2014年8月31日日曜日

今週の為替相場(9月1日~9月5日)

今週の為替相場(9月1日~9月5日)

今週の見通しと、今週の経済指標の予定

9月がスタートするが、米金利の低下に、今ひとつドル高の流れも定着できずにいる。今週は、豪州(2日)・カナダ(3日)・英国(4日)・ユーロ圏(4日)・日本(4日)の金融政策を控え、結果次第では一波乱も二波乱をも引き起こす可能性を秘め、米雇用統計(5日)、カナダ雇用統計(5日)と、週末にはダメ押しの重要な指標が控えている。

今週、金融政策を発表する各国の中銀は、現行の金融政策の据え置くことが予想されているが、変更がなければ何も発表されないBOEを除き、中銀の声明文や、総裁の記者会見で相場が動くことは間違いない。

特に、ドラギECB総裁の記者会見で、米ジャクソンホールの経済シンポジュームで示した通り、ECBが量的緩和の方向に近づきつつあることを強く示唆するのか? それとも、どちらにでも受け取れる、今後の経済指標次第とでもいうのか? 

ユーロドルは、先のユーロ圏CPIは弱くディスインフレ懸念は残り、EURUSDは8月23日(金)クローズと25日(月)オープンのギャップ1.340台を埋められず、今年の最安値1.31が直近のターゲットではあるが、1.30割れを確認しなければ、底値の達成感は見られない。先週末に開催されたEU首脳会議では、1週間以内にロシアに対する新たな制裁措置を準備することで合意。ロシアがウクライナへの介入を縮小しなければ、EUは早急に制裁を発動する方針で、ロシアの出方ではユーロ売りの材料にさりかねない。

それ以外でも、金曜日には米雇用統計という大看板が確りと待ちかまえ、9月17日のFOMCを心配しなければならに状況に陥っている。そして、米株式市場と米金利の動向を見ながら、為替相場が動く流れは変わりそうにない。

ドル円は、米金利の低下=ドル円ロングの調整売り、米金利の上昇=ドル円の買いの筋書きは、当面変わりそうにない。先週のUSDJPYは、円安期待の中で、104円台を攻め喘ぎ103.50円台まで下落し、終値ベースで104円台をかろうじて維持したことで、気分的には底値の不安感は弱まっているが、地政学的リスクが激しく高まるが、本邦勢の海外への投資が急拡大でもしなければ、現状では104円台を買い進めるような材料にも乏しい。

4日の日銀金融政策決定会合と、黒田日銀総裁の記者会見で、104円台で新たにドル買いの材料が提供され、104.30円を超え新たなドル買いになるのか? 市場の期待度はかなり低いが、個人的に注目しており、円安相場はすでに始まっていると感じており、103.75~104.50円のレンジを予想している。


最新のIMMポジションと相場の動き 2014/08/31

最新のIMMポジションと相場の動き  2014/08/31


≪最近のデーターが示すもの(8月26日データーから)≫ 

7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドルのネットは-191,678コントラクトで、前週-172,414ショートが19,264増加、2週間連続して通貨の売り=ドルの買いが増加した。

ドルに換算したポジションはドル買いで約319億ドルと前週の294億ドルから増加し、ドル先高センチメントは根強いものがあったが、8月26日のドル強気時のデータで、その後のドル売りを考えれば、ドルロングポジションは減少している可能性もある。

8月25日の週の為替相場は、前の週末に米ジャクソンホールで開かれた経済フォーラムでの、イエレンFRB議長と、ドラギECB総裁発言に端を発し、週明けはギャップを明け、ドル高で取引が始まった。

イエレンFRB議長は、想定より早い2つの責務の達成は早期の利上げにつながる可能性を示唆、ドラギECB総裁は、ECBが量的緩和の方向に近づきつつあることを示唆、ユーロドル売りが先導するドル高へと発展した。しかし、米金利の低下傾向は続き、ドイツを含めユーロ圏の主要国では債券利回りは過去最低を記録するなど、終わって見れば、ドル買いは続かず逆に弱いながらもドル売りが続いた。

地政学的リスクは止むどころかさらに高まり、特にユーロは対ロシア制裁の影響を受け、消費者物価指数は上がらず、ECBの追加緩和の可能性は低いものの、長期金利は過去最低にまで下落、追加緩和の思惑は消えずユーロ売りは止まず。

≪各通貨での変化≫
円=-102,891コントラクトと、前週の-87,271から、ショートは増加し。ドル換算では約124億ドルのドル買いポジションで、前週の約106億ドルからドルロング(円売り)は拡大、今年1月21日の週近くまで膨らんでいた。先週のスポットでは、8月28日にはポジション調整で、103.50円台まで下落したが、週終値ベースでは104円台を付け、今年1月中旬の水準まで上昇している。

ユーロ=-150,657コントラクトと、前週の-138,825からショートが拡大。ドル換算では約248億ドルのドル買いポジションで、前週の231億ドル買い(ユーロ売り)が増加、2012年7月中旬の水準まで拡大、市場センチメントはユーロ先安間は根強く、データー上からも変わっていない。

ポンド=+15,467コントラクトと、前週の+13,287からロングは増加。ドル換算では約16億ドルのドル売りポジションで、前週約14億ドルからドル売り(ポンド買い)は増加した。BOEの根強い利上げ期待に、スコットランドの独立問題やテロ攻撃のリスク引き上げ悪影響にもかかわらず、EURGBPの下落傾向は続いている。先週のスポットでは8週間ぶりにようやく、ようやく、1.65台をボトムに下げ止まっている。

豪ドル=+41,938コントラクトと、前週の+36,574からロングは増加。トータルでは21週連続でプラス圏(豪ドルロング)を維持している。ドル換算では約39億ドルのドル売りポジションで、前週の37億ドルから増加。先週のスポットでは0.93台を維持し、主要通貨でドル高が進む中で堅調に推移している。

NZドル=+11,841コントラクトと、前週の+12,032からロングは小幅減少。昨年9月以来、50週間に渡りネットではロング(NZドル買い)を維持し、ドル換算では約10億ドルのドル売りポジションで前週から小幅減少し、先週のスポットでは続落傾向は止まらず、0.83近くまで一時下落していた。