2015年1月17日土曜日

今週の為替相場を考える、経済指標・その他(1月19日~1月23日)

今週の為替相場を考える、経済指標・その他(1月19日~1月23日)

今日、車にガソリンを入れに行ったら1リッター126円(ちなみに、灯油18リッター1290円)と驚きの下落。諸物価が高騰する折、原油価格の下落の恩恵を感じざるを得ません。

日本ではガソリン価格のうち40%は税金で、米国の13.1%に比べたら高く不平の一つでも言いたくなるのですが、ドイツの63.6%に比べたら低き「我慢」しなければ、ならないのでしょうね?

原油価格の下落に、産油国の「NOK+RUB+CAD」の通貨安が続き、今週も原油の動きに連動することでしょう!

特に打撃を受けているのは、ロシアで通貨防衛を続けているのですが、USDRUBはRUB安の水準で止まっており、880億ドル規模のロシア政府系ファンドの一つが保有する外貨の一部をルーブルに戻す計画も先週報道されていました。

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さて、今週の為替相場を考えると、最大のイベントは「ECB理事会の決定」!先にEU司法裁判所がECBの債券購入計画[アウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)]の合法性を示したことで、「QE」の期待感が強まっています。あるとすればどのような枠組みとなるのでしょうか? 

そして、週末1月25日のギリシャ総選挙! ドイツ、フランスの首脳や、国際機関はギリシャのユーロ圏離脱は考えていないことを表明していますが、先週の世論調査では急進左派連合(SYRIZA)が、32.4%で優勢、与党民主主義党(ND)28.9%と差が拡大していました。やっぱり、どうなるのか不安です。

独紙では、ドラギECB総裁が、各中銀が(ECBではなく)自国の国債を買い入れ、国債買い入れの規模は債務残高の25%に制限することを提案していると報道しています。

また、気になっているのは、過去長年に渡りEURCHF1.2000でスイス防衛を続けてきた、スイス中銀。買い介入をしている「ユーロ」をどのように処分しているのでしょうか? 詳細は全くわかりませんが、ユーロロングを解消しているとすれば、相当額の損を計上していることでしょうし、仮に含み損のままであれば、「EURGBP」の売りで、GBPにヘッジしているのか?、「EURJPY) で円にヘッジしているのでしょうか? 

いずれにしても、EURのロングがまだ、解消されなければならないのではと、不安です。

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今週の重要な経済指標

1/19(月) 米キング牧師誕生日 米株式・債券市場は休場
1/20(火) 中国第4四半期GDP
1/21(水) 英雇用統計、BOE金融政策委員会の議事録公表、カナダ中銀金融政策発表
1/22(木) ECB理事会、ドラギECB総裁記者会見
1/23(金) カナダ消費者物価指数



スイスの下落を検証

スイスの下落を検証

スイス中銀が突然に、EURCHF1.200のスイスフランサポートを放棄したことで、市場が混乱したことは先週の最大の出来事で、為替市場の歴史にの残る中銀の失態と思っています。

その引き金となったのは、ブラード・セントルイス連銀総裁の言うとおり、「ECBが本格的な量的緩和の実施を計画し、実施すればが、スイス中銀がEURUSD1.20のスイス上限を守れなくなることが、撤廃した動きにつながった」。との意見です。

私も賛成で同意見ですが、それが事実なのか? 22日のECB理事会の結果を見守る必要があります。

ところで、USDCHF、EURCHFの安値ををMonthlyチャートで検証したら、興味深いことを発見しました。

→ USDCHFの安値は、2011年8月の安値水準に近く、下げ止まって反発している。

→ EURCHFの安値は、約0.75で、終値は約1.000、直近の高値水準1.2500の中間は1.00で、8月の安値水準に近い。

もっとも、スイスの取引はいままで経験は少なく普段は気にも留めていませんでしたが、この大相場を気にせずにいられません。

強い関連性の有無は別として、今後のスイス相場になぜか使えそうな気がしてまりません。





2015年1月17日(土曜) 最新のIMMポジション(1月13日集計分)から

2015年1月17日(土曜) 最新のIMMポジション(1月13日集計分)から

1月13日のIMMデータでは、円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドルの計7通貨合計で、ネットショートは-394,380コントラクト(約471億ドル)と前週(1月6 日)の、-367,510(約435億ドル)から増加しています。

原油価格の下落がもたらす商品価格の下落もあり、資源国通貨は弱く、産油国のロシアの金融不安が消えることはなく、ロシア・ルーブルが安値圏で推移していることも気になります。

また、ギリシャ総選挙の行方が懸念され、可能性は低いものの、ギリシャのユーロ圏離脱の懸念が払しょくできず、さらには、EU司法裁判所がECBの無制限債券買い入れを合法と認めたことで、QEの可能性が強まりユーロは下落し、ドルは全面高の展開となっていました。

週後半では、スイス中銀がEURCHF1.200のスイス防衛を放棄。スイスフランは激しい上昇に見舞われ、為替市場を大混乱に陥れました。

しかし、IMMデータが集計された1月13日現在では、EU司法裁判所の結果も、スイス中銀が世界の為替市場を混乱に陥れた、EURCHFの介入放棄もまだ発表されていません。

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円は、-94,625コントラクトで、前週からマイナス幅が-94,625拡大。週明けの先の発表分では一時円ショートが減少したのですが、再び拡大し、ドル換算でも100億ドル台を復活するも、昨年12月次のピークには及ばず、円売りポジションの大幅積み増しを懸念しているようにも思われます。

ユーロは、-167,851コントラクトで、前週からマイナス幅が-6,811拡大。4週連続しユーロショートは拡大し、先安懸念はさらに強まっています。ドル換算では247億ドル近くに増加し、高水準が続いていますが、12月23日の週に-19,949と急拡大してからは、ショート増加傾向は緩やかになっています。

ポンドは、-37,140コントラクトで、前週からマイナス幅が-11,570と拡大し4週連続で売りが増加。ユーロや円に比べればショートポジションは大きくはありませんが、ドル換算でも35.2億ドルは、2013年9月以来の大きな金額です。

スイスフランは、-26,444コントラクトで、前週からマイナス幅が-2,273と拡大し2週連続の増加。ドル換算のポジションは、2013年6月以来に拡大していますが、32.4億ドルと少なく、EURCHFの問題だけに、この数字からはEURCHFの防衛放棄は思い想像することもできません。

豪ドルは、-45,365コントラクトで、前週から+3,287とマイナスが4週間ぶりに僅かながら減少。商品市場の下落から始まった豪ドル売りもやや一服感があります。

NZドルは、-1,776コントラクトと、きわめて小さく前週からマイナス幅が-869拡大。基本的に大きな変化は見られません。






2015年1月17日(土曜) 昨日16日、海外市場の動き

2015年1月17日(土曜) 昨日16日、海外市場の動き

米CPIは前月比-0.4%と予想通りに低下し、FRBの利上げ期待に疑問をもたれながらも、ドル買いへ変化。米ミシガン大学消費者信頼感指数は予想外に強い結果にも、テーマは別で、ドルは下落。

「米株+米金利=上昇」にも反応は鈍く、週末のドルロングの調整にドル売りへと変化。スイスフランの大変動の週はようやく終了した。

米株は1週間ぶりに、ようやく前日比上昇。
原油価格(WTI)は48ドル台で安定。
USDRUBは64ドル台でロシアルーブル安変わらず。

USDJPYは116円台一時割り込むが117円台を回復するも、下落トレンドが変わる118.50円を超える水準まで戻れず。

EURUSDは1.15台を一時割り込み戻りも鈍く、2週間で1.20→1.15台まで下落。引き続き、スイス中銀が大量に買い介入をした通貨EURの行方が気になる。そして、ブラード・セントルイス連銀総裁が言ったように、「スイス中銀の突然のギブアップ=ECBのQE決定」の可能性を意識せざるを得ず、戻る売りかわらず、底値見えず。

いずれにしても、儲けに走り過ぎている、投資家の行為自体の正当性は別として、市場を大混乱させ、FX業者の破たんや金融機関の信用に傷をつけたスイス中銀の罪は重い。

◎ブラード・セントルイス連銀総裁=ECBが本格的な量的緩和の実施を計画し、実施すればが、スイス中銀がEURCHF1.20のスイス上限を守れなくなることが、撤廃した動きにつながった。スイス中銀は政策の伝達を市場にうまく伝えず、臨まざる事態を招いた。

◎スイスフランの大変動に為替取引業者が破たん=顧客の損失を肩代わり、アルパリUKが破産を申請。FXCMは顧客損失が約2.25億ドルとなり、自己資本規制に抵触のリスクに、ジェフリーズと救済を協議との報道も。グローバル・ブローカーズも閉鎖。

◎ウイリアムズSF連銀総裁=引き続き年央の利上げが適切。米経済については、成長率は2.5~3.0%近辺で推移し、失業率は2015年終盤から2016年序盤にかけて「通常」の水準と見なされる5.2%まで低下すると予想。インフレ率はFRBが目標とする2%まで最終的に上昇するとみてる。

◎ショイブレ独財務相=ギリシャ国債の債務再編は問題外と否定。ギリシャ経済は他の多くのユーロ圏諸国より速いペースで回復。債務に関する問題はなく、選挙後も国債支援団との合意を履行するよう求める。

◎ユンケル欧州委員会委員長=ギリシャのユーロ圏離脱は論外。ギリシャがユーロ圏を離脱することはなく、われわれがギリシャをユーロ圏から追放することもない。

◎ドラギ総裁(独紙)=QEに関して、ECBではなく各国中銀が自国の国債を買い入れるとともに、各国の買い入れ規模を債務残高の25%に制限する案を提案。

◎コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁=世界経済の成長懸念から海外の投資家が米国資産に逃避買いを入れている状況を踏まえると、FRBは今後数年にわたりインフレ率が目標の2%を下回って推移する可能性を真剣に受け止める必要がある。

◎コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁=年内はゼロ金利近くで維持すべき。

◎イタリア中銀し半期報告=今年の成長予測を1.3%(7月時点)→0.4%に引き下げるが、2011年以来の景気拡大を見込む。

◎ギリシャのアルファ銀行は緊急流動性支援を申請=ギリシャ総選挙前に資金逃避が続く。

2015年1月16日金曜日

2015年1月16日(金曜)昨日15日、海外市場の動き

2015年1月16日(金曜)昨日15日、海外市場の動き

スイス中銀の方針転換に、CHF暴騰し為替市場は急変!

2011年9月6日に設定した、EURCHF=1.2000のスイス上限死守を廃止。1月22日のECB理事会の結果を事前に意識したのでしょうか? サプライズの決定へ。

代わりに大規模な利下げを実施。中銀預金金利を-0.25%→-0.75%に引き下げ、政策金利3カ月物LIBORの目標レンジを「-0.75%~+0.25%」→「-1.25%~-0.25%」に引き下げた。

スイス金融市場は大混乱。株式市場は大混乱、株価は過去に例を見ない下落に、一時13.8%近く下落、終値ベースでも8.67%下落し、時価総額が1050億スイス減少。

為替市場ではCHFが暴騰し、どこまでCHF高になったのかよくわからず! EURCHFは1.2000→0.8500まで一時29%下落(他に安値0.8052との報道も)していたようで、後に1.0475まで値を戻し、1.0110近辺で推移。その他の多くの通貨ペアでもCHFは歴史的な変動へ。

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欧州株(EUROSTOXX50)は大幅上昇=3157.36(+67.69+2.19%)、
米株(DJIA)は下落=17320.71(-106.38-0.61%)
原油価格(WTI)は48.60まで上昇後、下落へ=46.25(-2.23-4.60%)
金価格は上昇=1264.80(+30.30+2.45%)
米金利(10年債利回り)は低下=1.76%(-0.10%-5.20%)

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USDJPYは、117.90円台を回復後、116.20円台へ下落。
EURJPYは、EURCHFの影響を受け1.1570近くまで続落。
資源国通貨は、原油価格の動きに合わせたのか、一時上昇後、再び売りへと変化。
AUDUSDは、雇用統計が強く豪ドル買いが強く、一時0.8300近くまで上昇後、0.8200近くまで下落。
USDCADは、1.1980台→1.1800近くまで下落→1.1980近くへ上昇。

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CHF ジョルダン・スイス中銀総裁=上限撤廃にスイスフランは一時急進しているが、かなり過大評価されており、今後は下落するはず。この決定は市場の意表を突く必要による。スイスの輸出業者にとって現行の為替相水準は不適切。
CHF スイス株急落=スイス中銀の上限撤廃に10%下落。
CHF ジョルダン・スイス中銀総裁=中銀は通貨バスケットではなく、全体的な為替相場の状況に目を向けている。上限撤廃は国際的な動向を反映して上限が正当化されなくなった。状況が変化しタイミングの問題だった。

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CNY 中国人民銀行=銀行預貸率の計算方法を変更する。建設的な銀行融資を促す一方で、シャドーバンキングへの圧力を強めることが狙い。
EUR フィッチ=ユーロ圏のデフレ状況が長期間続いた場合は、格付けに重大な影響を及ぼす。最初に圧力がかかるのは周辺国で、高水準な債務の対GDP比率は悪化するとみられる。
GER 独2014年GDPは前年比1.5%の成長で、3年ぶりの高水準。
GER バイトマン独連銀総裁=QEに関してはすでにご承知の通り。EU司法裁判所の見解は、ECBに法的制限を入れることは限界があるということを示した。
IMF ラガルドIMF専務理事=原油安と米経済回復は世界経済の成長を加速させない恐れ。世界経済の成長は低迷、回復に著しいリスクがある。米国などでの利上げはリスクの一つ。ドル高や世界的な金利上昇が新興国に打撃となる懸念。ユーロ圏や日本が低成長、低インフレにとどまる恐れがある。
JPY 日銀=3月に期限が来る「貸出増加を支援するための資金供給」と「成長基盤強化を支援するための資金供給」を1年間延長することを検討
IND インド中銀=緊急会合を開き、政策金利8.00→7.75%へ引き下げを決定。原油安と需要低迷、地方の賃金の伸び鈍化でインフレは今後抑制される見通しで、それにより一段の利下げ余地ができる。
TRY トルコ財務省=2015年のトルコ成長率は4.0%の見通し、2014年は3.0%の見込み。インフレ率は中銀予想の6.1%まで安定的に低下する見通し。
USD ローゼングラン・ボストン連銀総裁=インフレが近く加速するとの自信を持てない。利上げに踏み切る前に、賃金や物価が上向いているとの一段の証拠を確認したい。

2015年1月15日木曜日

2015年1月15日(木曜)アジア・欧州・米国市場序盤の動き

2015年1月15日(木曜)アジア・欧州・米国市場序盤の動き

今日の欧州市場を動かしたのはスイス中銀。スイス中銀は、2011年9月6日に設定した、EURCHFスイスの上限1.20を廃止し、金利を大幅に引き下げた。

スイスフラン防衛放棄に、スイスフランは急進、大幅なスイスフラン高になり、スイス株式は10%近く下落。CHFJPYは115円台→134円台へと大幅に上昇。USDCHFは1.02台→0.87台へ下落。簡単にイメージすれば、USDJPYが102円→87円へ下落したようなものである。

日経平均株価は上昇、17,100円台まで回復、欧州株も大幅上昇、米株先物も上昇し、原油価格は大幅上昇、WTIは50ドル台へ。

USDJPYは、117.90台からEURCHF防衛廃止に→116.30台まで急落。円クロスでは、コモディティ通貨で円安(NZDJPY、CADJPY)、主要通貨で円高(EURUSD、GBPUSD)。

EURUSDは、1.1750→1.1570台へ一時急落、どこまで値がついたか不明確。その後、一時1.1750台まで値を戻し、1.1650~1.1750のレンジへ。スイス中銀が今まで持っているユーロロングのポジションをどのように処分、巻き戻すのであろうか? 非常に気になる!

◎スイス中銀=EURCHF、2011年9月6日に設定した、スイスの上限1.20を廃止し、中銀預金金利を-0.25%→-0.75%に引き下げ、政策金利3カ月物LIBORの目標レンジを「-0.75%から+0.25%」→「-1.25%~-0.25%」に引き下げた。
◎ジョルダン・スイス中銀総裁=上限撤廃にスイスフランは一時急進しているが、かなり過大評価されており、今後は下落するはず。この決定は市場の意表を突く必要による。スイスの輸出業者にとって現行の為替相水準は不適切。
◎スイス株急落=スイス中銀の上限撤廃に10%下落。


◎インド中銀=緊急会合を開き、政策金利8.00→7.75%へ引き下げを決定。原油安と需要低迷、地方の賃金の伸び鈍化でインフレは今後抑制される見通しで、それにより一段の利下げ余地ができる。
◎中国人民銀行=銀行預貸率の計算方法を変更する。建設的な銀行融資を促す一方で、シャドーバンキングへの圧力を強めることが狙い。
◎日銀=3月に期限が来る「貸出増加を支援するための資金供給」と「成長基盤強化を支援するための資金供給」を1年間延長することを検討
◎フィッチ=ユーロ圏のデフレ状況が長期間続いた場合は、格付けに重大な影響を及ぼす。最初に圧力がかかるのは周辺国で、高水準な債務の対GDP比率は悪化するとみられる。
◎独2014年GDPは前年比1.5%の成長で、3年ぶりの高水準。
◎トルコ財務省=2015年のトルコ成長率は4.0%の見通し、2014年は3.0%の見込み。インフレ率は中銀予想の6.1%まで安定的に低下する見通し。

2015年1月15日 昨日14日、海外市場の動き

2015年1月15日 昨日14日、海外市場の動き


⇒ 米株は一時-350ドル近く下落するも、-180ドル台まで値を戻す。
⇒ 原油価格は大幅上昇、WTIは48ドル台を回復。
⇒ 米10年差利回りは続落、1.85%と-0.05%(-2.81%)近く低下。
⇒ 弱すぎる米小売売上高(前月比-0.9%)。
⇒ 米輸入物価は6年ぶりの大幅低下(前月比-2.5%)。
⇒ 銅価格の急落、戻りも限定的。
⇒ 欧州司法裁判所はECBの無制限債券買い入れを合法と判断、QEへの抵抗が弱まる。


14日の為替相場は、「弱い米小売売上高+輸入物価の大幅低下」に、「米金利低下+米株は大幅下落」、FRBの利上げ時期開始の延期が予想されドル売りへと変化。しかし、「米金利は低下+原油価格の上昇」にも、ドル高基調に大きな変化は見られず。

EURUSDは、欧州司法裁判所はECBの無制限債券買い入れを合法と判断、QEへの抵抗が弱まり、弱い米経済指標に1.1850近くまで一時値を戻した。しかし、ギリシャ総選挙の最新世論調査では急進左派連合の支持率が急拡大するなど、ユーロにとって強弱の材料が示され、買い戻しも限定的。

USDJPYは、「弱い米小売売上高+輸入物価の大幅低下」に下落、116.10円で下げ止まり、米株の大幅下落にもドルの買い戻しが強まり、米株のマイナス幅が縮小+原油価格の上昇に117.40台へと反発。


ムーディーズ=ギリシャのユーロ圏離脱の可能性は低い。
S&P(インターファックス通信)=ロシア格付けが投機的等級(ジャンク)へ引き下げられる可能性はかなり高い。
豪連邦統計局=911月の求人件数は+2.6%の15.04万件(前3ヵ月-0.4%)から拡大し、過去2年間で最高水準へ。
コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁=米長期金利の低水準推移に不安を感じている。
米銀バンク・オブ・アメリカ(BOA )のプライムブローカレッジグループ=昨年、ヘッジファンド約150社との関係を解消した。金融市場の安全性向上を目指して策定された新規制の要件でコスト削減を迫られていることが理由。
ドラギECB総裁=一部報道で、ECBは政府債を購入する準備ができている。
ビスコ・イタリア中銀総裁=ユーロ圏にはデフレスパイラルのリスクがある。
アジアでLME銅相場先物が一時5.5%下落、商品市況全体の売りへ波及。
ベージュブック=大半の地区は緩やかなペースで成長拡大。消費者支出は大半の地区で増加。雇用はさまざまな分野で緩やかに拡大。物価は大半の地区で総じてやや上昇。
ギリシャ総選挙=125日の総選挙の最新世論調査では急進左派連合(SYRIZA)が、32.4%で優勢、与党民主主義党(ND)28.9%と差が拡大へ。
プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=FRBはの望み程長期金利の管理はできていない。米国債の上昇は、欧州など国外の経済問題が背景にあり、米国債は比較的安全資産で、利回りを追求していることもあり、利回りは過去最低で推移。
プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=12月のFOMCで反対票を投じたのは、FRBが「指標次第との立場を明確にせず、金融政策の主な決定要因として時間の経過を引き続き強調しているため。
FF金利先物市場=弱い小売売上高を受け、価格は急上昇し、利上げ開始予想が9月→10月に延期と予想されている。銅価格の急落もあり世界経済見通しの悪化を示す。
欧州復興開発銀行(EBDR)=2014年ロシアへの投資額は6億ユーロと67%減少。2014年の投資総額は8589億ユーロへ減少、トルコへは9.214億ユーロ拡大し、EBDR最大の投資先へ。
カーニーBOE総裁(英議員へ)=ECBがインフレ率を2.0%弱の目標値に向け措置を講じると想定。原油相場の急落は、北海原油・ガス生産のスコットランドには打撃だが、英経済成長にプラス。
2015年半ばまで米経済は最低でも3.03.5%の見通し。エネルギー価格とインフレ率は当面は低水準で推移と予想。
ドナヒュー米商工会議所会頭=米経済が近い将来に再びリセッションに陥ると考える理由はないが、米経済の長期的な見通しは「中国の減速、欧州の停滞、日本がリセッションに再び陥る恐れ」に不透明。
ロシア=880億ドル規模の政府系ファンド(SWF)、リザーブ・ファンドが保有する外貨の一部を自国通貨ルーブルに変換する可能性がある。ルーブル下落に歯止めをかけ景気を下支えを目指すため。






2015年1月14日水曜日

2015年1月14日(水曜) 今日の動きを考える

2015年1月14日(水曜) 今日の動きを考える

不安定な要因が多く、弱気な資金は株売り(リスク資産売り)+債券買い(安全資産買い)へ動いているといわれているが、その行動なのか、株安=円高の流れが続いている。

昨日米国では日経先物が大きく値を下げたこともあり、最初はこれを意識した「日経平均株価下落=円買い」から入る可能性があり、それを意識した円ロングも短期投機筋に見られ、ショートカバーが入った際に、118.70~80円を超えられかを注目。

「地政学的リスク」+「ギリシャのユーロ離脱リスク(25日)+ECBのQEの可能性(22日)+EU司法裁判所のOMT判断(14日今日)」+「弱い英CPI=利上げ期待遠のく」+「下げ止まらぬ原油価格+米株の低下+米金利の低下」に、ドル高となっているが、目先ではFRBの早期利上げ観測にも疑問がもたれている。

さらに、「日本株安+リスク回避=円ショートカバー=円全面高」の展開となっており、テクニカルでも116円台までの続落を示唆しているが、円の買い戻しが大きな相場の変化となるのか? どう考えても一時的な動きに思えてならない。

今日は、以下の材料が提示されているが、「メルケル独首相とドラギECB総裁が、経済政策会合」は、QEに反対するメルケル・ドイツと推し進めたいドラギ・ECBとの動きが注目される。もちろん、期待通り合意する可能性は期待はしていないが・・・・・。

「欧州連合(EU)司法裁判所の判断」では、よほどサプライズがなければ、司法判断は「OK」と思っており、ほぼ間違いないと判断。しかし、「IF」違法とでも判断されれば、法的な強制力はないといわれているも、ECBのQEへの影響は避けられず、「ユーロ売り」が強まる可能性もある。 

≪今日の主な材料≫

16:45 仏消費者物価指数
19:00 メルケル独首相とドラギECB総裁が、経済政策会合に参加
22:30 米小売売上高
23:15 カーニーBOE総裁講演
0:00 米企業在庫
4:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
未定  欧州連合(EU)司法裁判所の判断

2015年1月14日(水曜) 昨日14日、海外指標の動き

2015年1月14日(水曜) 昨日14日、海外指標の動き

円高、円は全面高。次にドル高、ドルは円以外で全面高。

米株下落、DJIAは一時280ドル近く上昇するも、終盤にかけマイナス圏へ続落。
日経平均先物も大幅下落し、米金利も低下。原油価格も小幅下落し、円の買い戻しが強まる。

米JOLT求人労働移動調査は予想を上回り14年ぶりの高水準。FRBの公定歩合議事録(11月24日~12月15日)は、米経済状況は改善し、経済成長の進展への自信を示す。

原油安、WTIは45ドル台復活するも、小幅下落。
10年債利回りは小幅低下へ。
DXYは上昇、VIXは上昇。

ECBのQEを求める声は強まり、ギリシャのユーロ離脱リスクも払しょくできず。今日14日の欧州連合(EU)司法裁判所のECBの債券購入計画「アウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)」の合法性が問われるリスクが、ユーロ売りを誘い、1.1760割れまで続落。

ノボトニー・オーストリア中銀総裁=QEは後手に回るよりも早めに決断するのが賢明。市場ではあらゆる憶測が飛び交っており、一中銀として自らの戦略をできるだけ早く明確に示すべ。

ノボトニー・オーストリア中銀総裁=域内の金融機関はECBから借り入れた資金を返済する傾向にあり、ECBのバランスシートは他の主要中銀と比較して縮小しつつある。ECBが何の行動も起こさなければ、こうした状況は金融引き締めにつながりかねない。

欧州委員会=景気対策の原資となる、欧州戦略投資基金(EFSI)への投資は統計上で政府の赤字として計上されず。

FRBの公定歩合議事録(11月24日~12月15日)=海外経済の動きが米経済のリスクとなる可能性。経済状況は改善、経済成長の進展への自信増す。個人消費は増加、エネルギー安で一段の消費加速。労働市場の状況は改善。賃金上昇圧力の台頭を指摘

レーンカナダ中銀副総裁=原油価格の下落でカナダに重大なリスク。通貨安は原油下落のショックを和らげる。原油は相当な期間にわたって低水準にとどまるだろう。中銀は原油安がもたらす一時的なインフレへの影響は無視。

2015年1月13日(火曜)アジア・欧州・米国市場序盤の動き

2015年1月13日(火曜)アジア・欧州・米国市場序盤の動き

欧州市場では、欧州株は強く、原油価格の下落は止まらず。
米国市場に入り、米企業の好決算に米現物株は強く、米金利も上昇し、原油価格の下げ幅は縮小。

為替市場は、EURUSD+NZDUSDの下落がリードするドル買いにも、USDCADは下落しカナダドル買いが強まり、GBPUSDは底堅く推移。通貨間で動きは異なる。

USDJPY
アジア市場では、日経平均株価は一時-350円以上下落、一時円買いが強まるが117.80円割れで下げ止まり、、下げ幅が縮小すると円売りが強まり、118.80円を回復。欧州市場では118.20~75円のレンジで上下。

AUDUSD
アジア市場では、中国貿易収支は予想より強く、輸出・輸入は予想を上回り、一時0.8200直前まで上昇するも、欧州市場に入りユーロの下落と共にドル買いの流れに0.8130まで値を下げる。

GBPUSD
英CPI前年比は15年ぶりの低水準+英PPIは4年半ぶりの低水準に、カーニーBOE総裁は、超低金利の長め維持を表明、一時1.5080割れまでポンド売りが強まるが、EURGBPの影響なのか? 1.5180台まで値を戻す。

EURUSD
ドラギECB総裁は、ギリシャ国民が総選挙で、緊縮策を条件とする救済後継プログラムを拒否する選択をするなら、ギリシャの銀行への300億ユーロの資金供与を断つ方針。明日、司法裁判所はECBの債券購入計画の合法性の見解を示し、結果によってはQE実施の影響にも左右する可能性に、ユーロ売り止まらず、1.1150台へ続落。


カーニーBOE総裁=英CPIが目標を大幅に下回ったが、追加の緩和措置は検討していない。

カーニーBOE総裁=インフレ率が一段と低下し、エネルギーや食品価格の広範囲な低下につながる恐れがある。回避行動としては資金供給の強化より、超低金利をやや長めに維持する。

カーニーBOE総裁=インフレ率が向こう数カ月間低めに推移するが、2年以内に中銀目標の2%に再び近づく。

ドラギECB総裁=1月25日の総選挙でギリシャ国民が、緊縮策を条件とする救済後継プログラムを拒否する選択をするなら、ギリシャの銀行への300億ユーロの資金供与を断つ方針。

欧州連合(EU)司法裁判所アドバイザー=1月14日にECBの債券購入計画[アウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)]の合法性の見解を示す。この結果によりECBのQEへの制限にもつながる。

2015年1月13日火曜日

2015年1月13日 今日の動き

2015年1月13日 今日の動き

USDJPYは、相変わらず株価+金利+原油価格に連動した動きとなっているが、119円台では円ショートカバーが続き、118台前半では買いが続き、118円から120円の2円レンジで上下ている。このレンジを抜け出した方向に相場が動きやすくなっているので、売り・買いともにポジションを引きずらないように注意。

円先安観は全く変わらないものの、チャートでは円ショートに分が悪く、Dailyチャートでは上髭が長く21日MVで上げ止まっている。今後の可能性の一つとしては、118.41円のポイントを割り込む、終値ベースで118円を割り込むと、次は116.47円がターゲットに入ってくる。また、USDJPYが売り変化するかを見極めるには、円クロスの動きを注視して観察する必要がありそうである。

EURUSDは、よくもこんなに多くの人が、ユーロ圏の低インフレリスクとQEの可能性を擁護する発言をすること。まるで、22日のECB理事会のショックを緩和するような行動パターンをとっているとしか考えようがない。

もちろん、市場は序所にQEを織り込み、ギリシャのユーロ離脱の可能性を織り込み、ユーロ売り相場を展開していることは間違いなく、EURJPYも200日SMA=140.71円を割り込み下落中で、少しでもユーロにとってプラス材料が提示されれば、ショートカバーが入りやすい状況に変わりない。

その中でも、EURUSDは1.8以下の買いが続いていることを考えれば、安値追いの売りはせず、いつもながら戻り売りスタンスを継続。高値は1.1890+1.1962がポイントで、1.2050を超えたらユーロ売りは撤退も変わらず。


今日の材料
08:50 日本国際収支: 経常収支、貿易収支
11:00 中国貿易収支
18:30  英消費者物価指数
00:00  米JOLT求人労働移動調査=予想 前回483.4万件

2015年1月13日(火曜) 昨日12日、海外市場の動き

2015年1月13日(火曜) 昨日12日、海外市場の動き

ロンドン市場のドル買いは一体何だったんだろう? 米株は弱く、米金利は低下、原油価格は下落し、NY市場では全戻しでドルは下落。ただし、コモディテイー通貨(AUD+NZD+CAD)は続落傾向は止まらず。米労働市場情勢指数は強い。

特に目立ったのは3つ。円高+カナダドル安+変わらぬユーロ先安懸念。

※※※※※※

◎USDJPYは118.20円台へ再び下落。日経平均先物は17000円を割り込み、米株安+原油価格の下落に安全資産買いへの選択と円ショートカバーが続く。
◎USDCADは1.20の大台が視野に5年ぶりの高値へ。原油価格は2009年来の安値へと続落し、先週末のカナダ雇用統計の悪化。、
◎EURUSDは潜在的なユーロ売りが続くが、1.1800以下の買いは強い。ノボトニー・オーストリア中銀総裁+ノワイエ仏連銀総裁+マクチ・スロバキア中銀総裁+ビスコ・イタリア中銀総裁など、多くが低インフレを懸念し、量的緩和の必要性を示唆し、

※※※※※※

欧州株は上昇、EURO STOXX50=3084.18(+1.36%)
米金利は低下、10年債利回り=1.91%(-0.04-1.95%)
米株は下落、DJIA=17640.84(-0.54%)
原油価格は下落、WTI=45.90(-4.98%)
金価格は上昇、GOLD=1234.00(+1.47%)
DXY=91.991(+0.06%)
VIX=19.51(+11.17%

※※※※※※

USDJPYは、118.10円→119.30円→118.10円台、日経平均先物が17000円を割り込み円買いが強まる。
EURUSDは、1.1870→1.1780台→1.1840台、
GBPUSDは、1.5190台→1.5100→1.5180台
AUDUSDは、0.8250→0.8130台→0.8160台
NZDUSDは、0.7860台→0.7730台→0.7780
USDCADは、1.1830台→1.1960台

※※※※※※

◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁=低インフレの長期化を警戒。世界経済の中でも欧州は弱い。ECBは対応を長期間待つべきではない。原油価格は50ドル付近が新たな均衡点になる可能性がある。

◎ノワイエ仏連銀総裁=量的緩和に関して現時点で何も決定されていないが、買い入れ実施の是非や、開始の時期が議論の焦点で、ギリシャ問題の重要度を上回る。もっと早い時期に開始とか、先送りすべきなど様々な意見がある。個人的には買い入れ対象の割合に上限を設定すべき。

◎マクチ・スロバキア中銀総裁=低インフレは長期化し2016年末前に目標2.0%弱を上回ることはない。既存措置の効果がない場合には、量的緩和に踏み切る必要がある。

◎ビスコ・イタリア中銀総裁=ユーロ圏のデフレリスクを過小評価すべきでない。ECBの実行できる最善の対策は国債買い入れ。

◎ルッテ仏首相=ギリシャ急進左派連合(SYRIZA)が総選挙で勝利しても、過去4─5年に厳しい財政再建に取り組んできた同国が改革をすべて停止し、ユーロ圏を離脱するというのは想像し難い。

◎仏中銀月報=2014年第4四半きGDP予想は前期比0.1%。

◎ゴールドマンサックス=OPECがが需給バランスを取り戻すために減産に踏み切ることはないとの想定では、シェールエネルギーへの投資の勢いを削ぐには原油価格は今年上期に40ドル付近に下がらなくてはならない。

2015年1月12日月曜日

2015年1月12日(月曜)アジア・欧州市場の動き

2015年1月12日(月曜)アジア・欧州市場の動き

東京市場が休場の月曜日、欧州株は上昇(EURO STOXX50=+1.635)、米株先物も上昇。
原油価格は下落(TWI=-2.01%)、欧州市場に入りドルは全面高、円は全面安。

これからの米国市場の株価を見なければ、この流れが続くのか確定できないものの、先週末の米雇用統計で時間当たりの賃金が低下したことで、売られていたドルは、値を戻し、力強さが感じられる。

USDJPYは、118.10円台→119.20円台へ上昇。
EURUSDは、1.1850台→一時1.1790割れまで下落。
GBPUSDは、1.5170台→一時1.5100割れまで下落。
AUDUSDは、0.8250台→一時0.8160割れまで下落。

世界経済の懸念にリスク資産を敬遠する動きが強まる=メリルリンチ週間調査では、1月7日までの1週間で、株式ファンドから121億ドルの資金が流出。米株の純流出額は128億ドル、欧州株は3億ドル、新興国株は13億ドルの流出超、日本株は5億ドルの流入。再建ファンドは53億ドルの流入超と8週間ぶりの規模へ。

この流れは、為替相場の変動と同じで、株価=円の為替レートの連動性が強いことを裏付けている。

2015年1月12日(月曜)今日の動き

2015年1月12日(月曜)今日の動き

東京市場は休場。主要な経済指標もなく、ブルーマンデー。

先週末の米雇用統計の結果と、その後の市場の反応から考えると、特に重要な材料がない中で、週明けもドルロングの調整が続きやすくなっています。

週序盤でどこまでその動きが加速できるのか? まず、欧州・米国勢の動きを見て、それを確認することになりそうです。

それと、いつもながら、米金利+米株+原油価格に注目!


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(≪USDJPY≫
先週末に120円台を再トライすることなく、円安期待にとってはショック。
円ショートポジションが残っていることを確認し、118円~120円のレンジの下限を試している最中ともいえるが、月曜日の早朝は、先週末の安値からギャップを開け、円高からスタート。

テクニカルでもUSDJPYは下値圧力が続き、先週末の終値118.50円と、118.80円の上値が重くなっており、119.30円台には売りが集中しています。また、下値は、117.60円、116.16円がボトムとみています。

※※※※※※

≪EURUSD≫
一時1.18を割り込み、1.18以下でのショートは引き続き警戒観が強いものの、戻り売りスタンスは変わらず。ごく短期は売り、中期は買い、長期は売りと、それぞれ期間によって流れは異なり、取引を難しくしています。

ECBのQEとギリシャ政局混迷をテーマとした、短期投機筋のユーロショートが積み上がっており、ユーロ先安期待とショートカバーが綱引き。ユーロにとってプラスの材料が出れば、1.2000のギャップを窓埋めする可能性は残っているものの、1.2050を超えるまでは売りスタンスに変更なく、1月22日のECB理事会、28日のギリシャ総選挙までは、ボトムの達成感は見られません。

※※※※※※

≪AUDUSD≫
中国の経済指標もまずまず、金価格は堅調で、AUDNZDの巻き戻しが強く、0.8000の大台を試すことなく0.8200台を回復。

引き続き0.8000を試すことを期待しながらも、目先はショートポジションの巻気戻しに、0.8175、0.8130が底堅くなっていますが、上値のターゲットは0.8265で、0.8400は限界と思われます。



2015年1月11日日曜日

今週の為替相場を考える、経済指標・その他(1月12日~1月16日)


今週の為替相場を考える、経済指標・その他(1月12日~1月16日)

新年明け第1週は、波乱の中、原油価格の下落とユーロ売りが主導し、ドル全面高となり、クロスを中心に円の買い戻しの中で終了しました。

今週は、先週と異なり重要な経済指標やイベントは限定されます。最重要な経済指標は、豪雇用統計(15日)、やや重要度は落ちますが、英CPI(13日)、ユーロ圏CPI+米CPI(16日)などが発表されます。

また、イベントではメルケル独首相とドラギECB総裁が参加する14日の経済政策会合を注目しています。ECBの国債買い入れに反対しているメルケル首相と、実施をほのめかしているドラギ総裁が参加する場となるだけに興味がそそられます。

今週は大きな材料も少ない分、来週以降を見越した週になりそうで、ECB理事会(1月22日)、ギリシャ総選挙(1月25日)、FOMC(1月29日)が市場参加者の視野に入っています。先になり過ぎますが、英国総選挙(5月7日)、ユーロ離脱のリスクも将来的なポンド相場に影響を与えている可能性もあります。

※※※※※※

市場の関心は、「株高=円安」からやや離れて、「ECBのQE+ギリシャ政局不安=ユーロ安」と、「FRB利上げ期待=米独り勝ち」へと変化しているように感じられます。

ただ、この動きも来週のECB理事会とギリシャ総選挙で「Sell the Rumore, Buy the Face」ではないですが、目先のイベントが終わってしまえば、とりあえず利食いや、反転することも意識する必要がありそうで、再び円に関心が集まると、円安再開がテーマとなってきます。

その中で、主要通貨は総じて重要なポイントに差し掛かっており、この水準を「いつ、どのように試すのか」を注目しています。

USDJPY=120円→ すでに達成済み、次は、2007年6月の高値124.14円。
EURUSD=200カ月SMA1.25000と1.2000→ すでに達成済みで、次は2005年11月の1.1640。
GBPUSD=1.5000→ 先週安値は1.5034
AUDUSD=0.8000→ 先週安値は0.8032
USDCAD=1.2000→ 先週高値は1.1889
USDCHF=1.0000→ すでに達成済み、次は2010年の高値1.1730

※※※※※※

円の位置を考えたいと思います。市場参加者の中には、行き過ぎた円安の修正を予想する声も聞かれます。本当なんでしょうか? 

中長期的な話になりますが、仮に、仮に、今回の上昇過程で最大の下落は、2013年5月~6月の103.73→93.78=約10円で、バーナンキショックの時に当たります。

その値幅を今回に当てはめると、高値121.84-10円=111.84円となりますが? FRBが利上げを止める状況に陥るか、日本株が大暴落でもしない限り、そこまで円高へ方向転換する材料は見当たりません。

仮にあったとしても、2007年の高値124.14円を超え、125円を達成した後に、2014年10月、11月のギャップを埋める112円台前半までが最大の円高値ゾーンと考えてもいいと思います。

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≪今週の主な経済指標≫

◎1月12日(月)東京市場休場
特にありません

◎1月13日(火)
中国貿易収支
英CPI

◎1月14日(水)
仏消費者物価指数
米小売売上高
米ベージュブック

◎1月15日(木)
豪雇用統計
独2014年GDP
米新規失業保険申請件数
カナダ中古住宅販売
米フィラデルフィア連銀製造業景況指数
米NAHB住宅市場指数

◎1月16日(金)
独CPI
ユーロ圏CPI
米CPI
米鉱工業生産・設備稼働率
米ミシガン大学消費者信頼感指数











2015年1月11日(日) 最新のIMMポジション(1月6日集計)から

2015年1月11日(日) 最新のIMMポジション(1月6日集計)から


1月6日のIMMデータでは、円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドルの計7通貨合計で、ネットショートは-367,510コントラクト(約434.9億ドル)と前週(12月30日)の、-340,961(約411.7億ドル)、前先週(12月23日)からさらにショートが増加しています。

ポジション全体の構成は図の通り、ユーロ55.0%と最も大きく、続いて円21.9%、豪ドル9.0%の順番となっており、この順番に変化はありません。

先週は、ギリシャの政局不安とユーロ離脱の可能性や、弱いユーロ圏CPIにECBの追加緩和期待に、EURUSDは大幅に値を下げており、ユーロショートも拡大しました。逆に円ショートは減少し、日経平均株価も伸び悩み、リスクを回避する動きに円のショートカバーが続いています。

※※※※※※

円は、ネット-90,083と、前週-96,319から6,236売りが減少。市場の焦点は、ユーロ売りへと動き、原油価格の急落に、リスク回避する動きが強まり、円の買い戻しが続いた影響に、USDJPYは120円台が重くなっていました。

ユーロは、ネット-161,040と、前週-152,219から-8,821売りが増加。3週連続でユーロ売りが拡大し、11月25日の週以来久々に、16万台のネットショートになっています。1月22日にのECB理事会、1月25日のギリシャ総選挙が終わるまでは、目先歩ショートカバーは別として、ユーロショートの大幅な流れの変化は望めそうにありません。

ポンドは、ネット-25,570と、前週-19,302から-6,268売りが増加。直近の経済指標は弱い数字が多く、早期利上げ観測は弱まり、3週連続し売りが拡大しています。トータルショートも12月2日の水準近くまで拡大し、一時ドル売りをリードする動きにも結び付いていました。

スイスは、ネット-24,171と、前週-16,545から-7,626売りが増加。スイスCPIは予想外に弱く、EURCHFも1.20ぎりぎりで推移しています。ユーロに連れらてUSDCHFは上昇(スイスは下落)している可能性は高いものの、スイスのネットショートは、11月25日の水準を上抜け、2013年6月の水準近くまで拡大しています。

カナダドルは、ネット-17,087と、前週-14,033から-3,054売りが拡大。産油国でもあり、原油価格が下落している影響を受け、USDCADは上昇(カナダドルは下落)し、2週間連続で売りが増加していますが、カナダの原油基地があるアルバータ州とメキシコ湾を結ぶ「キーストーンXL」パイプラインの計画を米下院は承認、カナダドルの買い要因ともなっています。

豪ドルは、ネット-48,652と、前週-40,697から-7,955売りが拡大。商品相場の下落や、当局の豪ドル安誘導は止まらず、3週連続し売りが拡大しており、昨年2月以来のショートポジションとなり、AUDUSDも続落傾向が続いています。

NZドルは、ネット-907と、前週-1,846から+939買いが増加し売りが減少。高金利の影響なのか、安全資産としての選択なのか、主要通貨で唯一買いが増加し、AUDNZDは下落、NZDはクロスでも堅調に推移しています。

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