2014年6月29日日曜日

イベント・経済指標から考える今週の為替相場(6月30日~7月4日)

イベント・経済指標から考える今週の為替相場(6月30日~7月4日)

ウクライナ問題は小康状態を続けているが、イラク情勢の悪化に原油価格は上昇、その影響でカナダドルは強く、年初の高値(カナダドル)水準に近づき、USDCADは下落。ポンドを含めコモンウェルズ通貨高の動きが目立ち、金利差相場なのか、豪ドルやNZドルも堅調に推移。将来的な利上げ観測が続くポンドも強い。

ユーロは、金融緩和パッケージの発表に、将来的に量的緩和まで実施するのか、いや、低インフレ傾向が弱まるのか、今後の数ヶ月間は、様子を見守る以外、手の打ちようがない。結果として、EURUSDの相場に期待を持つことはできない。

円は、期待感の円ショートへと動き、レンジ相場の上限を超えられず、再び元の水準に逆戻り。過去の影響は影が薄く、円相場に関心を持って取引をする大手投機筋はあまり見られない。ただ、金利差、経常赤字の恒常化、本邦企業の海外資産の購入、GPIFなどの資金流出など、将来的な円売り材料は多い。目先はレンジ相場の下限をトライする可能性が高いが、いつまで続くことやら。

さて、今週は、注意しなければならないのは、7月4日(金)が米独立記念日で休日にあたり、その前日7月3日(木)に、重要な米雇用統計、ECB理事会+ドラギECB総裁の記者会見が控えていることである。

このリスクを考えれば、その発表前までは、よほどインパクトの大きい、誰が見ても方向性が分かるような材料が提示されなければ、テクニカルポイントをブレークし、新たなトレンドを作ることは難しいと判断。今週は事実上、4日間しかなく、月曜日から比較的重要な経済指標が目白押し。ただ、それらの多くは一時的な値動きにとどまる可能性が高い。




最新のIMMポジションと相場の動き 2014/06/29

最新のIMMポジションと相場の動き  2014/06/29


≪最近のデータが示すもの(6月24日データ)≫ 

7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネットはショート-50,052コントラクトで、前週-64,528コントラクトからショートが14,476減少した。ドルに換算したポジションはドル買いで約108億ドルと前週の119億ドルから減少し、ポジションを減少させる動きが2週間連続で見られた。

今週特に目立った動きとしては、カナダドルのショートが急減し、カナダドルの先高感が強まっていることであり、現に、USDCADは1.07を割り込み、今年年初の水準に近づいている。

≪各通貨での変化≫
円=-82,16コントラクトと、前週の-61,835から、ショートは減少。ドル換算では約98億ドルのドル買いポジションで、前週の約105億ドルから減少した。

ユーロ=-57,503コントラクトと、前週の-33,025からショートが増加。5週連続でユーロ売りポジションが拡大、ECB理事会で追加緩和パッケージが示されたことが要因となり、売りが拡大。ドル換算では約97億ドルのドル買いポジションになっている。

ポンド=+49,751コントラクトと、前週の+52,596からロングは減少。引き続き5万コントラクト近くのポンド買いが継続。ドル換算では約53億ドルのドル売りポジションで、前週約56億ドルからドル売りは減少した。

豪ドル=+33,463コントラクトと、前週の+27,029からロングは減少。12週連続でプラス圏を維持し、豪ドル上昇局面が続いている。ドル換算では約31億ドルのドル売りポジションで、前週の約25億ドルからドル売りが増加した。

NZドル=+6,152コントラクトと、前週の+3,733からロングは増加。ポジション的には少ないものの、高金利の魅力なのか、41週連続でNZドルのロングポジションが続く。ドル換算では約0.53億ドルのドル売りポジションで前週の約0.32億ドルから小幅増加した。