2014年1月25日土曜日

今週の経済指標から(1月27日~31日)

今週の経済指標から(1月27日~31日)

アルゼンチン危機を思い出すような、アルゼンチンペソの暴落や一部新興国通貨の下落や、世界的あ株価の下落が、米国の兆緩和策の正常化の影響だとすれば、ある程度容認せざるを得ない。

そのような中で発表される、29日のFOMCで量的緩和縮小の継続の有無が非常が重要となっている。さらに、30日にNZ中銀は政策金利の据え置きが予想されながらも、将来の利上げ期待が確認されるのか? それとも不安定な新興国市場の動きに、あえて示唆せず終わるのか?

1月30日の旧正月の大みそかで、中国は春節(旧正月)に入り1月31日~2月6日まで休日となる。今週はその影響に、ポジション調整の巻き戻しがより強まるのか? それとも、ここ数日来の円高の値動きが既にその調整をしめしていたのか? もちろん計りようのないことだが、気に留めておく必要がある。

今週も要人の発言が多いが、ダボス会議(25日終了)の裏話の報道や、カーニーBOE総裁講演(29日)、ウィラーNZ中銀総裁講演(31日)も気になる。

今週は重要な発表が多い。
日本関係では、円相場に影響を与える、貿易収支(27日)と消費者物価指数(31日)を注目したい。

欧州では、独IFO業況指数(27日)、ユーロ圏景況感指数・消費者信頼感指数・業況判断指数(30日)、独消費者物価指数・速報値(30日)、ユーロ圏消費者物価指数・速報値(31日)。

英国では、第4四半期GDP・速報値(28日)

米国では、多くの住宅関連のほかに、消費者信頼感指数(28日)、第4四半期GDP・速報値(30日)、新規失業保険申請件数(30日)、個人所得・個人消費支出(31日)、シカゴPMI、ミシガン大消費者信頼感指数。
豪州では、NAB企業景況感・信頼感指数(28日)、中国HSBC製造業PMI・速報値(30日)

NZでは、貿易収支(31日)


米CFTC発表の通貨先物取引(IMMポジション) 1月21日分

米CFTC発表の通貨先物取引(IMMポジション) 1月21日分

いやはや、アルゼンチンペソの大暴落から続く新興国市場通貨やすの動きに翻弄され、ドル安、円高相場が予想外に強まっている。

1月21日付けのIMMポジションでは、まだその動きを全て反映されていないが、データからは29日のFOMCで量的緩和縮小の継続期待へ向けた、ドルロングポジションの積み上がりが目立っていた。

円のショートポジションは、12月24日のピークを最後に緩やかに減少している。ユーロは12月3日か続いたロングポジションから、ついに11月26日以来となるショートへと変化。ポンドロングも減少し、スイスフランは前週からショートへと変化。

また、カナダドルと豪ドルのショートポジションは拡大傾向が止まらず、逆にNZドルは少ないながらもロングポジションを維持しており、市場参加者の思惑通りAUDNZD売り続き、ドル高思考が強まっている。


















1月25日(土曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

1月25日(土曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

*** 昨日のポイント ***

米国の兆緩和策の正常化の影響なのか? VIX指数は29.77%上昇、世界的に株価は大幅下落し、アルゼンチンペソ・トルコリア・南アランド・ロシアルーブル・インドルピー・ブラジルレアルなど新興国通貨の急落。そして円高。

さらに、米債務上限問題へのリスク、中国の景気鈍化へのリスク、前日のスイスの不動産抑制策発表、豪中銀理事のAUDUSD0.80が妥当発言、カーニーBOE総裁の「英経済は刺激策の解除に耐えられる程強くない、ポンド高は輸出を抑制する可能性がある」と驚きの発言。週末金曜日の金融市場は変動へ。


①USDJPYは、世界的な株価の下落に、円ショートポジションの巻き戻しが強く、安全資産の円買い戻しは止まず、一時102円まで続落し、ようやく下げ止まる。三谷・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)理事長の、外債購入も考慮との発言も買い材料。

②EURUSDは、前日スイス政府は不動産抑制策発表し、スイス高になった影響もあり、USDCHFの下落に、EURUSDは1.3700のポイントをブレークし1.3738まで上昇。しかし、ビスコ・イタリア中銀総裁+カーニーBOE総裁発言を受けたGBPUSDの急落に、1.37を割り込み、結局は元の水準近くへ値を戻す。

③AUDUSDは、リドアウト豪中銀理事(豪中銀理事会メンバー外で、理事会の意見を反映していない)の、「豪ドルの下落は不十分で、豪経済にとってUSDAUD0.80が妥当と発言」と発言、この影響にAUDUSDは0.8750台→0.8690割れまで下落、2010年8月のAUDUSD上昇出発点に逆戻りしたことになる。そして、ようやく下げ止まり一時0.8720まで値を戻すが戻りも弱い。

④GBPUSDは、カーニーBOE総裁(ダボス会議)が、「英経済は刺激策の解除に耐えられる程強くない、ポンド高は輸出を抑制する可能性がある」と驚きの発言。 この発言を受けGBPUSDは1.6610→1.6480で急落、前日も同様の発言をし、オズボーン英財務相も失業率7%はBOEの利上げ行動に直結するものではないと発言しており、1.6580~00のストップロスを付ける材料にされた可能性がある。



*** 今後の見通し ***

米国の兆緩和策の正常化の影響なのか? 昨年5月の流動性危機=新興国市場の混乱時は、金利上昇=株価下落だったが、今回は金利低下=株価下落で動きは異なる。しかし、新興市場国の混乱=円高の流れに、今後の相場展開を見守る必要がある。

29日のFOMCは、債券買い入れの100億ドル縮小は既定事実で織り込み済み。更なる縮小の可能性の有無。

追加の縮小=株価下落=円高+ドル安。100億ドルの縮小=織り込み済みで相場急変のリスクなし、見送り=株高=円安、ドルは不安定で主要通貨で下落、円はクロスで円安へ。

ルー米財務長官の円安けん制発言=TPP交渉で参加国が輸出を伸ばすために自国の通貨を安く誘導する為替操作をしないよう監視することを米議会の多数が求めている。

目先は、ダボス会議が25日で終了し、その後の報道による変化も考慮にいれる必要があり、この週末明けの月曜日の為替相場には注意が必要。

ただし、これで目先の変動要因はとりあえず一つ終了。本題の29日のFOMCが終わるまでは積極的に動けず。むしろ、リスクは中国発の材料で、本当に景気鈍化傾向が継続するのか?

中国は1月30日が大みそかで、旧正月に突入し、次の発表は1月30日製造業PMIまで見当たらない。

(来週の相場見通しは、別途お送りします。)


*** 発言・その他 ***

◎金融安定理事会(FSB)=為替取引の指標レート(ベンチマーク)を見直す方針

◎ドラギECB総裁(ダボス会議)=①資産査定やストレステストで存続困難な銀行は破たんさせるべき、②ユーロ圏にはデフレは見られず、③景気回復派始まっているが弱く、リスクは下向き、④インフレは相当の期間ECBの目標水準を下回るだろう。

◎カルアナBIS総支配人(ダボス会議)=各国は大規模な金融緩和政策を縮小し、経済改革に注力する必要がある

◎三谷・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)理事長=外債購入も考慮
EUR ビスコ・イタリア中銀総裁=①ユーロ圏諸国の多くがインフレ率の著しい低下に直面、②ユーロは強くなる兆候はない、③ECBは必要なら追加利下げや資産買い入れも可能→ EURUSDは下落に転じる

◎カーニーBOE総裁(ダボス会議)=英経済は刺激策の解除に耐えられる程強くない、ポンド高は輸出を抑制する可能性がある→ この発言を受けGBPUSDは1.6610→1.6500割れまで急落、前日も同様の発言をし、オズボーン英財務相も失業率7%はBOEの利上げ行動に直結するものではないと発言しており、1.6580~00のストップロスを付ける材料にされた可能性がある。

◎4中銀ドル資金供給オペ終了へ=①段階的に縮小し、7月末で終了。②2008年のリーマンショック後に導入、2010年2月の終了したが、2010年5月にギリシャショック(欧州危機)で再開していた。

◎黒田日銀総裁(ダボス会議)=①消費増税で新たな問題が起こることはない、②ユーロ圏がデフレに陥る可能性は低い

◎ウィールBOE政策委員=①失業率が予想以上に改善しているが、政策金利は過去最低に据え置かれる、②利下げ検討基準の失業率7%の引き下げは反対。

◎オズボーン英財務相(23日ダボス会議)=①BOEの利下げ検討基準の失業率7%はBOEが行動に直結するものではない、②BOEは住宅バブルに対応するツールを持っている。

◎リドアウト豪中銀理事(豪中銀理事会メンバー外で、理事会の意見を反映していない)=豪ドルの下落は不十分で、豪経済にとってUSDAUD0.80が妥当→ この発言を受けてAUDUSDは0.8750台→0.8690割れまで下落、2010年8月のAUDUSD上昇出発点に逆戻りしたことになる。

◎ロックリア米太平洋軍司令官=日中間の緊張状態の長期化を懸念。

◎ルー米財務長官(23日ダボス会議)=①米成長率は3%予想は妥当、②米経済指標は全て成長の軌道が押し上げられていることを示唆。

◎アルゼンチン=為替規制を解除し、ドルの購入を容認

◎ジョーダン・スイス中銀総裁=EURCHF1.20の防衛ラインは必要な限り継続



*** 経済指標の結果 ***

18:30 GBP 12月 BBA住宅ローン承認件数=4.65万件(予想4.72万件 前回4.5万件)
22:30 CAD 12月 消費者物価指数=前月比-0.2%(予想-0.2% 前回0.0%)、前年比1.2%(予想1.3% 前回0.9%)、コア前月比-0.4%(予想-0.4% 前回-0.1%)、コア前年比1.3%(予想1.3% 前回1.1%)→ 予想通りで相場は動けず

2014年1月24日金曜日

1月24日(金曜)アジア・欧州市場の動き

1月24日(金曜)アジア・欧州市場の動き


*** ポイント ***


昨日、相場変動の芽となったアルゼンチンペソ(ARS)。アルゼンチン中銀は通貨防衛のペソ買いを、外貨準備の急減により中止したこと直接の原因だった。今日も、為替規制を解除し、ドルの購入を容認したことで、トルコリラ、南アランドは安値を更新。ただし、北米市場ではアルゼンチンペソは急速に値を戻している。


USDJPYは、日経平均株価は下落、中国株も弱く、円買い戻しは止まず、一時102円まで続落し、ようやく下げ止まる。三谷・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)理事長の、外債購入も考慮との発言も買い材料。

EURUSDは、前日スイス政府はスイス政府は不動産抑制策発表し、スイス高になった影響もあり、USDCHFの下落に、EURUSDは1.3700のポイントをブレークし1.3738まで上昇。しかし、ビスコ・イタリア中銀総裁+カーニーBOE総裁発言を受けたGBPUSDの急落に、1.37を割り込む。

AUDUSDは、リドアウト豪中銀理事(豪中銀理事会メンバー外で、理事会の意見を反映していない)の、豪ドルの下落は不十分で、豪経済にとってUSDAUD0.80が妥当→ この発言を受けてAUDUSDは0.8750台→0.8690割れまで下落、2010年8月のAUDUSD上昇出発点に逆戻りしたことになる。

GBPUSDは、カーニーBOE総裁(ダボス会議)が、英経済は刺激策の解除に耐えられる程強くない、ポンド高は輸出を抑制する可能性がある→ この発言を受けGBPUSDは1.6610→1.6500割れまで急落、前日も同様の発言をし、オズボーン英財務相も失業率7%はBOEの利上げ行動に直結するものではないと発言しており、1.6580~00のストップロスを付ける材料にされた可能性がある。


*** 発言・その他 ***

JPY 三谷・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)理事長=外債購入も考慮
EUR ビスコ・イタリア中銀総裁=①ユーロは強くなる兆候はない、②ECBは必要なら追加利下げや資産買い入れも可能→ EURUSDは下落に転じる
GBP カーニーBOE総裁(ダボス会議)=英経済は刺激策の解除に耐えられる程強くない、ポンド高は輸出を抑制する可能性がある→ この発言を受けGBPUSDは1.6610→1.6500割れまで急落、前日も同様の発言をし、オズボーン英財務相も失業率7%はBOEの利上げ行動に直結するものではないと発言しており、1.6580~00のストップロスを付ける材料にされた可能性がある。
OTH 4中銀ドル資金供給オペ終了へ=①段階的に縮小し、7月末で終了。②2008年のリーマンショック後に導入、2010年2月の終了したが、2010年5月にギリシャショック(欧州危機)で再開していた。
JPY 黒田日銀総裁(ダボス会議)=①消費増税で新たな問題が起こることはない、②ユーロ圏がデフレに陥る可能性は低い
GBP ウィールBOE政策委員=①失業率が予想以上に改善しているが、政策金利は過去最低に据え置かれる、②利下げ検討基準の失業率7%の引き下げは反対。
GBP オズボーン英財務相(23日ダボス会議)=①BOEの利下げ検討基準の失業率7%はBOEが行動に直結するものではない、②BOEは住宅バブルに対応するツールを持っている。
AUD リドアウト豪中銀理事(豪中銀理事会メンバー外で、理事会の意見を反映していない)=豪ドルの下落は不十分で、豪経済にとってUSDAUD0.80が妥当→ この発言を受けてAUDUSDは0.8750台→0.8690割れまで下落、2010年8月のAUDUSD上昇出発点に逆戻りしたことになる。
JPY ロックリア米太平洋軍司令官=日中間の緊張状態の長期化を懸念。
USD ルー米財務長官(23日ダボス会議)=①米成長率は3%予想は妥当、②米経済指標は全て成長の軌道が押し上げられていることを示唆。
OTH アルゼンチン=為替規制を解除し、ドルの購入を容認
CHF ジョーダン・スイス中銀総裁=EURCHF1.20の防衛ラインは必要な限り継続



*** 経済指標の結果 ***


18:30 GBP 12月 BBA住宅ローン承認件数=4.65万件(予想4.72万件 前回4.5万件)
22:30 CAD 12月 消費者物価指数=前月比-0.2%(予想-0.2% 前回0.0%)、前年比1.2%(予想1.3% 前回0.9%)、コア前月比-0.4%(予想-0.4% 前回-0.1%)、コア前年比1.3%(予想1.3% 前回1.1%)→ 予想通りで相場は動けず

1月24日(金曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

1月24日(金曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

*** 昨日のポイント ***

経済指標に相場が大きく動く変動、新興市場国の変動は大きく、USDARSは12%上昇・一時15%とアルゼンチンペソ下落)、VIX指数は大幅上昇し、USD下落+JPY買い+EUR買い+GBP買い、流れはリスクオフ。

新興市場の急変、弱い中国と一部弱い米経済指標に、世界的に株価は下落し、金利は大幅低下し、GBPUSDは2011年8月の高値を更新、EURUSDは1月14日の高値水準の1.37トライへ、USDJPYも103円トライへ、主要通貨でドルは全面安。豪ドルは弱い中国経済使用と成長不安にAUDUSDは一時0.8750を割り込む。

①中国発の弱い製造業PMI+中国首相の弱気発言+IMF首席エコノミスト成長6%下落予想、②欧州発の強いユーロ圏製造業PMI+消費者信頼感、③まだらな米経済指標(弱い製造業PMI+住宅価格指数+CB景気先行指数と、強い中古住宅販売+新規失業保険申請件数)。

スイス政府は不動産抑制策発表、USDCHFは0.9120→0.9020台へ急落、その後も0.8960台まで下落、EURCHFも1.2360→1.2280割れまで下落。

トルコ中銀は介入を継続、USDTRYは一時2.3台へ上昇。


*** 今後の見通し ***

新興市場国の変動が続くのか? 大きなカギ。中国初の弱気な材料が重なり、会計プロセスの透明性に中国銘柄が急落、株安、金利低下、ドル全面安の流れへと変化している。

29日のFOMCでは債券買い入れの縮小の継続が示される可能性によるドル高期待は変わらず、基本のドル高センチメントは強い。ただ、今後の動きはリスクオフで、新興国市場の動きを見守る必要がある。

最近の流行ではあるが、市場参加者の中では、ドルを含め、GBPやNZDのロング志向が根強い。ダボス会議で、ウェーバーUBS会長が、FRB(引締めバイアス)、ECB(バイアス維持)、BOJ(兆緩和策の実行)と、金融スタンスに相違があり、ドル上昇は数年続く可能性があると発言していたことに象徴される。

USDJPYは、今年に入り、105.40円台、105円台、104.80円台を高値に、上値が切り下がり、昨日はつに103.80円を割り込みストップの売りに103円近くまで下落した。ダボス会議とFOMCを前に、積極的な円ショートも控えられ、リスクオフの流れに円の買い戻しが強まっているが、基本の円安は変わらず。短期的には1月14日の安値102.80~90円が次の下値の重要なポイントとなり、102.80円~103.80円のレンジに入りやすい。

EURUSDは、欧州経済の拡大見通しが強まり、残念ながら下値1.3500を試すことなく、強いユーロ圏各国の強い製造業景況感にあっさり1.3580をクリアし、1.3700とポイントをトライ中。1.37のビックポイントをクリアに上回ると1.3750、1.3820、1.3880と上昇する可能性がでてくるが、1.37は1月14日の高値水準で、過去1月10日~15日続き失敗、下落へと繋がった水準だけに、そう簡単にクリアさせてくれそうにない。

AUDUSDは、中国の経済指標は弱く、弱気は材料が多く、豪中銀による利下げの可能性は払しょくできず、豪ドル高けん制発言の終了の有無もわからず。引き続き中銀総裁が示した、AUDUSD0.8500を忘れることはできない。AUDUSDは一時0.8750を割り込みながらもなんとか下げ止まっているが、0.8800を高値にクリアに0.8750を割り込むと続落の可能性が高まる。


*** 発言・その他 ***

ルー米財務長官=米経済は3%か、それ以上ペースでの成長を予想。

ラガルドIMF専務理事=FRBの緩和縮小は引き締めではない。

IMF首席エコノミスト=中国政府の消費主導型経済への再均衡化は時間がかかり、成長率は将来6%に減速。

カーニーBOE総裁=①当面は利上げの必要性はない、②失業率基準値の変更は金融政策委員会が決めること。

李克強中国首相=①経済は今年厳しい状況に直面している。②政府は安定的な成長のため動向を注視、③消費者物価の安定維持に努める。

ルービニ教授=①金融リスクという点で言うと、危機の最悪期は脱した。②過去数年間に見られたテールリスクのうちいくつかは、現実に起こる可能性が弱まった。③インフレは低水準。④中央銀行も緩和的な政策を継続。⑤先進国の成長が潜在成長率を上回るとは考えていない。⑥米国の経済成長率を2.5%と予想。

スペイン第4四半期失業率=第4新規失業率は26.3%で、前期25.98%から上昇し、6四半期連続で25%を上回る。

スイス=銀行の資本バファー基準を引き上げ、不動産ブーム抑制に動く。

フィッシャー・BOE理事=失業率が7%に低下しても利上げはまだ先。

トルコ中銀介入実施=USDTRYは過去最安値を更新し、一時2.2970近くまで上昇後、介入により値を下げる。その後も介入を実施。

ドラギECB総裁(スイス紙とのインタビュー)=①ユーロ圏の景気回復は力強い兆高が見られるが、揺り戻しのリスクは大きく、楽観的見通しには注意すべき。②デフレの危険性はない。

篠原IMF専務副理事(講演)=物価目標2%の達成には2年以上必要だが、目標に向かい進展している限り、追加緩和は必要ない。

ダボス会議参加者=61.7%は金融システムは5年前に比べて安全、改善していない38.3%。

キーNZ首相=今年のNZ経済は強く、来年には財政収支は黒字へ。


*** 経済指標の結果 ***

8:50 JPY 対外証券投資・中長期ネット=-2260億円(予想 前回-7504←-7406億円)、株式ネット=-520億円(予想 前回1552→1573億円)、対内証券投資・中長期ネット=-148億円(予想 前回-7433億円)、株式ネット=712億円(予想 前回-2186←-2191億円)
9:00 AUD 12月 消費者インフレ期待=前月比2.3%(予想 前回2.1%)
10:45 CHN 1月 HSBC製造業PMI・速報値=49.6(予想50.6 前回50.5)→ 予想と前回を下回り、春節の影響や、内需の低迷に昨年6月以来、久々に50を割り込み、AUDは急落
16:58 FRN 1月 総合PMI・速報値=48.5(前回47.3)、製造業PMI・速報値=48.8(予想47.5 前回47.0)、サービス業PMI・速報値=48.6(予想48.1  前回47.8)→ 予想を大幅に上回り、EUR買いが始まる
17:30 GER 1月 総合PMI・速報値=55.9(前回55.0)、製造業PMI・速報値=56.3(予想54.7 前回54.3)、サービス業PMI・速報値=53.6(予想54.0 前回53.5)→ 予想と前回を上回りEUR買いが強まる
18:00 EUR 1月 総合PMI・速報値=53.2(予想52.4 前回52.1)、製造業PMI・速報値=53.9(予想53.0 前回52.7)、サービス業PMI・速報値=51.9(予想51.4 前回51.0)→ 予想と前回を上回りEUR買いが強まる
18:00 EUR 11月 経常収支・季調済=235億ユーロ(予想 前回222←218億ユーロ)→ 黒字額は2カ月連続で過去最高、季調前=274億ユーロ)予想 前回266←262億ユーロ)、貿易収支188億ユーロ(前回192←196億ユーロ)
20:00 GBP 1月 報告済売上高=14(予想28 前回34)→ 前回と予想を下回る
22:30 USD 週間新規失業保険申請件数=32.6(予想33.0万件 前回32.5←32.6万件)→ 予想より改善
22:30 CAD 11月 小売売上高=前月比0.6%(予想0.2% 前回-0.1%)→ 予想を上回る、
22:30 USD 12月 シカゴ連銀全米活動指数=0.16(予想 前回0.69←0.6)
22:58 USD 1月 製造業PMI・速報値=53.7(予想55.2 前回55.0)→ 予想を下回りドル売りが強まる
23:00 USD 11月 住宅価格指数=前月比0.1%(予想0.3% 前回0.5%)→ 予想と前回を下回り、過去1年間で最低の伸び率
0:00 USD 12月 中古住宅販売件数=1.0%(予想0.0% 前回-5.9-4.3%)、487万件(予想495万件 前回482←490万件)→ 予想を上回り4カ月ぶりに増加
0:00 EUR 1月 消費者信頼感・速報値=-11.7(予想-13.0 前回-13.5←-13.6)→ 予想外にマイナス幅は縮小し、2011年7月以来の水準に改善
0:00 USD 12月 CB景気先行指数=前月比0.1%(予想0.2% 前回1.0←0.8%)→ 前月は上方修正されたが、予想をやや下回る

2014年1月23日木曜日

1月23日(木曜)アジア・欧州市場序盤の動きと、今後の見通し

1月23日(木曜)アジア・欧州市場序盤の動きと、今後の見通し


*** 今日のポイント ***

29日のFOMCというビックイベントは為替相場にも非常に重要で、待ちの姿勢が強く積極的に動けず。さらに、ダボスの国際フォーラムでは世界中の要人が集まり、先のルー米財務長官の円安けん制発言に続く、サプライズ発言の可能性も否定できず、慎重姿勢が続いている。

今日は、米国市場で恒例の新規失業保険申請件数の発表が注目されるが、米国発の住宅関連の経済指標は多い。そして、カナダ中銀が低インフレ懸念+利下げの可能性示唆に、カナダ売りの流れが続く中、今日は、カナダの消費者物価指数が控えており、非常に重要となっている。

今日も現在まで、経済指標に相場が大きく動く展開が続いている。
①中国HSBC製造業PMIは50を割り込み、AUD売りが加速、株価も下落へ。AUDUSDは前日の強い消費者物価に上昇した0.8900トライと逆に、0.8780割れまで下落。
②強い仏・独・ユーロ圏のPMIに、EUR買いが加速。EURUSDは1.36台を回復し、過去5日の高値を現在は上回り、1月16日の高値1.3650近辺で推移。


*** 今後の見通し ***

29日のFOMCでは債券買い入れの縮小の継続が示される可能性があり、他国との金利下げ拡大にドル高センチメントは強い。また、最近の流行ではあるが、市場参加者の中では、ドルを含め、GBPやNZDのロング志向が根強い。

昨日ダボス会議で、ウェーバーUBS会長が、FRB(引締めバイアス)、ECB(バイアス維持)、BOJ(兆緩和策の実行)と、金融スタンスに相違があり、ドル上昇は数年続く可能性があると発言していたことに象徴される。

USDJPYは、今年に入り、105.40円台、105円台、104.80円台を高値に、上値が切り下がる動きが続いている。ダボス会議とFOMCを前に、積極的な円ショートも控えられることが予想され、相変わらず、実需のドル買い+投機筋の利食い売りに、103.80円~104.80円サンドイッチ状態。

EURUSDは、欧州経済の拡大見通しが強まり、残念ながら下値1.3500を試すことなく、強いユーロ圏各国の強い製造業景況感にあっさり1.3580をクリアし、次のターゲット1.3650近くで上げ止まっている。次は1.3700とポイントが控えているが、今までの1.3500~1.3580のレンジから、1.3580~1.3650となるか、1.3580~1.3700まで上振れすることができるか、いずれにしても1.3580近辺は底堅くなることが予想される。

AUDUSDは、豪中銀による利下げの可能性は払しょくできず、豪ドル高けん制発言の終了の有無もわからず。引き続き中銀総裁が示した、AUDUSD0.8500を忘れることはできない。


*** 発言・その他 ***

スペイン第4四半期失業率=第4新規失業率は26.3%で、前期25.98%から上昇し、6四半期連続で25%を上回る。

フィッシャー・BOE理事=失業率が7%に低下しても利上げはまだ先。

トルコ中銀介入実施=USDTRYは過去最安値を更新し、一時2.2970近くまで上昇後、介入により値を下げる。

ドラギECB総裁(スイス紙とのインタビュー)=①ユーロ圏の景気回復は力強い兆高が見られるが、揺り戻しのリスクは大きく、楽観的見通しには注意すべき。②デフレの危険性はない。

篠原IMF専務副理事(講演)=物価目標2%の達成には2年以上必要だが、目標に向かい進展している限り、追加緩和は必要ない。

ダボス会議参加者=61.7%は金融システムは5年前に比べて安全、改善していない38.3%。

キーNZ首相=今年のNZ経済は強く、来年には財政収支は黒字へ。


*** 経済指標の結果 ***

8:50 JPY 対外証券投資・中長期ネット=-2260億円(予想 前回-7504←-7406億円)、株式ネット=-520億円(予想 前回1552→1573億円)、対内証券投資・中長期ネット=-148億円(予想 前回-7433億円)、株式ネット=712億円(予想 前回-2186←-2191億円)
9:00 AUD 12月 消費者インフレ期待=前月比2.3%(予想 前回2.1%)
10:45 CHN 1月 HSBC製造業PMI・速報値=49.6(予想50.6 前回50.5)→ 予想と前回を下回り、春節の影響や、内需の低迷に昨年6月以来、久々に50を割り込み、AUDは急落
16:58 FRN 1月 総合PMI・速報値=48.5(前回47.3)、製造業PMI・速報値=48.8(予想47.5 前回47.0)、サービス業PMI・速報値=48.6(予想48.1  前回47.8)→ 予想を大幅に上回り、EUR買いが始まる
17:30 GER 1月 総合PMI・速報値=55.9(前回55.0)、製造業PMI・速報値=56.3(予想54.7 前回54.3)、サービス業PMI・速報値=53.6(予想54.0 前回53.5)→ 予想と前回を上回りEUR買いが強まる
18:00 EUR 1月 総合PMI・速報値=53.2(予想52.4 前回52.1)、製造業PMI・速報値=53.9(予想53.0 前回52.7)、サービス業PMI・速報値=51.9(予想51.4 前回51.0)→ 予想と前回を上回りEUR買いが強まる
18:00 EUR 11月 経常収支・季調済=235億ユーロ(予想 前回222←218億ユーロ)→ 黒字額は2カ月連続で過去最高、季調前=274億ユーロ)予想 前回266←262億ユーロ)、貿易収支188億ユーロ(前回192←196億ユーロ)

1月23日(木曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

1月23日(木曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

*** 昨日のポイント ***

欧米株は小幅下落、長期金利は上昇、GBPは上昇、CADは下落、NZDも下落。

◎安倍首相(ダボス会議の基調演説)=法人税に関しては発言したが、特に為替相場へ影響する発言はなし。

◎カナダ中銀は政策金利を据え置いたが、利下げの可能性を示唆しCAD安を容認か? 低インフレを懸念し、CADドルが輸出を支援と通貨を容認。USDCADは上昇しCADは全面安(USDCAD1.0970台→1.1040台→1.1080台へと続伸、CADJPY95.30円台→94.50台へ、安値94.10台へ続落)

◎ユーロへの材料は強弱混在。①OECDチーフエコノミストは、ユーロ圏のデフレリスクを危惧、量的緩和も選択肢。②ウェーバーUBS会長は、欧州銀行の懸念が再燃する可能性と、各国金融政策の違いでドル高を予想。③ギリシャ国家評議会は、国際支援の条件となる警察官・軍人の給料削減を違憲と判断。④2013年第3四半期のユーロ圏政府債務残高は6年ぶりに減少→EURUSDは動けず、ただ上値は重い。

◎BOE金融政策委員会議事録は、失業率目標値7%に達しても直ぐに利上げはしないとあり、GBP買いの圧力が弱まる。

◎英失業率(ILO・9~11月)は7.1%に低下、利上げ目標値直前まで改善、失業者数も予想を上回る減少に、GBP買いが強まる(GBPUSD1.6460→1.6550へ、高値1.6580台、EURGBP0.8230台→0.8180へ、安値0.8160台へ、GBPJPY171.60円→172.70円台へ、高値173.20台へ上昇)。

◎日銀の金融政策決定会合は、物価見通しを据え置き、金融政策も現状維持で、早期の追加緩和の可能性が低下との判断に、一時株安+円高へと動いたが直ぐに切り返す。

◎豪消費者物価指数は予想外に強く、AUD買いが強まる(AUDUSD0.8780台→0.8860台へ、後0.8880台へ続伸、AUDJPY91.70円→92.40台へ、高値92.70円まで続伸)。


*** 今後の見通し ***

USDJPYは、昨日から始まったダボスでの国際フォーラム。ルー財務長官の円安けん制発言に続く第2・第3の矢がみられるか? 安倍首相の基調演説は相場への影響は見られなかったが、積極的な円売りも叶わず、円ショートの巻き戻しに上値は重い。逆に、29日のFOMCの警戒感や、円先安観+実需の買いに底堅く、103.80円~104.80円でサンドイッチ状態、やむを得ず。

EURUSDは、ユーロ圏の材料は強弱が混在、方向性示せず。プラス材料=2013年の独経常収支は、中国を抜き世界第1位が固く、ユーロ圏への積極的な投資や、膨大は貿易黒字に底堅く推移する。マイナス材料=ECBもついに量的緩和を選択か? と思わせるエコノミストの発言も多く、欧州銀行への不安感、デフレリスク、金融政策の違いにEUR先安観は消えず、センチメントはミックス。現状は1.3500~1.3580のレンジで動けず。ただ、1.3500を割り込みどのように展開するかを確かめたい心境に変わりなし。

AUDUSDは、昨日は強い消費者物価のサプライズにAUD買いが強まっているが、弱い雇用統計+インフレ率上昇=スタグフレーション=通貨安の方程式は有効。豪ドル高への反転はまだ先で、0.8750を割り込むと、続落を再開。16日に弱い雇用統計をきっかとし、0.8880~00を割り込み続落したが、今、その水準近くまで回復。0.8750~0.8850のレンジ上限をブレークしているが、0.8880~00を上回るまでは、どうも買いも疑い深くなる。

USDCADは、カナダ中銀は、利下げの可能性を示唆しCAD安を容認か? 前日に1.1000の大台を達成、2009年8月の水準へと逆戻りしており、CADは最も弱い通貨。流行のEURGBPの売り、AUDNZDの売りもフレッシュさを欠き、ある意味では最も興味深い通貨ペア。長期のMonthlyチャートを眺めていると、2008年~2009年前半の1.30台へのトライ再燃の思いが強まる。



*** 発言・その他 ***

マカファティーBOE政策委員=①ポンドの急変は常に懸念材料。②失業率が7%に低下したら、フォワードガイダンスを付け加えるが、早急は利上げは必要ない。

カナダ中銀=政策金利1.0%の据え置きを決定。低インフレを懸念し、次回の行動は利下げ・利上げと両方向の可能性を示唆。

ポロズ・カナダ中銀総裁=経済指標次第だが、インフレは下方リスクが上昇。供給過剰がインフレへ影響している可能性がある。CAD安は輸出企業にとり好材料。

イングリッシュNZ財務相(ダボス会議)=2014年の最大リスクは選挙。

スペイン長期金利低下=10年債利回は一時3.68%まで下落し、8年ぶりの低水準。

欧州連合(EU)統計局=2013年第3四半期のユーロ圏政府債務残高は、6年ぶりに減少し、8.842兆ドル(GDP比92.7%)で第2四半期93.4%から低下→→欧州債務危機からの転換している可能性がある。

ギリシャ国家評議会(行政裁判所の最上級審議)=国際支援の条件となる警察官・軍人の給料削減を違憲と判断。

ウェーバーUBS会長(ダボス会議)=ECBのストレステストで不合格の銀行があり、市場は疑いの銀行に十分は資本供給をせず、銀行の懸念再燃の可能性を指摘。

ウェーバーUBS会長(ダボス会議)=FRB、ECB、BOJの金融スタンスに相違があり、ドル上昇は数年続く可能性がある。①米=緩和策を解除を始め、数年後には引締めバイアスへと移行、②欧州=緩和バイアスを維持、③日本=大規模な緩和策を実行。

BOEのMPC(金融政策委員会)議事録=①失業率7%に低下しても政策金利引き下げ必要ない。②失業率目標値7%は想定より早く達する見通し。③利上げ時期が来たら段階的に引き上げが妥当。④2013年第4四半期、2014年第1四半期の成長見通しは上振れリスクがある。⑤9対0で政策金利と資産買入枠の据え置きを決定。

OECDチーフエコノミスト=①デフレリスクがあるが、その大きさは分からない。②ECBは中銀預金金利をマイナスに引き下げる準備をすべきで、量的緩和も含まれる。

黒田日銀総裁(金融政策決定会後の記者会見)=①全ての地域で景気回復のすそ野が広がる。②世界経済の下振れリスクは低下し、2014年ど後半以降に物価目標2.0%に達する可能性が高い。③消費増税による実質所得の減少を注視→→早期の追加緩和の可能性が低下との判断に、一時株安+円高へと動いたが直ぐに切り返す。

経済・物価情勢の展望(展望レポート・前回10月)=①GDP見通し2013年中央値2.7%、2014年1.5%→1.4%に下方修正、2015年1.5%。②コアCPIは2013年0.7%、2014年3.3%、2015年2.6%、③消費増税後の予想コアCPIは、2014年1.3%、2015年1.9%。


*** 経済指標の結果 ***

JPY 日銀金融政策決定回会合、金融政策の据え置きを決定。
8:30 AUD 1月 ウェストパック消費者信頼感=前月比-1.7%(予想 前回-4.8%)、指数103.3(予想 前回105)
9:30 AUD 第4四半期 消費者物価指数=前期比0.8%(予想0.5% 前回1.2%)、前年比2.7%(予想2.4% 前回2.2%)、RBAトリム平均CPI=前期比0.9%(予想0.6% 前回0.7%)、前年比2.6%(予想2.3% 前回2.3%)→トリム平均値の前月比は2年ぶりの高水準で、前年比は中銀目標値の2.0%~3.0%の中心値を上回り2011年半ば以来の高い伸び率に、AUD買いが強まる
13:30 JPY 11月 全産業活動指数=前月比0.3%(予想0.4% 前回-0.2%)
14:00 JPY 11月 景気一致CI指数・確報値=111.1(予想 速報値110.5)、景気先行CI指数・確報値=110.7 (予想 速報値110.8)
18:30 GBP BOE金融政策委員会議事録
18:30 GBP 12月 雇用統計: 失業率=3.7%(予想3.7% 前回3.8%)、ILO(9~11月)=7.1%(予想7.3% 前回7.4%)、失業保険申請件数=-2.4万人(予想-3.5万人 前回-3.43←-3.67万人)→ 予想外に失業者数が減少し、GBP買いが強まる
0:00 CAD カナダ中銀 金融政策発表=政策金利1.0%の据え置きを決定、予想通り→低インフレを懸念し、次回の行動は利下げ・利上げと両方向の可能性を示唆、CAD売りが強まる。

2014年1月22日水曜日

1月22日(水曜)アジア市場の動きと、今後の見通し

1月22日(水曜)アジア市場の動きと、今後の見通し


*** ポイント ***

◎豪消費者物価指数は予想外に強く、AUD買いが強まる(AUDUSD0.8780台→0.8860台へ、後0.8880台へ続伸、AUDJPY91.70円→92.40台へ、後に92.60台へ続伸)。

◎日銀の金融政策決定会合は、物価見通しを据え置き、金融政策も現状維持で、早期の追加緩和の可能性が低下との判断に、一時株安+円高へと動いたが直ぐに切り返す(USDJPY104.40円→103.97円→104.57円まで一時上昇するも、上値は重い)。

◎英失業率(ILO)は7.1%に低下、利上げ目標値直前まで改善、失業者数も予想を上回る減少に、GBP買いが強まる(GBPUSD1.6460→1.6540台へ、EURGBP0.8230台→0.8180へ、GBPJPY171.60円→172.80円近くへ)。

◎BOE金融政策委員会議事録は、失業率目標値7%に達しても直ぐに利上げはしないとあり、GBP買いの圧力が弱まる。

◎OECDチーフエコノミストは、ユーロ圏のデフレリスクを危惧、量的緩和も選択肢。EURUSDの上値は重くなる(EURUSDはアジア市場の1.3580をピークに1.3530台まで値を下げる。EURAUDの下落から始まり、EURGBPの売りに影響大)。


*** 今後の見通し ***

USDJPYは、今日から始まるダボスでの国際フォーラム。ルー財務長官の円安けん制発言に続く第2・第3の矢がみられるか? 積極的な円売りも叶わず、円ショートの巻き戻しに上値は重く、円先安観+実需の買いに103.80円~104.80円でサンドイッチ状態、やむを得ず。

EURUSDは、2013年の独経常収支は、中国を抜き世界第1位が固く、ユーロ圏への積極的な投資や、膨大は貿易黒字に底堅く推移する半面、ECBもついに量的緩和を選択か? と思わせるエコノミストの発言も多く、センチメントはミックス。現状は1.3500~1.3580のレンジで動けず。ただ、1.3500を割り込みどのように展開するかを確かめてから、買い再開を期待。

AUDUSDは、やはりアンタッチャブル通貨ペア、けど、弱い雇用統計+インフレ率上昇=スタグフレーション=通貨安の方程式は有効。豪ドル高への反転はまだ先で、0.8750を割り込むと、続落を再開。16日に弱い雇用統計をきっかとし、0.8880~00を割り込み続落したが、今、その水準近くまで回復。0.8750~0.8850のレンジ上限をブレークしているが、0.8880~00を上回るまでは、どうも買いも疑い深くなる。AUDNZDは21日のNZの強い消費者物価にNZD買いが強まった水準にようやく値を戻しているだけで、やはり、手を出したくない通貨。

USDCADは、昨日1.1000の大台を達成、2009年8月の水準へと逆戻りし、CAD最も弱い通貨。流行のEURGBPの売り、AUDNZDの売りもフレッシュさを欠き、ある意味では最も興味深い通貨ペア。長期のMonthlyチャートを眺めていると、2008年~2009年前半の1.30台へのトライ再燃の思いが強まる。とりあえずは、今日もカナダ中銀の出方を見て(動かしたい参加者は多い)、短期勝負。


*** 発言・その他 ***

BOEのMPC(金融政策委員会)議事録=①失業率7%に低下しても政策金利引き下げ必要ない。②失業率目標値7%は想定より早く達する見通し。③利上げ時期が来たら段階的に引き上げが妥当。④2013年第4四半期、2014年第1四半期の成長見通しは上振れリスクがある。⑤9対0で政策金利と資産買入枠の据え置きを決定。

OECDチーフエコノミスト=①デフレリスクがあるが、その大きさは分からない。②ECBは中銀預金金利をマイナスに引き下げる準備をすべきで、量的緩和も含まれる。

黒田日銀総裁(金融政策決定会後の記者会見)=①全ての地域で景気回復のすそ野が広がる。②世界経済の下振れリスクは低下し、2014年ど後半以降に物価目標2.0%に達する可能性が高い。③消費増税による実質所得の減少を注視→→早期の追加緩和の可能性が低下との判断に、一時株安+円高へと動いたが直ぐに切り返す。

経済・物価情勢の展望(展望レポート・前回10月)=①GDP見通し2013年中央値2.7%、2014年1.5%→1.4%に下方修正、2015年1.5%。②コアCPIは2013年0.7%、2014年3.3%、2015年2.6%、③消費増税後の予想コアCPIは、2014年1.3%、2015年1.9%。


*** 経済指標の結果 ***


JPY 日銀金融政策決定回会合
8:30 AUD 1月 ウェストパック消費者信頼感=前月比-1.7%(予想 前回-4.8%)、指数103.3(予想 前回105
9:30 AUD 第4四半期 消費者物価指数=前期比0.8%(予想0.5% 前回1.2%)、前年比2.7%(予想2.4% 前回2.2%)、RBAトリム平均CPI=前期比0.9%(予想0.6% 前回0.7%)、前年比2.6%(予想2.3% 前回2.3%)→トリム平均値の前月比は2年ぶりの高水準で、前年比は中銀目標値の2.0%~3.0%の中心値を上回り2011年半ば以来の高い伸び率に、AUD買いが強まる
13:30 JPY 11月 全産業活動指数=前月比0.3%(予想0.4% 前回-0.2%)
14:00 JPY 11月 景気一致CI指数・確報値=111.1(予想 速報値110.5)、景気先行CI指数・確報値=110.7 (予想 速報値110.8
18:30 GBP BOE金融政策委員会議事録
18:30 GBP 12月 雇用統計: 失業率=3.7%(予想3.7% 前回3.8%)、ILO(9~11月)=7.1%(予想7.3% 前回7.4%)、失業保険申請件数=-2.4万人(予想-3.5万人 前回-3.43←-3.67万人)→ 予想外に失業者数が減少し、GBP買いが強まる

年初と昨日終値までの比較 強いNZD、弱いCAD

年初と昨日終値までの比較 強いNZD、弱いCAD


年初の1月2日と昨日1月21日終値を比較してい見ると、EURU STOXX50(欧州株)や独DAXの上昇幅が目立って大きい。通貨ではNZDがヒーローで、CADは弱い。

⇒ IMFの首席エコノミストは、ユーロ圏は最大20%の確率でデフレのリスクがあると言っているが、バンカメのファンドマネジャー調査では、英国や欧州への投資を拡大する動きが強い。

また、調査会社EPFRグローバルによれば、1月15日までの1週間でネット、欧州域内に大量の投資資金が流入し、世界株式ファンドの約半分を占め、過去4場目となる40億ドル超の資金が流入したという。

英ポンド高の影に隠れて、テクニカルではやや弱気ムード満載のEURだが、株高とユーロ買いの要因になっている。

⇒ 通貨ペアでは、カナダドルが以外に弱いく、USDCADは3%近く上昇、CADJPYは3%超下落し、最近の弱い経済指標を反映している。かつての利上げムードは全く見られず、量的緩和の縮小をスタートさせた米国と対比してもカナダドル買いの材料は見られない。

また、今日は、カナダ中銀の金融政策の発表を控えており、エクサイティングする動きが期待できる。






1月22日(水曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

1月22日(水曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

*** ポイント ***

毎日色々なことがある。

◎29日のFOMCでは量的緩和の縮小の思惑が広まる→ ドル買いの材料。
WSJ紙の記事を引き金に、それがドル買いにつながっていると思われ、米株は弱くトータルではドル買いへ。しかし、逆になぜか、米金利は低下しドル円は下落。

◎今日からダボスで世界経済フォーラムが開催→ 円安抑制材料。
ルー米財務長官の円安けん制発言が後を引き、他のだれか要人が、何かを言うのではないのか? との不安感に、積極的に円を売ることもできず、円ショートポジションだけが気になっている。

◎IMF世界経済見通しは英国を評価→ ポンドは堅調に推移。
市場参加者の思惑通り(GBPロングポジションの意味!)、英国を評価し、2014年英国=1.9%→2.4%に大幅に上方修正し、上方修正幅は主要国で最大。世界経済見通しは3.6%→3.7%に上方修正、米国の2.6%→2.8%に上方修正は分かるが、期待の日本も1.2%→1.7%に上方修正。

◎バンカメ・ファンドマネジャー調査は英国や欧州を拡大→ ポンド選好志向。
新興国市場の株式のアンダーウェート10.0%→15.0%に拡大。逆に、英国や欧州は拡大しており、ユーロ圏のオーバーウェートはネット41.0%で5カ月連続、英国は6.0%と10年間の平均を上回り、ここでも英ポンド買いの世相を反映。


*** 昨日の出来事 ***

◎注目した連休明けの米国市場は、株安、金利低下、ドルは小幅安+ポンド高。総じて前日とあまり変わらず。
◎アジア市場の朝方発表されたNZ消費者物価指数が強く、政策金利の引き上げ期待に、NZドル買いが強まる。
◎3連休明けの米国市場の動き待ちながら、29日のFOMCでは100億ドルの資産買い入れ縮小が始まることになり、継続的な縮小期待と、その確認待ちの動き。

USDJPYは、先に102.80円台まで値を下げたことで、103円台での調整局面を継続。アジアと欧州市場では株高に104.80円をトライしたが失敗。米国市場に入り、株安+米金利低下+上値トライ失敗に104.10円割れまで続落。一時104.40円近くまで値を戻すが、結局は前日の終値とあまり変わらず。

EURUSDは、1.3560台の上値は重く、FOMCで量的緩和縮小の期待感が強まっていた。欧州市場に入り、堅調な欧州株にドル売りの流れに、AUDUSDやEURUSDは小幅上昇、弱い独ZEW景況感調査をテーマに、1.3520割れまで下落。1.3500以下のストップやオプション絡みの動きを試したが、ユーロ圏ZEW景況感は強く、独現況指数も大幅に上昇していたことで説得力も弱く、失敗。米国市場に入ると、逆に買い戻しが始まり、オプション後には1.3560台へ上昇、実需や資本筋の買いは厚く、結局は前日終値とあまり変わらず。

AUDUSDは、ダウントレンド継続しながらも、0.88中心としたレンジ取引に入っている。アジア市場は強いNZDUSDの買いの影響と、AUDNZDの売りにサンドイッチ状態。欧州市場に入ると0.8780割れまで続落、連休明けの米国市場に入ると、買い戻しが強まり、0.8810台を回復したが、結局は前日終値とあまり変わらず。


*** 今後の見通し ***

投機筋の思惑は一致し、円安+GBP高+NZD高+USD高を期待。それらのポジションを維持する傾向が続いている。FRBは量的緩和の縮小に動き、BOEは資産買入枠の縮小や利上げ期待が強く、RBNZは主要国で最も早い時期に利上げに移行するとの期待感が強い。もちろん、それなりにポジションも増えており、一時的な調整に振らされないように注意が必要。

直近でも、昨日のIMF経済成長見通しも英国を最評価、17日の英小売売上高の前年比は2004年以来の高水準、今日のNZ消費者物価指数は、予想を上回り利上げ期待がさらに膨らんでいる。先の弱い米非農業部門雇用者数にも、FRBの量的緩和縮小の流れは変わりそうにない。

逆に、16日の豪新規雇用者数はマイナスとなり、先のカナダ雇用ネット変化は予想外のマイナスで、ユーロ圏は成長拡大にユーロ高が負担気味になっている。

USDJPYは、先に103.80円台まで値を下げ、昨日は104.80円の上値を失敗いたことで、もうしばらくは、このレンジ内での調整局面の継続を予想。ルー財務長官が円安けん制発言をしても、TPP交渉で米自動車業界からの圧力と考える以外、その本心は不明で、警戒感に一時的な円買い戻しが続く可能性があり、短期のテクニカルでは円買いを継続している。

まだ、その時期を示すテクニカルのサインは見られないが、中期的には今回の円買いから売りへと変化するシグナルを待ち、105円を超え、108~109円を目指す動きを期待したい。

EURUSDは、1.3560台の上値は重く、引き続き短期のダウントレンドを継続中。1.3500を割り込むと続落の可能性が高まり、何が飛び出すかを試したくなる水準となっている。欧州株や欧州市場への資金流入に積極的なEUR売りは期待しにくいが、予想外に戻りも限定的で、引き続き1.35台前半の動きから、1.3480~00のトライを期待。

AUDUSDは、ダウントレンド継続。不思議なもので、0.89台、0.88台と、100ポイントごとの大台で動きが止まり、暫くはレンジ取引に入っている。弱い豪雇用統計の影響に、短期的なAUDロングはギブアップし、0.8900を割り込んだことで0.91トライは一体何だったのか? ただ単に、AUD高期待感だけだったのだろうか? 主要通貨ではカナダドルと並び、弱さが身にしみる通貨で、ボトムは見えず。暫くは0.8780~0.8830のレンジを予想。


*** 発言・その他 ***

バンカメ・ファンドマネジャー月次調査=新興国市場の株式、アンダーウェート10.0%→15.0%に拡大、逆に、英国や欧州は拡大。中国経済のハードランディングで商品相場の急落が最大のリスクと考えは25.0%→33.0%に拡大。ドルは過小評価との考え57.0%で2008年8月以来の高水準。ユーロ圏のオーバーウェートはネット41.0%で5カ月連続、英国は6.0%と10年間の平均を上回る。

IMFの2014年世界経済見通し(改定・前回10月)=①世界経済の成長率予測は2014年3.6%→3.7%に上方修正、2015年3.9%。②緊縮財政の影響が軽減し不透明性は低下、金融システムの健全性向上により、先進国が新興国から成長のローテーションがさらに進む。③先進国のデフレリスクは景気回復の阻害要因。

IMFの2014年世界経済見通し(改定・前回10月)=①2014年成長率予想、日本=1.2%→1.7%に上方修正、財政刺激が支援し、春の消費増税の影響が弱まるが、政府の歳出や輸出依存から、消費や投資に注力すべき。②米国=2.6%→2.8%に上方修正、議会の予算協議が決着し、財政のリスクが一部軽減され、内需が成長を押し上げる。③英国=1.9%→2.4%に上方修正、低水準の信用コスト、信頼感の改善が期待でき、上方修正幅は主要国で最大。④中国は経済改革の効果表れ、2014年7.5%、2015年7.3%。

IMFの2014年世界経済見通し(改定・前回10月)=①日本はデフレリスクは少ない。②日本が経験した問題が先進国の脅威。③経済活動のマイナスになれば、ディスインフレがあり、経済を衰弱させる。④低インフレ・高デフレは、ユーロ圏経済回復へのリスク。

IMFの2014年世界経済見通し(改定・前回10月)=①FRBは2015年まで利上げは実行しない。②FRBの緩和縮小による資金引き上げに、大規模な経常赤字や脆弱は経済の一部途上国は、大きな打撃を受ける恐れがあり、為替相場の下落容認、金融政策の引き締め、規制・監督強化の検討が必要。

IMF首席エコノミスト=FRBの早期緩和縮小を予想していない。ユーロ圏は最大20%の確立で、デフレリスクがあるが、基本予想は引き続きプラス。

WSJ紙=1月29日のFOMCで、資産買い入れを減額する可能性がある。

ノボトニー・オーストリア中銀総裁=ECBは3月の次回経済成長見通しの公表で、上方修正する可能性がある。ドイツとオーストリアの経済は順調、スペインとアイルランドは予想より順調、フランスは安定している→ 昨年12月時点の2014年成長見通しは上方修正され1.1%となっている。

甘利経済再生担当相=デフレの状況に戻るリスクは残っており、デフレ脱却を宣言するには時期尚早。物価上昇を超える賃金上昇が鮮明になれば好循環が自動的に回りだす。

麻生財務相=法人実効税率引き下げで、具体的なタイミングが言える段階ではない。

中国人民銀行=短期流動背ファシリティー(SLF)で、緊急の流動性を供給。

サマラス・ギリシャ首相=今年のギリシャ経済は、6年間続いたリセッションを脱し、プラス成長の見通し。


*** 経済指標の結果 ***

6:45 NZD 第4四半期 消費者物価指数=前期比0.1%(予想-0.1% 前回0.9%)、前年比1.6%(予想1.5% 前回1.4%)→ 予想を上回り、利上げ期待でNZD回が強まる
19:00 GER 1月 ZEW景況感調査: 期待指数=61.7(予想64.0 前回62.0)、現況指数=41.2(予想34.1 前回32.4)→ 期待指数が弱くEUR売りが強まるが、引き続き高水準で現況指数は大幅な伸び
19:00 EUR 1月 ZEW景況感調査=73.3(予想70.2 前回68.3)→ 予想を上回る伸び率
22:30 CAD 1月 製造業売上高=前月比0.0%(予想0.5% 前回1.2←1.4%)、製造業出荷=前月比1.0%(予想0.3% 前回0.7←1.0%)

2014年1月21日火曜日

1月21日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動きと、今後の見通し

1月21日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動きと、今後の見通し

*** ポイント ***

3連休明けの米国市場の動き待ちながら、29日のFOMCでは100億ドルの資産買い入れ縮小が始まることになり、継続的な縮小期待と、その確認待ちの動きで、ドル高期待続きながらも、クリアな方向性を示す可能性は低い。

投機筋の思惑は一致し、円安+GBP高+NZD高+USD高を期待し、これが今の合言葉で、それらのポジションを維持する傾向が続いている。

FRBは量的緩和の縮小に動き、BOEは資産買入枠の縮小や利上げ期待が強く、RBNZは主要国で最も早い時期に利上げに移行するとの期待感が強い。もちろん、それなりにポジションも増えており、一時的な調整に振らされないように注意が必要。

直近でも、17日の英小売売上高の前年比は2004年以来の高水準、今日のNZ消費者物価指数は、予想を上回り利上げ期待がさらに膨らんでいる。先の弱い米非農業部門雇用者数にも、FRBの量的緩和縮小の流れは変わりそうにない。

逆に、16日の豪新規雇用者数はマイナスとなり、先のカナダ雇用ネット変化は予想外のマイナスで、ユーロ圏は成長拡大にユーロ高が負担気味になっている。

そして、円は、足踏み状態から再び円安へ。ルー財務長官が円安けん制発言をしても、TPP交渉で米自動車業界からの圧力と考える以外、その本心は不明で、警戒感に一時的な円買い戻しが続く可能性はあるが、決定的な円安の流れは変わるとは思えない。

時間をかけながら、105円を超え、108~109円を目指す動きを期待したい。


*** 今日の動き ***

火曜日の為替市場は、朝方発表されたNZ消費者物価指数が強く、政策金利の引き上げ期待に、NZドル買いが強まる。

アジア市場は、クロスを含め円売りから取引が始まり、日経平均株価は前日から上昇たことで、円売りの流れが強まったが、104.80円を超えられず。豪ドルはNZDUSDの急伸や、AUDNZDの売りに上下動けず。

欧州市場に入り、堅調な欧州株にドル売りの流れに、AUDUSDやEURUSDは小幅上昇、弱い独ZEW景況感調査をテーマに、1.3530割れまで下落したが、ユーロ圏ZEW景況感は強く、独現況指数も大幅に上昇している。USDCADは1.10の大台まで上昇し、4年ぶりのカナダドル安水準に来ている。


*** 今後の見通し ***

USDJPYは、先に102.80円台まで値を下げていたことで、もうしばらく103円台での調整局面が継続し、103.50円以下のトライもあると思っていたが、予想外に底堅く、104.80円をトライしている。中期的な円安トレンドの変化は見られず、ポジションテークでは円安を目指し動きに対応したいが、実需筋の買いに底堅く、短期では今までの、104.20~50円レンジから、104.40円~104.90円レンジへ移行している。

EURUSDは、1.3560台の上値は重く、引き続き短期のダウントレンドを継続中。1.3500を割り込むと続落の可能性が高まり、何が飛び出すかを試したくなる水準となっている。欧州株や欧州市場への資金流入に積極的なEUR売りは期待しにくいが、予想外に戻りも限定的で、1.3480~00のトライを期待。

AUDUSDは、ダウントレンド継続。不思議なもので、0.89台、0.88台と、100ポイントごとの大台で動きが止まり、暫くはレンジ取引に入っている。弱い豪雇用統計の影響に、短期的なAUDロングはギブアップし、0.8900を割り込んだことで0.91トライは一体何だったのか? ただ単に、AUD高期待感だけだったのだろうか? 主要通貨ではカナダドルと並び、弱さが身にしみる通貨で、ボトムは見えず。


*** 発言・その他 ***

甘利経済再生担当相=デフレの状況に戻るリスクは残っており、デフレ脱却を宣言するには時期尚早。物価上昇を超える賃金上昇が鮮明になれば好循環が自動的に回りだす。

麻生財務相=法人実効税率引き下げで、具体的なタイミングが言える段階ではない。

中国人民銀行=短期流動背ファシリティー(SLF)で、緊急の流動性を供給。

サマラス・ギリシャ首相=今年のギリシャ経済は、6年間続いたリセッションを脱し、プラス成長の見通し。


*** 経済指標の結果 ***

1/21 6:45 NZD 第4四半期 消費者物価指数=前期比0.1%(予想-0.1% 前回0.9%)、前年比1.6%(予想1.5% 前回1.4%)→ 予想を上回り、利上げ期待でNZD回が強まる
1/21 19:00 GER 1月 ZEW景況感調査: 期待指数=61.7(予想64.0 前回62.0)、現況指数=41.2(予想34.1 前回32.4)→ 期待指数が弱くEUR売りが強まるが、引き続き高水準で現況指数は大幅な伸び
1/21 19:00 EUR 1月 ZEW景況感調査=73.3(予想70.2 前回68.3)→ 予想を上回る伸び率

1月21日(火曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

1月21日(火曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

*** 昨日のポイント ***


米国市場はキング牧師誕生日に休場で、米株式市場は休場となる週明け月曜日。主要な経済指標の発表もなく、スローなスタート。終わって見れば動きは少なく、EUR+AUDは小幅上昇。

◎アジア市場の早朝は、取引開始直後から先週末の流れを継いだ、円の買い戻しと、ドル買いの流れに、円クロスでは円高で推移。午前10時の仲値を過ぎると動きは一変、円クロスは円売りへと変化し、ドル売りが強まる。中国のGDPを含めた主要経済指標は、予想を若干上回るが前回より弱く、肝心の日本株や中国株は軟調に推移。

◎欧州市場に入ると、欧州株はドイツ銀行の弱い四半期決算に勢いはなくほぼ横ばいで推移。EURJPY+AUDJPY+GBPJPY+AUDJPYの円売りが続き、USDJPYはストップロス狙いの円買いに一時103.80円台まで下落し、104.25円まで値を戻すが、戻りの上値は重い。AUDUSDは上昇し+NZDUSDは下落=AUDNZDは上昇、EURUSDは小幅上昇するも1.3560台を超えられず。

◎米国市場は休場で株取り引きもなく、欧州市場の後半は、USDJPYは引き続き103.90~104.25円のレンジで動けず。EURUSDは1.3560をなんとか上回りながらも、米株式市場は休場で取引は閑散、1.3560を中心に上下5ポイントの狭いレンジへ。 AUDUSDは0.8820まで値を戻すが、先週末の高値0.8825~30を超えられず。

*** 今後の見通し ***

29日のFOMCを前に積極的に動けるかは疑問。市場センチメントは円ショート・ポジションへの期待感もあるのか、円安を望む声は高い。EURは過剰流動性の減少に短期金利は上昇、先週には欧州域内に大量の投資資金が流入しており、とりあえずは1.3500を割り込む大幅な動きも見られず。

⇒ USDJPYは、先週のルー米財務長官による、円安けん制発言の真意は別として、円クロスを含めた、ショートポジションを巻き戻すきっかけとなり、その流れが依然として続いている。ただし、底値圏では実需の円売りが継続し、相場を下支えしていることで、大きな動きを予想することは難しい。市場参加者の円安志向は強く、円ショートポジションもあり、広くは103~105円で調整局面となり、短期では104.20~50円の売りを消化しながらも、急伸することは難しく、103.80~104.50円のレンジい入りやすい。

⇒ EURUSDは、先週末に1.3550のポイントを割り込みさらに下落、1.3500の大台手前で跳ね返しているが、1.3560を超えても買いは続かず。1.3500割れで何が飛び出すかを試してみたいが、堅調な欧州株や欧州市場への資金流入に積極的なEUR売りは見られず。下値達成感も感じられないが、EURCADやEURGBPの買いも入り、ややビットアップ。短期では1.3540~1.3590のレンジを予想。中期では買い変化の動きはまだ見られず。

⇒ AUDUSDは、先週の弱い豪雇用統計で急落が始まった0.8880~00の水準を上回るまでは、豪ドル安の流れは変わらず。ただし、0.8800のビックポイントを割り込んでも、売りが加速することはなく、暫くは、0.8750~0.8850のレンジ継続を予想。ただし、0.8750を割り込むと続落へ。


*** 発言・その他 ***

調査会社EPFRグローバル=欧州域内に大量の投資資金が流入し、1月15日までの1週間でネット、世界株式ファンドの約半分を占める、過去4場目となる40億ドル超の資金が流入→ 株高とユーロ買いの要因の一つ。

BOE報告書(量的緩和について)=正常時の市場で縮小しても深刻な影響を与えず。効果は家計の投資行動の変化で確認できるが、正常時では効果は薄れる。

サントリー・ホールディングス(CNBC)=ホワイト&マッカイの全事業をインドのユナイテッド・スピリッツ から買い取ることを提案。

英世論調査=EC離脱支持の英国独立党(UKIP)の支持率が一位へ。

ウクライナの反政権デモ拡大=10万人が参加、一部暴徒化。

ムーディーズ=アイルランド格付けを「Ba1」→「Baa3」に引き上げ、アウトルックは「ポジティブ」


*** 経済指標の結果 ***

米国市場 ウェリントン市場休場
6:00 NZD 12月 REINZ住宅価格指数=前月比-1.0%(予想 前回1.2%)→ 前回より大幅低下しマイナスへ
8:30 AUD 12月 TD-MIインフレ指数=前月比0.7%(予想 前回0.2%)、前年比2.7%(前回2.4%)→ 前回を大幅に上回り3年ぶりの伸び率
9:01 GBP 1月 ライトムーブ住宅価格=前月比1.0%(予想 前回-1.9%)、前年比6.3%(予想 前回5.4%)
11:00 CHN 第4四半期GDP=前期比1.8%(予想2.0% 前回2.2%)、前年比7.7%(予想7.6% 前回7.8%)、2013年通年前年比7.7%(前回7.7%)→ 前年比は予想を若干上回るが、前期よりは減少
11:00 CHN 12月 鉱工業生産=前年比9.7%(予想9.8% 前回10.0%)→ 前回を下回る
11:00 CHN 12月 小売売上高=前年比13.6%(予想13.6% 前回13.7%)→ 前回を下回る
11:00 CHN 12月 固定資産投資=前年比19.6%(予想19.8% 前回19.9%)→ 前回を下回る
13:30 JPY 11月 鉱工業生産・確報値=前月比-0.1%(予想 前回1.0%)、前年比4.8%(予想 前回5.4%)、設備稼働率=前月比-0.5%(予想 前回1.2%)
16:00 GER 12月 生産者物価指数=前月比0.1%(予想0.0% 前回-0.1%)、前値比-0.5%(予想-0.7% 前回-0.8%)

2014年1月20日月曜日

1月20日(月曜)アジア市場・欧州市場序盤の動きと、今後の見通し

1月20日(月曜)アジア市場・欧州市場序盤の動きと、今後の見通し


*** ポイント ***

米国市場が休場の週明け月曜日。主要な経済指標の発表もなく、スローなスタート。

アジア市場の早朝は、取引開始直後から先週末の流れを継いだ、円の買い戻しと、ドル買いの流れに、円クロスでは円高で推移。

午前10時の仲値を過ぎると動きは一変、円クロスは円売りへと変化し、ドル売りが強まる。中国のGDPを含めた主要経済指標は、予想を若干上回るが前回より弱く、肝心の日本株や中国株は軟調に推移。

欧州市場に入ると、欧州株は小幅上昇。EURJPY+AUDJPY+GBPJPY+AUDJPYの円売りが続き、USDJPYはストップロス狙いの円買いに一時103.80円台まで下落し、104.25円まで値を戻すが、戻りの上値は重い。AUDUSDは上昇し+NZDUSDは下落=AUDNZDは上昇、EURUSDは小幅上昇するも1.3560台を超えられず。

*** 今後の見通し ***

USDJPYは、先週のルー米財務長官による、円安けん制発言の真意は別として、円クロスを含めた、ショートポジションを巻き戻すきっかけとなり、その流れが依然として続いている。ただし、底値圏では実需の円売りが継続し、相場を下支えしていることで、大きな動きを予想することは難しい。短期では、104.20~50円のレンジから、103.80~104.30円のレンジとやや円高の水準で取引が続きやすい。

EURUSDは、先週末に1.3550のポイントを割り込みさらに下落、1.3500の大台手前で跳ね返しているが、1.3550~60を超えられず。1.3500割れで何が飛び出すかを試してみたいが、米国市場が休場の中、大相場は考えにくく、広くは1.3500~1.35800、狭くは1.3520~60のレンジを予想。

AUDUSDは、先週の弱い豪雇用統計で急落が始まった1.3880~00の水準を上回るまでは、豪ドル安の流れは変わらず。ただし、0.8800のビックポイントを割り込んでも、売りが加速することはなく、0.8750~0.8850のレンジ継続が予想される。


*** 発言・その他 ***

英世論調査=EC離脱支持の英国独立党(UKIP)の支持率が一位へ。

ウクライナの反政権デモ拡大=10万人が参加、一部暴徒化。

ムーディーズ=アイルランド格付けを「Ba1」→「Baa3」に引き上げ、アウトルックは「ポジティブ」

*** 経済指標の結果 ***

米国市場 ウェリントン市場休場
6:00 NZD 12月 REINZ住宅価格指数=前月比-1.0%(予想 前回1.2%)→ 前回より大幅低下しマイナスへ
8:30 AUD 12月 TD-MIインフレ指数=前月比0.7%(予想 前回0.2%)、前年比2.7%(前回2.4%)→ 前回を大幅に上回り3年ぶりの伸び率
9:01 GBP 1月 ライトムーブ住宅価格=前月比1.0%(予想 前回-1.9%)、前年比6.3%(予想 前回5.4%)
11:00 CHN 第4四半期GDP=前期比1.8%(予想2.0% 前回2.2%)、前年比7.7%(予想7.6% 前回7.8%)、2013年通年前年比7.7%(前回7.7%)→ 前年比は予想を若干上回るが、前期よりは減少
11:00 CHN 12月 鉱工業生産=前年比9.7%(予想9.8% 前回10.0%)→ 前回を下回る
11:00 CHN 12月 小売売上高=前年比13.6%(予想13.6% 前回13.7%)→ 前回を下回る
11:00 CHN 12月 固定資産投資=前年比19.6%(予想19.8% 前回19.9%)→ 前回を下回る
13:30 JPY 11月 鉱工業生産・確報値=前月比-0.1%(予想 前回1.0%)、前年比4.8%(予想 前回5.4%)、設備稼働率=前月比-0.5%(予想 前回1.2%)
16:00 GER 12月 生産者物価指数=前月比0.1%(予想0.0% 前回-0.1%)、前値比-0.5%(予想-0.7% 前回-0.8%)

2014年1月19日日曜日

今週の経済指標から(1月20日~24日)

今週の経済指標から(1月20日~24日)

今週は、週初月曜日は米国市場が休場となり、来週28日のFOMCの発表の前週で、全体を通じても米国発の経済指標は極端に少ない。また、22日~25日にはダボスの世界経済フォーラムが開催され、要人発で相場が動くことも予想できる。

◎中国発の材料は多い=20日(月)に第4四半期GDP、鉱工業生産、小売売上高等が控えており、GDPを含め全般的に前月から低下が予想され、数字いかんではAUD相場は影響を受けやすい。23日(木)の低下傾向が続いているHSBC製造業PMIは、ほぼ横ばいの予想となっている。

◎カナダ発の材料は重要=22日(水)カナダ中銀の金融政策が発表され、政策金利1.0%の据え置きが予想される。カナダ中銀声明や記者会見で、今後どのような見通しを示すのか、先にボロッツ・カナダ中銀総裁は「利上げと利下げの可能性は五分五分」と発言していたが、最近の住宅関連の経済指標は弱く、前回はディスインフレに陥る可能性を指摘、来年の利下げ観測も浮上し、カナダドル売りのきっかけとなっていた。24日(金)の消費者物価指数の前月比予想は昨年4月以来となるマイナスが予想されている。

◎英国発の材料では=22日(水)の雇用統計、BOEのPMC議事録。

◎NZや豪州発の材料では=21日(火)のNZ第4四半期CPI、22日(水)の豪第4四半期CPI。

◎米国発は23日(木)に集中している=シカゴ連銀全米活動指数、製造業PMI、住宅価格指数、中古住宅販売、景気先行指数などは、全て23日で、それ以外はほとんど見られない。

◎欧州発の材料では=23日(木)のユーロ圏製造業・サービス業PMIは速報値で注目される。




米CFTC発表の通貨先物取引(IMMポジション) 1月14日分

米CFTC発表の通貨先物取引(IMMポジション) 1月14日分

ドルロングポジションが拡大し、昨年9月10日以来の水準へ。結果的に見るとドルロングポジションは昨年10月の一部公的機関の閉鎖と債務上限引き上げ交渉の警戒感に一時ドルショートへと変化した時期を除くと、FRBの量的緩和縮小期待がちらほら見られた、昨年2月26日から長期間に渡っている。

他通貨の動きは多極化し複雑。
①円ショートが減少、
②ユーロ+ポンドのロングは減少、
③スイスフランは昨年8月6日以来となるショートへと変化、
④カナダドルのショートは増加、⑤豪ドルのショートは減少、
⑥NZDドルだけがロングを増加させ、昨年11月26日の水準へ近づく。

円のショート・ポジションは、引き続き10万コントラクト台のショートを継続しているが、データ集計の14日後に円の買い戻しが強まっているので、ショートは減少していることが推測される。2012年10月23日にロン円ロング→円ショートへ変化して以来、長期に渡っており、昨年11月19日以降は10万コントラクト台を維持し、市場参加者の円先安センチメントが根強いことを裏付けている。

ユーロドルのロング・ポジションは、昨年12月24日の3.2万コントラクトから減少を続け、12月13日の水準近くへと低下、集計日14日以降もEURUSDは下落していることで、さらなる減少幅となったことが推測できる。