大し2年半ぶりの高水準に、AUD買いが強まり、アジア市場から始まった豪ドル買いの流れは欧米でも続く。


***** 発言・その他 *****

CAD マリーカナダ中銀副総裁=カナダ経済は期待したような強い兆しは見られていない。低インフレは経済情勢を反映したもので、潜在インフレ率よりかなり低い水準にある。
EUR ECB理事会は、政策金利0.25%、上限金利0.75%、下限金利0.0%の据え置きを決定、一部には追加緩和策の期待も見られた。
EUR ドラギECB総裁記者会見=入手する経済情報は景気回復が順調に推移していることを示しており、新たな措置は必要はない。インフレ率は暫く元く水準にとどまるが、穏やかに加速し2.0%近い水準に上昇へ→ 緊急の流動性措置の必要性も後退したことを示唆。
EUR ドラギECB総裁記者会見=景気回復局面において中銀が何ら措置を講じなくても、実質金利が低下することで、金融政策は一段と緩和的になる。為替相場はわれわれの政策目標でないが、成長や物価安定に非常に重要。ウクライナ危機に影響は協議していない。フォワードガイダンスで、必要な限り緩和的な金融政策スタンスを維持との決定を完全に裏付けている。不胎化オペの停止は検選択肢の1つだが、選択するような金融市場のひっ迫を招く動向は見られず、不胎化オペ停止による利点は少ない。一段の追加緩和を求めるIMFとは見解が異なる。
EUR ECBスタッフ予想=インフレ率予測2014年1.0%、2015年1.3%、2016年1.5%で、数年間は目標値2.0%弱を下回る。成長率予測2014年1.2%(前回予測1.1%)に上方修正、2015年1.5%、2016年1.8%に加速。
GBP BOEの金融政策委員会は、政策金利0.5%と、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定、予想通りとなったが、資産買い入れ策を通じて取得した3月償還の英国債の償還金81億ポンドを再投資を表明。
JPY 岩田日銀副総裁=経済・物価見通しが変化すれば2.0%の物価安定目標に向け、適切に政策を調整する。
JPY 厚生労働省の公的年金の財政検証=年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用は賃金上昇率基準にし、国内債中心にした運用を求めず→ 円売りの材料にされる。
OTH IMF新興国の国債投資に関するレポート=海外投資家保有の新興国国債の約半分5000億ドルは2010年からの3年間で増加。金融危機前・危機時は、資金流入と流出に大別、危機後はほぼ全ての新興国に資金が流入。
OTH 金融サービス調査会社のグリニッジ・アソシエイツ=2013年の外国為替取引高は、欧州と日本の伸びに前年比14.0%上昇、金融機関同士の取引が18.0%増加した。ドイツ銀行12.4%、UBS12.1%、シティグループ11.7%、バークレイズ10.5%、JPモルガン・チェース6.2%。電子取引は77%(前年74%)
OTH カルアナBIS総支配人=中銀は政策の正常化を引き続き進めるべき。ディスインフレ圧力を、過度に懸念すべきではない。
USD ウィリアムズ・SF連銀総裁(5日)=FRBは2015年半ばに利上げを開始する必要があると予想。米経済成長見通し2014年2.5%、2015年3.0%、失業率2014年6.25%、2015年5.5%に低下。
USD プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=米景気拡大にしたがって緩和縮小や政策の正常化に取り組むことが課題。2014年GDP3.0%、失業率6.2%か6.0%割り込む改善を予想。
USD ダドリーNY連銀総裁=緩和縮小ペースを変更するには、経済見通しが著しく変化する必要がある。今年の米経済は成長が加速する可能性が高い。現在の緩和状態を考慮すればドルは安くはない。FRBの二大責務遂行がドルをサポート。


***** ウクライナ情勢*****

1 米国務省(5日)は、「プーチン大統領の虚構、ウクライナに関する10の虚偽主張』のタイトルで、プーチン大統領は事実を無視したり、ゆがめたりしたと異例の批判を示す。
2 ロシア中銀=ウクライナの銀行プリバトバンクのモスクワにある子会社モスコムプリバトバンクを一時的に管理下に。
3 デミガリエフ・クリミア自治共和国副首相=ロシア編入を問う住民投票を3月16日に実施へ。
4 オバマ米大統領=クリミア自治共和国の住民投票を国際法に違反と非難。ロシアとウクライナの個人や企業を対象に、在米資産の凍結や米国への渡航禁止などの制裁を発動する大統領令に署名。
5 クリミア議会=ロシア編入案を全会一致で可決
6 ヤツェニュク・ウクライナ首相=ロシア軍の介入拡大には自国を防衛する用意がある。
7 EU首脳会議=ロシアによるウクライナの主権と領土保全の侵害を非難し、ロシアに軍隊の撤収と国債査察団の受け入れをもとめ、結果がでなければ、ロシアのビザ発給と貿易自由化協議の停止で合意。
8 米ロ外相会談=合意が得られたということはない。


***** 主な経済指標・その他の結果 *****

9:30 AUD 1月 小売売上高=前月比0.7%(予想0.5% 前回0.5%)→ 予想を上回りAUD買いが強まる。
9:30 AUD 1月 貿易収支=14.33億豪ドル(予想2.7億豪ドル 前回4.68億豪ドル)→ 予想外に黒字額が拡大し2年半ぶりの高水準に、AUD買いが強まる。
17:00 GBP 2月 ハリファックス住宅価格指数=前月比2.4%(予想0.7% 前回1.1%)、前年比7.9%(予想7.2% 前回7.3%)→ 予想外に強い伸び率となる
20:00 GER 1月 製造業受注指数=前月比1.2%(予想0.7% 前回-0.2%)、前年比8.4%(予想7.5% 前回6.1%)→ 予想より強くEUR買いが一時強まる
21:00 GBP BOE金融政策発表=政策金利0.5%と、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定、予想通り
21:45 EUR ECB金融政策発表=政策金利0.25%、上限金利0.75%、下限金利0.0%の据え置きを決定、予想通り
22:30 CAD 1月 住宅建設許可=前月比8.5%(予想1.0% 前回-4.8←-4.1%)
22:30 USD 週間新規失業保険申請件数=32.3万件(予想33.6万件 前回34.9←34.8万件)→ 予想より改善し3カ月ぶりの低水準にドル買いが強まる
22:30 USD 第4四半期 非農業部門労働生産性・改定値=前期比1.8%(予想2.5% 速報値3.2% 第3四半期3.5%)、単位労働コスト・改定値=前期比-0.1%(予想-0.9% 速報値-1.6% 第3四半期-2.1%)
0:00 CAD 2月 Ivey購買部協会指数=57.2(予想56.7 前回56.8)→ 予想を上回り、USDCADは急落しカナダドル買いが強まる
0:00 USD 1月 製造業受注指数=前月比-0.7%(予想-0.3% 前回-2.0←-1.5%)→ 予想外に弱く前月も下方修正へ


***** 今日発表の主な経済指標・その他 *****

07:30 AUD スティーブンス豪中銀総裁講演
15:45 CHF 2月 失業率=予想3.5% 前回3.5%
15:00 CHF スイス中銀2013年 年次報告書
17:15 CHF 2月 消費者物価指数=前月比予想 前回-0.3%、前年比予想 前回0.1%
22:30 CAD 1月 貿易収支=予想 前回-16.6億カナダドル
22:30 CAD 2月 失業率=予想7.0% 前回7.0%
22:30 USD 雇用統計: 失業率=予想6.6% 前回6.6%、非農業部門雇用者数=予想16万人 前回11.3万人
22:30 USD 1月 貿易収支=予想-388億ドル 前回-387億ドル

2014年3月6日木曜日

3月6日(木曜) アジア市場の動き

3月6日(木曜) アジア市場の動き


****** 今までのポイント ******

欧州市場では、今日のメインイベントのECB理事会とドラギECB総裁の記者会見を前に、EURUSDは積極的な動きな見られない。 金融政策の据え置きにしても、追加緩和にしても、両方向の可能性を秘めており、EUR相場はテクニカルでも1.3800で頭を押さえられ、下値が切り上がり、遅かれ早かれいずれかに動かざるを得ない状況に来ている。しいて言えば、期待感はEUR買い。

円相場は、GPIFの運用で国内債中心の運用を求めない方針が示され、外債購入など海外へ資金移動の思惑に円売りが強まり、ウクライナ情勢の極端な危惧感も薄れ、日本を含めアジアや新興国株高の流れに、円売りは止まず。

豪ドルは、豪小売売上高は予想を上回り高水準が続き、豪貿易収支は想外に黒字額が拡大し2年半ぶりの高水準に、AUD買いが強まる。


****** 今までの発言・その他 ******

OTH IMF新興国の国債投資に関するレポート=海外投資家保有の新興国国債の約半分5000億ドルは2010年からの3年間で増加。金融危機前・危機時は、資金流入と流出に大別、危機後はほぼ全ての新興国に資金が流入。
OTH 金融サービス調査会社のグリニッジ・アソシエイツ=2013年の外国為替取引高は、欧州と日本の伸びに前年比14.0%上昇、金融機関同士の取引が18.0%増加した。ドイツ銀行12.4%、UBS12.1%、シティグループ11.7%、バークレイズ10.5%、JPモルガン・チェース6.2%。電子取引は77%(前年74%)
JPY 岩田日銀副総裁=経済・物価見通しが変化すれば2.0%の物価安定目標に向け、適切に政策を調整する。
USD ウィリアムズ・SF連銀総裁(5日)=FRBは2015年半ばに利上げを開始する必要があると予想。米経済成長見通し2014年2.5%、2015年3.0%、失業率2014年6.25%、2015年5.5%に低下。
OTH カルアナBIS総支配人=中銀は政策の正常化を引き続き進めるべき。ディスインフレ圧力を、過度に懸念すべきではない。
JPY 厚生労働省の公的年金の財政検証=年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用は賃金上昇率基準にし、国内債中心にした運用を求めず→ 円売りの材料にされる。


****** これからの注目点 ******

21:00 GBP BOE金融政策発表=政策金利0.5%と、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを予想
21:45 EUR ECB金融政策発表=政策金利0.25%、上限金利0.75%、下限金利0.0%の据え置きを予想
22:30 EUR ドラギECB総裁の記者会見
22:30 CAD 1月 住宅建設許可=前月比予想 前回-4.1%
22:30 USD 週間新規失業保険申請件数=予想33.6万件 前回34.8万件
22:30 USD 第4四半期 非農業部門労働生産性=前期比予想2.9% 前回3.6%、単位労働コスト=前期比予想-1.1% 前回-2.0%
0:00 CAD 2月 Ivey購買部協会指数=予想56.7 前回56.8
0:00 USD 1月 製造業受注指数=前月比予想-0.3% 前回-1.5%
1:30 CAD マリーカナダ中銀副総裁講演


****** 今までのイベントと経済指標の結果 ******

9:30 AUD 1月 小売売上高=前月比0.7%(予想0.5% 前回0.5%)→ 予想を上回りAUD買いが強まる。
9:30 AUD 1月 貿易収支=14.33億豪ドル(予想2.7億豪ドル 前回4.68億豪ドル)→ 予想外に黒字額が拡大し2年半ぶりの高水準に、AUD買いが強まる。


****** ウクライナ情勢 ******

ウクライナ情勢
米国務省(5日)は、「プーチン大統領の虚構、ウクライナに関する10の虚偽主張』のタイトルで、プーチン大統領は事実を無視したり、ゆがめたりしたと異例の批判を示す。

3月6日(木曜)昨日、海外市場の動き

3月6日(木曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

ウクライナ情勢もやや落ち着きを取り戻し始めたが、期待されたケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相との会談では、合意事項はなく、やや失望感が見られた。

中国のソーラー企業の上海超日太陽能科技のデフォルトを懸念した動きに、中国株や人民元は弱く、欧米の株価も伸び悩み、USDJPYは102.55円を高値に円売りも限定的。

豪州のGDPは強く、中国HSBCサービス業PMIも強く、全人代で2014年成長目標を7.5%に据え置き(7.0%の観測もあった)、一日を通しでAUDUSDとNZDUSDは上昇。

ユーロ圏の総合・サービス業のPMIも速報値から上方修正され強く、ユーロ圏GDP改定値は速報値と変わらずだが、小売売上高は強く、ユーロにとって強気な材料が多くなっているが、1.3750超えの上値は重く、今日6日のECB理事会で追加緩和の有無を見極めようとする力が働いている。

米経済指標は悪天候の影響もあり弱い数字が続いた。米ADP民間雇用統計は13.9万人(予想15.3万人 前回12.7←17.5万人)弱く、米ISM非製造業景況指数も51.6(予想53.5 前回54.0)と雇用が低下し予想外の低水準、地区連銀経済報告も大半の地区で景気は拡大したが、一部では悪天候の影響を受けていた。

カナダ中銀は予想通り政策金利1.0%の据え置きを発表、前回1月の会合と変わらず、低インフレを懸念し、金利のバイアスは上下両方向にあることを示した。





***** 発言・その他 *****

1. カナダ中銀=政策金利1.0%の据え置きを決定。インフレの下方リスクは重要事項。金利に対する次の動きは引き上げ・引き下げいずれの方向もあり得る。
2. カナダ中銀2014年見通し=成長率は2.5%、インフレ率1.5%、コアインフレ率はを通じ目標値2.0%を下回り2年間で2%に上昇。
3. 全人代=今年の目標値を発表、GDP7.5%と前年と同じに据え置く→ 市場には7.0%との予想もあり市場に安心感が広まる。CPI3.5%、財政赤字GDP比2.1%、小売売上高14.5%、国防費12.2%と増加傾向が続く。
4. 中国人民銀行=人民銀行による介入を示す、国有銀行のドル買いが今週に入り減少へ→ USDCHNは緩やかな上昇を続ける
5. 中国株下落=ソーラー企業の上海超日太陽能科技は、7日の期限までに8980万元(約15億円)の利払いが完全に行えない可能性が判明。
6. 中国国家発展改革委員会=中国は高成長を追求せず、下限を割り込むことも認めず。
7. トリシェ前ECB総裁=ECBはユーロ圏の低インフレを注視する必要がある。
8. モガダムIMF欧州局長=ECBはデフレリスクの回避で利下げを実施し、追加の長期流動性供給オペ(LTRO)や量的緩和を実施する必要がある。
9. 欧州委員会=ベルギー、ドイツ、スペイン、フランス、英国などの加盟国に不均衡があり、クロアチア、イタリア、スロベニアには過度な不均衡がある。フランスは財政赤字削減目標は未達の見通しで、イタリアは高水準の公的債務と対外競争力の弱さの是正が必要。
10. WSJ紙=来週10~11日の日銀金融政策決定会合では、輸出の伸び悩みが中心議題になる可能性があり、輸出見通し「を下方修正する可能性もある。
11. ロシア中銀=ルーブル下落阻止で3日間で114億ドル相当の外貨売り・ルーブル買いの市場介入を実施。
12. ラッカー・リッチモンド連銀総裁=ウクライナ情勢を注視、米経済や商品相場に影響を及ぼす可能性がある。
13. 地区連銀経済報告(ページュブック)=異例の寒波で悪影響にも大半の地域で景気は拡大した。全12地区中、8地区で経済は控えめながら穏やかに成長、2地区で悪天候により経済活動が低下、1地区で成長が減速、1地区で活動は安定的。
14. イエレンFRB議長の宣誓就任式=経済は当局の目標を著しく下回る水準だが、経済は強まっている。


***** ウクライナ情勢の軟化*****

1 習近平中国国家主席=プーチン・ロシア大統領との電話会談で、政治的解決ができると確信。中国は緊張緩和に資する国際社会の提案と仲介の努力を支持。
2 オバマ米大統領=ロシアのウクライナへの介入はロシアの強さの象徴ではなく、ロシア近隣諸国がロシアによる干渉を警戒していることを反映。
3 ウクライナ情勢の悪化にも、欧州の天然ガス市場をロシアが牛耳る構造は変わらず。ロシアから欧州への天然ガスの供給は1/3がウクライナ経由。欧州の天然ガス需要の1/3をロシアが供給。
4 ウクライナの安全保障に関する会合にロシアは欠席。
5 プーチン・ロシア大統領=困難な状況を悪化させる必要はない。国益を考慮しながら、従来の協力相手国全てと協力する必要がある
6 ケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相との会談=合意事項はなし。
7 ケリー米国務長官=ウクライナ外交で進展ないとの考えを否定、ソチG8の開催準備を一時中断。ウクライナに関する協議は非常に建設的。


***** 主な経済指標・その他の結果 *****

8:30 AUD 2月 Aigサービス業指数=55.2(予想 前回49.3)→ 予想を上回る
9:30 AUD 第4四半期GDP=前期比0.8%(予想0.7% 前回0.6%)、前年比2,8%(予想2.5% 前回2.3%)→ 予想外に強い数字となり、一時AUD買いが強まる。
10:45 CNY 2月 HSBCサービス業PMI=51.0(予想 前回50.7)→ 前回を上回る
17:50 FRN 2月 総合PMI・確報値=47.9(予想 速報値47.6)、サービス業PMI・確報値=47.2(予想46.9 速報値46.9)→ 速報値から上昇修正
17:55 GER 2月 総合PMI・確報値=56.4(予想 速報値56.1)、サービス業PMI・確報値=55.9(予想55.4 速報値55.4)→ 速報値から上昇修正
18:00 EUR 2月 総合PMI・確報値=53.3(予想52.7 速報値52.7)、サービス業PMI・確報値=52.6(予想51.7 速報値51.7)→ 速報値から上方修正
18:30 GBP 2月 サービス業PMI=58.2(予想58.0 前回58.3)→ 予想を上回るが前回より低下
19:00 EUR 第4四半期GDP・改定値=前期比0.3%(予想0.3% 速報値0.3%)、前年比0.5%(予想0.5% 速報値0.5%)→ 予想・速報値と変わらず
19:00 EUR 1月 小売売上高=前月比1.6%(予想0.8% 前回-1.3←-1.6%)、前年比1.3%(予想-0.2% 前回-0.4←-1.0%)→ 前回が上方修正され、予想を上回る強い数字となるが、EURUSDは逆にEUR売りが強まる
22:15 USD 2月 ADP民間雇用統計=13.9万人(予想15.3万人 前回12.7←17.5万人)→ 前回が下方修正され予想をも下回る
00:00 CAD カナダ中銀金融政策発表=政策金利1.0%の据え置きを決定、予想通り
00:00 USD 2月 ISM非製造業景況指数=51.6(予想53.5 前回54.0)→ 悪天候の影響もあり雇用が弱く予想外の低下、2010年2月以来の低水準


***** 今日発表の主な経済指標・その他 *****

9:30 AUD 1月 小売売上高=前月比予想0.5% 前回0.5%
9:30 AUD 1月 貿易収支=予想1.0億豪ドル 前回4.68億豪ドル
21:00 GBP BOE金融政策発表=政策金利0.5%と、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを予想
21:45 EUR ECB金融政策発表=政策金利0.25%、上限金利0.75%、下限金利0.0%の据え置きを予想
22:30 EUR ドラギECB総裁の記者会見
22:30 CAD 1月 住宅建設許可=前月比予想 前回-4.1%
22:30 USD 週間新規失業保険申請件数=予想33.6万件 前回34.8万件
22:30 USD 第4四半期 非農業部門労働生産性=前期比予想2.9% 前回3.6%、単位労働コスト=前期比予想-1.1% 前回-2.0%
00:00 CAD 2月 Ivey購買部協会指数=予想56.7 前回56.8
00:00 USD 1月 製造業受注指数=前月比予想-0.3% 前回-1.5%
01:30 CAD マリーカナダ中銀副総裁講演

2014年3月5日水曜日

これからは、米ISM非製造業景況指数とカナダ中銀の金融政策に注目。

これからは、米ISM非製造業景況指数とカナダ中銀の金融政策に注目。

午前零時には、注目の米ISM非製造業景況指数(予想53.5 前回54.0)が控えているが、カナダドルにとっては、カナダ中銀の金融政策の発表がより重要度が高い。

カナダ中銀の今回の発表は、2月に会合はなく、1月以降初めての会合で、政策金利1.0%の据え置きは固いものと考えている。

過去の動きを振り返って見ると、10月23日の理事会では、政策金利1.0%の据え置きとなったが、1年半ぶりに、将来の利上げを示唆する文言を削除したことで、USDCADは1.03を底値に上昇しカナダドル売りが強まった。

12月4日の理事会では、政策金利1.0%の据え置きを発表し、声明でディスインフレに陥る可能性が強まると、今後の利下げ観測も浮上へ。ボロッツ・カナダ中銀総裁は、利上げと利下げの可能性は五分五分と発表。

1月16日の理事会では、政策金利1.0%の据え置きを発表し、ボロッツ・カナダ中銀総裁は再び、利上げと利下げの可能性は五分五分と発表し、インフレは下方リスクが上昇、CAD安は輸出企業にとり好材料との文言も見られた。

そして、今回だが、政策金利1.0%の据え置き予想が揺るぎないと思われるが、為替変動を考えると、その後の声明で、次回の行動に関して、従来の利下げ・利上げの両方向の可能性を示唆する文言が残るのか? カナダドル安が進んでいる現状で、なにか新たな発言がでるのか? この2点を注目したい。

前回1月16日当時は、USDCADは1.10以下で推移していたが、現在は1.11近くまで上昇、1.1200が大きな大きな壁になり、上げ止まっている。ストキャスティクスは売り変化を示し、モメンタムは売りを継続し、Dailyチャートでは21日MA=1.1053にあり、終値ベースでこの水準を割り込むと2月19日の安値1.0910近くまで続落する可能性が高くなる。

弱い米ADP民間雇用統計にもドル円は動ぜず底堅い

弱い米ADP民間雇用統計にもドル円は動ぜず底堅い。

ウクライナ情勢もやや落ち着きを取り戻し始め、円売りが強まっているが、中国のソーラー企業の上海超日太陽能科技のデフォルトを懸念した動きに、中国株や人民元は弱く、力強い円売りに至ってはいない。

今日は、豪州の GDP は強く、中国 HSBC サービス業 PMI も強く、ユーロ圏の総合・サービス業の PMI も速報値から上方修正され強く、ユーロ圏 GDP 改定値は速報値と変わらずだが、小売売上高は強く、いまのところ良い数字が目立っている。

これから米国市場に入り、米雇用統計(7 日金曜)の前哨戦ともいえる米 ADP 民間雇用統計が発表されたが、13.9万人(予想15.3万人 前回12.7←17.5万人)と、前回が下方修正され予想をも下回り、ドル売りが強まるが、USDJPYは102.30円台を割り込むこともなく、円クロスの売りに支えられ102.50円トライの動きへ。

これからの値動きは、米現物株の動きによって異なるが、102.50円のオプション絡みや厚い売りオーダーをこなしながら、円売りを継続できるのか? 午前零時のISM非製造業景況指数と合わせ、これらかの株価とともに重要な経済指標となっている。

3月5日(水曜) アジア市場の動き

3月5日(水曜) アジア市場の動き


****** 今までのポイント ******

前日の米国株の上昇に日経平均株価は上昇するも、中国初の社債デフォルト発生への懸念に中国株は下落。

USDJPYは102.10~30のレンジに収束で全く動けず、ただし102円台を維持していることはビット気味と判断。

豪GDPは前年比2.8%(予想2.6% 前回2.3%)と予想を上回り、AUDUSDは一時0.90直前まで上昇したが、鬼門の0.90台を達成できず、逆に0.8940割れまで値を下げる。しかし、これで暫くは豪中銀の金融緩和の可能性は弱まり、3日の中銀声明通り『金利の安定期間を設けることが最も賢明な判断』が続きそう。


****** 今までの発言・その他 ******

CNY 全人代=今年の目標値を発表、GDP7.5%と前年と同じに据え置く→ 市場には7.0%との予想もあり市場に安心感が広まる。CPI3.5%、財政赤字GDP比2.1%、小売売上高14.5%、国防費12.2%と増加傾向が続く。
CNY 中国人民銀行=人民銀行による介入を示す、国有銀行のドル買いが今週に入り減少へ→ USDCHNは緩やかな上昇を続ける
CNY 中国株下落=ソーラー企業の上海超日太陽能科技は、7日の期限までに8980万元(約15億円)の利払いが完全に行えない可能性が判明。
CNY 中国国家発展改革委員会=中国は高成長を追求せず、下限を割り込むことも認めず。
EUR トリシェ前ECB総裁=ECBはユーロ圏の低インフレを注視する必要がある。
JPY WSJ紙=来週10~11日の日銀金融政策決定会合では、輸出の伸び悩みが中心議題になる可能性があり、輸出見通し「を下方修正する可能性もある。
OTH ロシア中銀=ルーブル下落阻止で3日間で114億ドル相当の外貨売り・ルーブル買いの市場介入を実施。
USD ラッカー・リッチモンド連銀総裁=ウクライナ情勢を注視、米経済や商品相場に影響を及ぼす可能性がある。


****** これからの注目点 ******

17:50 FRN 2月 総合PMI・確報値=予想 速報値47.6、サービス業PMI・確報値=予想46.9 速報値46.9
17:55 GER 2月 総合PMI・確報値=予想 速報値51.7、サービス業PMI・確報値=予想55.4 速報値55.4
18:00 EUR 2月 総合PMI・確報値=予想52.7 速報値52.7、サービス業PMI・確報値=予想51.7 速報値51.7
18:30 GBP 2月 サービス業PMI=予想58.0 前回58.3
19:00 EUR 第4四半期GDP・改定値=前期比予想0.3% 速報値0.3%、前年比予想0.5% 速報値0.5%
19:00 EUR 1月 小売売上高=前月比予想1.0% 前回-1.6%、前年比予想 前回-1.0%
22:15 USD 2月 ADP民間雇用統計=予想15.3万人 前回17.5万人
0:00 CAD カナダ中銀金融政策発表=政策金利1.0%の据え置きを予想
0:00 USD 2月 ISM非製造業景況指数=予想54 前回54
4:00 USD 地区連銀経済報告書(ベージュブック)公表


****** 今までのイベントと経済指標の結果 ******

08:30 AUD 2月 Aigサービス業指数=55.2(予想 前回49.3)→ 予想を上回る
09:30 AUD 第4四半期GDP=前期比0.8%(予想0.7% 前回0.6%)、前年比2,8%(予想2.5% 前回2.3%)→ 予想外に強い数字となり、一時AUD買いが強まる。
10:45 CNY 2月 HSBCサービス業PMI=51.0(予想 前回50.7)→ 前回を上回る


****** ウクライナ情勢 ******

1 習近平中国国家主席=プーチン・ロシア大統領との電話会談で、政治的解決ができると確信。中国は緊張緩和に資する国際社会の提案と仲介の努力を支持。
2 オバマ米大統領=ロシアのウクライナへの介入はロシアの強さの象徴ではなく、ロシア近隣諸国がロシアによる干渉を警戒していることを反映。
3 ウクライナ情勢の悪化にも、欧州の天然ガス市場をロシアが牛耳る構造は変わらず。ロシアから欧州への天然ガスの供給は1/3がウクライナ経由。欧州の天然ガス需要の1/3をロシアが供給。

3月5日(水曜)昨日、海外市場の動き

3月5日(水曜)昨日、海外市場の動き

***** 昨日のポイント *****

ロシア軍はクリミア半島での軍事演習を終了し、プーチン・ロシア大統領はクリミアの併合をまだ考えずと発言、緊張はやや緩和。ロシアが大陸間弾道ミサイルの発射実験に成功との報道にも、欧州株の大幅上昇に続き、米株は1.5%超近く上昇し、S&Pは最高値を更新。原油と金価格は下落し、債券利回りは上昇。主要通貨では、欧州市場のドル売りの流れからドル買い戻しへと変化し、元の水準へ逆戻りしたが、ドル円は緩やかな上昇を継続。

黒田日銀総裁の「円キャリー取引を増加させるモメンタムがある」、伊藤東京大学大学院教授の「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は国内債の保有比率を52%にまで直ぐに落とせる」との発言も、円売り材料。





***** ウクライナ情勢の軟化*****

1 プーチン大統領が軍事演習の部隊へ帰還指令を発令。インタファックス通信=ロシアはクリミア半島での軍事演習を予定通り終了した。
2 チュルキン・ロシア国連大使=国連安全保障理事会で、プーチン大統領はウクライナでの軍事行動でまだ決定を下していない
3 ケリー米国務長官=数日以内に対ロシア制裁措置と、ウクライナに10億ドル融資保証の供与を取る用意を発表
4 プーチン・ロシア大統領=ウクライナの現状は違法なクーデターで、ヤヌコビッチ前ウクライナ大統領は合法的な指導者。クリミア半島への武力行使は最後の選択肢で現時点では必要ない。クリミアでの分離主義的動きを挑発するつもりない。ロシアはウクライナ南部のクリミアの併合を考えてはいない。
5 ラブロフ・ロシア外相=ウクライナはすべてのウクライナ人によって樹立される政府が必要。
6 セルゲイ・グラジエフ大統領補佐官=米国がロシアに制裁を科せば、外貨準備からドルを外し、米銀に対する融資返済を拒否。
7 プーチン・ロシア大統領=ウクライナ支援でIMFと協力する意向を示す。


***** 発言・その他 *****

1. 黒田日銀総裁=円キャリー取引を増加させるモメンタムがある。
2. 伊藤東京大学大学院教授=年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は国内債の保有比率を52%にまで直ぐに落とせる。
3. バーナンキ前FRB議長=米GDPが3.0%近くに成長する良い理由がある。住宅市場の回復も寄与し米経済は改善の兆しがある。日本ではアベノミクスが奏功していくらか力強さが出ている。米経済は力強さをやや増している。欧州は本来あるべき状況からはまだ程遠いが、それでも改善し、力強さを増してきている。(ナショナル・バンク・オブ・アブダビ主催の今回の講演会で、バーナンキ氏の講演料は25万ドルと推測されている)
4. 米予算教書=米経済の回復は持続的で、心強い兆しが業界を超えて表れている。2015年会計年度の予算教書は財政赤字を今後10年で5.3兆ドル削減へ。 今年の経済成長見通しは、GDP3.1%(2005年以来の高水準)、失業率6.4%。
5. PIMCOのグロース氏=中銀が緩和政策の効果を投資家に納得させることができれば、将来的にリスク資産の高リターンが見込まれる。
6. ロシア=大陸間弾道ミサイルの発射実験に成功。


***** 主な経済指標・その他の結果 *****

9:30 AUD 第4四半期 経常収支=-101億豪ドル(予想-100億豪ドル 前回-127億豪ドル)→ 予想とほぼ変わらず、前回よりも赤字額が縮小
9:30 AUD 1月 住宅建設許可= 前月比6.8%(予想2.0% 前回-1.3←-2.9%)、前年比34.6%(予想24.0% 前回22.5←21.8%)→ 予想を大幅に上回る伸び率で、前月比は昨年9月以来の伸び率
12:30 AUD 豪中銀金融政策発表=政策金利2.5%の据え置きを決定、予想通り。
18:30 GBP 2月 建設業PMI=62.6(予想63.6 前回64.6)→ 予想と前回を下回る
19:00 EUR 1月 生産者物価指数=前月比-0.3%(予想-0.1% 前回0.2%)、前年比-1.4%(予想-1.3% 前回-0.8%)


***** 今日発表の主な経済指標・その他 *****


8:30 AUD 2月 Aigサービス業指数=予想 前回49.3
9:30 AUD 第4四半期GDP=前期比予想0.7% 前回0.6%、前年比予想2.5% 前回2.3%
10:45 CNY 2月 HSBCサービス業PMI=予想 前回50.7
17:50 FRN 2月 総合PMI・確報値=予想 速報値47.6、サービス業PMI・確報値=予想46.9 速報値46.9
17:55 GER 2月 総合PMI・確報値=予想 速報値51.7、サービス業PMI・確報値=予想55.4 速報値55.4
18:00 EUR 2月 総合PMI・確報値=予想52.7 速報値52.7、サービス業PMI・確報値=予想51.7 速報値51.7
18:30 GBP 2月 サービス業PMI=予想58.0 前回58.3
19:00 EUR 第4四半期GDP・改定値=前期比予想0.3% 速報値0.3%、前年比予想0.5% 速報値0.5%
19:00 EUR 1月 小売売上高=前月比予想1.0% 前回-1.6%、前年比予想 前回-1.0%
22:15 USD 2月 ADP民間雇用統計=予想15.3万人 前回17.5万人
0:00 CAD カナダ中銀金融政策発表=政策金利1.0%の据え置きを予想
0:00 USD 2月 ISM非製造業景況指数=予想54 前回54
4:00 USD 地区連銀経済報告書(ベージュブック)公表
CNY 中国 全国人民代表大会(全人代)開幕

2014年3月4日火曜日

3月4日(火曜) 欧州市場の動き

3月4日(火曜) 欧州市場の動き

****** ポイント ******

ロシア軍はクリミア半島での軍事演習を終了し、プーチン・ロシア大統領はクリミアの併合をまだ考えずと発言、張りつめた緊張はやや緩み、欧州株は大幅上昇。ユーロストックス50は2%超の上昇、円とドルは主要国で全面安、原油と金価格は下落し、債券利回りは上昇し、昨日の流れは一変。

黒田日銀総裁の「円キャリー取引を増加させるモメンタムがある」、伊藤東京大学大学院教授の「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は国内債の保有比率を52%にまで直ぐに落とせる」との発言も、円売り材料となり、USDJPYは102円直前まで上昇。

USDJPYの予想
1時間チャートでは、引き続き上限を超えられず102円台の売りに上値を抑えられているが、米現物株が強くなると上値を試し102.20円近くまで上昇する可能性が高くなっている。
レンジ予想は101.70円~102.20円。























****** 発言・その他 ******

1. 黒田日銀総裁=円キャリー取引を増加させるモメンタムがある。
2. 伊藤東京大学大学院教授=年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は国内債の保有比率を52%にまで直ぐに落とせる。
3. バーナンキ前FRB議長=米GDPが3.0%近くに成長する良い理由がある。

****** ウクライナ情勢 ******

1 プーチン大統領が軍事演習の部隊へ帰還指令を発令。インタファックス通信=ロシアはクリミア半島での軍事演習を予定通り終了した。
2 チュルキン・ロシア国連大使=国連安全保障理事会で、プーチン大統領はウクライナでの軍事行動でまだ決定を下していない
3 ケリー米国務長官=数日以内に対ロシア制裁措置と、ウクライナに10億ドル融資保証の供与を取る用意を発表
4 プーチン・ロシア大統領=ウクライナの現状は違法なクーデターで、ヤヌコビッチ前ウクライナ大統領は合法的な指導者。クリミア半島への武力行使は最後の選択肢で現時点では必要ない。クリミアでの分離主義的動きを挑発するつもりない。ロシアはウクライナ南部のクリミアの併合を考えてはいない。
5 ラブロフ・ロシア外相=ウクライナはすべてのウクライナ人によって樹立される政府が必要。
6 セルゲイ・グラジエフ大統領補佐官=米国がロシアに制裁を科せば、外貨準備からドルを外し、米銀に対する融資返済を拒否。


****** イベントと経済指標の結果 ******

オバマ米大統領、予算教書を発表(一部は翌週発表の予定)は注目材料。

18:30 GBP 2月 建設業PMI=62.6(予想63.6 前回64.6)→ 予想と前回を下回る
19:00 EUR 1月 生産者物価指数=前月比-0.3%(予想-0.1% 前回0.2%)、前年比-1.4%(予想-1.3% 前回-0.8%)


3月4日(火曜) アジア市場の動き

3月4日(火曜) アジア市場の動き


****** 今までのポイント ******

◎豪中銀理事会では、予想通り政策金利2.5%の据え置きを決定、追加緩和の示唆の文言はなくAUD買いへ、豪ドル相場は歴史的にみて高水準にAUD売りへと変化し、上下におおよそ30ポイント変動後、水準はあまり変わらず。

注目すべきは「金利の安定期間を設けることが最も賢明な判断」とあり、暫くは様子見ムードが高まる可能性が強く、AUDUSDは、新たな0.91台への変動や、先の安値となる0.8650を割り込む下落も、予想外の変動材料が現れなければ、考えにくくなっている。

結果として、AUDJPYのポジションは、USDJPY相場の影響度が高まると思われ、USDJPY=100.50円~103.00円のレンジ、AUDUSD=0.8850~0.9080を想定しながら、AUDJPYは1月16日以降、83.00円を何度となくトライしながらも、失敗。この水準を超えることができるまでは、AUDの強気ムードも盛り上がらない。

◎ウクライナ情勢はプーチン大統領が軍事演習の部隊へ基地への帰投を発令したことで、軍事衝突の可能性が夜回り予想外に落ち着き、日経平均株価は上昇、上海株の小幅下落を除けば、総じて上昇傾向が続いている。為替市場でもリスクオフの流れの巻き戻しが早くも表れ、円売りとドル売り、主要通貨の買い戻しが強まっている。

****** 今までのイベントと経済指標の結果 ******

豪中銀理事会=政策金利2.50%の据え置きを決定。スティーブンス総裁声明=金利の安定期間を設けることが最も賢明な判断。労働需要はなお弱く、ピークはまだで失業率 は上昇し続けると予想。低金利と豪ドル安に支えられ成長は加速する見通し。豪ドル相場は歴史的に見て高水準。豪ドルの下落がバランス取れた成長を支援。インフレ率は2年間2.0~3.0%の目標に沿う水準へ。
⇒ 声明の発表に

豪州発の経済指標は良好=豪第4四半期経常収支=-101億豪ドル(予想-100億豪ドル 第3四半期-127億豪ドル)と、予想とほぼ変わらず、前回よりも赤字額が縮小。豪住宅建設許可= 前月比6.8%(予想2.0% 前回-1.3←-2.9%)、前年比34.6%(予想24.0% 前回22.5←21.8%)→ 予想を大幅に上回る伸び率で、前月比は昨年9月以来の伸び率。


2014年3月2日日曜日

週末の情勢による、週明けの為替相場の変化

週末の情勢による、週明けの為替相場の変化

『弱い中国製造業PMIと、ロシアのウクライナ軍事介入』

3月1日(土曜)に発表された、2月の中国国家統計局の製造業PMI・速報値は50.2と1月50.5よりも弱く、8カ月ぶりの低水準で、昨年11月から前月より低下傾向が続いている。この影響は、関連性の強い豪ドルにとってマイナス材料で、週明けのオセアニア市場で豪ドル売りから始まる可能性が高くなっている。

通常、この一つの経済指標だけでは、長続きしないことが多いが、月曜日には中国の国家統計局の非製造業PMIと、HSBCの製造業PMIと、新たに二つの景況感を示す経済指標が発表される。最近の中国経済の軟化を再確認することができるのか? この二つの指標の指標次第となるが、市場では弱い数字の予想が多く、豪ドルのポジションメークには注意が必要。

ロシア上院は、プーチン大統領が提案したウクライナへの軍事介入を承認した。実際には既にクリミア自治共和国の一部を占拠しており、ウクライナ政府は軍事侵略を非難し、国連でもロシアと米国が対立している。

地政学的リスクからは、ユーロが一番影響を受けることになるが、ウクライナ情勢が緊迫化してからも、EURUSDは上昇していることで、このセオリーはあまりあてにならない。

逆に最近の円相場からは、中国人民元安と株安、そして、ロシア情勢の緊迫化が円買い戻しの材料に使われている傾向にある。

円相場の週明けは、仮に弱い中国経済使用と、仮にロシアの積極的なウクライナへの軍事侵略共なれば、円買いが強まる可能性も出てくる。もちろん、この逆の現象では円売り方向が強まることも気にとめておきたい。

今週の経済指標・発言から(3月3日~7日)

今週の経済指標・発言から(3月3日~7日)

今週もイベントは多く、来週まつからは米国はサマータイムに突入する。

◎中国関係では
3月1日に発表された、中国国家統計局PMI・速報値は50.2(予想50.1 前回50.5)と中国経済の弱いスローダウンが続いており、3月3日(月曜)の国家統計局非製造業PMIと、HSBC製造業PMIも前回を下回る予想が続いている。また、週末のことになるが、3月8~9日(土・日曜)に中国貿易収支、消費者物価指数、生産者物価指数の発表が控えている。

3月5日(水曜) 全人代が始まる。中国政府は人民元安誘導で輸出の促進を計っていると思われ、最近の人民元相場は過去に例のもない下落を続けている。中国商務省は、WTOの未確定値を持ち出し、2013年に中国はモノと貿易量は世界一位となったと強調している。

この、3月5日から始まる全人代の動きが中国人民元相場に与える影響は大きく、引いては豪ドルや新興国市場へも影響を及ぼす可能性があり、発表報道には要注意。


◎金融政策では
3月4日(火曜)に、豪中銀は政策金利2.5%の据え置くことは固いと思われる。前回2月4日の理事会でAUD買い戻しへと大きな変更があり、四半期金融報告で「GDPとインフレ予想」を引き上げ、議事録も「一定期間の金利安定が最も賢明な路線」とあり、当時と為替水準はあまり変わっていない。
3月5日(水曜)に、カナダ中銀は政策金利1.0%の据え置くと思われる。2月には理事会はなく1月22日以降、初めての開催となるが「次回の行動は利下げ・利上げ」と両サイドの可能性を示唆したが、以前ほど利下げのリスクは強くなくなっている。
3月6日(木曜)に、BOEは政策金利0.5%と資産買入枠3750億ポンドを据え置くことは固いと思われる。カーニーBOE総裁や政策委員の発言でも、市場の早期利上げ観測を否定し、緩和策の継続を長期間継続するとの意見が多い。
3月5日(木曜)に、ECB理事会も開催され、政策金利0.25%、上限金利0.75%、下限金利0.0%の据え置きが予想される。28日のユーロ圏消費者物価・速報値は前年比0.8%(前回0.7%)、コア前年比1.0%(前回0.8%)と上昇傾向を示し、利下げや追加の緩和策の期待感は弱まっている。その後のドラギECB総裁の記者会見は目が離せない。


◎景況感を表す発表は多い
3月3日(月曜)は、中国の他に、スイス(SVM製造業PMI)、フランス・ドイツを含むユーロ圏(製造業PMI)、英国(製造業PMI)、米国(ISM製造業、製造業PMI)。
3月5日(水曜)は、中国の他に、フランス・ドイツを含むユーロ圏(総合・サービス業PMI)、英国(サービス業PMI)、米国(ISM非製造業)。
3月6日(木曜)は、カナダ(Ivey購買部協会指数)など多くが控えている。


◎主要な経済市場も多い
3月3日(月曜)は、米国(個人所得・個人消費支出)。
3月5日(水曜)は、豪州とユーロ圏(第4四半期GDP)、ユーロ圏(小売売上高)米国(ADP民間雇用統計)。
3月6日(木曜)は、豪数(小売売上高と貿易収支)、米国(新規失業保険申請圏すと、非農業部門労働生産性・単位労働コスト)。
3月7日(金曜)は、カナダと米国(雇用統計と貿易収支)。


◎要人発言やその他では
3月3日(月曜)は、ドラギECB総裁の議会証言(欧州議会)
3月4日(火曜)は、ブッシュ米大統領の予算教書発表
3月5日(水曜)は、中国全人代開幕、ベージュブック。