2014年9月13日土曜日

最新のIMMポジションと相場の動き 2014/09/13

最新のIMMポジションと相場の動き  2014/09/13

シカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジが発表した最新のポジション(9月9日)では、円・ユーロ・ポンド・スイスフラン・豪ドル・NZドル・カナダドルの、7カ国のポジションは計-182,895枚と売り越しで、前週の-214,040から減少。ドル換算では、計+308億のドル買いポジションで、前週の+350億ドルから減少、4週間ぶりのことである。

通貨別では

円は-100,673枚で、前週の-117,308枚から売りが16,635減少し、円の買い戻しに動いていたが、USDJPYは5日連続で上昇し円売りが加速している。買いの主体が投機筋だけではなく、実需筋や資本筋の動きが上昇のきっかけになった可能性は高く、テクニカルでも新たな円安相場の領域に入っている。

ユーロは-157,505枚で、前週の-161,423枚から売りが3,918減少し、ユーロの買い戻しに動いていたが、EURUSDは大枠1.2850~1.2950の100ポイントのレンジで動けず。

ECBの金融緩和パッケージに続き、追加利下げと資産買い入れ、ウクライナ問題を織り込み、投機筋ばかりではなく、実需筋の買いに下げ止まっている。しかし、大規模な量的緩和の実施に追い込まれる可能性を否定できず、戻り売り圧力は続いている。

ポンドは+26,727枚で、前週の+9,448枚から買いが17,279増加し、昨年の12月3日以来の増加幅を示していた。スコットランドが英国からの独立を問う住民投票で、独立賛成が多数となり、9月5日(金曜)と8日(月曜)にギャップをあけ下落していたが、独立反対派が盛り返し、BOEの利上げ観測は消えず、GBPUSDの買い戻しが強まっていた。

豪ドルは+41,229枚で、前週の+49,047枚から買いが7,818減少し、豪ドル買いを維持しながらも伸び悩み、AUDUSDは5日連続で下落、下落幅も大きくなっていた。次回のFOMCでフォワードガイダンスの見直しが予想されるなか、米金利の上昇と流動性問題を懸念、中国の成長鈍化のリスクもあり、大幅なポジション調整の売りが続いた。







2014年9月7日日曜日

今週の為替相場(9月8日~9月12日)

今週の為替相場(9月8日~9月12日)

今週の見通しと、今週の経済指標の予定

9月に入り、為替相場の変動が大きくなっている。ドル買いの材料となっている、量的緩和の終了と、早期利上げ期待は、4日の米非農業部門雇用者数の伸び悩みに、やや萎んでしまった感はあるが、トレンドとして改善傾向が続き、タカ派の流れは変わることはない。

一方、ECBは予想外に利下げを発表、来月から資産買い入れを実施し、量的緩和の可能性を示唆。ユーロ相場の押し下げが目的の一つであることは間違いなく、ユーロ売りの流れは簡単に変わりそうになく、EURAUDの売りを見ても然りで、EURUSDの次の目標は1.2750~1.2800ではないかと思えてならない。

ポンドも然りで、9月18日のスコットランド独立を問う住民投票の実施を前に、独立賛成派の勢いが強まり、ポンド買いの手が一時的に引いてしまっている。しかし、独立反対との結果ともなれば、どこまでポンドの買い戻しが続くのであろうか? 

住民投票実施まで10日以上残っており、結果を見るまではポンドは買い難く、現状ではボトムを確認できないでいる。しかし、「住民投票独立反対=ポンド買い」が確定でもしたら、利上げの可能性が残るグループの一員として、どこまでポンド買いが飛び出すのか、いまから楽しみでもある。

さて、円相場は、USDJPYが昨年末・今年初めの高値を更新したが、週終値ベースでは105円台をかろうじて確保したが、昨年末の水準は超えられずにいる。仮に、ここで、104.50円を割り込み、下落でもするようなことにでもなれば、「105円台ダブルトップで下落へ」と、弱気発言が強まることになるが、本当だろうか?

月足チャートは、確実に切り上がり、上昇トレンドを維持し、週足チャートも、年初から8月まで、8カ月間続いた大枠101~104円のレンジ相場を上抜け、108円を目指した動きの途中に見えてならない。


さて、今週の経済指標・その他では、8日と9日は中国が中秋節で休日とり、今週は以外なほど、主要国では重要な発表はすくない。

11日(木)のNZ中銀の金融政策・ウィーラーNZ中銀総裁発言、豪州の雇用統計は、個人的に今週のメインイベントと考えている。ドル高の流れの中で、AUDとNZDは堅調で、EURAUD、EURGBPの取引量も増えていると推測している。その流れが継続できるか否かは、AUDJPY相場にも影響し、USDJPY相場も間接的に影響を受けやすい。

それ以外では、8日(月)の、日本の国際収支と第2四半期GDP・第2次速報値。中国の貿易収支で円と豪ドルの動く材料にされやすい。

9日(火)の、カーニーBOE総裁、リバプールでの発言、タルーロFRB理事 上院銀行委員会で議会証言、米JOLT求人労働移動調査と英NIESRGDP予測で、発言・数字を材料し相場を動かす可能性が高い。

11日(水)の、カーニーBOE総裁、他のMPCメンバー議会証言も気になる。11日(木)の独・仏の消費者物価指数は確報値で、修正がなければ動きようがない。

12日(木)の、黒田日銀総裁の講演、米小売売上高、米ミシガン大学消費者信頼感指数と、ウクライナに関連する、EU・ウクライナ・ロシア出席の、EU・ウクライナ貿易会合を注目したい。



最新のIMMポジションと相場の動き 2014/09/07

最新のIMMポジションと相場の動き  2014/09/07


≪最近のデーターが示すもの(9月2日データーから)≫ 

7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドルのネットは-214,040コントラクトで、前週-191,678ショートが22,362増加、3週間連続して通貨の売り=ドルの買いが増加した。

ドルに換算したポジションはドル買いで約350億ドルと前週の319億ドルから増加し、ドル先高センチメントの継続が目立っていた。

先週は、4日のECB理事会で、予想外に追加緩和策が示されユーロは急落、9月18日のスコットランド独立を問う住民投票の実施を前にした、ポンドの急落もあり、さらには、5日の予想外に弱かった米雇用統計の非農業部門雇用者数など、9月2日のデータには織り込まれていない面が多い。

≪各通貨での変化≫
円=-117,308コントラクトと、前週の-102,891、ショートは増加し。ドル換算では約140億ドルのドル買いポジションで、前週の約127億ドルからドルロング(円売り)は拡大、今年1月21日の週近くまで膨らんでいた。先週のスポット市場では、昨年末・今年初めのドル円の高値を上回る、105.70円近くまで上昇、104.70円近くまで下落するなど、値の荒い展開が続き、円ショートポジションの調整もある程度行われた可能性もある。

ユーロ=-161,423コントラクトと、前週の-150,657からショートが拡大。ドル換算では約265億ドルのドル買いポジションで、前週の248億ドル買い(ユーロ売り)から増加している。9月4日には予想外にECBは利下げと資産買い入れを発表、将来の量的緩和の実施にも含みを残し、EURUSDは1.2920台まで急落、引き続きユーロの先安懸念は強まっている。

ポンド=+9,448コントラクトと、前週の+15,467からロングは減少。ドル換算では約10億ドルのドル売りポジションで、前週約16億ドルからドル売り(ポンド買い)は減少。BOEの根強い利上げ期待は残るも、9月18日のスコットランドの独立を問う住民投票が目の前にせまり、独立支持が拡大していることが懸念され、ポンド売りは止まらず、先週のスポットでは1.6280台まで続落している。

豪ドル=+49,047コントラクトと、前週の+41,938からロングは増加。トータルでは21週連続でプラス圏(豪ドルロング)を維持している。ドル換算では約46億ドルのドル売りポジションで、前週の39億ドルから増加。先週のスポットでは0.9380台まで上昇、ドル買いの中でも強さを維持している。

NZドル=+10,172コントラクトと、前週の+11,841からロングは小幅減少。昨年9月以来、51週間に渡りネットではロング(NZドル買い)を維持。ドル換算では約9億ドルのドル売りポジションで前週の10億ドルから小幅減少し、先週のスポットではNZDUSDは一時0.8270まで下落したが、終値では0.83台を回復している。