2014年6月14日土曜日

6月14日(土曜) 最新のIMMポジションと相場の動き



6月14日(土曜) 最新のIMMポジションと相場の動き


≪最近のデータが示すもの(6月10日データ)≫ 

7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネットはショート-85,541
コントラクトで、前週-57,954コントラクトからショートが-27,587増加した。ドルに換算したポジションはドル買いで約145億ドルと前週の99.1億ドルから大幅に増加し、ドル先高期待またしても続いている。

今週特に目立った動きとしては、ユーロの売りが膨らんだことと、豪ドルの買いが膨らんだことで、クロスではEURAUDの売りが理論的には上策であったことが示されている。

≪各通貨での変化≫
円=-82,162コントラクトと、前週の-74,218から、ショートポジションは拡大。3週連続で円売りポジションが拡大していたことが確認された。ドル換算では約100億ドルのドル買いポジションになっている。

ユーロ=-57,185コントラクトと、前週の-33,025からショートが増加。5週連続でユーロ売りポジションが拡大、ECB理事会で追加緩和パッケージが示されたことが要因となり、売りが拡大。ドル換算では約97億ドルのドル買いポジションになっている。

ポンド=+35,842コントラクトと、前週の+34,974からロングは微増。3万コントラクト台のポンド買いが継続しており、特にカーニーBOE総裁が、早めに利上げする可能性を示唆したことで、さらにポンドの買いポジションが拡大していると思われる。ドル換算では約38億ドルのドル売りポジションになっている。

豪ドル=+28,247コントラクトと、前週の+21,527からロングは微増。10週連続でプラス圏を維持し、上昇局面が続いている。ドル換算では約27億ドルのドル売りポジションになっている。

NZドル=+16,855コントラクトと、前週の+17,531から微減。ポジション的には少ないものの、39週連続でNZドルのロングポジションが続く。ドル換算では約14億ドルのドル売りポジションになっている。





6月14日(土曜) 昨日、海外市場の動き

6月14日(土曜) 昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

週末金曜日の為替市場は、週末のポジション調整にもポンド高が続き、前日にカーニーBOE総裁が示した早期利上げの見通しにポンド先高期待感は続く。イラクの緊張拡大に原油価格は上昇を続け、カナダ格下げとの未確認のウワサにも、カナダドルは堅調に推移。米中の景気の拡大と安定観測が広まる中で、中国の小売売上高は予想を上回り、米生産者物価のコアは予想外のマイナス、米ミシガン大学消費者信頼感指数が予想外に弱かったが、ドル売りは限定的となった。

◎日銀金融政策決定会合=予想通り現行の量的・質的金融緩和(QQE)の継続を全員一致で決定。
◎「景気の現状判断は、基調的に穏やかに回復を続けている」で据え置く。海外経済は穏やかに回復を続けていると、今年1月会合以来、5カ月ぶり上方修正。
◎黒田日銀総裁=2%の物価目標達成への自信を示し、早期の追加緩和期待が一段と後退へ。
◎安倍首相=法人実効税率の引き下げを決定。
◎米生産者物価指数=コアは予想外のマイナスへ、一時弱いドル売りへ。
◎米ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=予想を下回るが相場は動かず。
◎S&P=英国の格付け見通しを「ネガティブ」から「安定的」に引き上げた。
◎リンデ・スペイン中銀総裁=経済活動は2013年に徐々に拡大し、第3四半期はプラス成長へ、最近はこの傾向が強まる。


XXXXXX

アジア市場は、予想外に強い中国の小売売上高にも市場の動きは鈍く、AUDとNZDの弱い利食い売りからスタート。USDJPYは101.70~102.05円のレンジと週末のポジション調整のドル買いと、黒田日銀総裁の記者会見への期待感で102.10円まで上昇へ。EURUSDは1.3550割れの買いが続き底堅く推移し、GBPUSDも前日のカーニーBOE総裁の予想より早い利上げ期待にポンド買いの流れは止まらず。イベント終了+週末のリスクヘッジ+利食いのロングポジションの巻き戻しに、下落へと変化。

欧州市場は、週末のポジション調整が先行し、ドルの買い戻しが見られた。黒田発言から予想外の発言は見られず、USDJPYは一時101.80円台まで値を下げるも、安倍首相による法人実効税率の引き下げに円売りが強まり、結局は101.80~102.10円のレンジで変わらず。EURUSDは1.3560台から1.3530台へと続落、AUDUSDとNZDUSDも続落傾向が続いた。GBPUSDは、カーニー・ショック後のポンド買いも、英商務省による利上げを否定的する発言を受け、1.70の大台手前とで折り返し下落。

米国市場は、米生産者物価指数のコアはマイナスとなり、弱いミシガン大学消費者信頼感指数にドル売りが強まる。EURUSDは1.3520台でようやく下げ止まり、GBPUSDも1.6940台、AUDUSDも0.9370台で下げ止まり、やや値を持ち直すが、動き自体は緩慢。USDJPYは102.00円を割り込むも動きは鈍い。



***** 発言・その他 *****

◎クーレECB理事=ECBの緩和パッケージは金利が長期に渡り低水準を維持することを示唆。決定された政策効果を見極める段階にあるが、現時点で量的緩和は必要ない。新たな緩和パッケージで効果がなければECBは行動を起こす用意はあるが、現時点でそれを議論する段階ではない。
◎リンデ・スペイン中銀総裁(2013年版年次報告書の序章)=経済活動は2013年に徐々に拡大し、第3四半期のプラス成長へと続いた。最近のデータでは今年に入ってこの傾向が強まっている。
◎英商務省=利上げに対して否定的な見解を示す。
◎S&P=英国の格付けを「AAA/A-1プラス」に据え置き、格付け見通しを「ネガティブ」から「安定的」に引き上げた。
◎黒田日銀総裁=量的・質的緩和(QQE)の現状維持を決めた。中央銀行は物価目標を達成し、政府が民間主導の成長を支援する。輸出が予期したほど伸びなくとも、内需主導で成長率上振れることありうる。米国経済は今後さらに加速し、中国経済は成長率の勢いの下方シフトは止まり安定へ。ECB追加緩和したが円が対ユーロで強くなることない→ 2%の物価目標達成への自信を示し、早期の追加緩和期待が一段と後退へ。
◎黒田日銀総裁=2%の物価目標の達成なしで、量的質的緩和を止めることはない。 4~6月成長率はマイナスに落ち込む。
◎安倍首相=法人実効税率の引き下げを決定。



***** 結果、主な経済指標・その他 *****

JPY 日銀金融政策決定会合、現行の量的・質的金融緩和(QQE)の継続を全員一致で決定。景気の現状判断は、基調的に穏やかに回復を続けているに据え置く。海外経済は穏やかに回復を続けていると、今年1月会合以来、5カ月ぶり上方修正。
14:30 CNY 5月 小売売上高=前年比12.5%(予想12.1% 前回11.9%)→予想を上回る
14:30 CNY 5月 鉱工業生産=前年比8.8%(予想8.8% 前回8.7%)
15:00 GER 5月 消費者物価指数・確定値=前月比-0.1%(予想-0.1% 前回-0.1%)、前年比0.9%(予想0.9% 前回10.9%)、HICP前月比-0.3%(予想-0.3% 前回-0.3%)、HICP前年比0.6%(予想0.6% 前回0.6%)
15:30 JPY 黒田日銀総裁の記者会見
18:00 GBP 4月 CB景気先行指数=0.5%(予想 前回0.3%)
18:00 EUR 4月 貿易収支・季調済=158億ユーロ(予想159億ユーロ 前回1152億ユーロ)、季調前157億ユーロ(予想139億ユーロ 前回167←171億ユーロ)
19:00 EUR 第1四半期ユーロ圏就業者数=前期比0.1%(前期0.1%)、前年比0.2%(前期-0.4%)→ 2か連続で増加
21:30 USD 5月 生産者物価指数=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.2%)、コア(除食品・エネルギー)前月比=-0.1%(予想0.1% 前回0.5%)→ コアが予想外のマイナスへ
21:30 CAD 4月 製造業売上高=前月比-0.1%(予想0.5% 前回0.3←0.4%)
22:55 USD 6月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=81.2(予想83.0 前回81.9)、現況指数=95.4(5月94.5)、先行指数=72.2(5月73.7)→ 予想を下回る

2014年6月13日金曜日

6月13日(金曜) 昨日、海外市場の動き

6月13日(金曜) 昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

金利差相場の動きは変わらず、NZDUSDとAUDUSDは堅調に推移。米小売売上高は予想を下回り、米輸入物価指数と米新規失業保険申請件数も弱く、ドル売りの流れへと変化。オバマ米大統領は、イラクの過激派の攻撃で空爆の選択肢を示唆、ウクライナ東部でロシア戦車が国境を超え侵入、にわかに緊張が強まり、円買いの材料になる。

オズボーン英財務相は、住宅ローン規制の強化で、ローン上限を設定するために権限をBOEに付与、住宅市場の落ち込みを懸念したポンド売りは、カーニーBOE総裁の利上げ時期の早まりを示唆する発言に、ポンドは買い戻され、EURUSDは1.3510~20のトライに疲れたのか1.3570台まで買い戻されるが、ボトムアウトの雰囲気は見えず。

◎NZ中銀は予想通りに利上げを実施、NZドル高は止まらず。
◎ウィーラーNZ中銀総裁は今後の利上げについて、経済・金融指標とインフレ圧力と為替が決め手。
◎豪雇用統計は、雇用者数は予想外のマイナスへ、相場は逆に豪ドルの買いの強さを再確認。
◎ECB月報は、必要であれば、追加金融緩和を迅速に行動。
◎スペンサーNZ中銀副総裁は、通貨下落と金利上昇が望ましいと発言、しかし、NZドル買いは止まらず。
◎ボリ・スウェーデン財務相は、ECBの追加緩和によるユーロ安で、クローナ高に警戒が必要。
◎米小売売上高は、予想を下回り、米輸入物価指数と米新規失業保険申請件数も弱く、ドル売りの流れへと変化。
◎オバマ米大統領は、イラクの過激派の攻撃で空爆の選択肢を示唆。
◎東部でロシア戦車が国境を超え侵入。
◎オズボーン英財務相は、住宅ローン規制の強化で、ローン上限を設定するために権限をBOEに付与、
◎バイトマン独連銀総裁は、量的緩和は毒薬、反対姿勢は変わらず。
◎ヤズベツ・スロベニア中銀総裁は、追加緩和措置が必要かを見極めている。必要があれば大規模な資産買い入れの実施を支持。
◎カーニーBOE総裁は、利上げは予想より早まる可能性を示唆、GBPUSDは急伸。


XXXXXX

アジア市場は、早朝にNZ中銀は予想通りに政策金利を0.25%引き上げ3.25%に決定。直後はいつもながら両サイドのストップを付ける動きに、直後NZDは下落し、直ぐに反発へと転じて上昇。次回の利上げを示すトーンは経済と為替相場次第と、通貨高を暗にけん制する発言に、大幅な上昇とはならず。豪雇用統計では失業率は前月と変わらずだが、雇用者数は予想外のマイナスで、直後こそAUD売りが強まったが、過ぎに萎み発表時の水準に逆戻り。 USDJPYは102円台を回復するも102.10円台までの上昇にとどまる、決定的な動きにならず。USDCADは相変わらず下落し、カナダドル高を継続。

欧州市場は、弱いユーロと強いNZドルの流れは変わらず。ユーロ圏の鉱工業生産が予想を上回ったが、ユーロ買い弱く1.3510台まで下落、早朝に利上げを実施したNZドルは、スペンサーNZ中銀副総裁が「通貨下落と金利上昇が望ましい」との発言もあったが、買いの流れは止まらず。0.8680台へ上昇。ポンドは卸売物価指数が予想よりマイナス幅が縮小、GBP買いが続き1.6820台を維持。USDJPYは101.90円をボトムに下げ止まるも戻りは非常に限定的で下値トライが続く。

米国市場は、予想外に弱い米小売売上高を筆頭に、新規失業保険申請件数と輸入物価指数も弱く、ドル売りへ変化。USDJPYはイラクとウクライナでの緊張感の高まりと、今日の日銀の金融緩和見送りを意識した円買いに、101.60円台まで続落。EURUSDは1.3520台から一時1.3570台まで値を戻し、AUSDUSDとNZDUSDも相変わらず堅調に推移、GBPUSDは、英国の住宅市場の規制強化の動きに一時下落するも、1.6800台を維持し、カーニーBOE総裁は利上げが予想より早まる可能性を示唆、早朝には1.6910台まで上昇。


***** 発言・その他 *****


◎ポロッツ・カナダ中銀総裁(カナダ金融システム報告を受けた会見)=現在の住宅指標は快適。カナダの家計負債は米国と比較してもかなり高い。先週の政策金利の決定は下振れリスクに基づく。
◎イタリア3年債利回りは、ユーロ導入来の低水準0.89%へ下落。
◎ECB月報=必要であれば、ECBとして追加金融緩和を伴い迅速に行動する。低インフレ期間が過度に長引くリスクに対し、さらなる対応が必要な場合、ECB理事会は責務の範囲内において非標準的措置を用いる方針で一致している。ユーロ圏を総合的に見ると、現状では明白なデフレ状況が差し迫っている兆しはない。
◎ECB市中銀行へマイナス金利を適用=翌日物預金は2011年来の低水準。
◎バイトマン独連銀総裁=金融市場が逆の見方を示しても、危機は終了から程遠い。資産買い入れは政府にとり甘い毒薬、終了時に不快な現状に直面。国債買い入れは、金融政策を財政ファイナンスに限りなく近づける。
◎ヤズベツ・スロベニア中銀総裁=追加緩和措置が必要かを見極めている、必要があれば大規模な資産買い入れの実施を支持。追加利下げ実施の可能性は依然残されているが、短期的に必要になるとは考えていない。 現時点での行動に一段と注意深くなる必要がある。新たな金融危機に再突入するリスクがある。
◎オズボーン英財務相=住宅ローンに関する新たな権限をBOEに付与、所得や不動産価値で、住宅ローンに上限を設けることが可能へ→ ポンド売りが強まる。
◎カーニーBOE総裁=利上げが予想より早まる可能性を示唆。
◎年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)=基本ポートフォリオ見直しを前に国債売却に動いているとの観測が浮上。
◎FRB関係者=量的・質的緩和の出口以降も拡大したバランスシートを当分の間維持し、短期金利の引き上げを先行させることもあり得る。
◎ウィーラーNZ中銀総裁の声明=政策金利を0.25%引き上げ3.25%に決定した。利上げペースは、今後の経済・金融指標とインフレ圧力への影響による。建設セクターを中心にインフレ圧力が増加。交易条件と移民の増加が成長を下支えているが、通貨高がこれを相殺。インフレ期待を引き続き抑制し、金利を一段と中立水準に戻すことが重要。
◎ウィーラーNZ中銀総裁の声明=経済のモメンタムは力強いものの、先行きについては不透明感が大きく、金利政策に影響を及ぼす可能性がある。政策は経済指標やNZドルの強さに大きく左右されるが、主要変数で不透明緩和大きい。
◎スペンサーNZ中銀副総裁=通貨下落と金利上昇が望ましい。金利の中立水準は4.5-5.0%。NZドル安は予想以上の利上げを招く可能性がある。
◎ウクライナ大統領府=ロシアから複数の戦車が国境を越えてウクライナ東部に侵入。
◎ボリ・スウェーデン財務相=ECBの追加緩和によるユーロ安で、クローナ高に警戒が必要。
◎オバマ米大統領=イスラム過激派が攻勢を強めているイラクで、政府の反撃を支援するため空爆の選択肢も排除しない。



***** 結果、主な経済指標・その他 *****

6:00 NZD NZ中銀 金融政策発表=3.0%の政策金利を0.25%引き上げ3.25%を決定、予想通り
6:05 NZD ウィーラーNZ中銀総裁の記者会見
8:01 GBP 5月 RICS住宅価格=52%(予想52% 前回54%)
10:30 AUD 5月 雇用統計: 失業率=5.8%(予想5.9% 前回5.8%)、新規雇用者数=前月比-4,800人(予想10,000人 前回10,300人←14,200人)→ 雇用者数が予想を下回りマイナスとなり一時AUD売りが強まるも限定的
15:00 GER 5月 卸売物価指数=-0.1%(予想-0.3% 前回0.2%)、前年比-0.9%(予想-1.1% 前回-1.3%)→ 予想よりマイナス幅が縮小、GBP買いが強まる
15:45 FRN 5月 消費者物価指数(HICP)=前月比0.0%(予想0.1% 前回0.0%)、前年比0.8%(予想0.7% 前回0.8%)
17:30 EUR ECB月報
18:00 EUR 4月 鉱工業生産指数=前月比0.8%(予想0.5% 前回-0.4%←-0.3%)、前年比1.4%(予想0.9% 前回0.2%←-0.1%)→ 予想を上回るがユーロ買いに繋がらず
21:30 USD 5月 小売売上高=前月比0.3%(予想0.6% 前回0.5←0.1%)、除自動車 前月比=0.1%(予想0.4% 前回0.4←0.0%)、除自動車・エネルギー 前月比0.0%(予想0.4% 前回0.3←-0.1%)
21:30 USD 5月 輸入物価指数=前月比0.1%(予想0.2% 前回-0.5←-0.4%)、前年比0.5%(予想 前回-0.3%)
21:30 USD 週刊新規失業保険申請件数=31.7万件(予想31.0万件 前回31.3←31.2万件)
21:30 CAD 第1四半期 設備稼働率=82.5(予想82.4% 前回82.2←82.0%)
21:30 CAD 4月 新築住宅価格指数=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.2%)
23:00 USD 4月 企業在庫=前月比0.6%(予想0.4% 前回0.4%)
23:30 CAD カナダ中銀の金融安定レビュー
0:15 CAD ポロッツ・カナダ中銀総裁の講演


***** 本日予定、主な経済指標・その他 *****

JPY 日銀金融政策決定会合
14:30 CNY 5月 小売売上高=前年比予想12.1% 前回11.9%
14:30 CNY 5月 鉱工業生産=前年比予想8.8% 前回8.7%
15:00 GER 5月 消費者物価指数・確定値=前月比予想-0.1% 前回-0.1%、前年比予想0.9% 前回0.9%、HICP前月比 予想-0.3% 前回-0.3%、HICP前年比 予想0.6% 前回0.6%
15:30 JPY 黒田日銀総裁の記者会見
17:30 GBP 4月 建設支出=前月比予想 前回-1.0%、前年比予想 前回6.4%
18:00 EUR 4月 貿易収支・季調済=予想159億ユーロ 前回152億ユーロ、季調前 予想120億ユーロ 前回171億ユーロ
21:30 USD 5月 生産者物価指数=前月比予想0.1% 前回0.6%、コア(除食品・エネルギー)前月比=予想0.1% 前回0.5%
21:30 CAD 4月 製造業売上高=前月比予想0.5% 前回0.4%
22:55 USD 6月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値=予想83.0 前回81.9

2014年6月12日木曜日

金利差相場を再確認、NZDJPYは89.00円はルビコン川。

金利差相場を再確認、NZDJPYは89.00円はルビコン川。

金利差相場が為替市場を支配していることを再確認。NZ中銀は早朝に予想通りの利上げを実施し、再利上げの可能性は否定しなかったが、「経済のモメンタムは力強いものの、先行きについては不透明感が大きく、金利政策に影響を及ぼす可能性がある」と、やや警戒感を含ませた。しかし、「政策は経済指標やNZドルの強さに大きく左右されるが、主要変数で不透明緩和大きい」と、現状の為替水準を強く懸念せず、利上げの可能性も否定せず。

政策金利3.25%は魅力的で、今後の利上げの可能性を考えれば、投機筋は手を染めないことは考えにくい。ただ、いつもながら、市場自体が大きくはなく、一度大きなポジション調整が入ると、市場全体に影響を与える。

NZDJPYは、先の高値89.00円台をクリアすることができるのか? 試さずにいられない。試して失敗し利食いにぶつかり調整局面に入る可能性は高いが、Dailyチャートでは、ストキャスティクス、トレンドモメンタム共に買いに変化している。

6月12日(木曜) 昨日、海外市場の動き

6月12日(木曜) 昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

米早期利上げ願望のドルロングが、来週のFOMCを前に調整され、日銀の追加緩和の願望は、特に薄らぐ昨今、明日の日銀金融政策決定会合を前に調整され、ドルは弱く、円は強い。

金利差相場の継続に豪ドルは強く、原油価格の上昇にカナダドルは強い。金利と利上げ継続期待にNZドルは強い流れが続き、早朝のNZ中銀の金融政策の発表では予想通り、政策金利を0.25%引き上げ、3.25%に決定、NZドル買いが強まる。

◎国立経済社会研究所(NIESR)10日は、英経済は2008年1月のリセッション前のピークをついに上回った。
◎世界銀行は、ウクライナ危機の影響に今年の世界成長見通しを、3.2%→2.8%に引き下げる。
◎ハンソン・エストニア中銀総裁は、量的緩和の選択肢は検討すべき。
◎英失業率は、予想外に低下し2009年1月以来の低水準へ。
◎早朝に発表された、NZ中銀の金融政策は、予想通り政策金利を0.25%引き上げ、3.25%に決定。


XXXXXX

アジア市場は、弱いユーロ、強いNZD・AUD・CADと、先日の海外市場の流れを継続。USDJPYは102.40円を超えられず、102.20~40円のレンジにとどまるが、上値は重い。EURUSDは、1.3550台まで戻すことはできず、1.3520台まで小幅下落し、上値の重い展開が続く。GBPUSDは、1.6740をボトムに下げ止まるが、買い戻しも弱く1.6740~60のレンジへ。AUD・NZDU・カナダドルは上昇、AUDUSDは0.9390を目指し、NZDUSDは0.8550を超えて上昇し、USDCADは1.0880台へ小幅下落。

欧州市場は、ドル全面安へ。強い雇用統計を受けたポンド買いと、豪ドル+NZドル+カナダドル+円は上昇へ。英雇用統計の失業率は予想外に低下し、GBPUSDは1.68近くまで上昇。USDJPYは一時101.80円台まで下落、AUDUSDは0.9400の大台を、NZDUSDも0.8570台を達成、USDCADは一時1.0880近くまで下落し、カナダドルは上昇。EURUSDは1.3520台をボトムに、一時1.3560近くまで上昇。

米国市場は、米国株は弱いが米金利の低下は弱まり、ドル売りの流れも治まる。USDCADは1.0880のポイントを割り込み売りが続き1.0860台まで下落、カナダドル高が目立つ。USDJPYは102円割れの攻防を繰り返し、101.90~05のレンジで推移。AUDUSDとNZDUSDの上昇は止まり売りへと変化し、小幅下落。EURUSDは1.3560近くから再び1.3520台へ下落、引き続き1.3500の大台を目指しながらも、下げ止まる。NZDUSDは、NZ中銀の金融政策の発表を直前に控え大きな動きは見られず。


***** 発言・その他 *****

◎ハンソン・エストニア中銀総裁=量的緩和の選択肢は検討すべき。
◎メルシュECB専務理事=透明性の高い資産担保証券(ABS)を買い入れる可能性がある。
◎ドンブレト独連銀理事=ECBは追加緩和をする前に最近の措置の評価が必要。
◎メルケル独首相=ECBの決定は欧州が金融危機を完全に克服していないことを物語っている。
◎ポルトガル=支援脱却後の入札を好感し、国債利回り再び最低水準へ。
◎英シンクタンク国立経済社会研究所(NIESR)10日=英経済は2008年1月のリセッション前のピークをついに上回った。
◎ブロードベントBOE政策委員=中国経済がハードランディングしたら英国のリスクとなる。英国経済のリスクは、中国経済や住宅市場。正常化に5年間は困難。
◎世界銀行=世界経済の成長見通しを引き下げた。ウクライナ危機の影響に今年の成長見通し3.2%→2.8%に引き下げる。米国2.8%→2.1%に、途上国5.3%→4.8%、先進国2.2%→1.9%に引き下げへ。
◎ルー米財務長官=米経済の成長力を高める必要があり、失業率は高過ぎ、賃金は伸び悩んでいる。
◎ルー米財務長官=潜在的な米GDPは市場参加者の予想より高い可能性がある。今年の下半期の米経済は強まる。米経済は勢いを増しているが、賃金と雇用面が弱く、回復の実感がない。所得格差が究極の試練。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

8:50 JPY 5月 国内企業物価指数・速報=前月比0.3%(予想0.1% 前回2.8%)、前年比4.4%(予想4.1% 前回4.1%)→ 予想を上回り5年7カ月ぶりの高い伸び率
9:30 AUD 6月 ウェストパック消費者信頼感指数=0.2%・93.2(予想 前回-6.8%)
17:30 GBP 5月 失業率=3.2%(予想3.2% 前回3.3%)、ILO方式=前月比6.6%(予想6.7% 前回6.8%)、失業保険申請件数=前月比-27,400人(予想-25,000人 前回-28,400人←-25,100人)→ ILO方式の失業率は予想外改善、失業保険申請件数も減少し、失業率は、2009年1月来の低水準
3:00 USD 5月 月次財政収支=-1,300億ドル(予想-1,310億ドル、前回1,069億ドル)


***** 本日予定、主な経済指標・その他 *****

6:00 NZD NZ中銀 金融政策発表=3.0%の政策金利を0.25%引き上げ3.25%を予想
6:05 NZD ウィーラーNZ中銀総裁の記者会見
8:01 GBP 5月 RICS住宅価格=予想51% 前回54%
10:30 AUD 5月 雇用統計: 失業率=予想5.9% 前回5.8%、新規雇用者数=前月比予想10,000人 前回14,200人
15:00 GER 5月 卸売物価指数=予想-0.3% 前回0.2%、前年比予想-1.1% 前回-1.3%
15:45 FRN 5月 消費者物価指数(HICP)=前月比予想 前回0.0%、前年比予想0.8% 前回0.8%
17:30 EUR ECB月報
18:00 EUR 4月 鉱工業生産指数=前月比予想0.5% 前回-0.3%、前年比予想0.9% 前回-0.1%
21:30 USD 5月 小売売上高=前月比予想0.6% 前回0.1%、除自動車 前月比=予想0.4% 前回0.0%、除自動車・エネルギー 前月比予想 前回-0.1%
21:30 USD 5月 輸入物価指数=前月比予想0.2% 前回-0.4%。前年比予想 前回-0.3%
21:30 USD 週刊新規失業保険申請件数=予想30.7万件 前回31.2万件
21:30 CAD 第1四半期 設備稼働率=予想82.4% 前回82.0%
21:30 CAD 4月 新築住宅価格指数=前月比予想0.2% 前回0.2%
23:00 USD 4月 企業在庫=予想0.4% 前回0.4%
23:30 CAD カナダ中銀の金融安定レビュー
0:15 CAD ポロッツ・カナダ中銀総裁の講演

6月11日(水曜) 昨日、海外市場の動き

6月11日(水曜) 昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

EURUSDは再び、ECB理事会で追加緩和パッケージを発表した直後の安値1.3503に迫る水準まで値を下げている。ダブルボトムやトリプルボトムとして下げ止まる反発するのか? この1.3500近辺を巡る攻防は見ものである。米国はもちろんのことだが、欧州株は強くスペインの債券利回りは大幅に低下し、南欧諸国を含め、ユーロへの資金流入が弱まっていることも確認できない。ECB理事らの発言では、資金流入は既にピークアウトしていると言う。また、クーレECB専務理事は、先日にECB理事会の決定は「ユーロ圏と米英の金融状況は長期にわたってかい離する」と言いたかったとのこと。

ノワイエ仏中銀総裁は「最近の大規模な資本流入が長期金利を低下させ、ユーロを上昇させている」といい、「ユーロ圏は、名目上は米国よりも緩和的な状況にあるが、実質では米国よりも引き締まったスタンス」とのこと。金利差相場で、ユーロ売りなのか? 実質金利をにらみ継続的な資金移動によるユーロ買いなのか? 極端な言い方ながら、それらに投機筋がどのように提灯を付けて相場を動かそうとするのかが、見ものである。

◎中国CPIは予想を上回り、AUDUSD買いが強まる。
◎スイス小売売上高は、予想外に弱くUSDCHFは上昇し、ドル買いの流れをリード。
◎マカファーティーBOE政策委員は、英金利は上昇時期が近づいている。
◎ノワイエ仏中銀総裁は、低インフレ、実質金利の上昇、資本流入と為替相場の上昇へと負の連鎖に陥る可能性に、ECBは前週一連の力強い措置を実施。
◎バイトマン独連銀総裁は、ECBの追加緩和パッケージは、インフレ見通しに利下げ余地がいかに小さいかを示す。
◎メルシュECB専務理事=低インフレが長期化すれば、インフレ期待が増し、低下へのスパイラルに陥る可能性がある
◎米卸売在庫・売上高と米労働省求人労働異動調査は強く、第2四半期の米経済成長を裏付ける。

XXXXXX

アジア市場は、緩やかな円高へ。クロスで円買いが強まり、株価の下落も加わり、維持されていた102.50円台を割り込むと、102.30円割れまで続落。EURUSDは、1.3585~90の狭いレンジで推移、GBPUSDは、1.6800台を確りと維持しながら、1.6810台へ小幅上昇。AUDUSDとNZDUSDは小幅上昇、USDCADは下落と、小幅ながらドル売りの流れとなった。

欧州市場は、弱い経済指標を受けたスイス売りと、追加緩和を示唆する理事の発言が多く、EURの下落がリードするドル高へ。USDCHFは弱い小売売上高を受け、0.8970→0.9000の大台へ上昇、EURUSDは、1.3580を割り込み1.3530台へ急落し、ドル買いをリード。GBPUSDも上下しながら、1.6760台へ下落。AUDUSD、NZDUSDも買い圧力は弱まり小幅下落、カナダドル高が続いた、USDCADは1.0910台まで上昇し、カナダドルも弱含みで推移。

米国市場は、米卸売在庫・売上高は強く、米求人件数が2007年9月来の高水準に回復。相変わらず通貨間で動きが異なるが、EURUSDは1.3530台をボトムに売りも弱まり、GBPUSDの下落は止まらず1.6740台まで続落。AUDUSDとNZDUSDは高値を更新できないものの、買いの流れは変わらず。USDJPYは102.20円台をボトムに下げ止まるも戻りも限定的。



***** 発言・その他 *****

◎中国人民銀行=農村部や小規模企業への支援を強化するため、政策調整の度合いや頻度を高める方針。
◎ノワイエ仏中銀総裁(9日)=低水準、低下傾向のインフレ率と、右肩下がりにあるユーロ圏の短・中期的インフレ期待が主要な課題。成長加速に伴い、インフレ率は低下を続け、インフレ率と成長率が反対方向に向かっていることは不可解。
◎ノワイエ仏中銀総裁(9日)=最近の大規模な資本流入が長期金利を低下させ、ユーロを上昇させている。総合的な効果がポジティブであるかどうかは不明確。ユーロ圏は、名目上は米国よりも緩和的な状況にあるが、実質では米国よりも引き締まったスタンスであることを指標が示している。
◎ノワイエ仏中銀総裁(9日)=低インフレ、実質金利の上昇、資本流入と為替相場の上昇が互いに刺激し合う負の連鎖に陥る可能性がある。そのために、ECBは前週もマイナス預金金利を含む一連の力強い措置を発表した。
◎バイトマン独連銀総裁=利下げはインフレ見通しに対応したことで、ECBは新境地を開拓した。ECBの追加緩和パッケージは、インフレ見通しに利下げ余地がいかに小さいかを物語っている。
◎IMFのギリシャ支援に関する報告書=財政目標の達成に公的部門の大幅な効率化が必要。連立政権内に改革疲れが見られ、必要な改革を大胆かつ迅速に進める上で障害となり、追加の緊縮措置は避けるべき。ギリシャの債務水準は極めて高き、持続的な水準に維持するには欧州諸国の支援が不可欠。
◎マクチ・スロバキア中銀総裁=不十分と判断すれば一段の政策を講じ、追加利下げの余地がある。
◎メルシュECB専務理事=低インフレが長期化すれば、インフレ期待が増し、低下へのスパイラルに陥る可能性がある。
◎クーレECB専務理事=ユーロ圏はすでに危機モードを脱しており、政策担当者は長期的な成長を確保する必要がある。
◎リーカネン・フィンランド中銀総裁=ECBには必要な場合に活用できるツールがまだある。
◎マカファーティーBOE政策委員(9日)=判断する前にさらに多くの指標を見極める必要があるが、英金利が上昇を始めることが適切となる時期が近づいている。
◎英国立統計局=欧州連合(EU)統計ルールのへ改正で、9月からGDPの算出方法が変更され、英GDPが4.6%押し上げられる可能性がある。
◎米労働省=米4月の求人件数は446万件(3月417・速報401万件)で、2007年9月以来の水準に加速。
USD ブラード・セントルイス連銀総裁=6月18日のFOMCで量的緩和の終了次期の協議を望む。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

7:45 NZD 第1四半期製造業売上高=前期比0.5&(予想 前回6.0←6.3%)
8:01 GBP 5月 BRC小売売上高=前年比0.5%(予想1.6% 前回4.2%)
8:50 JPY 4月 第3次産業活動指数=前月比-5.4%(予想-3.5% 前回2.4%)
10:30 CNY 5月 消費者物価指数=前月比0.1%(予想-0.1% 前回-0.3%、 前年比2.5%(予想2.4% 前回1.8%)
10:30 CNY 5月 生産者物価指数=-1.4%(予想-1.5% 前回-2.0%)
10:30 AUD 5月 NAB企業景況感=-1(予想 前回0)、企業信頼感=7(予想 前回6)
14:45 CHF 5月 失業率=3.2%(予想3.1% 前回3.2%)
16:00 EUR バローゾ欧州委員会委員長、レーン欧州委員会副委員長の講演
16:15 CHF 4月 小売売上高=前年比0.4%(予想2.0% 前回3.4%←3.0%)→ 予想外に弱くUSDCHFは上昇へ
17:30 GBP 4月 鉱工業生産=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.1%←-0.1%)、前年比3.0%(予想2.8% 前回2.5←2.3%)
17:30 GBP 4月 製造業生産=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.5)%、前年比4.4%(予想4.0% 前回3.5←3.3%)
23:00 GBP 5月 NIESR GDP予測3カ月・3カ月=0.9%(予想 前回1.0%)
23:00 USD 4月 卸売在庫=前月比1.1%(予想0.5% 前回1.1%)、卸売売上高=前月比1.3%(予想0.8%)→ 予想を大幅に上回り、第2四半期の成長継続を示唆


***** 本日予定、主な経済指標・その他 *****

8:50 JPY 5月 国内企業物価指数=前月比予想0.1% 前回2.8%、前年比予想4.1% 前回4.1%
9:30 AUD 6月 ウェストパック消費者信頼感指数=予想 前回-6.8%・92.9
17:30 GBP 5月 失業率=予想3.2% 前回3.3%、ILO方式=前月比予想6.7% 前回6.8%、失業保険申請件数=前月比予想-25,000人 前回-25,100人、雇用者数増減=予想28万人 前回28.3万人
3:00 USD 5月 月次財政収支=予想-1,310億ドル、前回1,069億ドル

2014年6月10日火曜日

USDJPYは、クロスの円高に、さすがのUSDJPYも上値が重い。

USDJPYは、クロスの円高に、さすがのUSDJPYも上値が重い。

直近の円相場を見ると、クロス主導の円高から、USDJPYの上値が重くなっているようにも見える。

ただ実際の相場は、過去110.00105.50円のレンジをピークに、110.00104.00円、そして、現状は110103円のレンジで、上値は切り下がりながらも、110.00円を超えるような円高局面なのかと言えば、「NO.」で、じゃ、104円台を超え、105.50円をこるのかと言えば、「NO.」と、言わざるを得ない。

最近の消費物価の上昇や、高いGDP成長率で、今秋の追加緩和のシナリオが揺らぎ始めているとの記事が多い。さらに、早めにGPIFの巨額な資金を国債から株式へシフトさせ、日本株高に安倍政権は頑張っていると言いたいようである。

だれが見ても分かりやすい株高要因を実行すれば、海外の禿鷹が牙をむき食いついてくることは間違いなく、一時的なの恒常的かは別として、日本株高へと動くことは想像できる。

では、債券売り+株買いで、債券価格はどうなるのであろうか? 日銀に引き受けさせて帳尻を合わせようというのであろうか?

いずれにしても、0.5%台~0.6%台の日本10年国債利回りは、下がることは考えにくく、高い可能性は上げで、何処まであがるのだろうか? 悪い日本の金利上昇は、金利差相場で円高になると考えている市場参加者は極めて少ないと思っている。


そのような事態に陥れば、生易しいい理屈ではなく、言い尽くされてはいるが、資金ファンディングのコスト高に伴う、極端な円売りになる恐れを意識せざるを得ない。

EURUSD1.3500の攻防はどちらに軍配があがるのか?

EURUSD1.3500の攻防はどちらに軍配があがるのか?

EURUSDは再び、ECB理事会で追加緩和パッケージを発表した直後の安値1.3503に迫る水準まで値を下げている。

ダブルボトムやトリプルボトムとして下げ止まる反発するのか? この1.3500近辺を巡る攻防は見ものである。米国はもちろんのことだが、欧州株は強くスペインの債券利回りは大幅に低下し、南欧諸国を含め、ユーロへの資金流入が弱まっていることも確認できない。

ECB理事らの発言では、資金流入は既にピークアウトしていると言う。また、クーレECB専務理事は、先日にECB理事会の決定は「ユーロ圏と米英の金融状況は長期にわたってかい離する」と言いたかったとのこと。

ノワイエ仏中銀総裁は「最近の大規模な資本流入が長期金利を低下させ、ユーロを上昇させている」といい、「ユーロ圏は、名目上の金利は米国よりも緩和的な状況にあるが、実質では米国よりも引き締まったスタンス」とのこと。


金利差相場でユーロ売りなのか? 実質金利をにらみ継続的な資金移動によるユーロ買いなのか? 極端な言い方ながら、それらに投機筋がどのように提灯を付けて相場を動かそうとするのかが、見ものである。

6月10日(月曜) 昨日、海外市場の動き

6月10日(月曜) 昨日、海外市場の動き

***** 昨日のポイント *****

6月5日のECB理事会でマイナス金利を含む追加緩和策を実施。EURUSDは1.35000をボトムに逆に上昇しEUR高相場の再開かと思われたが、1.3670台をたびたびトライしながらも抜けきれず、クーレECB専務理事の発言ではないが、スペイン10年債利回り2.58%が米国債利回り2.61%を割り込み、金利差相場を意識した値動きへと変化。中国は緩やかな景気刺激策と人民元高政策へと変化しAUDは比較的堅調に推移。結果、EURは全面安とドル高とカナダドル高の流れが目立った。


◎内閣府、中国景気は昨年秋以降に減速し内外需ともに低下へ。
◎クーレECB専務理事は、ECBは低金利を継続、米英は利上げサイクルへ、この金融状況の相違は◎長期間続き、市場参加者の決定的な要素。
◎中国財政省次官は、中国の地方政府は今年四最大の債務危機に直面。
◎中国人民銀行は、一部銀行の預金準備率を0.5%引き下げる。
◎ブラード・セントルイス連銀総裁は、利上げ開示し時期が予想より早まる可能性がある。
◎スペイン10年債利回りは、米国債を下回る。
◎中国の貿易収支は、予想を上回るが輸入が落ち込む。
◎日本のGDP第2次速報値は、予想を上回る。
◎ユーロ圏センティックス投資家センチメンは、予想外に弱い。
◎カナダ住宅着工件数は、予想を上回る。


XXXXXX

アジア市場は緩やかなドル売りで、通貨間で動きは異なる。週末発表された中国の貿易収支は予想を上回るが輸入が落ち込み、日本GDP第2次速報値は予想を上回った。USDJPYは早朝の102.60台を高値に102.45円まで続落。USDCADも早朝の1.0940を高値に1.0920台まで下落し、弱いドル売りへ。AUDUSDは0.9330台から0.9355台まで、NZDUSDは0.8490台から0.8520台まで緩やかに上昇し、弱いドル売りへ。EURUSDは1.3640~50、GBPUSDは1.6800~10の狭いレンジでうごけず。終盤には主要通貨は欧州勢の参入と共に上昇を開始。

欧州市場の序盤は、クーレ発言でユーロは下落しドル高へ。USDJPYは102.45円を割り込み一時102.37円まで下落後に、102.50円まで値を戻す。EURUSDは1.3650を上抜けすると1.3668まで上昇するとも、1.3680のポイントを抜けられず、逆にセンティックス投資家センチメントが予想外の弱く、クーレECB専務理事の「米英と欧州の金融状況の相違が市場参加者の決定的要素」との週末の発言に欧州金利は低下し、1.3610台まで値を下げる。GBPUSDも1.6810を超え1.6830台へトライするも続かず、1.6800割れまで値を下げる。AUDUSD、NZDUSD、USDCADは引き続き弱いドル売りを継続したが、さすがにドル売りの流れに買いは続かず、値を下げる。

米国市場は、強気なブラード発言に、カナダドルを除きドル買いが続く。主要な経済指標の発表もなく、カナダ住宅着工件数は予想を上回ったが、逆にカナダドル高の流れが続き、USDCADは一時1.0900の大台まで下落。USDJPYは102.30台を底値にロンドンフィキシングへ向け102.60円近くへ上昇。EURUSDは1.3600の大台を割り込み1.3580台へ下落、GBPUSDも1.6780台まで下落、AUDUSDは0.9330台をボトムに値を戻したが、NZDUSDは0.8480まで下落は止まらず。


***** 発言・その他 *****

◎内閣府=中国景気は昨年秋以降に減速し、内外需ともに低下。李克強指数(電力消費量、鉄道輸送量、中長期新規貸出残高の3指標を用いて経済を分析)の結果では、消費は2013年初頭から伸び率は低下し、2014年も低下傾向が続く。輸出は2013年後半に持ち直したが、201年第1四半期に再び低下。過剰設備やシャドーバンキング問題で、中国経済は難しい局面にある。
◎中国財政省次官=中国の地方政府は今年四最大の債務危機に直面。地方政府が抱えるおよそ3兆ドルの債務について、その22%が年内に返済期限を迎え、今年は最大の債務返済圧力に直面。地方政府がデフォルトになるリスクが高く、危機に発展する可能性もある。中央政府の懸念は、産業の過剰生産能力と、地方政府の債務水準。
◎中国人民銀行=農業部門や中小企業向けの融資が多い一部銀行を対象に、預金準備率を0.5%引き下げる
◎クーレECB専務理事(7日)=ECBの政策金利は長期間現行水準にとどまるが、米英はある時点で利上げサイクルに戻り、市場参加者にとって決定的な要素。5日の理事会で示唆したかったのは、ユーロ圏と米英の金融状況は長期にわたってかい離するということ。
◎スペイン10年債利回りは、米国債を下回る。
◎ブラード・セントルイス連銀総裁=インフレと雇用の目標に一段と近づいた。強い経済指標に、利上げ開示し時期が予想より早まる可能性がある。米マクロ経済は過去5年間に比べて正常な状態にかなり近づいた。労働市場の弱さや低インフレが緩和的金融政策の維持につながっている。
◎ブラード・セントルイス連銀総裁=2004年から2006年の金融引き締め局面で、FRBは経済動向への対応が遅れた
◎ローゼングレン・ボストン連銀総裁=1年以内に雇用と物価の目標達成が見えなければ利上げは不適切。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

8:50 JPY 4月 国際収支: 経常収支=1874億円(予想2877億円 前回1164億円)、貿易収支=-7,804億円(予想-6400億円 前回-1兆1336億円)
8:50 JPY 第1四半期 GDP・第2次速報値=前期比1.6%(予想1.4% 前回1.5%)、前年比予想6.7%(5.6% 前回5.9%)、GDPデフレータ=前年同期比-0.1%(予想0.0% 前回0.0%)→ 速報値と予想を上回るも、デフレータはマイナスに逆戻り
17:30 EUR 6月 センティックス投資家センチメント=8.5(予想13.3 前回12.8)→ 予想外に弱くEUR売りが強まる
21:15 CAD 5月 住宅着工件数=19.83万件(予想18.5万件 前回件19.67←19.53万件)→  予想を上回る


***** 本日予定、主な経済指標・その他 *****

7:45 NZD 第1四半期製造業売上高=前期比予想 前回6.3%
8:01 GBP 5月 BRC小売売上高=前年比予想1.6% 前回4.2%
8:50 JPY 4月 第3次産業活動指数=予想-3.5% 前回2.4%
10:30 CNY 5月 消費者物価指数=前月比予想-0.1% 前回-0.3%、 前年比予想2.4% 前回1.8%
10:30 CNY 5月 生産者物価指数=予想-1.5% 前回-2.0%
10:30 AUD 5月 NAB企業景況感=予想 前回0、企業信頼感=予想 前回6
14:45 CHF 5月 失業率=予想3.1% 前回3.2%
16:00 EUR バローゾ欧州委員会委員長、レーン欧州委員会副委員長の講演
17:30 GBP 4月 鉱工業生産=前月比予想0.4% 前回-0.1%、前年比予想2.8% 前回2.3%
17:30 GBP 4月 製造業生産=前月比予想0.4% 前回0.4%、前年比予想4.0% 前回3.3%
21:00 GBP 5月 NIESR GDP予測=予想 前回1.0%
23:00 USD 4月 卸売在庫=前月比予想0.5% 前回1.1%

2014年6月9日月曜日

6月9日(月曜) アジア市場は緩やかなドル売りで、通貨間で動きは異なる動き。

6月9日(月曜) アジア市場は緩やかなドル売りで、通貨間で動きは異なる動き。欧州市場の序盤は、ドル売りでスタートするも続かず、EURは弱い。

アジア市場は緩やかなドル売りで、通貨間で動きは異なる。週末発表された中国の貿易収支は輸入が落ち込みながらも、日本GDP第2次速報値は予想を上回り、USDJPYは早朝の102.60台を高値に102.45円まで続落、USDCADも早朝の1.0940を高値に1.0920台まで下落し、弱いドル売りへ。AUDUSDは0.9330台から0.9355台まで、NZDUSDは0.8490台から0.8520台まで緩やかに上昇し、弱いドル売りへ。EURUSDは1.3640~50、GBPUSDは1.6800~10の狭いレンジでうごけず。終盤には主要通貨は欧州勢の参入と共に上昇を開始。

欧州市場の序盤は、ドル売りでスタートするも、継続せず。USDJPYは102.45円を割り込み102.37円まで下落。EURUSDは1.3650を上抜けすると1.3668まで上昇するとも、1.3680のポイントを抜けられず1.3630台まで値を戻す。GBPUSDも1.6810を超え1.6830台へトライするも続かず値を下げる。AUDUSD、NZDUSD、USDCADは引き続き弱いドル売りを継続したが、さすがにドル売りの流れに弱含みへ。

XXXXXX

主な発言や発表

内閣府=中国景気は昨年秋以降に減速し、内外需ともに低下。李克強指数(電力消費量、鉄道輸送量、中長期新規貸出残高の3指標を用いて経済を分析)の結果では、消費は2013年初頭から伸び率は低下し、2014年も低下傾向が続く。輸出は2013年後半に持ち直したが、201年第1四半期に再び低下。過剰設備やシャドーバンキング問題で、中国経済は難しい局面にある。

クーレECB専務理事(7日)=ECBの政策金利は長期間現行水準にとどまるが、米英はある時点で利上げサイクルに戻る。5日の理事会で示唆したかったのは、ユーロ圏と米英の金融状況は長期にわたってかい離するということ。

2014年6月8日日曜日

DailyとWeeklyローソク足だけで、今週の相場を考える。

DailyWeeklyローソク足だけで、今週の相場を考える。

USDJPYは、Weekly終値ベースでは4月中旬の高値を更新した。Dailyでは先週のような101.50円割れのトライもなく、101.75102.75円の安定相場の継続と言わざるを得ないが、日々の下押しを見ながらも、終値ベースでは反発していることで、押し目買いのムードが強まっていることが確認できる。

かといって、103円を超えて上昇傾向を続けるかは、全く別物で。今週を含め暫くは、101.50103.50円のレンジを脱することは難しいと思われる。結局は、このレンジをさらに狭めたレンジ相場以外、予想することは不可能。

EURUSDは、Weekly1.35をボトムに下髭の長い線が表れ、1.3500が非常に底堅いことが判明。Dailyチャートでも下髭の長い線が表れ終値ベースでは1.36台を回復、どこまで戻せるかだが、下落スタート時点は重要で、1.3550から1.3750の水準を大きく抜け出すことも難しそうである。

GBPUSDは、Weeklyでは1.6800台を中心とした相場で、上下共に髭部分が続いき、過去3週間は上値が切り下がり、過去2週緩和下値が切り上がっている。蛇足ながら、長期の上昇トレンドは継続しているが、オシレーター計は売り変化しており、1.6650は非常に重要なポイントで、この水準を維持できれば、ポンドの信頼感が高まるが、割り込むと失速へ。
Dailyチャートでは1.6700がダブボトムになってはいるが、どうみても1.671.69のレンジ相場で、方向性があるとは思えない。


AUDUSDは、Weeklyでは0.9220をボトムアウトしているかが重要。暫くは0.92000.9400のレンジを想定。Dailyチャート4連騰で過去二日は上髭も見られ、この水準から連続しての上昇は難しそうである。レンジは0.92800.9400、または、0.92500.9380に収斂されると考えたい。

今週の相場注目点と経済指標・その他(6月9日~6月13日)

今週の相場注目点と経済指標・その他(6月9日~6月13日)

今週は、先週とは異なり主要国では重要なイベントは少ない週になっています。

今週、特に注目しているのは、豪雇用統計とNZ中銀理事会です。底堅く推移しているAUDと、ようやく下げ止まったNZD、この二つの通貨ペアの動向を興味深く見ています。

また、AUDに直接的に影響を与えやすい、中国の重要な経済指標も多く、8日(日)貿易収支以外でも、10日(火)中国消費者物価指数、13日(金)の中国小売売上高も、忘れることはできません。

豪州発では、12日(木)の豪雇用統計は非常に重要で、今までAUDUSDは、0.9200の大台トライを6日以上続けながらもサポートすることに成功し、ついに0.93台に上昇し終了し、底堅い展開になっています。大枠では0.9200~0.9400のレンジに入りしており、今週に限って考えれば0.9280~0.9380で推移する可能性は高く、そのレンジの信ぴょう性を確認する意味でも、雇用統計の数字と直後の値動きチェックする必要がります。

NZ発では、12日(木)のNZ中銀の金融政策では、政策金利0.25%の引き上げを織り込んでおり、実際の利上げと確認と、今後の継続的な利上げの有無が重要になっています。

NZDUSDは5月6日の高値0.8780手前から続落傾向が続きながらも、ようやく下げ止まり反発しています。これは、200日SMA=0.8400でサポートされ、NZ中銀理事会での利上げ前にポジション調整の買いが入っていたと思われます。

現在は、金利差相場とも言われていまが、相場が安定しロングポジションが少なくなると、キャリートレードの重要性が増してきます。金利差相場の再復活では金利3.0%台のNZドルの優位性は高いことも事実です。Weeklyチャートでは下髭の長い十字架の転換線が先週表れており、過去の0.8400~0.8600の相場から、0.8500~0.8700の相場にかさ上げすることができるのか、理事会のご声明が非常に重要になっています。

ECB理事会で追加緩和が決まり、当面はこれ以上の緩和策はないと言われているEURは、EURUSD1.35をボトムにしたものの、何処まで反発することができるのか? 1.3550~1.3750のレンジに入っているようにも思えてならず、今後も1.36以下ではショートポジションの巻き戻しが相当続く可能性があります。



相場の雑学 (2014年6月8日)

相場の雑学 (2014年6月8日)

いやはや、通貨ユーロは不思議なものである。ECBは量的緩和までとは言わないが、マイナス金利はLTROを再開など流動性の供給を実施したが、EURUSDは逆に1.36台で安定。ユーロ高は低インフレの原因の一つで、口先介入でそれを阻止していることは間違いないし、ユーロ圏への資金流入はピークアウトしていると総裁が言っているので、本当のことなのであろう。

金融緩和なので当然ながら、欧州株や債券強く、もしかしたら、まだまだ資金流入が続いているのではと疑いたくなる。また、その影響もあるのか、年内に量的緩和を終了し来年利上げが既定事実化しつつある米国の株価は連日最高値を更新している。

利下げ+ゼロ金利採用+流動性供給+量的緩和の恐れ=でも大幅に下がらないEUR。量的緩和終了へ+利上げ=でも大幅に上がらないUSD。それと、あえて言えば、資本市場で学術的実験を行っている、日銀・安倍政権(実験結果は今のところ良好のようだが、副作用は防護シールドで保護され、見えないようになっている)で動けないJPY。

話は変わりますが、政府はGPIFの資金を債券から国内株へシフトさせたいようです。運用の多様化ならば外株や外債も選択しでは? もし、国内株へのシフトならば、当然日本株は上昇し、それを材料に事前に禿鷹ファンドは日本株を釣利上げ、大儲けして喜んで撤退することでしょう。基本はゼロサムの世界ですから、誰が損をするのでしょう? もちろん......。

さて、それまでは、それならば、これらの通貨ペアは除き、他のGBP、AUD、NZD、CADなどの主要通貨での取引でも考えようか? と思うものの、馴染みなないのか、テクニカルでのシステムトレード以外は、積極的に取引をする向きも見られず。 そうそう、これらの通貨はコモンウェルズ通貨で、大英帝国と旧大英帝国の統治国家の通貨でもある(カナダはちょっと事情が違うかも知れませんが)。大英帝国の復活ですか?

そうそう、英国は不思議な国ですね。通貨ユーロに加盟せず、先の欧州議会選挙では反EU政党が躍進し、EU離脱を問う国民投票が2017年に実施が予定されている。BOEの四半期報告では42%が1年以内に利上げを予想しているらしい。マネーセンターとして、中東のオイルマネーの運用の多くはロンドンでマネージメントされ、投資先へと資金分配されるという。資金が動くときは、出る時も、戻る時も、ポンドが変動すると言われているが、そういえば、EURGBPは2013年7月以来下がりっぱなし。じゃポンド高?