2014年5月24日土曜日

最新のIMMポジション(5月20日)と相場の動き

最新のIMMポジション(5月20日)と相場の動き


≪最近のデータが示すもの≫ 
7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネットはショート-14,376コントラクトで、前週-17,891コントラクトか若干ショートが減少した。ドルに換算したポジションはロング31.55億ドルと若干の増加で、大きな変化は見られず、ドル先高期待が続いている。

≪各通貨での変化≫
円=-53,787コントラクトと、前週の-64,707から、ショートポジションは減少。水準的には大きな変化に至っていないが、スポット・レートは13日102.26円から、20日101.32円へと約1円程度の円高へと動き、その動きを裏付けているが、先週末には102円まで値を戻し高値引けしている。。

ユーロ=-9,220コントラクトと、前週に13週間ぶりにショートへ変化した-2,175からショートが増加。スポット・レートは13日1.3703から、20日1.3701とほぼ横ばいで推移したが、売りポジションが増加していたことが分かり、先週末には1.3610台まで下落し、安値圏で引けている。

ポンド=+33,090コントラクトと、前週の+31,755からロングは微増。ユーロ安、ポンド高の動きにEURGBPは下落、スポット・レートは13日1.6824から20日1.6838と上昇、先週末には一時1.69台まで上昇したが、先週末には1.6830近くで終了、ポンドは堅調に推移していた。

豪ドル=+19,462コントラクトと、前週の+17,127から微増。7週連続でプラス圏を維持しており、スポット・レートは13日0.9359から20日0.9242と下落、先週末には0.92台を維持し0.9230近くで終了した。

NZドル=+17,594コントラクトと、前週の+19,340から小幅減少。トータルではロングの常連通貨としての位置は不動。スポット・レートは13日0.8625から20日0.8572と下落し、先週末には続落し0.8540まで終了した。














5月24日(土曜)昨日、海外市場の動き

5月24日(土曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎GPIF法改革は今国会提出見送りと報道、日経平均株価は上昇し、円買いが強まるが、101.50円台が限度。
◎英地方選挙で、EU離脱を掲げる英国独立党が飛躍し議席数を伸ばし、ポンド売りが強まる。
◎独IFO景況感指数は弱く、ポンド下落の影響も加わり、EUR売りが強まる。
◎S&Pは、スペインの格付けを「BBB-」→「BBB」に引き上げ、見通しは安定的。
◎カナダCPIは予想通りながら、前回よりは上昇しカナダドル買いの材料となる。
◎米新築住宅販売件数は、予想と前回を上回り、3カ月ぶりに上昇へ。

来週月曜日が、NY市場とロンドン市場が休場の3連休となり、さらにウクライナの大統領選の結果が週末に発表され、リスク回避の動きが強まり、ドルは全面高。例外はカナダドルの上昇で、ポンドの下落と合わせ動きの変化が目立ち、AUD売りは一服。

週末金曜日のアジア市場は、日本政府が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)改革見送るとの報道に。日経平均株価は上昇し、円買いが強まるが、それでも、USDJPYは101.60円割れが限度。

欧州市場は、EU離脱を掲げる英国独立党が飛躍との報道にポンド売りが加速し、1.6830台へ、独GDPは予想通りながら、独IFO景況感指数は弱く、EURも1.3610台まで続落。USDJPYは、円買い材料への反応が鈍く、逆に底値を確認し102円を試す動きへ変化。AUDUSD、NZDUSD、ドル全面高。例外はカナダドル高で、USDCADは1.09台を高値に売りへと変化。

米国市場は、3連休前ということもあり、積極性に欠ける展開が続いた。カナダCPIは予想通りの結果にも、カナダドル買いが強まり1.0860台まで下落。USDJPYは102円台の達成はお預けで、101.80~00のレンジながら黒田日銀総裁の発言もあり底堅く、上値を狙う一で取引が続く。GBPUSDの下落が目立ちロンドンフィキシング後は1.6810台へ、EURGBPも上昇、AUDUSDの売りは見られず0.9220割れを底値に下げ止まる。


***** 発言・その他 *****

◎李克強・中国首相=中国経済は現在安定し、前向きな構造変化も見られるが、比較的大きな押し下げ圧力に直面している。
◎S&P=スペインの格付けを「BBB-」→「BBB」に引き上げ、見通しは安定的。
◎クーレECB専務理事=ECBは必要なら標準的、非標準的措置を講じることで一致している。マイナス金利への引き下げは選択肢の一つだが、為替政策ではない。低金利が長期化すれば、資産バブルのリスクは増大し、各国がマクロプルデンシャル政策を活用する必要がある。
◎クーレECB専務理事=ECBは金融政策運営で為替レートを考慮すべきだが、複雑な問題があると認識。中銀は通貨戦争の回避で協力が必要。
◎米資産運用会社ブラックロックの幹部=ユーロ圏周辺国の国債保有を大幅に縮小した。理由としては利益確定と、ECBの量的緩和に懐疑的なこと。
◎英地方選挙の開票速報=欧州連合(EU)離脱を主要政策にしている英国独立党(UKIP)が議席数を1→90に急拡大→ GBP売りの材料となる
◎日本政府は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)改革見送りへ→ 日経平均株価は上昇し、円買いが強まる
◎黒田日銀総裁=円が一段と上昇する理由はほとんどない。
◎格付け会社フィッチ=トルコ中銀がインフレ率上昇の中で、政策金利を引き下げたことで、中銀の信頼性低下の可能性がある。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

15:00 GER 第1四半期 GDP・確報値=前期比0.8%(予想0.8% 前回0.8%)、前年比2.5%(予想2.5% 前回2.5%)→ 速報値・予想と変わらず
17:00 GER 5月 IFO景気動向指数: 業況指数(総合)=110.4(予想110.9 前回111.2)、現況指数=114.8(予想115.5 前回115.3)、期待指数=106.2(予想106.6 前回107.3)→ 予想より弱く、GBPの下落の影響もあり、EUR売りが強まる。
21:30 CAD 4月 消費者物価指数=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.6%)、前年比2.0%(予想2.0% 前回1.5%)、コア前月比0.2%(予想0.2% 前回0.3%)、コア前年比1.4%(予想1.4% 前回1.3%)→ ほぼ予想通り
23:00 USD 4月 新築住宅販売件数=43.3万戸(予想42.5万戸 前回40.7←38.4万戸)、前月比6.4%(予想11.3% 前回-6.9%←-14.5%)→ 予想と前回を上回り、3カ月ぶりに上昇へ

2014年5月23日金曜日

5月23日(金曜) アジア市場と欧州市場序盤の動き

5月23日(金曜) アジア市場と欧州市場序盤の動き



◎GPIFの改革見送りと報道、日経平均株価は上昇し、円買いが強まるが、101.50円台が限度。
◎英地方選挙で、EU離脱を掲げる英国独立党が飛躍し議席数を伸ばし、ポンド売りが強まる。
◎独IFO景況感指数は弱く、ポンド下落の影響も加わり、EUR売りが強まる。


週末金曜日のアジア市場は、来週月曜日が、NY市場とロンドン市場が休場の3連休となり、さらにウクライナの大統領選の結果が週末に発表され、リスク回避の動きが強まる。円は、日本政府が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)改革見送るとの報道に。日経平均株価は上昇し、円買いが強まるが、それでも、USDJPYは101.60円割れが限度。

欧州市場は、EU離脱を掲げる英国独立党が飛躍との報道にポンド売りが加速、独GDPは予想通りながら、独IFO景況感指数は弱く、EURも下落。


15:00 GER 第1四半期 GDP・確報値=前期比0.8%(予想0.8% 前回0.8%)、前年比2.5%(予想2.5% 前回2.5%)→ 速報値・予想と変わらず
17:00 GER 5月 IFO景気動向指数: 業況指数(総合)=110.4(予想110.9 前回111.2)、現況指数=114.8(予想115.5 前回115.3)、期待指数=106.2(予想106.6 前回107.3)→ 予想より弱く、GBPの下落の影響もあり、EUR売りが強まる。

最近は豪ドル弱気な材料が多数。

最近は豪ドル弱気な材料が多数。

これでも、AUDUSDが0.92台を底値に維持できれば、驚き!
市場参加者の評価も変わる変わる可能性が高まる。


5/21 豪消費者信頼感指数は記録的に弱い。

5/20 豪中銀議事録は、輸出の伸びの鈍化、鉱業投資の落ち込み、財政再建計画で、今後の数四半期はトレンドを下回る成長が続く可能性が高い。

5/20 デベル豪中銀総裁候補は、豪ドルが一段と軟化する可能性を指摘。

5/19 S&Pは、豪州の格下げリスクを指摘。

5/19  豪アボット政権は、財政赤字が600億ドルへ拡大、持続不可能で緊縮財政を積極的に行う可能性が高まる。

5/13 豪政府は、2014年/2015年度の予算案で、財政赤字を大幅に削減へ。

5/09 豪中銀四半期金融政策報告は、豪中銀、四半期の金融政策報告は、豪ドルは依然として高水準で、交易条件の悪化に下落する可能性がある。

今日のポイントと戦略(2014年5月23日)

今日のポイントと戦略 (2014年5月23日)


USDJPYは、101円割れまで続落、主要国通貨の下落により円クロスの買い戻しが、大きな要因を占めている。下落をリードしたEURとAUDはなんとか下げ止まり、円買いも弱まった。テクニカルでは200日SMA=101.60円を上回るとやや安心感が広まりが、102.40円超えてこないと不安は払しょくできない。今後のUSDJPY相場は円クロスが主導。

EURUSDは、6月5日のECB理事会はでは、本格的なEURの上昇は難しい可能性も残る。昨日は200日SMA=1.3667を割り込んだが、なんとか値を戻しているも、1.37台を回復できず、EURGBPの下落は止まらず、底値は見えず。EURUSDは上値1.3750~80が変化のポイント。


AUDUSDは、久しぶりの反発。200日SMA=0.9209を死守。どこまで戻ることができるのか? 0.9280~00を超えるとやや強気ムードが高まるのだが?




5月23日(金曜)昨日、海外市場の動き

5月23日(金曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎HSBC製造業PMI・速報値は予想外に改善し、AUD買いが強まる。
◎日経平均株価は大幅上昇、一時300円超の上昇で円売りの材料となる。
◎タイでクーデターが発生。
◎ユーロ圏総合PMIは前月より小幅低下するも、予想通りでEURは動けず。
◎英第1四半期GDP・改定値は、速報値・予想と変わらず、上昇期待もあり、直後はGBP売りが強まる。
◎米新規失業保険申請件数は予想外に悪く、ドル買いも弱まる。
◎カナダくり売上高は予想外に弱い結果となったが、直後の売りから変化し、カナダドル買いは続く。
◎米NAR中古住宅販売件数は弱く、予想と前回を下回る。
◎米CB景気先行指数は、予想をやや上回る。

一日を終わって見れば、ドルの強さが目立った。円買い圧力が弱まるが、USDJPYの上昇力はまだ弱く、ユーロ売りの流れは変わらず、ポンドは利食いの売りに弱く、豪ドル売りの流れは変わらず、NZドルも弱く、例外はカナダドルで堅調に推移。

アジア市場は、中国HSBC製造業PMIが予想外に強く、豪ドルは全面高。AUDUSDは0.9220→0.9270台まで上昇、AUDJPYの買いの影響にUSDJPYも上昇。日本株高の影響に、USDJPYは101.70円台まで続伸。EURUSDは売りの流れは止まらず、1.3650台まで続伸。

欧州市場は、英GDPは前回と変わらず予想通りの結果にも、強気な数字を期待していた反動と、EURGBPのショートカバーに、GBPUSDは1.6910→1.6860台まで下落し、ポンドは全面安。EURUSDは、ユーロ圏のPMIは強弱が混在し上下する中、EURGBPの影響を受け1.3650→1.3680台へ上昇したが、1.37台を回復できず再び1.3650台へ下落。USDJPYは主テーマとならず、101.50~65円のレンジで動けず。AUDUSDは買いの流れを維持できず、0.9230近くまで続落し弱さが目立った。

米国市場は、予想外に弱い米新規失業保険申請件数に、ようやくドル買いの流れは弱まったが、ドル買いのセンチメントは変わらず。USDJPYはロンドンフィキシングでアジア市場の高値を更新し101.80円台まで上昇。EURUSDは1.3650台を割り込み上値の重い展開が続き、GBPUSDも1.6850台まで下落、AUDUSDは0.9220を割り込み弱く、前日の終値を下回る。


***** 発言・その他 *****

◎中国国務院発展研究センター(DRC)・マクロ経済研究部の幹部=GDP成長率は今後2~3年で約5.0%まで鈍化する可能性がある。
◎ユーロ圏の過剰流動性が1000億ユーロ台に低下。過剰流動性=(翌日物預金+当座預金残高)-(法定準備金額+緊急借入額)
◎トリシェ前ECB総裁=低インフレで、ユーロが押し上げられ物価安定への問題が増幅されやすい現状にあり、金利引き上げのシグナルを送るのは妥当で、マイナスの預金金利も含まれる。
◎フィッチ=ギリシャの格付けを「B-」→「B」に引き上げ、見通しは安定的。
◎日銀5月の金融経済月報=景気の現状は基本的に穏やかに回復を続けていると、4月と変わらず。設備投資の判断を引き上げ、国内企業物価の判断を引き下げた。
◎タイでクーデター宣言=タイのプラユット陸軍総司令官は、政府機能の全権を軍が掌握したと発表
◎ウィリアムズSF連銀総裁=FRBの政策はやっと正常化の道筋に。 2014・15年の成長は3.0%を予想。 失業率は2016年に5.25~5.5%へ低下の見通し。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

10:45 CHN 5月 HSBC製造業PMI・速報値=49.7(予想48.1 前回48.1)→ 5月来の高水準で、予想外の改善に中国経済が安定する見方が広がり、AUD買いが強まる
11:00 NZD 第2四半期 NZ中銀インフレ期待=2.4%(予想 前回2.3%)
16:00 FRN 5月 総合PMI・速報値=49.3(予想 前回50.6)、製造業PMI・速報値=49.3(予想51.0 前回51.2)、サービス業PMI・速報値=49.2(予想50.2 前回50.4)→ 予想を下回り弱く、一時EUR売りが強まる。
16:30 GER 5月 総合PMI・速報値=56.1(予想 前回56.1)、製造業PMI・速報値=52.9(予想54.0 前回54.1)、サービス業PMI・速報値=56.4(予想54.5 前回54.7)→ 総合は変わらず、製造業は弱く、サービス業は強い。
17:00 EUR 5月 総合PMI・速報値=53.9(予想53.9  前回54.0)、製造業PMI・速報値=52.5(予想53.2 前回53.4)、サービス業PMI・速報値=53.5(予想53.0 前回53.1)→ 前月より小幅低下するも、予想通りでEURは動けず
17:30 GBP 第1四半期GDP・改定値=前期比0.8%(予想0.8% 前回0.8%)、前年比3.1%(予想3.1% 前回3.1%)→ 予想通りで高水準を維持、直後GBPUSDは1.6910→1.6860まで急落。
21:30 USD 新規失業保険申請件数=32.6万件(予想31.0万件 前回29.8←29.7万件)→ 予想外に悪く増加へ
21:30 USD 4月 シカゴ全米活動指数=-0.32(予想 前回0.34←0.2)
21:30 CAD 3月 小売売上高=前月比-0.1%(予想0.3% 前回0.7←0.5%)、除く自動車=前月比0.1%(予想0.3% 前回0.9←0.6%)→予想を下回る
22:45 USD 5月 製造業PMI・速報値=56.2(予想55.5 前回55.4)→ 予想を上回る
23:00 USD 4月 NAR中古住宅販売件数=465万戸(予想468万戸 前回459万戸)、前月比1.3%(予想2.1% 前回-0.2%)→ 予想を下回る
23:00 USD 4月 CB景気先行指数=前月比0.4%(予想0.3% 前回1.0←0.8%)→ 予想をやや上回る


***** 今日の、主な経済指標・その他 *****

15:00 GER 第1四半期 GDP・確報値=前期比予想0.8% 前回0.8%、前年比予想2.3% 前回2.3%
17:00 GER 5月 IFO景気動向指数: 業況指数(総合)=予想110.9 前回111.2、現況指数=予想115.5 前回115.3、期待指数=予想106.6 前回107.3
21:30 CAD 4月 消費者物価指数=前月比予想0.3% 前回0.6%、前年比予想2.0% 前回1.5%、コア前月比予想0.2% 前回0.3%、コア前年比予想1.4% 前回1.3%
23:00 USD 4月 新築住宅販売件数=予想42.5万件 前回38.4万件、前月比予想11.3% 前回-14.5%

2014年5月22日木曜日

5月22日(水曜)昨日、海外市場の動き

5月22日(木曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎日本4月の貿易収支は、赤字額は予想を上回るが、前年同期の赤字幅は20ヵ月ぶりに縮小。
◎豪ウエストパック消費者信頼感指数は、予想外に悪く2011年8月以来の低水準で、今後12カ月の見通しも-14.2%と非常に弱い→ 一時AUD売りが強まる。
◎日銀金融政策決定会合は、現行政策の維持を決定。設備投資は企業収益の改善で穏やかに拡大、異次元緩和の初期効果が発揮され「5年近く続いたデフレの文言」を削除。
◎黒田日銀総裁の記者会見=異次元緩和が初期の効果を発揮→ 早急は追加緩和の可能性が弱まり、円買いが強まる。
◎BOE金融政策委員会の議事録では、利上げに前向きな議論が強まるが、全員一致で政策の維持を決定→ ポンド買いが強まる。
◎英小売売上高は、予想外に強く、ポンド買いが強まる。
◎ユーロ圏消費者信頼感指数は、予想外にマイナス幅が縮小し、6年半ぶりの高水準。
◎FOMC議事録の発表直後は、売り買いが交錯後、ドル売りへと変化。将来の利上げに備えた議論が始まったが、予備的な議論だけで具体的な決定はなく、刺激策の継続にも、大幅なインフレリスクはないと、強弱が混在。
◎バイトマン独連銀総裁は、現時点で行動する必要があるかは不透明。

弱いユーロ、豪ドル、NZドル、カナダドルと、強いポンドと、二極化が進み、円は円高傾向が続くが、円クロスの影響が強く影響。しかし、この流れも、FOMC議事録の発表後から変化し、円を除き、ドル売りが強まり主要国通貨は上昇、AUDUSD、NZDUSDは前日の終値を上回る。

アジア市場は、日本の貿易赤字が拡大したが、円売りは見られず、日銀の金融政策決定会合は予想通りながら、異次元緩和の初期効果が発揮され「5年近く続いたデフレの文言」を削除。黒田日銀総裁の記者会見で「異次元緩和が初期の効果を発揮」との発言に、早急は追加緩和の可能性が弱まり、USDJPYは101円を割り込み売りが加速。豪ウエストパック消費者信頼感指数は、予想外に悪く2011年8月以来の低水準、今後12カ月の見通しも-14.2%と非常に悪く、AUDUSDは一時0.9210台まで下落。

欧州市場は、BOE議事録の発表前からポンド買いが強まり、強い英小売売上高にポンドは全面高、GBPUSDは1.6920まで上昇。EURGBPは0.8100を割り込み急落し、EURUSDは前日安値の1.3680を割り込み続落。USDJPYは、100.80台をボトムに、実需の買いとGBPJPYの買いも加わり101.10円を超えると101.30台まで急伸。AUDUSDの戻りは限定的で続落傾向は止まず。

米国市場は、注目のFOMC議事録は、将来の利上げに備えた議論が始まったが、予備的な議論だけで具体的な決定はなく、刺激策の継続にも、大幅なインフレリスクはないと、強弱が混在し、直後のドルは売り買いが交錯したが、結果はドル売りへと変化。EUR、AUD、NZD、CADと続落していた通貨は下げ止まり、買い戻しへと変化。GBPUSDは再び上昇へ、USDJPYは直後に一時101.60台へ上昇、101.50円を挟み大枠101.35~60円のレンジで推移。EURUSDはユーロ圏消費者信頼感指数が予想外に強く、FOMC議事録の発表前にして1.3650近辺でようやく下げ止まり、議事録の発表直後は1.3630台まで下落するも、直ぐに値を戻し1.3680台へ上昇。


***** 発言・その他 *****

◎日銀金融政策決定会合=現行の政策の据え置きを決定、量的・質的緩和を着実に推進。設備投資は企業収益の改善で穏やかに拡大へ。異次元緩和の初期効果が発揮され「5年近く続いたデフレの文言」を削除
◎黒田日銀総裁の記者会見=物価は暫く1.0%前半で、年度後半から上昇へ。円高になる理由はない。4~6月期成長は駆け込み需要の反動でマイナスを予想。
◎黒田日銀総裁の記者会見= 「5年近く続いたデフレの文言」を削除の説明で、異次元緩和が初期の効果を発揮しており、こうした認識を踏まえたものと発言→ 早急は追加緩和の可能性が弱まり、円ショートカバーに、円買いが強まる。
◎黒田日銀総裁の記者会見= 中期的な成長を高めるには3つの要素が重要。1.企業における前向きな投資を促す、2.女性や高齢者などの労働参加を高め、高度な外国人材の活用で労働の供給力を高めていく、3.規制・制度改革を通じて生産性自体を向上させていく.
◎BOE金融政策委員会の議事録=9対0の全員一致で金利据え置きと資産買入枠の据え置きを決定。フォワードガイダンスが新たな局面に入ってからの初の開催。意見は分かれ、一部メンバーは政策決定がより均衡のとれてきた。利上げ開始の前にたるみ縮小の兆候がもっと必要という点で全員が一致した
◎ロイター調査=米2014年GDP見通し2.7%→2.5%に下方修正、利上げは2015年第3四半期。
◎FOMC議事録の発表直後は、売り買いが交錯したが、ドル売りへと変化。
◎FOMC議事録=超緩和的な金融政策からの将来の撤退や、その政策手段についての具体的な議論が始まったが、現段階は将来に備えた議論。最終的な決定はなく、必ずしも正常化が直ぐに始まることではない。
◎FOMC議事録=経済見通しは3月会合から大きく変わらず。経済が持続的な成長軌道に戻ったとの判断は時期尚早。
◎FOMC議事録=失業率低下に刺激策を継続しても、インフレ率が大幅上昇するリスクはないと認識。
◎コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁=インフレが2%に戻るには恐らく4年くらいの期間がかかる。
◎仏政府報道官(ECBにユーロ高是正を要請している)=ユーロが安定しつつあり、ECB総裁のユーロの水準を踏まえた発言といった頼もしい展開がある。
◎バイトマン独連銀総裁(南ドイツ新聞)=行動が必要なら金利引き下げの手段を検討するが、現時点で行動する必要があるかは不透明。ECBの緩和的な金融政策スタンスは景気支援に適切だが、リスクや副次的な影響を伴うことに留意が必要。現時点での討議は主要政策金利であるリファイナンス金利よりむしろ中銀預金金利に主眼が置かれている。
◎バイトマン独連銀総裁(南ドイツ新聞)=ユーロ相場を低下させることを目的とした為替目標設定は支持しない。ECBによる国債買い入れは、中銀の政府へのファイナンシング禁止に当たる。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

JPY 日銀金融政策決定会合
JPY 黒田日銀総裁の記者会見 
8:50 JPY 4月 通関ベース貿易収支=-8089(予想-6463億円、前回-1兆4,460億円)、季調済=-8,446億円(予想-6330億円、前回-1兆6268億円←-1兆7,142億円)→ 赤字額は予想を上回るが、前年同期の赤字幅は20ヵ月ぶりに縮小
9:30 AUD 5月 ウエストパック消費者信頼感指数=92.9(予想 前回99.7)、前月比-6.8(前回0.3%)、前年比-4.8%→ 予想外に悪く2011年8月以来の低水準、今後12カ月の見通しも-14.2%と非常に悪い
17:00 EUR 3月 経常収支=季調済188億ユーロ(予想230億ユーロ 前回218←219億ユーロ)、季調前=209億ユーロ(予想200億ユーロ 前回139←139億ユーロ)
17:30 GBP BOE金融政策委員会の議事録公表=政策金利の据え置きと、資産買入枠の据え置きを、9対0で決定、予想通り
17:30 GBP 4月 小売売上高(含自動車)=前月比1.3%(予想0.5% 前回0.5←0.1%)、前年比(含自動車)=6.9%(予想5.1% 前回4.8←4.2%)→ 予想外に強い伸び率に、ポンド買いが強まる
23:00 EUR 5月 消費者信頼感指数・速報値=-7.1(予想-8.2 前回-8.6)→ マイナス幅は縮小し、6年半ぶりの高水準
3:00 USD FOMC議事録公表(4月29日・30日分)


***** 今日の、主な経済指標・その他 *****

10:45 CHN 5月 HSBC製造業PMI・速報値=予想48.1 前回48.1
11:00 NZD 第2四半期 NZ中銀インフレ期待=予想 前回2.3%
16:00 FRN 5月 総合PMI・速報値=予想 前回50.6、製造業PMI・速報値=予想51.0 前回51.2、サービス業PMI・速報値=予想50.2 前回50.4
16:30 GER 5月 総合PMI・速報値=予想 前回56.1、製造業PMI・速報値=予想54.0 前回54.1、サービス業PMI・速報値=予想54.5 前回54.7
17:00 EUR 5月 総合PMI・速報値=予想53.9  前回54.0、製造業PMI・速報値=予想53.2 前回53.4、サービス業PMI・速報値=予想53.0 前回53.1
17:30 GBP 第1四半期GDP・改定値=前期比予想0.8% 前回0.8%、前年比予想3.1% 前回3.1%
17:30 GBP 4月 BBA住宅ローン承認件数=予想 前回45900件
21:30 USD 新規失業保険申請件数=予想31.0万件 前回29.7万件
21:30 USD 4月 シカゴ全米活動指数=予想 前回0.2
21:30 CAD 3月 小売売上高=前月比予想0.3% 前回0.5%、除く自動車=前月比予想0.4% 前回0.6%
22:45 USD 5月 製造業PMI・速報値=予想55.5 前回55.4
23:00 USD 4月 中古住宅販売件数=予想468万件 前回459万件、前月比予想2.1% 前回-0.2%
23:00 USD 4月 景気先行指数=前月比予想0.3% 前回0.8%


2014年5月21日水曜日

5月21日(水曜)昨日、海外市場の動き

5月21日(水曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎豪ドルは前日の、緊縮財政によるデベル政権の支持率低下と、格付けを見直しのリスクに下落は止まらず。
◎豪中銀議事録は、政策金利が今後も据え置かれることを示唆。
◎デベル豪中銀総裁候補は、豪ドルが一段と軟化する可能性を指摘。
◎鉄鉱石の価格下落が、豪ドル売りの材料にされる。
◎中国商務省高官は、中国貿易の高成長期は終わった→ 豪ドルへの影響を懸念。
◎英消費者物価は予想外に強くポンドは上昇
◎英財務省の声明で、住宅市場へ警戒と中銀の行動を支持し、ポンドは下落。
◎ロシア軍はウクライナ国境から撤退中、ウクライナは未確認。
◎欧州議会選挙は、中道右派がリード拡大の見通し。
◎ダドリーNY連銀総裁は、量的緩和の縮小から利上げまでかなりの時間が必要。
◎プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁は、インフレ対応に、予想より早い時期の利上げが必要。

USDJPYは101.10~20円をボトムにしながらも、戻りは鈍く円買いの流れは続く。EURUSDは1.3700台をクリアに回復できず、弱さが目立つ。GBPUSDは上下しながらも底値を気利上げ、強さが目立つ。AUDUSDの続落傾向は止まらず、0.9200台の維持が重要。

アジア市場は、USDJPYは下値を試すことなく、ついに101.50円を上抜け一時101.60円まで上昇したが続かず。EURUSDは1.3710を中心に上下5ポイントの極狭いレンジで、主要通貨は狭い値動きとなった。AUDは前日に「緊縮財政によるデベル政権の支持率低下と、格付けの見直しリスク」に続き、売り材料が続出、豪ドルの下落と、NZドルの連れ安が続いた。

欧州市場は、予想を上回る英消費者物価指数に1.6820を超え1.6860台まで上昇したが、英財務省の声明で、住宅市場へ警戒と中銀の行動を支持し、一時1.6820割れまで下落。EURUSDは1.37台を維持できず1.3670台まで下落後、1.37台を復活。USDJPYは101.20円台まで続落、AUDUSDとNZDUSDも続落の流れが続いた。

米国市場に入っても、AUDUSDとNZDUSDの続落傾向は止まらず、戻りも限定的。プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁の」早期利上げ観測」にも大きな反応はなく、USDJPYは101.20円割れでようやく下げ止まり、EURUSDは1.3690~05のレンジで動きが止まり、GBPUSDは1.6820~50で推移。


***** 発言・その他 *****

◎デベル豪中銀総裁候補=海外からの豪国債購入はそれほど増えず、資本流入の減少に、豪ドルが一段と軟化する可能性がある。ただし、日本から豪債への需要が拡大し始めている。
◎豪中銀議事録=輸出の伸びの鈍化、鉱業投資の落ち込み、財政再建計画で、今後の数四半期はトレンドを下回る成長が続く可能性が高い。政策金利が引き続き過去最低水準に据え置かれることを示唆。
◎豪中銀議事録=消費はやや強まり、企業景況感も平均的な水準。景気回復ペースは緩やかなペースに留まり、労働市場に余裕があり、国内コストの伸びは抑制。
◎鉄鉱石価格の下落が、豪ドル安の材料の一つにされる。
◎中国商務省高官=中国貿易の高成長期は終わった。
◎欧州議会選挙(5月22~25日)=中道右派政党がリード拡大の見通し(定員751議席中、217議席を予想)。
◎リーカネン・フィンランド中銀総裁=デフレリスクが高まったら、資産購入など多様な措置実施可能がある。
◎英財務省の声明=英住宅市場には警戒が必要で、中銀は必要に応じて行動することを躊躇すべきでない→ GBP売りへと変化。
◎ビーンBOE副総裁=出口戦略は容易ではない。金融安定を脅かすリスクは低い。最終的な利上げは緩やかで限定的になる可能性。
◎IMF=ドイツに成長の底上げとユーロ圏経済の支援で、国内インフレ投資の拡大を提言。
◎タイ軍(AP通信)=戒厳令を発令、平和と秩序の回復が目的でクーデターではない。事実は不明。
◎ウクライナ国営TV=ロシア軍はウクライナ国境から撤退中
◎ロシア外務省高官=5月25日のウクライナ大統領選は、政府と親ロシアの対立に分裂を深める可能◎米国は米企業にハッカー攻撃をし、米企業の秘密を盗んだとして中国軍関係者5名を訴追、中国外務省はこれを否定し抗議。
U◎米当局者=米国は緊迫化するリビア付近の拠点に海兵隊を移動、米大使館からの非難に利用の可能性。
◎ダドリーNY連銀総裁=FRBの政策手段にリバースレポを支持。年内のインフレは上昇する見通し。2014年・15年のGDP予測は3.0%。量的緩和の縮小から利上げまでかなりの時間が必要。
◎ダドリーNY連銀総裁=利上げの時期は誰にもわからない。経済には非常に失望。雇用環境はひっ迫し、インフレを押し上げている。経済に歪みは見られず。
◎プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=インフレ対応が後手にならないように、予想より早い時期の利上げが必要。2014年の成長率は3.0%達成する見通し。2014年の失業率見通し6.2%は悲観的すぎ、年末までに6.0%を割り込む。
◎プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=企業を取り巻く不透明感や住宅バブル崩壊による消費者への深刻な打撃が、米景気の回復ペースを鈍化させている。利上げは経済活動に関係し、スケジュールは決まっていない。企業や消費者は投資に躊躇い。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

10:30 AUD 豪中銀議事録の公表
13:30 JPY 3月 全産業活動指数=前月比1.5%(予想1.6% 前回-1.1%)
15:00 GER 4月 生産者物価指数=前月比-0.1%(予想0.0% 前回-0.3%)、前年比-0.9%(予想-0.8% 前回-0.9%)→ 予想を下回る
17:30 GBP 4月 DCLG住宅価格=前年比8.0%(予想10.7% 前回9.1%)→ 予想を下回る
17:30 GBP 4月 消費者物価指数=前月比0.4%(予想0.3% 前回0.2%)、前年比1.8%(予想1.7% 前回1.6%)、コア前月比0.5%(予想 前回0.2%)、コア前年比2.0%(予想1.8% 前回1.6%)、小売物価指数(RPI)=前月比0.4%(予想0.5% 前回0.2%)、前年比2.5%(予想2.6% 前回2.5%)、実勢インフレ率(RPIX)=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.3%)、前年比2.6%(予想2.7% 前回2.5%)→ 予想と前回を上回り一時ポンド買いが強まる
17:30 GBP 4月 生産者物価指数: 出荷=前月比0.0%(予想0.1% 前回0.2%)、前年比0.6%(予想0.7% 前回0.5%)、コア前月比0.0%((予想0.1% 前回0.2←0.1%)、コア前年比1.0%(予想1.0% 前回1.1←1.0%)、仕入=前月比-1.1%(予想-0.2% 前回-0.4←-0.6%)、前年比-5.5%(予想-4.9% 前回-6.3←-6.5%)
17:30 GBP 4月 ONS住宅価格=前年比8.0%(予想10.7 前回9.1%)
21:30 CAD 3月 卸売売上高=前月比-0.4%(予想0.4% 前回1.1%)→ 予想外のマイナス


***** 今日の、主な経済指標・その他 *****


8:50 JPY 4月 通関ベース貿易収支=予想-6463億円、前回-1兆4,460億円、季調済=-6330億円、前回-1兆7,142億円
9:30 AUD 5月 ウエストパック消費者信頼感指数=予想 前回99.7、予想 前回0.3%
未定 JPY 日銀金融政策決定会合
未定 JPY 黒田日銀総裁の記者会見 
17:00 EUR 3月 経常収支=季調済予想230億ユーロ 前回219億ユーロ、季調前=予想200億ユーロ 前回139億ユーロ
17:30 GBP BOE金融政策委員会の議事録公表=政策金利の据え置きと、資産買入枠の据え置きを、9対0で決定を予想
17:30 GBP 4月 小売売上高(含自動車)=前月比予想0.5% 前回0.1%、前年比(含自動車)予想5.3% 前回4.2%
23:00 EUR 5月 消費者信頼感指数・速報値=予想-8.2 前回-8.6
23:00 USD イエレンFRB議長の講演
23:00 USD ダドリーNY連銀総裁の講演
1:50 USD ジョージ・カンザスシティ連銀総裁の講演
2:30 USD コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁の講演
3:00 USD FOMC議事録公表(4月29日・30日分)

2014年5月20日火曜日

5月20日(火曜)昨日、海外市場の動き

5月20日(火曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎日経平均株価は一時14,000円の大台を割り込む。
◎日本政府関係者、GPIFは今年秋までのポートフォリオの見直しで、検討作業班を設置。
◎GPIFのポートフォリオ見直しで検討作業班を設置へ→ 円売りは極めて限定的で、逆に円高へ。
◎バイトマン独連銀総裁は、ユーロ安を誘導することは反動を伴う可能性がある。
◎豪アボット政権の支持率低下、S&Pは大幅な歳出削減がなければ、AAA格付けを見直すリスクを示唆。
◎ギリシャ社会主義運動(PASOK)支持率急落、5月18日のギリシャ統一地方選でどの政党も決定的な勝利を得ず。
◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁は、ユーロ圏は低インフレの長期化に直面。
◎メルシュECB専務理事は、次回の理事会で、行動を起こす可能性非常に高まった。
◎ウィリアムズ・SF連銀総裁は、債券買い入れを年内に終了、利上げは来年と予想。
◎米金利が上昇、ウクライナ情勢の不透明感継続と、ベトナムの反中国でもの拡大。

週明けのアジア市場は、弱い日本株に円高傾向が続き、GPIFのポートフォリオ見直し検討の作業部会設置との報道にも、円売りは極めて限定的で、クロスでも円は全面高。AUDUSDは財政赤字の拡大に、豪アボット政権の支持率が低下し上値は重い。

欧州市場に入っても、円高の流れは変わらず101.30円の底値をブレークすると、101.10円まで円買いが加速。ギリシャ政府の支持率低下がユーロ売り材料になったが、バイトマン独連銀総裁の「ユーロ安を誘導することは反動を伴う可能性がある」との発言に、EURUSDは1.3720台まで上昇。GBPUSDとAUDUDは共に上値は重かった。

米国市場に入り、AUDUSDはアボット政権の支持率低下に加え、S&Pの豪トリプルA格付けの見直しリスクの可能性に、0.9320台まで下落。USDJPYは101.10円を底値に実需ベースの買いが厚く、米金利が上昇、円売りの材料にされる。ロンドンフィキシング後からドル買いへと変化し、終盤にかけ101.50円台まで値を戻す。EURUSDは、ギリシャPASOKの支持率急落、ノボトニー・オーストリア中銀の「ユーロ圏は低インフレの長期間に直面」、メルシュECB専務理事の「次回の理事会で、行動を起こす可能性非常に高まった」との発言のEUR売りに対しても1.3700の大台を維持。


***** 発言・その他 *****

◎豪アボット政権の支持率低下=13日の政府予算案で、4年間で財政赤字が600億ドルへ拡大に、持続不可能との声が強まり、支持率が低下。
◎S&P=豪州は数年間で大幅な歳出削減がなければ、AAA格付けを見直すリスクがある。
◎バイトマン独連銀総裁=ユーロ相場に目標を設定することは物価安定に支障をきたし、ユーロ安を誘導することは反動を伴う可能性がある→ 直後はEURUSDの買いが強まるが限定的。
◎バイトマン独連銀総裁=ECBは為替相場の目標を設定していないが、為替は物価動向に影響を与える。低インフレが当面続く可能性が高く、為替レートの動向を一段と注視。
◎バイトマン独連銀総裁=投資家によるユーロ圏国債の買いが為替上昇の圧力との見方は、金利低下による刺激効果を勘案しておらず一方的。
◎バイトマン独連銀総裁=フランス政府はECBにユールの押し下げを求めているが、ユーロ圏の成長と雇用の強化で、各国は競合的な経済構造を打ち出す必要がある。
◎ギリシャ社会主義運動(PASOK)支持率急落=5月18日のギリシャ統一地方選でどの政党も決定的な勝利を得ず。急進左派連合(SYRIZA)が勝利を収めれば、連立与党政権の維持が難しくなる。
◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁=ユーロ圏は低インフレの長期化に直面。マイナス金利の有効性を検討中。為替レートはターゲットではないが物価に影響する。
◎メルシュECB専務理事=次回の理事会で、行動を起こす可能性非常に高まった。ECB理事会は、低インフレの長期化に対処するため標準・非標準的措置導入する用意があることで一致へ→ 一時EUR売りが強まる。
G◎ドイツ─ロシア外国貿易協議会=対ロ経済制裁はドイツ景気に大打撃となる可能性。
◎日経平均株価は小幅下落し、一時14,000の大台を割り込む。
◎日本政府関係者=年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は今年秋までのポートフォリオの見直しを想定し、運用委員会の下に検討作業班を設置→ 円売りの期待が強まるがUSDJPYの買いは限定的。
◎プーチン・ロシア大統領=ウクライナ国境付近での軍事演習からの撤退を指示。NATO関係筋は確認できず。
◎ウクライナ東部での衝突、ベトナムの反中国デモの拡大、リスク回避の動きが一時強まる。
◎ウィリアムズ・SF連銀総裁=債券買い入れプログラムは年内に終了し、利上げ開始時期を真剣に検討しており、来年になると予想。リバースレポは有効で政策手段に含める必要がある。
◎米債利回りが上昇、円売りの材料になる


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

CAD カナダ休日(ビクトリアの日)
7:45 NZD 第1四半期 生産者物価指数: 出荷=前期比0.9%(予想0.7% 前回-0.4%)、仕入=前期比1.0%(予想0.4% 前回-0.7%)→ 予想を上回る
8:01 GBP 5月 ライトムーブ住宅価格=前月比3.6%(予想 前回2.6%)、前年比8.9%(予想 前回7.3%)→ 前回を上回る
18:00 EUR 3月 建設支出=前月比-0.6%(予想 前回0.1%)、前年比5.2%(予想 前回6.7%)


***** 今日の、主な経済指標・その他 *****


10:30 AUD 豪中銀議事録の公表
11:30 AUD デベル豪中銀総裁候補の講演
13:30 JPY 3月 全産業活動指数=前月比予想1.6% 前回-1.1%
15:00 GER 4月 生産者物価指数=前月比予想0.0% 前回-0.3%、前年比予想-0.8% 前回-0.9%
15:30 GBP カーニーBOE総裁、ジョルダン・スイス中銀総裁の講演
17:30 GBP 4月 消費者物価指数=前月比予想0.5% 前回0.2%、前年比予想1.7% 前回1.6%、コア前月比予想 前回0.2%、コア前年比予想1.8% 前回1.6%、小売物価指数(RPI)=前月比予想0.5% 前回0.2%、前年比予想2.6% 前回2.5%、実勢インフレ率(RPIX)=前月比予想 前回0.3%、前年比予想 前回2.5%
17:30 GBP 4月 生産者物価指数: 出荷=前月比予想0.2% 前回0.2%、前年比予想0.7% 前回0.5%、コア前月比予想0.1% 前回0.1%、コア前年比予想1.0% 前回1.0%、仕入=前月比予想0.0% 前回-0.6%、前年比予想-4.8% 前回-6.5%、コア前月比予想 前回-0.5%、コア前年比予想 前回-5.8%
17:30 GBP 4月 ONS住宅価格=前年比予想 前回9.1%
21:30 CAD 3月 卸売売上高=前月比予想0.4% 前回1.1%
23:30 EUR リンデ・スペイン中銀総裁の講演
23:30 EUR リッカネンECB専務理事の講演
1:00 EUR ノボトニー・オーストリア中銀総裁の講演
1:30 USD プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁の講演
2:00 USD ダドリーNY連銀総裁の講演

2014年5月19日月曜日

今週のユーロドル相場を予測すると(5月19日の週)

今週のユーロドル相場を予測すると(5月19日の週)

今週のユーロドル(200日単純移動平均線1.3663円)
ユーロ圏のCPIの前年比は0.7%と伸び率は鈍く、成長率は鈍化し、ECBは次回の理事会で追加緩和の可能性がEURの売りを誘い、実需の買いを飲み込みながらEURUSDは1.37台を割り込み、2週間連続して下落した。

先週15日に下髭が長くでた後、1.37台を回復して底打ち感が強まったが、16日の終値は逆に1.37を割り込み、2月27日来の水準まで下落。今後は、5月15日の安値1.3648、2月27日の安値1.3630が重要なポイントになる。この水準を割り込むまではユーロの大幅安は期待せず。



2014年5月18日日曜日

USDJPY 日足のローソク足だけで今週を予測すると?(5月19日の週)

USDJPY 日足のローソク足だけで今週を予測すると?(5月19日の週)

経済指標や発言で相場が動くことが多い。特に重要はものであればなおさらのこと。ただ、それだけで相場を予測することは難しことも事実。

そんな状況を踏まえ、シンプルに相場を考えることにして、ローソク足の日足だけで、今週の為替相場の予想してみたい。


USDJPY、3月19日以来、終値ベースでは101.50円をボトムとした相場が続いた。先週末の終値は101.489で、まさにオン・ザ・ライン! 重要なポイントにあることは間違いない。(蛇足ながら、200DaysSMA=101.51)、

終値ベースで101円台を維持しているのは、実に2013年11月21日以来で、2月3日(安値100.77)、4日(安値100.75)、5日(安値100.80)と3日連続で下髭で101円台を割り込みながらも、終値では101円台を維持していた。

先週の安値14日=101.314、15日=101.362と2日間下値をトライし、一応は101.50円近くまで値を戻しながらも、高値は102.117→101.671と切り下がり、蛇足ながら週足で4週連続で下落している。

どちらも達成できず、101.30~101.80円の低水準で持ち合い状態が続くこともあり得るが、このことから、円高傾向が直ぐに終了するとは思われず、週初にもう一度101.30台を試し、その後の反応を見極め、101円を割り込んで終了するようなが、強気な円高相場。102円台を回復するよなら、101.50~103.00円のレンジ相場復活と、いずれになるのかを判断したい。


今週の経済指標・発言の注目点(5月19日~5月23日)


今週の経済指標・発言の注目点(5月19日~5月23日)

今週は先週の嵐のように続いた、重要な経済指標の発表は影をひそめ、最重要なイベントは21日のFOMC議事録に限定されている。

ドル円
円相場は、官民挙げての物価引き上げ政策に、日本のCPIは2.0%達成への実現性を強め、経常赤字・貿易赤字は増加傾向を続けながらも、円売りの流れは弱く、逆にEURJPY、GBPJPYの売りに円高圧力が続いていた。

今週のUSDJPYは、ウクライナ情勢を危惧した安全資産の円買いは、VIX指数の続落・安定していることで考えにくい。円高を先導している、EURUSDとGBPUSDの相場が下げ止まれば、円売り圧力は弱まり、結果として、USDJPY相場も101円台をボトムにして下げ止まることになるが?

円相場に影響が大きい経済指標は少ないが、21日の日銀金融政策決定会合、黒田日銀総裁の記者会見と、貿易収支は注目したい。 発言では、19日にウイリアムズSF連銀総裁、20日にロッサー・フィラデルフィア連銀総裁、ダドリーNY連銀総裁、21日にイエレンFRB議長、ダドリーNY連銀総裁、ジョージ・カンザスシティ連銀総裁、コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁が控えている。

ユーロドル
ユーロ圏のCPIの前年比は0.7%と伸び率は鈍く、成長率は鈍化し、ECBは次回の理事会で追加緩和の可能性がEURの売りを誘い、実需の買いを飲み込みながらEURUSDは1.37台を割り込み、2週間連続して下落した。
ユーロ相場に影響が大きい、22日のユーロ圏総合・製造業・サービス業PMI、23日の独第1四半期GDP・確報値と、IFO景気動向指数は注目度が高い。発言の予定は多く、19日にバイトマン独連銀総裁、メルシェECB専務理事、クーレECB専務理事、20日にリンデ・スペイン中銀総裁、リッカネンECB専務理事、ノボトニー・オーストリア中銀総裁の講演が控えている。

ポンドドル
BOEの早期利上げ観測は後退し、GBPの買いは弱まった流れが、GBPUSDは1.68を割り込みながらも、週終値では1.68台を維持したことで、継続的なポンド売り相場となってはいない。
ポンド相場に影響が大きい、20日の英消費者物価指数、21日のBOE金融政策委員会の議事録、小売売上高、22日の英第1四半期GDP・改定値は注目度が高い。発言では、20日にカーニーBOE総裁を注目。

豪ドル・NZドル
AUDUSDは、0.94台を回復できずに伸び悩みながらも、主要国通貨が続落するなかで、クロスではAUD高が進み、0.93台を確りと維持している。NZDUSDは、前週の大幅下落も弱まり、先週は小幅上昇して終わり堅調地合いが続いている。豪ドル相場に影響が大きい、20日の豪中銀議事録の公表や、22日の中国のHSBC製造業PMI、NZドル相場に影響が大きい、22日のNZ中銀インフレ期待も注目度が高い。発言では20日にデベル豪中銀総裁候補
の講演を注目したい。

カナダドル
USDCADは、1.09台を高値に、1.08~1.09のレンジで安定推移、ドル買いの圧力が強い中で、カナダドルは非常に健闘している。カナダドル相場に影響が大きい、22日の小売売上高、23日の消費者物価指数は、特に注目している。