2014年5月17日土曜日

5月13日分 IMMポジションと相場の動き

5月13日分 IMMポジションと相場の動き


≪最近のデータが示すもの≫
7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネットはショート-17,891
コントラクトで、前週ロング23,383コントラクトから5週感ぶりに変化。5月13日のEURUSDが1.3700を割り込んだ日のポジションで、ユーロはロングからショートへと変化。

7通貨でドル換算したポジションは、約31億ドルのドルロングとなり、前週の-約41億ドルショートから大きく変化した。特にユーロがロングからショートへと大幅に変化したことが主因だが、円はショートが拡大、ポンド、スイスフラン、NZドルはロングが減少。特異なのはカナダドルでショートが減少、豪ドルはロングが拡大し、この二つの通貨の動きは興味深い動きをしていた。

≪各通貨での変化≫
円=-64,707コントラクトと、前週の-60,728から、ショートポジションは増加。水準的には大きな変化に至っていないが、スポット・レートは13日の102.36円を高値に円高傾向が強まり、101.50円を割り込み円ショートは減少していると思われる。

ユーロ=-2,175コントラクトと、前週の+32,551から13週間ぶりに変化。混沌としているウクライナ情勢と6月ECB追加緩和を意識した動きで、ユーロのセンチメントに変化が見られる。ただ、13日に安値1.3690近くまで下落しながらも、先週末の終値も1.3690近くとEUR売りもやや収まっている。

ポンド=+31,755コントラクトと、前週の+40,646からロングは減少。翌日14日には英失業保険申請件数が弱く、BOE四半期インフレレポートでは早急な利上げ観測が後退、EURGBPは下落しポンド高となったが、GBPUSDは下落したことで、ロングの減少幅は拡大していると思われる。

豪ドル=+17,127コントラクトと、前週の+8,637から増加。6週連続でプラス圏を維持しており、中国の成長鈍化を織り込みながら、ウクライナ情勢の悪化による資金逃避先として、安定した値動きが続いている。

NZドル=+19,340コントラクトと、前週の+20,693から小幅減少、トータルではロングの常連通貨としての位置は不動。0.86台を底値に安定した値動きが続いている。





5月17日(土曜)昨日、海外市場の動き

5月17日(土曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎週末リスクは、ウクライナ情勢の悪化、そのヘッジに円買いの動きへ。
◎6月のECB追加利下げ観測は変わらず、EURの上昇も限定的。
◎ユーロ圏貿易黒字は予想を上回るが、EUR買いは限定的。
◎宅着工件数と住宅建設許可建設は、予想を上回り住宅市場は安定へ。
◎米ミシガン大学消費者信頼感指数は、予想外に弱い。
◎ブラード・セントルイス連銀総裁は、FRBは2015年第1四半期までに利上げする可能性を示唆。

為替市場はようやく安定を取り戻したが、通貨間により動きは異なる。EURUSDの1.3700を中心に1.3685~1.3725で上値は重く、USDJPYは101.50円を中心に101.35~65円で動けず。ポンドとカナダドルは強く、GBPUSDは1.6800台を維持し上昇へ、USDCADは1.0900に戻れず1.0850台まで続落。AUDUSDは0.93台を維持しながらも、0.9335~70で動けず、NZDUSDは0.8625~40の狭いレンジで動けず。

アジア市場は、USDJPYは101.40~65円の狭いレンジで動けず。EURUSDは1.37台を維持したが、1.3720台の上値は重く、1.3710~20の狭いレンジで推移。GBPUSDは1.68台を達成できず、1.6785~95の狭いレンジで推移。AUDUSDは0.9345~65のレンジで動けず。

欧州市場は、USDJPYは101.60円の上値を達成できず、ウクライナ情勢の悪化を懸念、週末のリスクヘッジに前日安値近くの101.35円まで下落後に下げ止まる。EURUSDは、強いユーロ圏貿易収支にも上値は重く、クーレECB専務理事の追加緩和を容認する発言に1.37を割り込むと売りへと変化し、1.3680台で下げ止まる。GBPUSDは1.6810台まで上昇するも続かず、1.3785~10のレンジへ。AUDUSDは0.9330台まで下落後、0.9360台まで上昇。

米国市場は、強い米住宅関連の指標と弱い景況感に強弱混在、米株は小幅上昇、VIX指数は低下、米金利は久しぶりに上昇。強気なブラード・セントルイス連銀総裁の発言にも、週末金曜日で積極的な動きは見られず。


***** 発言・その他 *****

◎クーレECB専務理事=景気回復の維持に低金利は必要だがリスクもある。そのリスクを避ける必要の手段があり、基本的に問題ない。
◎ギリシャ政府筋=海外のギリシャ国債保有者、過去2年も課税免除へ。
◎独業界団体=対ロ制裁でドイツ企業に著しいい影響が及ぶ。欧州産業に恒久的な悪影響を残す。
◎インド中銀=ドル買い介入のウワサ。
◎イエレンFRB議長=FRBはより緩和的にしようとしている。健全な米経済の回復軌道は道半ば。
◎ブラード・セントルイス連銀総裁=FRBは2015年第1四半期までに利上げする可能性がある。インフレは低水準で安定。失業率は年末までに6.0%に低下へ。第1四半期の成長は弱いが、今後数四半期は底堅い。
◎ブラード・セントルイス連銀総裁=より早いペースでインフレ目標の2.0%に近づいたら、より積極的な行動が必要。最近の強い雇用と物価に関しての米経済指標に勇気づけられる。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

8:00 USD イエレンFRB議長の講演
18:00 EUR 3月 貿易収支(季調済)=152億ユーロ(予想173億ユーロ 前回150億ユーロ)、季調前=171億ユーロ(予想155億ユーロ 前回136億ユーロ)→ 予想を上回る黒字額
21:30 USD 4月 住宅着工件数=107.2万件(予想98.0万件 前回94.7←94.6万件)、前月比13.2%→ 予想を大幅に上回り、昨年11月以来の高水準
21:30 USD 4月 建設許可件数=108万件(予想101.5万件、 前回100←99.7万件)、前月比2.8%→ 予想を大幅に上回る
22:55 USD 5月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=81.8(予想84.5 前回84.1)→ 予想を下回るが、相場への影響は見られず

2014年5月16日金曜日

5月16日(金曜)昨日、海外市場の動き

5月16日(金曜)昨日、海外市場の動き

***** 昨日のポイント *****

◎日本の第1四半期GDPは、予想を上回り円買いが強まる。
◎仏第1四半期GDPは、前期比で予想を下回る。
◎独第1四半期GDPは、予想を上回り3年ぶりの高水準。
◎コンスタンシオECB副総裁=追加緩和の可能性を排除しない。
◎メルシュECB専務理事=マイナス金利の導入を検討。
◎ユーロ圏消費者物価指数は、予想とほぼ変わらず。
◎ユーロ圏第1四半期GDPは、予想を下回りECBの緩和観測が強まる
◎米消費者物価指数は、予想通りながら前回を上回り上昇。
◎米新規失業保険申請件数は、予想外に改善し7年ぶりの低水準でドル買いが強まる。
◎NY連銀製造業景気指数は、予想を大幅に上回り、2010年6月以来の伸び率。
◎米鉱工業生産指数は、予想外のアイナスで、2012年8月以来の大幅な落ち込み。
◎米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は、予想を上回るが前回よりは低下。
◎米NAHB住宅市場指数は、予想を下回り1年ぶりの低水準。


EURUSDは6月の追加緩和の可能性を残しながら1.37台を回復、GBPUSDは早期利上げ観測が後退しながら1.6800台を回復するも、本格的な買いには程遠い。AUDUSDは0.94台失敗後の売りにも0.9330台を維持し、NZDUSDは0.8700台を失敗しながらも0.86台を維持し底堅い。USDJPYは101.30~70円のレンジへと上値は重く、円高リスクは解消できず。

アジア市場は、日本の予想外に強いGDPにもUSDJPYは101.70円以下が底堅く、101.70~90円の狭いレンジで推移。EURUSDは前日の下げに買い先行でスタートしたが、1.3720台の上値は重く、GBPUSDも買い戻しは弱く売り圧力が続いた。AUDUSDとNZDUSDは、クロスの買いも強く上昇が続いた。

欧州市場の序盤は、仏GDPはやや弱く、独GDPは予想を上回ったが、EUR買いも1.3720台が精一杯で上値が重く、欧州勢はドル買い出入り、コンスタンシオECB副総裁の≪追加緩和の可能性を排除しない」との発言もあり、EURUSDは1.3700を割り込み、GBPUSDは1.3750を割り込み、USDJPYは102.00円台に上昇。堅調だったAUDUSDとNZDUSDも売りへと変化。ユーロ圏の消費者物価指数は、ほぼ予想通り、第1四半期GDPは予想外に伸びず、EUR売りの流れが続いたが、EURUSDは1.3650近辺で下げ止まる。GBPUSDは1.6730台をボトムに買いへと変化し、USDJPYは102円台の売り上げ止まり101.80~95円のレンジへ。AUDUSDとNZDUSDは続落傾向が続く。

米国市場に入り、注目の米消費者物価指数は、予想通りながら前回を上回り、新規失業保険申請件数が予想外に改善、NY連銀製造業景気指数は強く、ドルは全面高へ。USDJPYは直後102円台を回復するも、短時間で下落へと変化。EURUSDは1.3660中心に上下10pipsの動きへ。AUDUSDとNZDUSDの売りは止まらず、GBPUSDだけが底固めし上昇、本日の高値を更新し上昇した。相場が変化したのは午後11時で、予想外に弱いフィラデルフィア連銀製造業景気指数とNAHB住宅市場指数が引き金に、オプションカットでドル売りへと変化。EURUSDは1.3730台まで上昇、GBPUSDは1.68000の大台を回復。AUDUSDも0.9320台を底値、NZDUSDも0.8620台を底値に値を戻すが、限定的。USDJPYは101.30円まで下落後に101.60円まで値を戻す。


***** 発言・その他 *****

◎シェンブリ・カナダ中銀副総裁=カナダや世界経済の回復が緩やかな中、金利は相当程度の間、低水準で推移する可能性。低水準の長期金利は確定給付年金にとっては困難な状況に直面。
◎中国国務院=人民元相場の形成メカニズムを改善し、柔軟性を高める。
◎コンスタンシオECB副総裁=追加緩和の可能性を排除しない。
◎メルシュECB専務理事=マイナス金利の導入を検討。広範囲な政策措置を検討しており、必要に応じて行動する。ユーロ圏経済は脆弱な回復期にある。
◎コンスタンシオECB副総裁=ECB専門家の予測調査で、今年のインフレ率予測が下方修正されたが、予想外ではなく、中期的な動向を重視。
◎ギリシャ政権に崩壊のリスク=ギリシャ国債利回りが2カ月ぶりの水準に上昇。国債保有の海外投資家へのキャピタルゲイン税の文章が明るみになり、警戒感が強まる。ギリシャ世論調査で、反ユーロを掲げる政党の人気が高まる。現政権への支持率が低下。
◎ブロードベインBOE政策委員=経済情勢が整うまでは利上げはないだろう。労働者は賃金上昇を確認し始め、生産性も向上し、失業率は更に低下へ。
◎NZ2014/15年度予算案=7年ぶりに財政黒字を予測し、成長率予測を上方修正。財政黒字は8600億NZドル→黒字3.72億NZドルを見込む。2014/15年度の成長率予測3.6%→4.0%に上方修正、2017/18年度は2.1%の予測。
◎イングリッシュNZ財務相=7年ぶりの黒字確実に向け、新規歳出を抑制し、金利の影響を押さえる。
◎黒田日銀総裁=黒田日銀総裁=日本経済の成長には供給力を強化することが重要。成長に向けた中長期的課題を解決する好機。2%の物価安定の実現に向けた強いコミットメントを強調。物価目標値2.0%に向かうなら、量的・質的金融緩和を着実に推進。リスクに変化が生じたら必要なことを躊躇なく調整する。2015年度ごろ物価目標値2.0%に達する可能性が高く、需給ギャップのプラス幅拡大に物価は強まる。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

8:50 JPY 第1四半期 GDP・第1次速報値=前期比1.5%(予想1.0% 前回0.1←0.2%)、前期比年率=5.9%(予想4.2% 前回0.3←0.7%)、GDPデフレータ・第1次速報値=前期比0.0%(予想-0.1% 前回-0.4←0.3%)、名目GDP・第1次速報値=前期比1.2%(予想1.0% 前回0.2←0.3%)、 前期比年率5.1%
11:00 NZD イングリッシュNZ財務相、NZ予算案公表
13:25 JPY 黒田日銀総裁の講演
14:30 FRN 第1四半期 GDP・速報値=前期比0.0%(予想0.1% 前回0.3%)、前年比0.8%(予想0.9% 前回0.8%)→ 予想を若干下回りゼロ成長になる
15:00 GER 第1四半期 GDP・速報値=前期比0.8%(予想0.7% 前回0.4%)、前年比2.5%(予想2.2% 前回1.4%)→ 予想を上回りがEUR買いは限定的
17:00 EUR ECB月報の公表
18:00 EUR 4月 消費者物価指数(HIPC)=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.9%)、前年比0.7%(予想0.7% 前回0.5%)、 コア前年比1.0%(予想1.0% 前回0.7 %)
18:00 EUR 第1四半期 GDP・速報値=前期比0.2%(予想0.4% 前回0.2%)、前年比0.9%(予想1.1% 前回0.5%)→ 予想を下回りECBの緩和観測が強まる。イタリア・オランダ・ポルトガルはマイナス成長
21:30 USD 4月 消費者物価指数=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.2%)、前年比2.0%(予想2.0% 前回1.5%)、コア(除食品・エネルギー)=前月比0.2%(予想0.1%、前回0.2%)、前年比1.8%(予想1.7% 前回1.7%)→ 予想通りながら前回を上回り上昇
21:30 USD 5月 NY連銀製造業景気指数=19.01(予想6.0 前回1.29)→ 予想を大幅に上回り、2010年6月以来の伸び率
21:30 USD 新規失業保険申請件数=29.7万人(予想32.0万件 前回32.1←31.9万件)→ 予想外に改善し7年ぶりの低水準に、ドル買いが強まる
21:30 CAD 3月 製造業売上高=前月比0.4%(予想0.3% 前回1.4%)
22:00 USD 3月 対米証券投資(ネットTICフロー合計)=-1261億ドル(予想 前回1759←1677億ドル)、長期有価証券(株式スワップなど除く・億ドル)・長期TICフロー=40億ドル(予想473億ドル 前回903←857億ドル)、
22:00 CAD 4月 中古住宅販売件数=前月比2.7%(予想 前回1.0%)
22:15 USD 4月 鉱工業生産指数=-0.6%(前月比予想0.0% 前回0.9←0.7%)→ 予想外のアイナスで、2012年8月以来の大幅な落ち込み
22:15 USD 4月 設備稼働率=78.6%(予想79.1% 前回79.3←79.2%)→予想を下回る
23:00 USD 5月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数=15.4(予想14.0 前回16.6)→ 予想を上回るが前回よりは低下
23:00 USD 5月 NAHB住宅市場指数=45(予想49 前回47)→ 予想を下回り、1年ぶりの低水準


***** 本日の主な経済指標・その他 *****

8:00 USD イエレンFRB議長の講演
18:00 EUR 3月 貿易収支(季調済)=予想173億ユーロ 前回150億ユーロ、季調前=予想155億ユーロ 前回136億ユーロ
21:30 USD 4月 住宅着工件数=予想98.0万件 前回94.6万件
21:30 USD 4月 建設許可件数=予想101.5万件、 前回99.7万件
22:55 USD 5月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=予想84.5 前回84.1

2014年5月15日木曜日

5月15日(木曜)昨日、海外市場の動き

5月15日(木曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎NZ中銀金融安定報告は、住宅ローン規制は期待以上に住宅販売を抑制。
◎ウィーラーNZ中銀総裁は、NZドルのキャリートレードは活発で、その多くの要因は日本。
◎USDJPYは102円を割り込み、ストップの売りに円高傾向が続く。
◎独消費者物価指数・確報値は、速報値と変わらず、相場は動けず。
◎英雇用統計は、失業保険申請件数が弱く、ポンド売りが強まる。
◎BOE四半期インフレレポートは、利上げを急がず→ ポンド売りが加速。
◎カーニーBOE総裁は、利上げ時期がやや近づいた→ ポンド売りも弱まる。
◎プラートECB専務理事は、預金金利の引き下げは複合措置の一部としては可能だが、量的緩和には消極的
◎複数のECB関係者は、6月に利下げを含め3種類の複数の政策措置を準備→ EUR売りのプレッシャーが続く。
◎メルシュECB専務理事は、6月のECB理事会で、追加措置に動く可能性を集中的に取り組んでいる。
◎バイトマン独連銀総裁は、独連銀はECBと政策行動を共にする。僅かながらデフレリスクがある。
◎バイトマン独連銀総裁は、現在検討中の措置は全て適切とは限らない。デフレリスクはかなり低い。
◎米生産者物価は、予想外に強い。

一日を終わって見れば、JPY、AUD、NZD、CADは上昇。GBPは失業者数の減少幅が弱く、BOE四半期インフレレポートで早期利上げ観測が後退し下落、EURは利下げ観測も強まるが動かず。BOEの早期利上げ観測の後退+ECBの6月利下げ観測の台頭に、世界的に金利は低下へ。

アジア市場は、USDJPYは102.20円越えの上値は重く、102円の買いに下値トライもできず、102.10~15円の狭いレンジが続く。EURUSD、GBPUSD、AUDUSDはドル売りの流れを継続。NZDUSDはNZ中銀金融安定報告で、住宅ローン規制の影響を危惧し一時下落したが、直ぐに買いへと変化。

欧州市場は、独CPIは予想通りで動けず。英失業保険申請件数は弱く、ポンド売りが加速しドル買いの流れをリード。BOE四半期インフレレポートで早期利上げ観測が後退し、1.6800を割り込み、さらにポンド売りが加速。GBPJPYが171.80円を割り込みクロスで円は全面高、USDJPYは102円を割り込み続落へ。GBPはクロスでも売りが加速し、下落が目立った。ユーロは6月のECB理事会で利下げ観測が強まったが、1.3700台を維持し、1.3700~30の安値圏で小動き。AUDUSDとNZDUSDは続伸。

米国市場は、米金利の上昇が目立ち、米株は小幅下落。USDJPYは101.80円以下の買いが強く下げ止まり、クロスでも円買いがようやく止まり、GBPUSDも1.6760割れで下げ止まる。米生産者物価指数は予想外に強く、AUDUSDとNZDUSDの上昇も止まり、終わって見れば、JPY、AUD、NZD、CADは上昇、GBPは下落、EURは動かず。



***** 発言・その他 *****

◎プラートECB専務理事=預金金利の引き下げは複合措置の一部としては可能。限定的な長期リファイナンスオペなどを準備。量的緩和はユーロ圏の経済とインフレ率が予想外に悪化した場合のみ検討→ EURUSDやや買いが強まる。
◎バイトマン独連銀総裁=独連銀はECBと政策行動を共にする。僅かながらデフレリスクがある。量的緩和はユーロ圏の低インフレ解消に適していない。現在検討中の措置は全て適切とは限らない。
◎バイトマン独連銀総裁=インフレ見通しだけではECBは行動できず、分析で中期的なインフレ見通しが悪化し、持続的なインフレ押し下げ要因になるかの検討が必要。ドラギECB総裁は、インフレ率が数ヶ月間1.0%を割り込み危機的な水準だと認識。
◎バイトマン独連銀総裁=デフレ脅威はECBと異なり、リスクはかなり低く、景気回復につれてインフレ率は上昇し、デフレ危機は緩和へ。ユーロ高の一因はユーロ圏の信頼回復。
◎複数のECB関係筋=6月ECB理事会では、利下げを含め3種類の複数の政策措置を準備。為替レートへの試算はなく、ユーロ相場の目標水準はない。
◎複数のECB関係筋=一人は、利下げは、ほぼ確実。他の一人は、利下げでマイナス金利になり、為替レートにも影響を受ける。二人は、リファイナンス金利、中銀預金金利(下限金利)、限界貸出金利(上限金利)を、0.1~0.2%引き下げる。
◎IMFチーフエコノミスト=ユーロ圏が来年末までにデフレに陥る確率は25%。
◎ユンケル次期欧州委員長候補=行き過ぎたユーロ高の対応で、ユーロ圏財務相に為替レートに関する一般的指針の検討を提案する。
◎メルシュECB専務理事=6月のECB理事会で、追加措置に動く可能性を集中的に取り組んでいる。
◎BOE四半期インフレレポート=英経済は力を増し、余剰生産能力の規模が縮小したが、政策金利の引き上げは来年まで待つ。利上げを実施する前にスラック(たるみ)を一段と解消する余地がある。インフレ率2%の達成は、2017年2月→2016年第4四半期へ変更。向こう2年の失業率見通し6.4%→5.9%に引き下げた
◎BOE四半期インフレレポート=今後2年のインフレ率は2.0%の目標をやや下回る。今年の成長見通しは3.4%で据え置き、2015年2.7%→2.9%に上方修正。
◎カーニーBOE総裁=利上げのタイミングは経済状況次第だが、持続的な景気回復に連れ、利上げ時期がやや近づいた。当面は低金利にとどめる。経済は正常化の一歩を踏み出したばかり。
◎NZ中銀、金融安定報告の公表=住宅ローン規制は期待以上に住宅販売を抑制。年内には住宅ローン規制の撤廃が可能。住宅価格は依然として割高。中国経済の減速がリスク→ 直後NZD売りとなったが直ぐに値を戻す
◎ウィーラーNZ中銀総裁=NZドルのキャリートレードは活発で、その多くの要因は日本。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

6:00 NZD NZ中銀 金融安定報告の公表
6:05 NZD ウィーラーNZ中銀総裁の記者会見
7:45 NZD 第1四半期 小売売上高=前期比0.7%(予想0.8% 前回1.4←1.2%)、除自動車=前期比0.8%(予想2.8% 前回1.0%)→ 予想を下回ったが、前月は上方修正
15:00 GER 4月 消費者物価指数・確報値=前月比-0.2%(予想-0.2% 前回-0.2%)、前年比1.3%(予想1.3% 前回1.3%)、HICP・確報値=前月比-0.3%(予想-0.3% 前回-0.3%)、前年比1.1%(予想1.1% 前回1.1%)
17:30 GBP 4月 雇用統計: 失業率=3.3%(予想3.3% 前回3.4%)、ILO(1-3月)=6.8%(予想6.8% 前回6.9%)、失業者数増減=前月比-25,100人(予想-30,000人、前回-30,600←-30,400人)→ 失業者数の減少が少なくポンド売りが強まる。
18:00 EUR 3月 鉱工業生産指数=前月比-0.3%(予想-0.3% 前回0.2%)、前年比-0.1%(予想1.0% 前回1.7%)
18:30 GBP BOE 四半期インフレレポート
21:30 USD 4月 生産者物価指数=前月比0.5%(予想0.2% 前回0.5%)、前年比2.1%(予想1.7% 前回1.4%)、コア(除食品・エネルギー)=前月比0.5%(予想0.2% 前回0.6%)、コア(除食品・エネルギー)=前年比1.9%(予想1.4% 前回1.4%)→ 予想を上回る
FRN 4月 EU基準消費者物価指数=前月比0.0%、前年比0.8%、国内基準CPI=前月比0.0%、前年比0.7%、コア前月比0.0% 前年比0.6%


***** 本日の主な経済指標・その他 *****

8:50 JPY 第1四半期 GDP・第1次速報値=前期比予想1.0% 前回0.2%、前期比年率=予想4.2% 前回0.7%、名目GDP・第1次速報値=前期比予想1.0% 前回0.3%、 前期比年率予想-0.1% 前回0.3%
11:00 NZD イングリッシュNZ財務相、NZ予算案公表
13:25 JPY 黒田日銀総裁の講演
14:30 FRN 第1四半期 GDP・速報値=前期比予想0.2% 前回0.3%、前年比予想 前回0.8%
15:00 GER 第1四半期 GDP・速報値=前期比予想0.7% 前回0.4%、前年比予想2.2% 前回1.4%
17:00 EUR ECB月報の公表
18:00 EUR 4月 消費者物価指数(HIPC)=前月比予想0.2% 前回0.9%、前年比予想0.7% 前回0.7%、 コア前年比予想1.0% 前回1.0%
18:00 EUR 第1四半期 GDP・速報値=前期比予想0.4% 前回0.3%、前年比予想1.1% 前回0.5%
21:30 USD 4月 消費者物価指数=前月比予想0.3% 前回0.2%、前年比予想2.0% 前回1.5%、コア(除食品・エネルギー)=前月比予想0.1%、前回0.2%、前年比予想1.7% 前回1.7%
21:30 USD 5月 NY連銀製造業景気指数=予想6.0 前回1.29
21:30 USD 新規失業保険申請件数=予想32.0万件 前回31.9万件
21:30 USD 3月 製造業売上高=前月比予想 前回1.4%
22:00 USD 3月 対米証券投資=予想 前回1677億ドル、長期有価証券(株式スワップなど除く・億ドル)=予想473億ドル 前回857億ドル、
22:00 USD 4月 中古住宅販売件数=前月比予想 前回1.0%
22:15 USD 4月 鉱工業生産指数=前月比予想0.0% 前回0.7%、
22:15 USD 4月 設備稼働率=予想79.2% 前回79.2%
23:00 USD 5月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数=予想14.0 前回16.6
23:00 USD 5月 NAHB住宅市場指数=予想49 前回47
1:30 CAD シェンプリカナダ中銀副総裁の講演

2014年5月14日水曜日

5月14日(水曜)昨日、海外市場の動き

5月14日(水曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎英BRC小売売上高は、予想外に強く、一時GBP買いが強まる
◎中国の鉱工業生産、固定資産投資、小売売上高は共に弱く、AUD売りが強まる。
◎日経平均株価は1.95%と大幅上昇
◎豪政府連邦、2014/2015年予算案を発表=来年度の財政赤字を399→298億豪ドルに縮小。AUDUDはようやく下げ止まる。
◎独ZEW景況感指数の期待指数は悪く、欧州株は下落し、EUR売りが強まる。
◎独連銀は、必要があれば利下げを支持との報道に(APDJ)、欧州株は上昇し、EURUSDは1.3700台へ下落。
◎米小売売上高は、予想外に弱く米金利は低下し一時ドルは全面安。
◎米輸入物価指数は、予想外のマイナスで超緩和策を維持する可能性が強まる。
◎ウクライナでウクライナ軍兵士が親ロシア派武装集団を攻撃し死傷者多数。

先週の米雇用統計とドラギECB総裁の記者会見、今週の重要な経済指標と多数のイベント。波乱の継続を予感させる、昨日の弱い米小売売上高にドルは全面安のはずが、ユーロ、ポンド、スイスフランは弱く、豪ドル、NZドル、カナダドルも方向感定まらず。円は102円台を維持するも加速できず。

アジア市場は、USDJPYが確りと102円台を維持し102.30円台までじり高へ。AUDUSDは弱い中国の経済指標に続落傾向は止まず、0.9350台を割り込むとストップの売りに0.9340台まで続落。主要通貨は総じて小幅な値動きが続いた。

欧州市場は、弱い独景況感指数に、EURUSDの下落がスタート、独連銀が必要に応じて利下げを支持との報道に、売りに拍車がかかり1.3700まで続落。AUDUSDは豪政府予算で財政赤字の大幅縮小と、今年度のGDP見通しが上方修正され、ようやく下げ止まる。USDCHFは0.8870→0.89台まで上昇、ドル買いが強まる。USDJPYは102.30台の売りに伸び悩むが、下げも限定的。

米国市場は、予想外に弱い米小売売上高に直後はドル全面安。米輸入物価指数の予想外のマイナスにも、EURUSDは一時1.3700を割り込み、ECBの追加緩和の思惑に続落傾向は止まらず。GBPUSDは14日のBOE四半期インフレレポート待ちで動けず一時1.6820を割り込み弱い。USDJPYは102.05~35円で動けず。AUDUSDは0.9330~80で上下変動ながら底堅く、ドル高の中では堅調に推移。NZDUSDとUSDCADもレンジ相場で大きな変化なし。



***** 発言・その他 *****

◎豪政府連邦、2014/2015年予算案を発表=来年度の財政赤字を399→298億豪ドルに縮小→ AUD買いが強まる
◎米財務省高官=中国の人民元相場の下落や為替介入の疑惑など、不透明性差の欠如を懸念し、市場原理に沿って金利や為替水準を決定するように移行が必要。
◎APダウジョーンズ・ニュース=独連銀は、マイナスの預金金利、パッケージ化された銀行ローンの買い入で、一定のインフレに向け必要なら支持する意向→ EURUSDは1.3740を割り込み1.3700台へ下落
◎メルケル独首相(IMF、世界銀行、OECDのトップと経済協議)=今後数年間は失業が議題の中心になる。ウクライナ東部の住民投票の結果は受け入れられない。
◎PIMCO(今後3~5年の見通しの報告)=ECBは多くのユーロ圏諸国が抱える大規模なソブリン債務が要因で、低水準の金利を一段と長い期間維持する必要があり、大規模な量的緩和プログラムの実施確率が高まる
◎ウクライナでウクライナ軍兵士が親ロシア派武装集団を攻撃し死傷者多数。
◎ラッカー・リッチモンド連銀総裁=FRBの役割はもっと狭く、制限されたほうが好ましい。政治的予想が中央銀行を巻き込み、独立性を危うくする。
◎PIMCO(今後3~5年の見通しの報告)=米国はエネルギー改革が米経済の追い風だが、成長軌道には乗れず、インフレ率が2008年の金融危機前の水準に戻るには何年も必要。ゼロ近辺にある中立的は政策金利の強気相場の終えんを示唆。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

8:01 GBP 4月 BRC小売売上高=前年比5.7%(予想1.8% 前回-1.7%)→ 予想外に強く2011年来の増加率
10:30 AUD 第1四半期 住宅価格指数=前期比1.7%(予想2.9% 前回3.8←3.5%)、前年比10.9%(予想10.4% 前回9.5←9.3%)→ 前期比は予想を下回る
14:30 CNY 4月 鉱工業生産=前年比8.7%(予想8.9% 前回8.8%)→ 予想を下回る
14:30 CNY 4月 固定資産投資=初来前年比17.3%(予想17.7% 前回17.6%)→ 予想を下回る
14:30 CNY 4月 小売売上高=前年比11.9%(予想12.2% 前回12.2%)→ 予想を下回り、AUD売りが強まる
15:00 GER 4月 卸売物価指数=前月比0.2%(予想0.0% 前回0.0%)、前年比-1.3%(予想-1.5% 前回-1.7%)
18:00 GER 5月 ZEW景況感指数: 期待指数=33.1(予想41.0 前回43.2)、現況指数=62.1(予想60.5 前回59.5)→ 現況指数は強かったが、期待指数は予想外に弱くEUR売りが加速する
18:00 EUR 4月 ZEW景況感調査=55.2(予想63.5 前回61.2)→ 予想と前回を下回る
18:30 AUD 豪政府連邦、2014/2015年予算案を発表=来年度の財政赤字を399→298億豪ドルに縮小
21:30 USD 4月 小売売上高=前月比0.1%(予想0.4% 前回1.5←1.1%)、除く自動車前月比0.0%(-0.1%(予想0.6% 前回1.0←0.7%)、コアベース(除く、自動車・ガソリン・建設資材・飲食業)-0.1%(予想0.5% 前回1.3%) → 予想外に弱く、一部で強い予想もあり、その反動も加わり一時ドル全面安
21:30 USD 4月 輸入物価指数=前月比-0.4%(予想0.3% 前回0.4←0.6%)、前年比-0.3%(予想0.3% 前回-0.6%)→ 予想外のマイナスで昨年11月以来の低下に、超緩和の継続が続くとの思惑が強まる。
23:00 USD 3月 企業在庫=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.5←0.4%)、企業売上高=前月比1.0%(前回0.9%)


***** 本日の主な経済指標・その他 *****

6:00 NZD NZ中銀 金融安定報告の公表
6:05 NZD ウィーラーNZ中銀総裁の記者会見
7:45 NZD 第1四半期 小売売上高=前期比予想0.9% 前回1.2%
15:00 GER 4月 消費者物価指数・確報値=前月比予想-0.2% 前回-0.2%、前年比予想1.3% 前回1.3%、HICP・確報値=前月比予想-0.3% 前回-0.3%、前年比予想1.1% 前回1.1%
17:30 GBP 4月 雇用統計: 失業率=予想3.3% 前回3.4%、ILO(1-3月)=6.8% 前回6.9%、失業者数増減=前月比予想-30,000件、前回-30,400件
18:00 EUR 3月 鉱工業生産指数=前月比予想-0.3% 前回0.2%、前年比予想 前回1.7%
18:30 GBP BOE 四半期インフレレポート
21:30 USD 4月 生産者物価指数=前月比予想0.2% 前回0.5%、前年比予想0.2% 前回0.6%、コア(除食品・エネルギー)=前月比予想0.2% 前回0.6%、コア(除食品・エネルギー)=前年比予想1.4% 前回1.4%

2014年5月13日火曜日

5月13日(火曜)昨日、海外市場の動き

5月13日(火曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎日本の3月経常収支は予想外に伸びず、2013年度の経常黒字は過去最低で、円売りが強まる。
◎中国国務院は、資本市場改革を推進する方針に、上海総合株価は2%超上昇。
◎親ロシア派がウクライナからの独立を問う住民投票の結果は、圧倒的な賛成表で独立を支持、EUと米国は違法と承認せず。
◎ウクライナ大統領選(5月25日)に市場の関心が移る
◎コンスタンシオECB副総裁は、低インフレのリスクとユーロ高をけん制。
◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁は、低インフレ対策で、利下げと複数の措置が必要→ 欧州株は6年ぶりの高値へ。
◎BOEの四半期インフレレポートで、利上げの思惑が強まる一時ポンド買いが強まる。
◎米国債利回りは上昇、米小売売上高と住宅着工の増加見通しを先取り。

8日のドラギショックもやや薄らぎ、今週は重要な経済指標はイベントが多く、一方向で動きにくい状況が続く。ウクライナ東部のルガンスクとドネツク州の住民投票は独立を支持したが、EUと米国は支持せず、次の関心事は25日のウクライナ大統領選へと移る。

アジア市場は、朝方発表された日本の2013年度経常黒字額が過去最少額で、3年連続の低下に円売りが強まり、一時102円台まで上昇した。GBPUSDは1.6840~60のレンジ、AUDUSDは0.9350~70のレンジ、EURUSDは1.3750~65のレンジで動けず。

欧州市場に入り、EURUSDは実需筋の買いに1.3770台を回復したが続かず、コンスタンシオECB副総裁とノボトニー・オーストリア中銀総裁の低インフレ懸念に追加緩和の可能性が再認識され伸び悩む。GBPUSDは、EURGBPの売りに1.6900の大台を再び達成、AUDUSDも0.9400の大台直前まで上昇。EURはクロスで弱く、EURGBPは0.8140台へ、EURAUDも1.4660台へ下落した。USDJPYは101.85~00のレンジで動けず。

米国市場は、ドラギショック以降続いたドル買いの調整も一巡し、強い米経済指標の見通しに米金利は上昇し、米株も強く、ドルの買い戻しが強まった。USDJPYは102円台が定着、EURUSDは1.3770台を維持できず1.3750台まで下落。強かったGBPUSDも上昇スタート地点の1.6860台まで下落、AUDUSDも0.9400の大台をトライできず0.9350台まで下落。


***** 発言・その他 *****

◎中国人民銀行金融研究所所長=資本収支の赤字により経常収支の黒字が相殺され、外貨準備を継続的に積み増す必要がなくなり、中国にとりプラス。
◎中国国務院=資本市場改革を推進する方針に、上海総合株価は2%超上昇。
◎周小川・中国人民銀行総裁=景気サイクルに対応するため、人民銀行は政策の微調整のみ実施し、大規模な景気刺激策は取らない。
◎李克強・中国首相=外貨準備はインフレを招きかねず重荷。
◎コンスタンシオECB副総裁=欧州のインフレ率は長期間1.0%を下回る可能性が高い。2012年半ばからのユーロ高で、インフレ率が0.5%押し下げられた。欧州の経済成長率とインフレ率が米国の水準を下回っている
◎コンスタンシオECB副総裁=6月理事会での政策の必要背判断は、中期的なインフレ見通しが重要。 6月の理事会でECBの行動を推測すべきでない
◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁=利下げだけで低インフレに対応できず、複数の措置が必要。
◎ラガルドIMF専務理事=ECBに更なる刺激策の実施を再要求した。企業の借入環境が国によって異なり、貸出が抑制されたままで、ユーロ圏の危機は終わっていない。
◎プッロサー・フィラデルフィア連銀総裁=労働参加率低下は職探しあきらめた人の存在と、人口構造によっても低下する。
◎浜田内閣官房参与=追加緩和の判断は、景気とインフレの狭間で微妙な状況にあり、判断は難しい。
◎日本2013年度の経常黒字は過去最少
◎ウクライナ東部、ルガンスク、ドネツク州の住民投票=96.2%が自治権拡大を支持。
◎カーニー・ホワイトハウス報道官=ウクライナ東部の住民投票の結果を、米国は違法と承認せず。ロシアが住民投票阻止で協力しなかったことを非難。
◎NYT連銀月次調査=米国民の個人所得の伸びや住宅価格に関する見通しが悪化。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

JPY 8:50 JPY 3月 国際収支: 貿易収支=1兆2,179億円(予想-1兆1,254億円 前回-5,334億円)、経常収支=1,164億円(予想3,050億円 前回6,127億円、2013年度の経常黒字=7899億円→ 統計開始の1985年以降の最少額で、今後の赤字転落は避けられず。
AUD 10:30 AUD 4月 NAB 企業景況感指数=0(予想 前回1)、企業信頼感指数=6(予想 前回4)
CHF 16:15 CHF 3月 小売売上高=前年比3.0%(予想2.3% 前回1.2←1.0%)
USD 3:00 USD 4月 月次財政収支=1070億ドル( 予想1140億ドル 前回-369億ドル)→ 予想を下回るも前年同期からは赤字額は大幅に縮小


***** 本日の主な経済指標・その他 *****

8:01 GBP 4月 BRC小売売上高=前年比予想1.8% 前回-1.7%
10:30 AUD 第1四半期 住宅価格指数=前期比予想2.9% 前回3.5%、前年比予想10.4% 前回9.5%
14:30 CNY 4月 鉱工業生産=前年比予想8.9% 前回8.8%
14:30 CNY 4月 固定資産投資=初来前年比予想17.7% 前回17.6%
14:30 CNY 4月 小売売上高=前年比予想12.2% 前回12.2%
15:00 GER 4月 卸売物価指数=前月比予想0.0% 前回0.0%、前年比予想-1.5% 前回-1.7%
18:00 GER 5月 ZEW景況感指数=予想41.0 前回43.2、現況指数=予想60.5 前回59.5
18:00 GER バイトマン独連銀総裁の講演、ラウテンシュレーガー独連銀副総裁の講演
18:00 EUR 4月 ZEW景況感調査=予想 前回61.2
18:30 AUD 豪政府連邦予算案を発表
21:30 USD 4月 小売売上高=前月比予想0.4% 前回1.2%、除く自動車前月比予想0.6% 前回0.7%
21:30 USD 4月 輸入物価指数=前月比予想0.3% 前回0.6%、前年比予想 前回-0.6%
23:00 USD 3月 企業在庫=前月比予想0.4% 前回0.4%
0:30 CAD カナダ中銀 四半期報告書(春季)
未定 NZD 4月 REINZ 住宅価格指数=前月比予想 前回3.4%

2014年5月11日日曜日

日足のローソク足だけで今週を予測すると?

今週は重要な経済指標とイベントが多く、相場を予測することは難しい週となっている。

そんな状況を踏まえ、シンプルに相場を考えることにして、ローソク足の日足だけで、今週の為替相場の予想をしてみた。

USDJPY 101.50102.00のレンジで動けず。ただし、下値は下髭が長く円売りの流れを示唆。
52日の米雇用統計は予想外に改善。直後に102.00102.80円のレンジ相場の上限を上抜け、一時48日の黒田日銀総裁が「追加緩和の検討をしていない、逆方向の調整の余地もある」とのサプライズ発言以来の円安水準、103円を達成したが、短時間で元の水準に逆戻り。翌週の5日からは円高へと方向転換した。しかし、25日以降続いた101円台を割り込めず、101.50円以下の買いの強さを逆に確認したことになる。
EURUSD 念願の1.40の大台直前まで上昇し、48日のユーロ安水準まで急落。 1.3700~1.4000 のレンジを維持できるか。
解決策を見いだせないウクライナ情勢の悪化に、ユーロへの資金シフトが続き、ユーロ圏の景気底入れ観測と、消費者物価の下げ止まりに、
56日には1.39の大台を上抜けしユーロ買いの流れが加速していた。58日のECB理事会では政策の変更もなく一時1.3993まで上昇して、1.40の大台を試す動きが続いた。しかし、ドラギECB総裁は「6月のECB理事会で追加緩和の可能性」と「ユーロ高が低インフレを招くリスク」を懸念。ユーロ・ロングの足元をすくわれ急落、48日の水準へ逆戻り。47日の1.37割れからユーロ買いがスタートした重要な水準へと近づいており、65日のECB理事会までは、極端なユーロ安センチメントへ傾けることもできず、それまで発表されるインフレ関連の指標を注視しながら、1.37001.4000のレンジの流れを継続している。
AUDUSD 中国の経済指標も安定し、徐々に底値を気利上げ0.9400を再トライへ。
52日の米雇用統計は予想外に改善し、直後にレンジ下限を割り込み直後に0.9200まで下落、これをボトムに、0.92000.9400のレンジ上限へ動いている。先週は大枠0.93000.9400のレンジで取引が続き、410日の高値0.9461をとらえ、0.9500の大台を達成することができるのか? 今後の流れは引き続き買いが強い。ただし、59日の豪中銀四半期の金融政策報告では、「豪ドルは依然として高水準で、交易条件の悪化に下落する可能性がある」と指摘、今後も豪ドル高が加速することにでもなれば、豪ドル高けん制発言には注意が必要。

今週の経済指標・発言の注目点(5月12日~5月16日)

今週の経済指標・発言の注目点(5月12日~5月16日)


長期化している予測不能なウクライナ情勢は、いつもながら為替相場の変動材料にされ、欧米の金融政策もやや不安定になっており、今や、なんでもありの状態。今週はあまりにも多くの重要な経済指標やイベントが連なり、何が起きても不思議ではない。

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過去を振り返ってみても、5月2日は予想外に強い米雇用統計でも、長期失業者が全体の約35.3%大幅拡大し、労働参加率は62.8%に低下したことを材料にドル売りになった。

5月8日のECB理事会後のドラギECB総裁の記者会見で、6月の理事会で緩和観測が急浮上し、ユーロ高けん制発言も続いた。2月6日の理事会とあまり相違点はないと思えたが、市場参加者は「次回の理事会で、追加緩和を事前に示唆した」との意見が印象的に映った。

EURUSD1.400のトライのまっ最中に箍が外され、ストップの売りによる影響とも思えるが、ユーロは下落し、ユーロとスイスフラン売りが主導するドル買いになっている。しかし、これもどのようにでも変化することが思えない。

XXXXXX

今週、特に注意したいと考えている、経済指標とイベントを日付順に考えたい。該当する通貨にとっては、それらの全てが重要で、ランキングの評価付けは難しい。繰り返しになるが、今週は相場の方向性がどう転ぶかわからなと考えポジションを作りたい。

13日(火)
◎豪政府の連邦予算の発表=政府は財政赤字の削減を目指し、豪中銀に緩和の継続を求めていると思われ、この結果を見て、豪中銀の金融政策のかじ取りを判断したい。

14日(水)
◎NZ中銀の金融安定報告=ウィーラーNZ中銀総裁はどのような発言をするのか、もちろん今後の金融政策とNZドルの評価を特に注目したい。
◎独4月の消費者物価指数・確報値=ドラギECB総裁が低インフレ=ユーロ高抑制のけん制をしていることもあるが、スタッフ予想に大きな影響を与えると思われる。
◎英4月の雇用統計=GBPUSDが1.7を目指し失敗し値を下げているが、失業者数が減少し再トライのきっかけを作ることができるのか注目。
◎BOEの四半期インフレレポート=今後のBOE金融政策への影響は大きく、ストレートに反応することは間違いないと思われ、GBPUSD1.7再トライの可能性の有無を判断できそう。

15日(木)
◎イングリッシュNZ財務相の予算案公表=NZ中銀の金融政策へ影響する可能性もあり目が離せない。
◎日本の第1四半期GDP=インフレ目標は達成できそうだが、成長は? 前期比年率の予想は4.2%と高成長が予想され、円相場への反応はどう考えるのか難しい。表面的に考えれば株高=円売りの反応だが、それとも、101円を割り込むのか?
◎黒田日銀総裁の講演=サプライズを意図的にしているのか? それとも、相場をうまくコントロールしようとしているのか? 4月8日の黒田ショックの記憶は暫く消えそうにない。
◎フランス、ドイツ、そして、ユーロ圏のGDP・速報値=EURUSDが1.40でトップアウトしたのか、それとも、再トライできるか、その判断をする一つの材料。
◎ユーロ圏の消費者物価指数・確報値は、前日の独消費者物価指数と同じく、為替相場にとって極めて重要。
◎米消費者物価指数は、いつもながら繰り返す、相場変動の材料の一つ。イエレンFRB議長は積極的な緩和解除にやや消極的なイメージができあがっているが、どうなることやら。

長くなったが、これ以外にも今週は米国関連で多くの経済指標の発表が予定されている。





最新の米CFTC発表の通貨先物取引(IMMポジション)5月6日分

最新の米CFTC発表の通貨先物取引(IMMポジション)5月6日分

5月8日のドラギECB総裁記者会見の相場変化は含まれず、資料としてはあまり参考にならず。

≪最近のデータが示すもの≫
7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネット・ポジションはロング23,383コントラクト(前週ロング12,210コントラクト)と増加し、ドルはショート41億ドル(前週ショート23億ドル)と、市場のセンチメントはドル安に傾いていた。しかし、集計後の5月8日、ドラギECB総裁による記者会見で、6月の追加利下げ観測が強まり、EURドル高けん制発言の再燃で、ユーロ、ポンド、スイスフランは大きく値を下げている。

≪各通貨での変化≫
円=-60,728コントラクトと、前週の-70,352から、ショートポジションは小幅縮小。水準的には大きな変化に至っていない。かつての円相場主導の面影は見られず、ユーロ、ポンド、豪ドルに主導権を握られ、USDJPY相場の水準は101.50~102.00円と非常に狭い。

ユーロ=+32,551コントラクトと、前週の+25,734から増加。ウクライナ東部の住民投票を控え、事態の悪化を懸念したユーロ買いのセンチメントが強まっていた。ただ、8日には1.40を目指した後に、0.87ミドルまで大きく下落したことで、ユーロロングポジションは大幅に減少していると思われる。

ポンド=+40,646コントラクトと、前週の+44,234からロングは小幅減少。6日にはGBPUSD1.70の大台直前まで上昇したが、3週間連続でロングポジションは減少し、EURGBPの買いの影響なのか、ひと足早くポジション調整が進んでいた。その後、7日、8日、9日とGBPUSDは大きく値を下げたとことで、ポンドのロングポジションは大幅に減少していると思われる。

豪ドル=+8,637コントラクトと、前週の+10,706コから小幅減少。5週連続でプラス圏を維持しており、市場参加者が弱いながらも豪ドル高を期待している表れ。主要通貨は8日を転機に大きく値を下げたが、AUDUSDは逆に上昇しており、投機的な動きより実需の買いの可能性も。

NZドル=+20,693コントラクトと、前週の+18,480から小幅増加、トータルではロングの常連通貨として、昨年9月17日以降、長きに渡りロングポジションを維持。ただ、NZDUSDは8日に0.88トライ失敗した後は、0.86近くまで下落、ロングポジションは相当解消されたと思われる。