2014年10月18日土曜日

2014年10月18日(土曜) 昨日17日の為替市場の動き


2014年10月18日(土曜) 昨日17日の為替市場の動き

強い米経済指標に米金利と株価は上昇しドル買いへ。

米経済指標は強く、イエレンFRB議長は金融政策への言及はなく、好調は米企業決算に、米株は大幅上昇し、ドルは全面高でクロスでも円は下落。

≪米経済指標経の反応は日替わり≫
米住宅着工件数と建設許可件数は予想を上回る増加
米ミシガン大学消費者信頼感指数は予想を上回り7年3カ月ぶりの高水準

≪好調な米企業決算に米株は上昇へ≫
米GE、モルガンスタンレーの好決算に株価は上昇

≪BOEチーフエコノミストは利上げ先送りの可能性を示唆し、ポンド売りが一時強まる≫
英経済や世界経済の先行き不透明に、長期間低金利の維持が必要になる可能性がある。ただし、2015年半ばの利上げを予想。

≪カナダ消費者物価指数は予想通りで動けず≫
前年比2.0%と予想通り、前回2.1%から小幅下落するも、中銀目標2.0%と同じで動けず。

≪一時混乱したNZドル≫
NZ中銀が発表した貿易加重平均の構成通貨の拡大を、為替声明と誤解し、NZDUSDは0.7940→0.7870台→0.7940台へ上昇。

≪FRBの利上げ時期先送りの予想は少数派≫
ブラード・セントルイス連銀総裁はQEの先送りを検討すべきとの発言を、ヒルゼンラス氏(WSJ紙)は否定、2013年5月からFRBはプログラム終了への道を公開していると反論。ローゼングレン・ボストン連銀総裁は、来年の利上げ期待はまだ崩れていないと発言。

≪プーチンロシア大統領、メルケル独首相、オランド仏大統領、ポロシェンコ・ウクライナ大統領との会談終了≫


2014年10月17日金曜日

2014年10月17日(金曜) 昨日16日の海外市場の動き

2014年10月17日(金曜) 昨日16日の海外市場の動き

円売りへと変化。

米株は下げ止まり米金利は上昇、ドル円は買い戻され、主要通貨ではドル買いから売りへと変化。

強い米経済指標
週間新規失業保険申請件数は、予想外に改善し14年ぶりの低水準。鉱工業生産は、予想を上回り2015年5月以来で最大の伸びへ。フィラデルフィア連銀景況指数は、予想を上回る。対米証券投資は、買い越し額が拡大。弱かったのはNAHB住宅市場指数だけ。

黒田日銀総裁は持論を変えず
黒田日銀総裁は再び、ファンダメンタルズを反映した円安は、全体として景気にプラスと発言。

タカ派からハト派発言へ
プラード・セントルイス連銀総裁は、指標次第ではFOMCは債券購入プログラムの終了で、先送りを検討すべきと変化。

混乱収拾期待が裏切られる
ロシア・ドイツ首脳会談は中止へ。



2014年10月16日木曜日

2014年10月16日(木曜)アジア・欧州市場の動き

2014年10月16日(木曜)アジア・欧州市場の動き

今日も日本株や欧州株は弱く、ドル円は再び下落し、円は他通貨でも上昇している。いつもながら、弱い米経済指標=株安+米金利低下に、ドル売り・円買いに動く、連動性が続いている。

米経済指標の低迷が、昨日のサプライズなドル売りのきっかけとの一つで、今日も多くの米国発の経済指標の発表が控えており、これからも相場変動が止みそうにない。

まず、ドル円相場は昨日の105.20円で一先ずボトム感が強まっているが、106.50円のポイントは重くなっており、これらの水準105.50円~106.50円のレンジ内で、上下に変動すうると思われる。

また、今日は多くの連銀総裁らの講演が予定されており、これらも影響した相場が動くことになりそうである。

2014年10月16日(木曜) 昨日15日の海外為替市場の動き

2014年10月16日(木曜) 昨日15日の海外為替市場の動き


為替相場の変動率は大幅に上昇、主要通貨の上下値動きは荒くなる。

米株は大幅下落、ダウ工業平均は一時-460ドル近くまで下落から、-170ドルまで値を戻す。債券利回りは大幅に低下。

米短期金利先物市場は、弱い米経済指標を受け、FRBは2016年初めまで利上げを見送ることを織り込み始める。

米財政赤字は改善し、イエレンFRB議長は非公式会合で米経済に自信を表明。


≪弱気な材料が多い≫

米小売売上高は弱く、NY連銀製造業景気指数も弱く、米生産者物価指数も予想を下回り、企業在庫は低下。

香港民主派デモ隊と警察の衝突が激化

エボラ熱が米国へも波及、感染者2名に米国内の感染感染拡大を危惧。

米債券市場の市場期待インフレ率指標(BEI)は、約3年ぶりの低水準へ下落し、世界経済の減速が米物価の上昇率を抑制。


≪一部には強気な材料も≫

米月次財政収支は黒字額が予想を上回り、2014年会計年度の米財政赤字額は前年度の1/3へ縮小。

米地区連銀経済報告は、米経済は大半の地域で「控えめから緩やかに(modest to moderate)」成長。

匿名関係者から、イエレンFRB議長は週末のワシントンでの非公式会合で、海外のリスクに対しても、米経済は今後3%程度の成長を達成し、失業率はさらに低下、インフレ率もFRBの目標2%水準にいずれ戻すと自信を表明。








2014年10月15日水曜日

2014年10月15日(水曜) 午後11時現在の為替相場の動き

2014年10月15日(水曜) 午後11時現在の為替相場の動き


欧州市場は主体性がなく、米国市場は、やはり株と債券利回りが主で、為替相場は従。

弱い米経済指標を事前に予知していたのであろうか? 欧州市場からドル売りへと変化し始めていた。

世界的な成長鈍化が米国へと波及したのか、午後9時30分の米小売売上高は弱く、NY連銀製造業景気指数も弱く、米生産者物価指数も予想を下回り、米株先物の続落から始まり米株現物市場も一時300ドル超の下落となり、米金利は続落、ドルは全面安。

米経済指標の結果は確かに弱い内容となったが、市場の反応は予想外とも思えるほど強く、極端な反応となった理由が気になってならない。また、ドルが強気な状態ではこれほどのドル下落になってはいないと思えてならない。

EURUSDを例にすれば、10月9日の午前3時のFOMC議事録で「のFOMC議事録では、経済成長減速とドル上昇が米国の景気見通しにとってリスク要因」とのサプライズに、1.2655→1.2750へ100ポイント上昇しただけなのに、今回は1.2670→1.2890と220ポイント近くも上昇。

USDJPYもFOMC議事録で108.70→108.00円へと70ポイント下落、今回は、106.90→105.20円まで170ポイントも下落、これで潜在的な短期ショートポジションを全て一掃した感がある。もちろん、105.00円はサイコロジカルに重要なポイントで、この水準を割り込むのは至難の業と思いたい。

今現在では、反動のドル買い戻しが続いており、底値から大きく値を戻しているが、米金利がやや値を戻し、米株もマイナス幅を徐々に縮小していることが要因と思われる。


2014年10月15日 アジア・欧州市場、米国市場序盤の動き

2014年10月15日 アジア・欧州市場、米国市場序盤の動き

弱い米経済指標を事前に予知していたのであろうか? 欧州市場に入るとドル売りの流れが強まり、欧州株や米株先物は下落、日本株先物は下落し、米金利は低下へ。

そして、午後9時30分の米小売売上高は弱く、NY連銀製造業景気指数も弱く、米生産者物価指数も予想を下回り、米株先物は続落し、米金利先物は続落、ドルは全面安。

アジア市場では、日経平均株価が上昇、USDJPYは一時107.50円近くまで上昇するも続かず。中国の消費者物価指数の前年比は、予想を下回り5年ぶりの低水準に鈍化するも、豪ドルへの影響は軽微。

欧州市場では、独消費者物価指数の確報値は速報値と変わらず、相場の材料にならず。英雇用統計は、失業率は低下、失業者数は減少するも、GBPUSDの上昇は限定的で、逆にカウンターにGBP売りも一時強まる。

2014年10月15日(水曜) 昨日14日の海外為替市場の動き

2014年10月15日(水曜) 昨日14日の海外為替市場の動き

昨日、10月14日(火曜)の海外市場では、米金利は低下、特に年債利回りは大幅下落。米株は前日比マイナス幅を埋められず。欧州市場で上昇したドルは、NY市場の終盤にか再び上昇、クロスの円買いが目立つ。

USDJPY=106.70~107.30円のレンジで動けず
GBPUSD=1.5900を一時割り込み11カ月ぶりの安値へ
AUDUSD=0.8700を一時割り込む
EURUSD=早朝の1.2760台を高値に、欧州市場で1.2640まで下落、1.2640~80のレンジへ。

いつもながら、米国市場では米株と米金利の動向が、為替相場に与える影響は非常に大きく、ほぼ連動している。

USDJPYの動きは緩慢ながら、円クロスでは円買いが続き、USDJPYの上値107.50~60円を重くしている。この水準は非常に重要で、これを上回って、安定的に取引が続くと、円安再来の可能性が高くなるが、現状では難しい。

今日注目する材料を挙げてみたい。
●米財務省の半期為替報告
最近は、米通貨当局者からドル高を危惧する発言が多くなっているが、米政府(財務省)がどのような考え方を持っているのか?相場の変動要因。
●ドラギECB総裁の講演
欧州経済の鈍化やディスインフレの見通しが続く中、どのような発言をするのか? サプライズは期待できないが、発言内容に注目。
●英雇用統計
いつもながら変動率の高い経済指標で、相場変動が溜まる可能性が非常に高い。
●米小売売上高を含め、米経済指標は全て重要。

2014年10月14日火曜日

2014年10月14日(火曜) アジア・欧州市場の動き

2014年10月14日(火曜) アジア・欧州市場の動き


前日の米株の大幅下落に続き、日本株と欧州株は下落。ドル買い+円買いの流れが続く。

弱い独経済指標
独ZEW景況感調査の期待指数は-3.6、現況指数は3.2と、ウクライナと中東情勢の悪化に予想外に弱く、10か月連続で前月比から低下。独10年債利回りは過去最低を記録、ユーロストックス50は1%超の下落。量的緩和を期待する声が高まりユーロ売りが強まる。

伸び悩む英インフレ率
英消費者物価指数の前年比は1.2%と、原油価格の下落やポンド高による輸入コストの低下に、2009年以来の低水準。来年の利上げ期待感が薄らぎポンド売りが強まる。

ユーロドルは再び下落
ウクライナと中東情勢の緊張の高まりと、ECBの景気刺激策の効果に疑問が生じ、最近の経済指標は弱く、株価の下落に景況感が悪化。ポジションの巻き戻しの買いも弱まり、逆にユーロ売りの流れが続く。

世界経済の成長鈍化を懸念、FRBの早期利上げ期待が弱まり、円高へ
米国の景気が加速の兆しを示し企業収益も増えているが、米株式相場の下げ局面が相場を難しくしている。日本では消費増税で経済回復の腰折れが懸念されているが、ユーロ圏経済が2008年以降で3度目のリセッション入りの瀬戸際にあり、中国では不動産市場の低迷が景気の足を引っ張り、英国ではインフレ率が低下、FRBの早期利上げ観測が弱まる。

菅官房長官+山口公明党代表はいき過ぎた円安を懸念
菅官房長官は、円安のマイナス影響が行き過ぎないように政府として注視。山口公明党代表は、円安傾向について、中小企業や小規模事業者、低所得の家計に影響が及ぶおそれがあり、引き続き動向を注視。政府としても果敢な対応が必要。日本国内では、円安への弊害が取り正され、世界的な株価の下落に、ドル円やクロス円でも円の買い戻し強まっている。

ドル買いの流れは変わらないが、ドル高けん制に一方的なドル買いも期待できず
遅かれ早かれFRBの利上げは避けられず、最終的な選択では、米国が最も有望との見方は変わらないが、連銀総裁やFRB理事らからドル高懸念の発言に、今までの一方的なドル買いの巻き戻し+基本的なドル買いの流れに、売り買いが交錯する可能性が高くなっている。




2014年10月14日(火曜) 13日の海外市場の動き

2014年10月14日(火曜) 13日の海外市場の動き

日米が休日となった週明けの月曜日は、国際会議で政府筋や通貨当局者から多くの意見が発せられたが、危惧は弱いユーロ圏経済と、自国通貨安の誘導回避。多くのエコノミストはECBの大規模な国債買い入れを予想。しかし、為替相場は米株の大幅下落に終盤にかけてドル売りへと変化、USDJPYはついに107円を割り込む。

懸念するユーロ圏経済、しかし、ユーロは安定し底堅い。
IMFは、ユーロ圏が再度リセッション入りする確率は40%といい、ドイツの景気減速を強く懸念し、ユーロ圏の成長鈍化を懸念。プラートECB理事は、インフレ率がマイナス転落のリスクゼロではないと言う。

S&Pは、ユーロ圏でポジティブ見通しは、アイルランド、キプロス、スロバキア。ネガティブ見通しは、フランス、イタリア、スロベニアというが、先週10日にS&Pが、フランスとリンランドの格付け見通しを引き下げたことが思い出される。

FRBの利上げ開始時期が遅くなる恐れ?
フィッシャーFRB副議長は、世界経済が大幅に減速すれば利上げ開始時期が遅れる可能性があると発言。エバンズ・シカゴ連銀総裁も、ドル高と海外の景気減速は、米国でインフレ率が目標に向け上昇することが阻まれる恐れがあり、利上げの根拠が弱まる。タルーロFRB理事も、世界経済の状況は明らかに、われわれが今後の政策で考慮する必要がる。

ドル高けん制発言
メスター・クリーブランド連銀総裁も、持続的なドル高になれば米国の成長を抑制。ルー米財務長官は、G20で通貨安の競争回避と、世界の需要押し上げを要請。

黒田日銀総裁は円安容認?
経済状況を反映した円安はプラス、これまでの円安はファンダメンタルズと金融状況に一致し、経済にとってプラス。

2014年10月13日月曜日

2014年10月13日(月曜) アジア・欧州・米国市場序盤の動き

2014年10月13日(月曜) アジア・欧州・米国市場序盤の動き

日米が休日の月曜日。為替市場は大幅な変動は見られなかったが、欧州株は下落してスタートしたが徐々に上昇へと変化。米現物株は弱含みで推移。

ある記事で、「週末、ワシントンで中銀当局者は、利上げや引き締めを急ぎはしないから安心しろというメッセージが発せられたが、それが十分かどうかが問題」とあった。

週末のワシントンでの国際会議で聞こえてくるのは、世界経済の状況を危惧する声と、自国通貨安を擁護する声。そして、FRB理事や連銀総裁からはドル高に対しての賛否両論。

結局のところ、日本・ユーロ圏と米国との間にはファンダメンタルズに大きな違いがあるとの声が的を得ているように思えてならない。

ドイツの景気鈍化懸念が指摘され、ユーログループ議長は、米国と欧州は景気回復の度合いが異なり、ファンダメンタルズに違いがある以上、EURUSD安について議論をする意味はないと開き直る。

ドラギECB総裁がユーロ安を誘導していないよと言い、金融政策は為替を目標としないことをコミット。黒田日銀総裁は、円安を容認しているのか、経済状況を反映した円安はプラスと言う。

ルー米財務長官は、通貨安の戦争回避と、世界の需要押し上げを要請。フィッシャーFRB副議長は、世界経済が大幅に減速すれば利上げ開始時期が遅れる可能性を指摘。

2014年10月13日(月曜) 今週の為替相場はレンジ取引で対応

2014年10月13日(月曜) 今週の為替相場はレンジ取引で対応、ただしドルショートは考えにくい

今日は、日本、米国、カナダが休日となります。
先週に続き、台風が近づき、どうもムードが今ひとつ盛り上がらないと考えている方も多いのでは?

為替市場では、市場参加者のセンチメントも、一週間前の積極的なドル高志向もすっかりと影が薄くなり、今週は一方向への動きから、レンジ相場入りの可能性を意識した取引が考えやすくなっています。

日本、ユーロ圏、豪州、NZ、英国に続き、米国までが自国通貨安を狙っているとは思いませんが、FOMC議事録のドル高を抑制する発言と、米財務相と米外交問題評議会が先に示したドル高を容認する発言とは、どうも矛盾を感じます。

直近の円(日本)はちょっと複雑。諸事情が重なり物価上昇が強まり、成長の伸び率が弱まり、このまま消費増税を推し進めることができるのでしょうか? 天候不順による食料品の値上がりはどうしようもないのですが、輸入インフレと、輸入業者の倒産増加、このリスクを意識した、円安抑制への発言がちらほら。

いずれにしても、米国の利上げ開始は秒読み段階に入り、QEによる資産価格の上昇と、その反動による、バブル崩壊の恐れを意識しての行動と思えるのですが、他に政治的な動きがあるのでしょうか?

目先の現実に目を向けると、世界的な景気鈍化の恐れ、長期金利の低下、株価の下落に、各国中銀や政府はどう対応していくのでしょうか?

今週も多くの米経済指標の発表が控えており、仮に、強い数字が続くことにでもなれば、「すわ、早期利上げ観測が強まる!」 と、短絡的にドル買いが強まることも忘れないようにしたいものです。

イエレンFRB議長、ドラギECB総裁の講演が今週予定されていますが、あまり期待せずに、発言内容を見守りたいと思います。

2014年10月12日日曜日

今週の為替相場を考える(10月13日~10月17日)

今週の為替相場を考える(10月13日~10月17日)

ドル底値を模索しながら、レンジ相場を形成へ。

先週の冒頭に、「ドル高を止める材料は、自律的なポジション調整とドル高懸念だけ」とのタイトルを記したが、FOMC議事録で、世界的な経済成長の減速と、ドル高が米国の景気見通しにとってリスク要因になりうるとの指摘に、早期利上げ観測が後退と、ドル高のリスクが指摘され、ドル売りの流れが強まった。ただ、通貨当局のドル高懸念に反して、米財務省筋からはその動きは見られない。


下図では、9月末と先週末10日の変化をグラフで表している。
主要通貨では、USDJPYの下落が1.8%と最も高く他を圧倒している。円クロスでは前が全面高で、特にGBPUSDとAUDJPYに対して下げ幅が大きくなっている。

原油価格は5.42%下落し、金利は世界的に低下し、英と米10年債利回りは8%以上も低下、主要国の株価も大きく下落、特に欧州と日本株価の下げ幅が大きくなり、VIXは30%を超える上昇となった。

ドル円(円相場)は、株価と金利との相関関係が高く、株高=円安、株安=円高の流れが続くことが多い。そして、日米の金利差や、日本と他国との金利差によっても動くこともある。今回は、株安+主要国の金利低下により、円の買い戻しが強まっており、為替相場は「一方通行型」から、「相互通行型」へ変化。つまり、上下のレンジ相場に入ったと考えた取引を行いたい。

今までの強気なドル買いを一時的に修正しなければならないが、現時点で考えられることは、資産買い入れを終了し、来年に利上げできるドルは、他国の通貨を圧倒していることになんら変わりはなく、長期的なポジションはドル買い。

≪今週の相場を考えるときに≫
今週の相場を考えるときに、多くの要因を想定する。1.先週の値動きとポジションの偏りがベースとなり、2.米国の金利と金利差や株価の動向を考へる。そして、3.テクニカルチャートで方向性を考えながら、4.今週の経済指標やインパクトのあるイベントや発言予定などを考慮する。

1.先週の値動きとポジションの偏り
FOMC議事録はもちろんのこと、IMFや世銀も世界経済の減速を指摘、特にユーロ圏の成長鈍化を危惧し、その影響が米国に及ぶ恐れを危惧している。そのため、FRBは利上げを積極的にアピールできにくい状況で利上げ時期の先送り感が強まり、ドルロングのポジション調整が進み、その流れが暫く続きそうである。

2.米国の金利と金利差や株価の動向
欧州を筆頭に、米長期金利の低下傾向が続いていたが、ついに米2年債利回りまで下げ始め、米国を含め世界的な株安の流れが続き、継続する可能性が高い。

3.テクニカルチャート
USDJPYの長期的な上昇トレンドに変化はないが、Dailyチャートでは108.00~20円を割り込みオシレーター系のチャートは売りへと変化。107円~108.50円、106.50~109.00円のレンジに入りやすくなっている。
EURUSDは、1.28台近くまで値を戻し、Dailyチャートは1.2600~1.2800のレンジで推移し、オシレーター系はやや買いへと変化するも、1.2800台で安定的に定着するまでは、確信が持てず。

4.今週の経済指標やインパクトのあるイベントや発言予定
経済指標では、最重要の発表はないが、14日(火曜)の英消費者物価指数、15日(水曜)の英雇用統計と独消費者物価指数、16日のユーロ圏消費者物価指数。発言では、15日のドラギECB総裁の講演、16日に集中する米連銀総裁の発言、17日(金曜)のイエレンFRB議長の講演を注目したい。

また、経済指標次第となっているFRBの利上げ時期を巡り、米国発の経済指標は全てを注目する必要があり、14日の鉱工業生・設備稼働率産、15日の小売売上高、NY連銀製造業景気指数、生産者物価指数、企業在庫、ベージュブック、16日のフィラデルフィア連銀景況指数、NAHB住宅市場指数、17日の住宅着工・許可件数、ミシガン大学消費者信頼感指数を注目したい。

豪ドルへの影響が大きい、中国の経済指標では、13日の中国貿易収支や、15日の中国消費者物価指数。発言では、14日のデベル豪中銀総裁補佐の講演を注目したい。




2014年10月12日(日曜) 最新のCFTCの通貨先物取引(10月7日付け)から

2014年10月12日(日曜) 最新のCFTCの通貨先物取引(10月7日付け)から

円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドルの計7通貨合計では、ドル換算でドル買いポジションがついに40億ドル台の大台を超え、41億ドル近くへと膨らんだ。

10月3日の驚きの強い米雇用統計にドル買いが加速したが、集計の翌日の10月8日には、FOMC議事録が公表され、これも驚きの「世界的な経済成長の減速と、ドル高が米国の景気見通しにとってリスク要因になりうる」との指摘に、ドル売りへと大転換していた。

今回の発表では、この動きは反映されていないが、膨らみ過ぎたドル買いポジションが大きく影響していた可能性が高い。拡大が続いていた円とユーロのショートの巻き戻しが強まっていたが、ポンドはポジションは極めて少ないものの、その後のGBPUSDの下落を考えると、GBPクロスの影響が多きと想像される。

ドルの買いポジションの構成では、ユーロ売りが全体の56%と最も多く、続いて円で32%で、この2通貨で全体の90%近くを占めている。

円のネットポジションは、-112,551コントラクトで、前週の-120,878から8,327減少。スポットでも109.62円→108.01円と円高へと動いていた。

ユーロのネットポジションは、-146,212コントラクトで、前週の-137,525から売りが8,687増加し、ユーロ先安観が強まっていた。スポットでは1.2630→1.2668と逆に若干ながらユーロの買い戻しへと動いていた。