2014年11月1日土曜日

今週の経済指標・その他。そして、為替相場を考える(11月3日~11月7日)

今週の経済指標・その他。そして、為替相場を考える(11月3日~11月7日)


多くの市場参加者が考えることは同じでないだろうか!?

(A)「緩和終了+利上げ開始可能通貨は上昇」、(B)「緩和継続+追加緩和余地がある通貨は下落」。

つい先週の木曜日までは、それ代表的な通貨ペアは、(A)対(B)=「ドル対ユーロ」で、将来のドル高=ユーロ下落のシナリオの代表的な言い訳になっていた。

今それに円が加わり、(A)対(B)=「ドル対(ユーロ+円)」に変化し、(C)「GPIFの外債・外株投資拡大=円売り拡大」が加わり、EURJPYまで大幅に上昇、円安が加速する方程式の「円はクロスで全面安」に完全にマッチしてしまっている。

最近は円安スピードが速すぎることで、「円安=輸入物価上昇+輸入企業への配慮」に円安による弊害を押さえるために、円安抑制の動きが見られていた。

さらに海外では、世界的な景気低迷に、FRBは量的緩和の終了を先延ばしするのでは? との思惑に淡い期待を寄せた人も多かった。

安倍政権と黒田日銀総裁は一蓮托生に思え、円安による弊害より、「景気失速の抑制とインフレ目標達成」を優先し消費税再引き上げを目指しているとの意見も多い。FOMCの「我が道を行く直球勝負」によりドル買いの動きが加速したと言ってもいいだろう。

つまり、先週末までの米国独り勝ちの図式に、円売りが加わり、円全面安の図式になってしまっている。

今週は、112円台まで上昇してしまったドル円相場に、「円安にブレーキをかける動きがあるのか? それともないのか?」 あるとすれば、「誰が? どのよう内容の発言をするのか?」。その動きは、とりあえず円買いになるので注意しながらも、円相場は新たな円安のステージに入ったとしか思えない。ドル円は115円に向け動き始めている。


今週の経済指標・その他


今週の注目材料(詳しくは別表を参照して下さい)
1)金融政策の発表(豪中銀、英中銀、欧州中銀)
2)雇用統計(NZ、豪州、米国、カナダ)
3)米国発の経済指標(米ISM製造業景況指数、米貿易収支、ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、新規失業保険申請件数)
4)発言(ポロッツ・カナダ中銀総裁、黒田日銀総裁、バーナンキFRB前議長、ドラギECB総裁記者会見)
5)中国の経済指標(国家統計局製造業PMI、国家統計局非製造業PMI、HSBC製造業PMI、HSBCサービス業PMI、貿易収支)







2014年11日1日(土曜) 最新のCFTCの通貨先物取引(10月28日付け)から

2014年11日1日(土曜) 最新のCFTCの通貨先物取引(10月28日付け)から

為替相場を含め、債券や株式市場も大荒れの一週間となった。

CFTCのデータは10月28日付けが最新版で、FOMCでの量的緩和終了の決定(10月19日)や、日銀による追加緩和の決定(10月31日)後の、大相場は含まれておらず、統計に新鮮味は全く感じられない。

それでも、円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドルの計7通貨合計では、これらのネットショートは、-318,790コントラクトに拡大、ドル買いのポジションに換算しても420億ドル台を維持し、増加傾向に変わりはなかった。

さらに、円の買い戻しが続いていた直後の、FOMCと日銀の決定によるドル上昇と円急落を考えれば、円ショートポジションだけは大幅に拡大していることが推測できる。

FOMCの量的緩和の終了と来年の利上げ開始見通し、一方は、サプライズの追加緩和を決定と、短期的なポジション調整や自立的な動きは当然考えられるが、誰が考えても方向性は見えていることもあり、今回は、説明を省略し、データの数字の推移だけを見ていただきたい。(10月21日と10月28日との比較)

円=-71,738→-67,399
ユーロ=-159,371→-159,371
ポンド=-4,485→-6,247
スイスフラン=-17,862→-20,283
カナダドル=-21,534→-21,405
豪ドル=-31,509→-33,851
NZドル=-2,332→-3,898






2014年11月1日(土曜) 10月31日の海外市場の動き

2014年11月1日(土曜) 10月31日の海外市場の動き

先にFRBは量的緩和を終了し引締め方向へと動き、日銀は逆にマネタリーベースを拡大、追加緩和を決定。GPIFは時を同じく外債や外株のウエート拡大を発表。

有識者会議の座長務めた伊藤教授いわく、「黒田日銀とGPIFは、美しき調和で、見事に示し合わせた対応」と表現。私も消費増税をするための布石を事前に敷いたと思えてならない。

大荒れの金曜日、ドル円は112円台と7年ぶりの円安へ。 誰がどう考えても、円売りに異議を唱える人はいないと思われる出来事では?

問題は、112円に上昇したドル円相場は、どこまで円安が加速するのか? はやくも115円や120円を予想する声も一部で強まっているが、クロスの円安を見るにつけ、無理もない意見と思わざるを得ない。

もっとも、政府要人やGPIF関係者の発言で、この連携の動きを事前に察知していた人もいたようである。円売りの波に乗れている市場参加者は別だが、週末、月末に円安が加速した、要因と現実の動きを見るにつけ、「円を売れない、売れていない」リスクの存在が気になってしまうのは、私だけであろうか?

ドル円の上値水準を予想することは難しいが、ギャンチャートからは、112円をベースにして 
新たに始まった相場と考えれば、112.60円、112.95円、113.38円、113.89円、114.48円がターゲットになってくる。逆に、110円をベースに考えれば、112.50円は大きな壁となり立ちはだかることが予想される。

とにかく、この両極端な行動に、米金利は上昇国内金利は低下し、金利差は拡大。海外へ資金移動は避けられず、円は全面安。(債券から株への資金シフトもある)



1)米個人所得と個人消費は予想を下回るが、PECコア・デフレーターのは変わらず。
2)米雇用コスト指数は、予想を上回るが前回と同水準
3)シカゴ購買部協会景気指数は、予想を大幅に上回る
4)ミシガン大学消費者信頼感指数は、予想と前回を上回り、7年3カ月ぶりの高水準。
5)ユーロ圏の消費者物価指数は、予想通りながら前月から上昇、前月からの上昇は5年ぶり。
6)独小売売上高は、前月比は予想を大幅に下回り7年ぶりの大幅減少。
7)日本CPIは、総合、コア共に予想通りながら前月を下回る
8)日本失業率は小幅上昇、有効求人倍率は小幅下落、前月比で低下は2011年5月以来




2014年10月31日金曜日

2014年10月31日(金曜)アジア・欧州の為替相場

2014年10月31日(金曜)アジア・欧州・米国市場、序盤の動き

USDJPYはついに110円台を超え、112円を直前して足踏み状態。ドルは主要国通貨でも上昇し、EURUSDは1.2500の大台を試す勢いへ。カナダ月次GDPも予想外のマイナスに、ドル買いの火に油を注いでいた。

日銀のサプライズな追加緩和と、GPIFの外債や外株のウエート拡大や、日銀の展望レポートで2015年度のCPIを下方修正したこともあり、円は急落し全面安。アジア市場では日経平均株価は、755円(+4.83%)と7年ぶりの高値で今年最大の上昇幅。欧州株も大幅上昇。

USDJPY相場は、112円の大台を直前にして伸び悩んではいるが、既に2.5円近くの上昇となり、月末要因もあり一日としてはやり過ぎ感は強い。しかし、量的緩和の縮小を決定したFOMCから続くドル買いの流れや、日銀のサプライズな追加緩和の実施を考えれば、円売り要因を止めるような材料は見当たらない。

XXXXXX

日銀の金融政策決定会合で、マネタリーベースを年間60~70兆円→80兆円に拡大を決定、2013年4月の異次元の量的・質的金融緩和策(QQE)を実施以来のできごと。EFT保有残高を来年末までに3兆円へ。J-REIT保有残高増額ペースを年間900億円に引き上げる。5対4の僅差で決定、木内、佐藤、森本、石田、各審議委員が反対。

黒田日銀総裁の記者会見=原油価格下落による物価下押しが人々の物価観に影響を与えかねず、物価上昇のモメンタムを維持するため、追加緩和に踏み切った。相当思い切った拡大なので、それなりに効果がある。追加緩和は予防的なもので、9人の政策委員の議論の中で提案された。企業の価格設定行動の変化の兆しを止めてはならない。物価2%実現のためには、できることは何でもやる.

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)=資産127兆円の運用指針を見直すと正式発表。デフレからの脱却を見据え、国内債券の割合を大幅に引き下げる一方、収益機会を増やすため国内外の株式での投資比率を引き上げる。国内債券=60%→35%に減額、国内外の株式=12%→25%に増額、外国債券=11%→15に増額。国内・海外株の比率は、一定の範囲で中心地とのかい離を容認する幅を拡大。国債は上下10%、国内株9%、海外株8%。

日銀の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」=2015年度の消費者物価指数を2.0%→1.7%に下方修正、2014年度は1.3%→1.2%に下方修正。原油価格など国際商品市況の下落が理由。2014年度のGDPを1.0%(7月時点予測)→0.5%へ下方修正。


2014年10月31日(金曜) 昨日30日の海外市場の動きと、今日の見通し

2014年10月31日(金曜) 昨日30日の海外市場の動きと、今日の見通し


FOMCによる影響によるドル先高感は残るも、月末要因やドル買いの調整売りに、米GDP発表後にドルは弱含みで推移し、円安へ。ダウ平均は1.25%上昇、独DAXも0.35%上昇、米10年債利回り変わらず
USDJPYは、米株高やクロスでの円売りに上昇するも、109.50円で上げどまり、108.80~109.50円のレンジで推移、円安懸念は消えず。
EURUSDは、実需の買いに1.26をなんとか維持しているが、1.2650の上値は重く、FOMC直前の高値から38.2%で上げどまり戻りも限定的。雇用は改善しているも、ディスインフレの懸念は払拭できず、先安観は変わらず。
AUDUSDは、0.8750台の安値から値を戻すも、FOMC直前の高値の50%水準0.8830~40で上げどまる。


XXXXX


米第3四半期GDP・速報値は、予想を上回る前期比年率3.5%増へ、しかし、個人消費は予想を下回り前期より減速。
イエレンFRB議長の講演は、金融政策や景気の見通しについては言及なし期待はずれ。
NZ中銀の声明は、追加利上げが必要になろうとの文言削除し、NZドルの一段の大幅下落を予想。
NZ中銀の売買報告で、9月に3,000万ドルのNZドル売り介入を公表。
ボロズ・カナダ中銀総裁(29日)は、原油価格の低下に2015年のGDPは0.25%低下を予想。
ユーロ圏景況感指数は、100.7(予想99.9 前回99.9)を上回り、3カ月ぶりに上昇
独消費者物価指数(HICP)は、前年比0.7%(予想0.9% 前回0.8%)、危険ゾーンの1.0%を継続的に下回り、ディスインフレの懸念が強まる。
ドイツ雇用統計は失業者数は、-2.2万人(予想0.5万人 前回0.9万人)と雇用の改善が強まる。
XXXX


今日の見通し
今日は週末金曜日と月末。週末リスク対応とポジション調整が出やすい日。
市場のセンチメントは私を含め、ドル先高+円先安+ユーロ先安の思惑は消えずと、考えていると推測される。
この流れが正しいと思っているが、今日は月末要因による予想外の動き(EUR買い+GBP買い)がでないとも限らず、注意している。
また、今日は以下の通り経済指標の発表が多い。特に、FOMCで今後は米経済指標次第とあり、いつもの事ではあるが、各米経済指標に短期的に相場変動が高まることが容易に予想でき、予想レンジもワイドに考えなければならない。
08:30 全国消費者物価指数
08:30 日本雇用統計
16:00 独小売売上高
19:00 ユーロ圏失業率
19:00 ユーロ圏消費者物価指数・速報値
21:30 カナダ月次GDP
21:30 米個人所得・個人消費支出
22:45 米シカゴ購買部協会景気指数
22:55 米ミシガン大学消費者信頼感指数
今日、キープしているポジションは減らし、米経済指標で自分のターゲットに入るまでは待ちも一案・・・・。

2014年10月30日木曜日

2014年10月30日(木曜) アジア・欧州市場の動き


2014年10月30日(木曜) アジア・欧州市場の動き

今日の米第3四半期GDP・速報値という、メイン・ディッシュを前にして、前日のFOMCという料理が胃にもたれ、相場の動きは欧州市場に入り鈍くなっているが、月末のユーロ買い需要にもかかわらずEURUSDは1.2560まで下落、GBPUSDも1.5960まで下落。別件(NZ中銀声明+NZ売り介入報告)で弱気なNZドルは、予想外に堅調で、ちょっとサプライズ。

誰が見ても材料はドル買いで、ドル買いを示唆する意見や発言が9割(こういう場合には、短期的に逆方向の材料に弱い・・・。)

今日のメイン・ディッシュが前期比年率3.0%(特に3.3%超)を超えるようなら、ドル高+米金利+米株上昇となる可能性は高い。

そして、逆に2.5%以下にでもなれば、ちょっと話は厄介。USDJPYはそれでも、ドルの押し目買いの流れは変わらず、USDJPYのベースは108.50~60円(どんなに考えても、108.15~20円ボトム)に、109.50円を動きは変わらず。

別料理としては、イエレンFRB議長の講演が、午後10時に待ちかまえている。前日の記者会見がなかった分、重要度は倍増。市場の期待感を抑制することが多く、一番いやな展開になってほしくはないことを望むだけ。

つまり、話により異なるが、ハト派な内容では、短期的なドル・ロングの切りが入りながらも、押し目で買い戻されると言うことになるのが、短期投機筋にとっては厄介な動き。逆に、ポジションテーカーにとっては、絶好のドルロングの仕込みどころを提供することになりそである。

米GDPが強く+イエレンFRB議長はタカ派発言=輝く米ドルになるのだが、過去にこのような事はあまり記憶にない。







2014年10月30日(木曜) 今日の為替相場見通し

さて、今日30日の為替市場を考えると、


1)FOMCの決定はドル高の流れを示唆、ただし、米経済指標の結果に、短期的な変動は避けられず。
2)速くも今日は、米GDP・速報値が相場の主役へ。
3)昨日記者会見がなかった、イエレンFRB議長の講演の発言をを注目。

USDJPY、107.50~108.50円のレッジ上限をブレーク。109円台の売り圧力は強いと思われるが、ドル買いに安心感が広まる。 

今日のGDPは第3四半期の速報値で、FOMCの決定が正しいのか再評価待ち。そのため、確認できるまで積極的に動けず。

前期比年率の予想は3.0%(前回4.6%)と減速が予想されているが、これでも他国を圧巻。強ければ109円台へ、弱ければ、108.20円をボトムにしたレンジ相場へ。

そして、イエレンFRB議長は講演会で、どのような発言をするのか? 私はハト派だが、主流はタカ派とでもいうのか? まさか、そこまでは言うとは思わないが、市場の金利が上昇し(米2年債利回は既に大幅上昇しているが!)、株価の下落が加速すれば、火の勢いを押さえることが予想される。 要注意。


注目の経済指標・その他
5:00 NZ中銀金融政策発表=政策金利3.5%の据え置きを決定、予想通り(発表済み)
17:55 独雇用統計
19:00 ユーロ圏消費者信頼感指数・確報値
21:30 米第3四半期 GDP・速報値
21:30 米週間新規失業保険申請件数
22:00 独消費者物価指数
22:00 イエレンFRB議長講演

2014年10月30日(木曜) 昨日29日の海外為替市場の動き

2014年10月30日(木曜) 昨日29日の海外為替市場の動き


FOMCは量的緩和の終了を決定、ドル急騰。米金利は上昇し、米株は小幅な下落にとどまる。

世界的な景気減速の兆しに量的緩和の終了が先延ばしされるとの思惑は杞憂に終わり、FOMCは2012年9月から長期間続いたQE3の終了を決定。

次の注目はゼロ金利政策の解除で、その時期は今後の米経済指標の結果で決り、引き続き思惑と結果で相場が短期的に左右することは避けられず。ただし、米経済の強さは他を圧倒しており、ドル高の流れは変わらず。

超低金利政策は、「相当な期間」維持することを確認し、利上げの時期やペースは、今後の経済指標の結果次第と、予想範囲内。

しかし、「労働資源の活用不足は穏やかに減少」といい、世界的な景気減速の中でも、「米経済は引き続き回復軌道にある」と、強気の姿勢を示したことで、早期利上げ期待が復活、ドルは全面高。

午前5時に発表した、NZ中銀の理事会で政策金利を据え置き、NZDUSDの下落はさらに加速。

2014年10月29日水曜日

2014年10月29日(水曜) アジア・欧州・米国市場、序盤の動き

2014年10月29日(水曜) アジア・欧州・米国市場、序盤の動き

FOMCを直前にし、市場参加者の同意は非常に乏しく、狭い値動きに終始。
FOMCの結果に、米債券利回りと米株がどう反応するのか? もちろん、金利上昇と株高=円売り、特にクロスの円売りに動きやすく、この逆は、円買いへ。

資産買い入れの終了と、政策金利を資産購入の終了後も、相当な期間維持することを、市場は織り込み済み。なければ、ドル売りへ。

ただし、イエレンFRB議長の記者会見は事前の予定に入っておらず、どこまで下げるのかは疑問。

今日これまでの動きでは、通貨間に動きの差があり、USDJPY+EURUSはレンジ、AUDUSD+USDCAD+GBPUSDはドル売りへ。

アジア市場では、日経平均株価は1.46%上昇、欧州市場では、ドイツDAXが0.68%上昇、米国市場では、債券利回りは上昇し、ダウ平均株価は上昇し取引が始まった。

レンジ相場
USDJPY、108.10円を中心に107.95~108.25円のレンジ。
EURUSD、1.2735を中心に1.2725~1.2745のレンジ。
ドル売りへ
AUDUSD、0.8850台→0.8890台へ上昇。
USDCAD、1.1170を高値に下落を続け、カナダの弱い経済指標に1.1120台まで続落。、
GBPSUD、1.6150台→1.6100台へ下落。

今日10月29日の為替市場は、FOMCが全て。

今日10月29日の為替市場は、FOMCが全て。

FOMCの予想
前回と同じく、資産購入プログラムの終了は既定事実となっており、今回で終了するが、FOMCは「利上げは急がないから安心してほしい」とのメッセージを市場に送ることになりそうである。

米国のインフレ率は低水準で、ドル高がインフレ圧力を弱め、ドル高傾向が続く可能性が高い。
欧州経済は低迷し、10月に入り米株価は大幅に下落し、ドルは上昇してている、この状況が米経済や利上げ再開時期見通しへのリスクとなるかについて、FRBがこの先のスタンスをどう示すのか注目。

利上げ再開時期
1)政策金利を資産購入の終了後も相当な期間(for a considerable time)維持することが適切との意見が主流
2)時間軸に関する表現を外し、政策変更は経済指標次第との姿勢を強調すべきとの意見も
3)資産購入への言及部分を削除するため、文言を修正する可能性がある。投資家の多くは利上げ再開は来年後半と予想しているが、多くのFRB当局者が2015年半ばの利上げを引き続き予想。

失業率と低インフレ
1)米失業率は5.9%に改善し、今年後半と来年の成長率は3%程度になると予想するも、欧州や日本、中国などの景気低迷が米経済へ影響を及ぼし、インフレ率はFRBが目標とする2%に上昇しないと思われる。
2)インフレ率が従来予想よりも長期間目標を下回るリスクに言及する可能性がある
3)失業率が急速に改善し、労働資源の活用不足が著しい(significant underutilization of labor resources)との文言を修正する可能性がある。

2014年10月29日(水曜)28日の海外市場の動き

2014年10月29日(水曜)28日の海外市場の動き

FOMCを直前に控え、強弱混在の米経済指標にドルは上下へ変動。流れはドル安+円安。欧米の株価は上昇し、米債券利回りも上昇。
⇒ 米耐久財受注は予想外のマイナスで、ドル売りが強まる。
⇒ 米CB消費者信頼感指数は予想外に強く7年ぶりの高水準で、ドル買いが強まる。
⇒ 日本の成長率鈍化の予測が多く、円売り材料が目立ち、円はクロスで全面安。

日本経済のネガティブ材料が多い
⇒ 日本経済の成長鈍化を予想する動きが増えた。
⇒ 31日の日銀金融政策決定会合で、2014年度の実質成長率の見通しを現行の1.0%から0.6%程度に下方修正するとの思惑が強まる。
⇒ 篠原IMF副専務理事は、アベノミクスは構造改革や規制緩和など掛け声だけで、中身が感じられず。フィスカル・ドミナンス(財政による支配)の世界に入りつつある。
⇒ 黒田日銀総裁は、これまでの円安は、ファンダメンタルズを反映し、日本経済にプラス。

ドル高を示唆する発言が多い
⇒ 篠原IMF副専務理事いわく「ドルに対し他通貨が相対的に安くなるのは自然の流れ」。
⇒ ポーゼン・ピーターソン国際経済研究所長いわく「米経済が底堅く、主要な先進国や新興国の経済が減速しているため、米国に海外の資金が流れ込みやすい状態は、FRBの利上げで拍車がかかる可能性」。

スウェーデンもゼロ金利へ
⇒ スウェーデン中銀は政策金利を、7月の0.5%引き下げに続き、0.25%引き下げ0.0%に決定

2014年10月28日火曜日

2014年10月28日(火曜) アジア・欧州・米国市場の序盤

2014年10月28日(火曜) アジア・欧州・米国市場の序盤

29日のFOMCを控え積極的な動きは鈍い中で、相場は狭いレンジで米経済指標に右往左往。

アジア・欧州市場のドル高も円安も、弱い米耐久財受注に流れは一変し、ドルは全面安。そして、米現物株が上昇して始まると、ドル売りの流れは弱まり、強い米消費者信頼感指数に、ドル買い戻しが強まり、結果として円売りだけが残る。


市場のドル高と円安センチメントは変わらず
◎篠原IMF副専務理事いわく「ドルに対し他通貨が相対的に安くなるのは自然の流れ」。
◎国際経済研究所長いわく「米国に海外の資金が流れ込みやすい状態は、FRBの利上げで拍車がかかる可能性」。
◎黒田日銀総裁いわく「これまでの円安は、ファンダメンタルズを反映し、日本経済にプラス」。

日本経済のネガティブ材料が多い
日本経済の成長鈍化を予想する声が多く、31日の日銀金融政策決定会合で、2014年度の実質成長率の見通しを現行の1.0%から0.6%程度に下方修正するとの思惑が強まり、円売りの流れが続いている。

USDJPYは、108.10台→107.70まで下落と、108円を中心にして107.50円~108.50円のレンジを抜け出せずにいる。FOMCでいずれかの方向に動く可能性は高く、クロスでの円安や材料から円安の流れがやや勝っている。

EURUSDは、スウェーデン中銀が政策金利を0.25%引き下げ0.0%に決定。この決定に、EURSEKは急上昇したが、EURUSDは逆に一時下落へ。そして、弱い米耐久財受注で1.2720の壁を上抜け、1.2750台まで上昇し、引き続き1.2600~1.2800のレンジに収まっている。

ECBの量的緩和を期待する声は強く、ユーロ安センチメントが続く中での買いに、EURは健闘していると言わざるを得ない。

2014年10月28日(火曜) 昨日27日、海外市場の動き

2014年10月28日(火曜) 昨日27日、海外市場の動き



FOMCを控え積極的に動きにくく、方向性を期待できず。

弱い米経済指標にドルは売りが強まり、USDJPYは107.60台へ、EURUSDは1.2720台へ。

米NAR中古住宅販売保留は弱く、米総合とサービス業PMIの速報値も弱く、AUDUSDを除きドルは全面安へ。29日のFOMCを控えて米株や米債券利回りは動けず。

EURUSDは、ストレステストは予想外に資本不足は少なく、独経済指標は弱いものの、市場は米経済指標に注目しドル売りへと動き、EURUSDは1.2720台へ。

ユーロ売りの目先の材料は一部完了したが、ECBの量的緩和の可能性は払拭できず、ユーロ買い戻しが強まった時+ユーロロングになった時には、再びユーロ売りが強まるリスクは当面消えず。


USDJPYは、週末リスクが杞憂に終わり、円売りからスタートするも、円ショートポジションの巻き戻しなのか、円の買い戻しが強まる。

材料は逆に円売りが多い、日銀が31日に発表する展望レポートで、コア消費者物価指数が、前年比から再上昇するとの見方を取り下げることを検討との報道や、菅官房長官が「現在は極めて厳しい経済環境にあり、国民が心配している と発言するなど、弱気なムードが高まった、何故か相場の動きは逆に円買い? 

んんん、ポジションだけの動きなのか? 潜在的な円売りは変わらずと見ている。

2014年10月27日月曜日

2014年10月27日(月曜) 今週はFOMC議事録の結果で、ドル円の方向性がきまる

2014年10月27日(月曜) 今週はFOMCの結果で、ドル円の方向性がきまる


英国やユーロ圏では、サマータイムが終了し冬時間に戻ります。

危惧された週末の地政学的リスクや、エボラ出血熱の米国の広がりもなく、カナダ・米国・欧州での新たなテル攻撃の報道もなく、安心しています。

これらの週末リスクで円売りが抑制されていた可能性もあり、やや円売りの動きも予想されるものの、108.50円を超え、安定的にそれが続くことがなければ、円売り復活や大幅なドル円の上昇も期待できません。結局は、29日のFOMCの結果待ちとなりそうです。

一方、ECBのストレステストの結果が発表されていますが、正直、この結果でEUR相場がどう動くのか、今日の欧州市場の銀行の株価や、債券相場の動向を見なければ、よくわかりません。

もちろん、アジア市場から何らかの動きが出ることが予想されますが、先週金曜日にブルームバーグ社が声明の草稿文を報道した内容と同じで、サプライズもなく、織り込み済みの可能性もあります。

逆に、不合格の25行のうち、12行がすでに150億ユーロの増資をしているとのことや、欧州銀行監督機構(EBA)のテストとの間で、スペインの銀行1行の判断に相違があり、どうなんでしょうね?

ドル円のチャートを見ても、長期的な上昇トレンドに変わりなく、短期的にも105円台をボトムに再上昇しているものの、日本の景気鈍化懸念がどこまで強まるのか? 消費者物価指数がどこまで強まるのか? コアがどこまで弱いのか? もちろんFOMCの結果を含め不安材料が多く、積極的に買うことができるのか? 疑問だらけです。

それで、今週はトレンドにこだわることはなく、FOMCの結果で、107.80~109.15円の相場になるのか、それとも、107.30~108.50円の相場になるのか、待の一手。それまでは、4時間×200SMA=108.14円から大幅に離れることも難しそうです。




2014年10月26日日曜日

今週の経済指標・その他。そして、為替相場を考える(10月27日~10月31日)

今週の経済指標・その他。そして、為替相場を考える(10月27日~10月31日)


週末に発表されたECBのストレステストも過ぎ、今週は29日(水曜)のFOMCが最重要のイベントとで、30日(木曜)の第3四半期GDP・速報値と合わせ、今週の為替相場を左右ことになりそうである。

FOMCでは政策金利の据え置は固いと思われるが、資産買い入れを終了するのか? ドル高による悪影響をどこまで注視しているのか? または、容認するつもりがあるのか? ないのか? 利上げ開始の時期はいつごろになるのか? 今週の為替相場にとって最重要のテーマである。

GDPは第3四半期速報値で、第2四半期からどのくらい低下するのか? 市場は前期比年率3.0%と前回の4.6%から低下を予想しているが、これでも、他国と比較すると輝いて見える。

世界的に自国通貨安を目指した動きに変化はなく、米IBMを含めドル高の影響が米企業の業績悪化に及ぼしたとの記事が増えるなか、米FRB当局者からはドル高の弊害が指摘されるも、米財務省は一向に取り合わず。

10月15日(水曜)に財務省が公表した米財務省半期に一度の為替報告書
では、ECBの対応に不満を示し「欧州は賃金と物価の下落スパイラルに陥るリスクがある」と警告。日本については、消費税引き上げにより第2四半期の成長率が大幅なマイナスで、成長見通しは不透明と不満を示していたが、為替水準に関しての善し悪しはなかった。

一方、10月8日のFOMC議事録で「世界的な成長鈍化とドル高による米景気の減速懸念」が指摘されてから株式市場の変動幅急速に拡大、ドル売りの流れへの変化と相場変動率が上昇が続いていたが、逆に今は一時的な安定相場に入っていた。

10月30日(木曜)のNZ中銀の金融政策も注目している。政策金利3.5%の据え置きは固いと見ており、NZの消費者物価指数が弱く利上げ時期は後退し、NZの貿易赤字が過去最大となり、NZDUSDは値を下げていたこともあり、強気な声明になるとは思えない。逆に、強気にでもなればサプライズ。

10月31日(金曜)にはユーロ圏の消費者物価指数の速報値の発表があり、前日30日の独消費者物価指数と合わせ、重要である。今回の予想は前期比年率0.4%と前回より小幅な上昇が予想されている。ユーロ圏の成長鈍化とディスインフレの見通しに変化はなく、ECBによる量的緩和の実施を期待する声も消えてはいない。

26日(日曜)に発表されたストレステストの結果は、ユーロ圏の民間銀行130行の内、
25行が2013年末の時点で不合格となった。その中で、12行は今年に入り150億ユーロの増資を実施したという。10月27日(月曜)の相場の動向も気になる。


2014年10月25日(土曜) 最新のCFTCの通貨先物取引(10月21日付け)から

2014年10月25日(土曜) 最新のCFTCの通貨先物取引(10月21日付け)から

円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドルの計7通貨合計では、ドル換算でドル買いポジションは、前週の432億ドルから414億ドルへと9月9日以降続いていた上昇がストップし小幅減少。

データ集計日の火曜日で、14日と21日の終値ベース比較すれば、USDJPY107.05→106.98とほぼ同水準、EURUSD1.2655→1.2715、GBPUSD1.5902→1.6049、AUDUSD0.8711→0.8777、USDCHF0.9536→0.9489、USDCAD1.1295→1.1221と、USDJPYを除きドル安へと動いている。

週終値ベースの、17日と24日とを比較すれば、通貨間でバラつきがあり、USDJPYは106.87→108.15と大幅に上昇し円安に動き、AUDUSDは0.8742→0.8789と小幅上昇、EURUSDは1.2758→1.2669と下落、GBPUSDはほぼ変わらず、USDCADとUSDCHFでは小幅なドル売りへと動いている。


≪円≫
ネットポジションは、-71,738コントラクトと前週からマイナス幅は29,409減少し、7月中旬の水準へと逆戻りし円安センチメントが大きく後退していたことが分かる。

逆に言えば、円ショートポジションが減少していたことが、その後に円安が加速していた要因ともいえる。

ちなみに、7月29日は-73,069コントラクトで、USDJPYの終値は102.11と現在よりはるかに円高で取引されていたことを考えれば、円高へ動く予知が大きいと考えるより、円安相場が強く・長く継続していると考える味方に賛成する。


≪ユーロ≫
ネットポジションは、-159,371コントラクトと前週からマイナス幅は4,029拡大、増加幅は大きくなないが、潜在的なユーロ安センチメントが続き、その流れはポジションの推移からみても変わりそうな気配は見られない。

7通貨で見ても、ユーロのショート・ポジションは最も大きい。世界的に最も取引量の多い通貨だけに、当然ともいえるが、ドル換算のポジションでは253億ドルで全体の60%強を占めている。


≪ポンド≫
ネットポジションは、-4,485コントラクトと前週からマイナス幅は1,648増加し、3週連続のマイナス幅の増加でポンド高センチメントはすっかり様変わりしている。

≪スイスフラン≫
ネットポジションは、-17,862コントラクトと前週からマイナス幅は309と微増し、EURCHFの相場を維持するスイス中銀の変わらぬ姿勢に、ユーロ相場の影響を受けながらも売り傾向に変わりは見られない。

≪カナダドル≫
ネットポジションは、-21,534コントラクトと前週からマイナス幅は-5,367増加し、ネットポジションがマイナスへ転換してから4週連続となった。トータルのショートポジションも増加傾向にあり、なかなか転換する動きは見られない。


≪豪ドル≫
ネットポジションは、-31,509コントラクトと前週からマイナス幅は-1,238増加し、ネットポジションがマイナスへ転換してから4週連続となった。カナダドルと同じくトータルのショートポジションも増加傾向にあり、なかなか転換する動きは見られない。


≪NZドル≫
ネットポジションは、-2,332コントラクトと前週から52コントラクト増加。全体の取引量やネットポジションは極めて少ないものの、10月に入り1年以上続いていたネットロングポジションが売るへと変化し、3週連続となった。