2013年12月21日土曜日

米CFTC発表の通貨先物取引(IMMポジション) 12月17日分

米CFTC発表の通貨先物取引(IMMポジション) 12月17日分

ちょうど18日のFOMC発表前日のポジションの集計だけに、量的緩和の縮小決定を反映せず、先日の強い米GDP改定値も反映していないが、今年最後のビックイベントとクリスマス休暇を直前にして、リスクヘッジやポジション巻き戻しの動きが続いていた可能性が高い。

それでも、豪ドル+円+カナダドルのショートポジションだけは、相変わらず積み上がり、ユーロ+ポンド+スイスフラン+NZドルのロング傾向は変わらずで、ドルロング=通貨ショートポジションも17日集計時点では、小幅増加していた。

17日時点では、FOMCの量的緩和縮小の可能性も50%超で、その中でのポジションから判断すれば、市場参加者の根底には、引き続き円安とドル安の潜在的な思惑が続いていることが判断できる。














12月21日(土曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

12月21日(土曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

*** ポイント ***

週末金曜日、日本は3連休に突入、欧米は25日のクリスマス休暇を迎えて24日も時間短縮で休日ムード漂う。

昨日の相場変動は、米GDPは予想外に強く(3.6%→4.1%)、一時各国の長期金利は上昇、欧米株は上昇を維持しダウ平均は最高値を更新、円売り+カナダ売り、EUR買い+GBP買い+AUD買い+NZD買いへ。午前零時のオプションカットまでその流れが続き、ピークアウトから逆の流れに。ロンドンフィキシングで逆の流れも終了。

EURUSDは、欧州市場は独GfK消費者信頼感が強く、1.3620台を底値に下げ止まり、1.3620~65のレンジへ。強い米GDPを契機に上昇へ、予想より強いユーロ圏消費者信頼感にEUR買い戻しが加速、オプションカットでは1.3690台へ、ロンドンフィキシングに向けて1.37台へ上昇するも、フィキシング後には1.3650近くまで値を下げる。

USDJPYは、強い米GDPについにアジア市場の高値104.57を上回り、104.63まで上昇。利食いの売りやオプション勢の売りに104.40を割り割り込み値を下げ、オプションカットから下げ幅を加速し、ロンドンフィキシング近くでは103.80台まで続落し、ようやく下げ止まり104.10台を回復。

AUDUSDは、欧米市場で0.8850台を死守。強い米GDPを契機に上昇へ。米現物株の上昇しオプションカットでは0.8910台へ、ロンドンフィキシング近くでは0.8930台へ上昇、高値圏で推移。


*** 今後の見通し ***

日本は3連休に突入、欧米は25日のクリスマス休暇を迎えて24日も時間短縮で休日ムード漂う。

クリスマス明けまでは、よほど株価の変動がなければ、為替市場は休戦状態。クリスマス後の動きを予想したポジションテークも弱く、新たな相場展開の始まりは、例年ならばクリスマス明け直後から始まる。

円安の流れを変えるような材料も、ポジション調整以外には見られず、逆に、円売り材料は多い。①日本の恒常的な貿易赤字拡大。②金利上昇のリスクのヘッジによる外債・外株投資拡大。③日米金利差拡大、④来年の消費増税=追加緩和期待。円高へのリスクは、新興国の金利上昇と株価下落による金融市場の混乱と株価の急落。

USDJPYは、円売り材料に加え、テクニカルでも上昇トレンドが続き、一時的ながらも104.50を上抜けし、円クロスでは一時最近の円安値を更新している。クリスマス前の円ショートポジションの巻き戻しも力は弱く、103.50~80円をボトムに、104.75、105.35まで上昇する可能性が高くなっている。

EURUSDは、実需の買いに上昇トレンドは変わらないが、1.3810を過去何度もトライしながら超えられず、強い消費者信頼感指数にも、ポジションクローズによるEURクロスの売りが上値を重くしている。1.3600をボトムにし、時間が必要となるが1.3650~1.3710、1.3670~1.3750のレンジへとスライドする可能性が高く、遅かれ早かれ1.3810を超えて新たなEUR高が期待できる。

AUDUSDは、下降トレンド変わらず。アンタッチャブルの通貨でどうも気が進まず。0.8670をボトムとしてこの水準から続落も考えにくい。スティーブンス豪中銀総裁が示した0.8500の水準まで本当に下げることになるのであろうか? ただ単に、0.60(2008年安値)→1.1(2011年高値)の半値0.85と言っているだけでは? 


*** 発言・その他 ***

オバマ米大統領=政府債務が法廷上限に達することで対立が起きると考えず、議会と交渉することは考えていない。

フィッチ=フランス格付けを「AA+」、見通し「安定的」に据え置く。

米上院=イエレン氏の次期FRB議長指名審査の打ち切り動議を可決し、1月6日に採決へ。

イタリア憲法裁判所=予算案に含まれる一部緊縮財政措置を違憲と判断、代替案を迫られる。

ECB=欧州の銀行は3年物LTRO207億ユーロを来週に返済へ。

中国人民銀行=短期金利の上昇抑制に、3日間で494億ドル超を供給→ 流動性の再ひっ迫を懸念。

日経平均株価は終了間際に値を戻し、15870.42(+11.20+0.07%)小幅ながら上昇へ。香港ハンセンは-0.44%と小幅下落、上海総合は-2.02%と大幅下落。

S&P=英国の景気は、個人消費や住宅投資に支えられ回復し、英長期格付け「AAA」に据え置き、見通しは成長持続性のリスクを反映し「ネガティブ」。

S&P=欧州連合(EU)は、予算交渉の意見対立で、一部加盟国のEUへの支持が弱まるリスクに、EU長期格付け「AAA」→「AA+」に引き下げた。

アジア新興国通貨続落しドル高へ=トルコリラ(USDTRY)過去最安値を更新、タイバーツ(USDTHB)3年ぶりの安値、インドネシアルピア(USDIDR)5年ぶりの安値へ。台湾ドル8月以来の安値、フィリピンペソ9月以来の安値。

日銀金融政策決定会合=資金供給量を年間60~70兆円の継続と、現行の資産買い入れ方針の継続も決定。

黒田日銀総裁=行き過ぎた円高の是正は、日本経済にプラスとして動いている。消費増税による駆け込み需要と反動減の影響を注視。

米上院=イエレン次期FRB議長の指名承認の手続きは20日、採決は1月6日の予定。


*** 経済指標の結果 ***

9:05 GBP 12月 GfK消費者信頼感調査=-13(予想-11 前回-12)
12:00 JPY 日銀金融政策決定会合=マネタリーベースを年間60兆~70兆円増、現行の資産買い入れの継続を決定、予想通り
16:00 GER 11月 生産者物価指数=前月比-0.1%(予想-0.1% 前回-0.2%)、前年比-0.8%(予想-0.8% 前回-0.7%)→ 予想通りで変わらず
16:00 GER 1月 GfK 消費者信頼感指数=7.6(予想7.4 前回7.4)→ 予想と前回を上回るが、EUR売りの流れは止まらず
18:30 GBP 第3四半期 GDP・確報値=前期比0.8%(予想0.8% 前回0.8%)、前年比1.9%(予想1.5% 前回1.5%)→ 前年比は上方修正
18:30 GBP 第3四半期 経常収支=-207億ポンド(予想-140億ポンド 前回-62←-130億ポンド)、 対GDP比5.1% → 赤字額が大幅に拡大し1989年以来の赤字額、対GDP比率は1989年第3四半期以来の高水準
22:30 USD 第3四半期 GDP・確報値=前期比年率4.1%(予想3.6% 改定値3.6% 第2四半期2.5%)、PCE価格指数=前期比年率1.9%(予想2.0% 改定値2.0% 第2四半期-0.1%)、コアPCE価格指数=前期比年率1.4%(予想 改定値1.5% 第2四半期0.6%%(、個人消費支出=前期比年率2.0%(予想 改定値1.4% 第2四半期1.8%)、デフレーター=前年比年率2.0%(予想 改定値2.0% 第2四半期0.6%)→ 改定値から上方修正され、前期・予想をも上回る強い伸び率
22:30 USD 第3四半期 企業利益・改定値=前期比2.4%(予想3.3% 速報値2.6%)
22:30 CAD 11月 消費者物価指数=前月比0.0%(予想0.1% 前回-0.2%)、前年比0.9%(予想1.0% 前回0.7%)、BOC・CPI=前月比-0.1%(予想0.1% 前回0.2%)、前年比1.1%(予想1.2% 前回1.2%)→ 予想を下回るが前月よりも上昇
22:30 CAD 10月 小売売上高=前月比-0.1%(予想0.2% 前回1.0%)、除く自動車前月比0.4%(予想0.1% 前回0.2%)
0:00 EUR 12月 消費者信頼感・速報値=-13.6(予想-15.0 前回-15.4)

2013年12月20日金曜日

12月20日(金曜)アジア・欧州市場の動きと、今後の見通し

12月20日(金曜)アジア・欧州市場の動きと、今後の見通し


*** ポイント ***

英GDPの前年比は1.5%→1.9%に上昇修正されたが、英経常収支の赤字額が膨らみ1989年来の水準に、GBPの売りが強まるが、1.6320台の買いは厚い。

S&Pは、欧州連合(EU)の長期格付け「AAA」→「AA+」に引き下げ、EUR売りのプレッシャーが一時強まるが、1.3620台の買い厚い。

日経平均株価は終了間際に値を戻し、15870.42(+11.20+0.07%)小幅ながら上昇へ。香港ハンセンは-0.44%と小幅下落、中国人民銀行が流動性供給をしても金利上昇は止まらず、上海総合は-2.02%と大幅下落。

アジア新興国通貨続落しドル高へ=トルコリラ(USDTRY)過去最安値を更新、タイバーツ(USDTHB)3年ぶりの安値、インドネシアルピア(USDIDR)5年ぶりの安値へ。台湾ドル8月以来の安値、フィリピンペソ9月以来の安値。

円続落、USDJPYは日経平均株価がマイナスからプラスに変化し終了、リパトリ絡みの円売りは不明ながら、オプション絡みの買いも見られ、15時の東京カットで一時104.50台まで上昇し高値圏で推移。ますます勢いづく円売りは、投機筋よりむしろ実需や買わなければならない必要性へ。


*** 今後の見通し ***

週末金曜日、日本は3連休前の金曜日で、来週はクリスマスへと突入へ。メインイベントのFOMCでは量的緩和の縮小が決定され、1月から実行に移される。

クリスマス明けまでは、よほど株価の変動がなければ、為替市場は休戦状態。クリスマス後の動きを予想したポジションテークも弱く、新たな相場展開の始まりは、例年ならばクリスマス明け直後から始まる。

円安の流れを変えるような材料も、ポジション調整以外には見られず、逆に、
円売り材料は多い。①日本の恒常的な貿易赤字拡大。②金利上昇のリスクのヘッジによる外債・外株投資拡大。③日米金利差拡大、④来年の消費増税=追加緩和期待。円高へのリスクは、新興国の金利上昇と株価下落による金融市場の混乱と株価の急落。

USDJPYは、円売り材料に加え、テクニカルでも上昇トレンドが続き、104.50を上抜けした。円クロスでは最近の円安値を更新している。104円をボトムに、104.25~30にもサポートがあり、104.75、105.35まで上昇する可能性が高くなっている。

EURUSDは、実需の買いに上昇トレンドは変わらないが、1.3810を過去何度もトライしながら超えられず、ポジションクローズによるEURGBPを中心とし、EURクロスの売りに逆に値を下げている。1.3600をボトムにし、時間が必要となるが1.3650~1.3710、1.3670~1.3750のレンジへとスライドする可能性が高い。

AUDUSDは、下降トレンド変わらず。アンタッチャブルの通貨でどうも気が進まず。やるならAUDNZDのベアトレンドを狙う売り。AUDUSDは目先、0.8800~0.8900のレンジで戻り売りの流れ変わらず、ボトムラインは0.8670。スティーブンス豪中銀総裁が示した0.8500の水準まで本当に下げることになるのであろうか? ただ単に、0.60(2008年安値)→1.1(2011年高値)の半値0.85と言っているだけでは? 


*** 発言・その他 ***

日経平均株価は終了間際に値を戻し、15870.42(+11.20+0.07%)小幅ながら上昇へ。香港ハンセンは-0.44%と小幅下落、上海総合は-2.02%と大幅下落。

S&P=英国の景気は、個人消費や住宅投資に支えられ回復し、英長期格付け「AAA」に据え置き、見通しは成長持続性のリスクを反映し「ネガティブ」。

S&P=欧州連合(EU)は、予算交渉の意見対立で、一部加盟国のEUへの支持が弱まるリスクに、EU長期格付け「AAA」→「AA+」に引き下げた。

アジア新興国通貨続落しドル高へ=トルコリラ(USDTRY)過去最安値を更新、タイバーツ(USDTHB)3年ぶりの安値、インドネシアルピア(USDIDR)5年ぶりの安値へ。台湾ドル8月以来の安値、フィリピンペソ9月以来の安値。

日銀金融政策決定会合=資金供給量を年間60~70兆円の継続と、現行の資産買い入れ方針の継続も決定。

黒田日銀総裁=行き過ぎた円高の是正は、日本経済にプラスとして動いている。消費増税による駆け込み需要と反動減の影響を注視。

米上院=イエレン次期FRB議長の指名承認の手続きは20日、採決は1月6日の予定。


*** 経済指標の結果 ***

9:05 GBP 12月 GfK消費者信頼感調査=-13(予想-11 前回-12)
12:00 JPY 日銀金融政策決定会合=マネタリーベースを年間60兆~70兆円増、現行の資産買い入れの継続を決定、予想通り
16:00 GER 11月 生産者物価指数=前月比-0.1%(予想-0.1% 前回-0.2%)、前年比-0.8%(予想-0.8% 前回-0.7%)→ 予想通りで変わらず
16:00 GER 1月 GfK 消費者信頼感指数=7.6(予想7.4 前回7.4)→ 予想と前回を上回るが、EUR売りの流れは止まらず
18:30 GBP 第3四半期 GDP・確報値=前期比0.8%(予想0.8% 前回0.8%)、前年比1.9%(予想1.5% 前回1.5%)→ 前年比は上方修正
18:30 GBP 第3四半期 経常収支=-207億ポンド(予想-140億ポンド 前回-62←-130億ポンド)、 対GDP比5.1% → 赤字額が大幅に拡大し1989年以来の赤字額、対GDP比率は1989年第3四半期以来の高水準

12月20日(金曜)アジア市場の動き

12月20日(金曜)アジア市場の動き


*** ポイント ***

日経平均株価は終了間際に値を戻し、15870.42(+11.20+0.07%)小幅ながら上昇へ。香港ハンセンは-0.44%と小幅下落、上海総合は-2.02%と大幅下落。

アジア新興国通貨続落しドル高へ=トルコリラ(USDTRY)過去最安値を更新、タイバーツ(USDTHB)3年ぶりの安値、インドネシアルピア(USDIDR)5年ぶりの安値へ。台湾ドル8月以来の安値、フィリピンペソ9月以来の安値。

円続落、USDJPYは日経平均株価がマイナスからプラスに変化し終了、リパトリ絡みの円売りは不明ながら、オプション絡みの買いも見られ、15時の東京カットで一時104.50台まで上昇し高値圏で推移。ますます勢いづく円売りは、投機筋よりむしろ実需や買わなければならない必要性へ。

欧州勢は米金利上昇を警戒しながら、新規ポジションよりポジション調整が優先。EURUSDは欧州市場に入り1.3660台から1.3620台へ下落。GBPUSDは欧州市場に入り1.3670近辺を高値に1.36320台へ下落、下げ幅を拡大、AUDUSDは10時の 一時0.89を狙う水準まで値を戻すが続かず、欧州市場に入り0.8860台へ値を戻す。クロスでは円安傾向変わらず。


*** 発言・その他 ***

日経平均株価は終了間際に値を戻し、15870.42(+11.20+0.07%)小幅ながら上昇へ。香港ハンセンは-0.44%と小幅下落、上海総合は-2.02%と大幅下落。

S&P=英国の景気は、個人消費や住宅投資に支えられ回復し、英長期格付け「AAA」に据え置き、見通しは成長持続性のリスクを反映し「ネガティブ」。

S&P=欧州連合(EU)は、予算交渉の意見対立で、一部加盟国のEUへの支持が弱まるリスクに、EU長期格付け「AAA」→「AA+」に引き下げた。

アジア新興国通貨続落しドル高へ=トルコリラ(USDTRY)過去最安値を更新、タイバーツ(USDTHB)3年ぶりの安値、インドネシアルピア(USDIDR)5年ぶりの安値へ。台湾ドル8月以来の安値、フィリピンペソ9月以来の安値。

日銀金融政策決定会合=資金供給量を年間60~70兆円の継続と、現行の資産買い入れ方針の継続も決定。

黒田日銀総裁=行き過ぎた円高の是正は、日本経済にプラスとして動いている。

米上院=イエレン次期FRB議長の指名承認の手続きは20日、採決は1月6日の予定。


*** 経済指標の結果 ***

9:05 GBP 12月 GfK消費者信頼感調査=-13(予想-11 前回-12)
16:00 GER 11月 生産者物価指数=前月比-0.1%(予想-0.1% 前回-0.2%)、前年比-0.8%(予想-0.8% 前回-0.7%)→ 予想通りで変わらず
16:00 GER 1月 GfK 消費者信頼感指数=7.6(予想7.4 前回7.4)→ 予想と前回を上回るが、EUR売りの流れは止まらず

2013年12月19日木曜日


12月19日(木曜)アジア・欧州市場の動きと、今後の見通し


*** ポイント ***

昨日のFOMCの量的緩和の縮小後の米株の大幅上昇の流れを受け、日経平均株価は15859.22(+271.42+1.74%)に上昇し、年初来高値を更新、欧州株も上昇したが、香港ハンセン+上海総合は短期金利の大幅上昇に下落へ。

量的緩和の縮小は基本的には、ドル高要因ながら、株価にとっては逆風の売り要因と思われ、円高への期待感も一部には残っていた。

実際にふたを開けてみれば、「失業率が6.5%を下回った後もかなりの間、政策金利のFF金利をゼロ付近に据え置く」とのフォーワードガイダンスがなぜかより強く意識され、米株が上昇=円安への流れは止まらず。

結果的に、FOMC直後の乱高下から、GBPUSDを除きドル高へ動いているが、大きな流れの変化を確認できるような急激な値動きとはほど遠く、ドル高トレンドへの変化を予想するに至っていない。

もちろん、新興国市場で、金利上昇=株価下落=安全資産買い=リスク資産売りの流れが再開することになれば話は別だが、中国を除き株価は強く、どうもその可能性は杞憂に終わりそうである。

*** 今後の見通し ***

USDJPYは、日本の膨大な貿易赤字の傾向も変わらず、盤石と思われていた安倍政権の支持率も高水準ながら低下を始め、米量的緩和縮小=金利上昇のリスクのヘッジに、日本の資金が海外へと向かう可能性も高まり、来年の消費増税=追加緩和期待もあり、円売りの流れが変わるような気がしない。

USDJPYは、年初の高値を昨日更新し、クロスでも円安が続いている。特に、GBPJPYは、強い雇用の改善に資産買い入れ枠の縮小へと変化する可能性も意識され、NZDJPYは、NZの第3四半期GDPは4年ぶりの高水準で、来年3月の利上げ観測も見られ、CHFJPYも、今後数年間の成長率拡大が予想され、高値更新の流れは止まりそうにない。

テクニカルでも、USDJPYの上昇トレンドは変わらず。上昇トレンドの中間となる104.00円近辺での取引から、ボトムラインは103.50円で、目先は103.50~104.50円のレンジでもみ合う可能性がある。しかし、時間の経過とともに上値トライの再開し、104.50円を超えてくれば、104.00~105.00の新たなレンジへとかさ上げされ、105円のビックポイントを試す動きに変わりはない。(ただし、新興国市場の動きには注意)

EURUSDは、実需の買いに投機的な動きも加わり、上昇トレンドは変わらないが、1.3810を過去何度もトライしながら超えられず、EURGBPを中心とし、EURクロスの売りに逆に値を下げている。1.3600をボトムにし目先は1.3640~50が重要サポートラインで、時間が必要となるが1.3650~1.3710、1.3670~1.3750のレンジへとスライドする可能性が高い。

AUDUSDは、下降トレンド変わらず。アンタッチャブルの通貨でどうも気が進まず。やるならAUDNZDのベアトレンドを狙う売り。目先は0.8800~0.8900のレンジで戻り売りの流れ変わらず。スティーブンス豪中銀総裁が示した0.8500の水準まで本当に下げることになるのであろうか? ただ単に、0.60(2008年安値)→1.1(2011年高値)の半値0.85と言っているだけでは? 相場感ではそれほどAUD売りも長続きせずと考えたい。

*** 発言・その他 ***

キール大学世界経済研究所(IFW)=独GDP予想、2013年0.5%(9月時予想)→0.4%、2014年1.8%→1.7%に下方修正。CPI予想、2014年1.7%、2015年2.5%。

スイス経済省経済事務局(SECO)=2013年GDP見通しを引き上げ、今後2年間成長率の加速を予想。2013年=1.9%に引き上げ、2014年2.3%据え置き、2015年2.7%に引き上げた。CPI(9月予想との比較)=2013年-0.1%→-0.2%、2014年=0.2%、2015年0.4%。

政府筋=12月内閣府の月例経済報告で、4年2ヵ月ぶりにデフレの表現を削除へ。

中国人民銀行=短期流動性オペ(SLO)を通じ、銀行間市場に資金を供給。

中国人民銀行=短期金利の急上昇に銀行間市場の取引時間を午後5時まで30分間延長。

中国短期金利は上昇=指標の7日物レポ金利は一時10%に迫り、6月の流動性ひっ迫以来の高水準で、1年物金利スワップは4.99%と過去最高を更新。

中国人民銀行の四半期経済調査はインフレ加速期待が強まる=第4四半期インフレ期待指数は72.2%、前期比1.7%上昇、物価上昇との回答は61.6%、前期比1.8%。

米上下両院が超党派予算案を可決=政府機関の閉鎖回避の可能性が強まる。債務上限の引き上げが次の焦点に。

*** 経済指標の結果 ***

6:45 NZD 第3四半期GDP=前期比1.4%(予想1.1% 前回0.3←0.2%)、前年比3.5%(予想3.4% 前回2.3←2.5%)→ 予想を大幅に上回り4年ぶりの高水準で、来年3月の利上げ観測も見られる
8:50 JPY 対外証券投資:中長期ネット=1105億円(予想 前回3901←4132億円)、株式ネット=-2125億円(予想 前回-1275億円)、対内証券投資:中長期ネット=4255億円(予想 前回-124億円←-139億円)、株式ネット=6193億円(予想 前回1140億円←1138億円)
13:30 JPY 10月 全産業活動指数=前月比-0.2%(予想0.3% 前回0.5←0.4%)
16:00 CHF 11月 貿易収支=21.1億スイス(予想28.0億スイス 前回22.8←24.3億スイス)
18:00 EUR 10月 経常収支=262億ユーロ(予想 前回152←140億ユーロ)、貿易収支196億ユーロ(前回137億ユーロ)→ 予想外の増加で、過去最大の黒字額
18:30 GBP 11月 小売売上高=前月比0.3%(予想0.2% 前回-0.9←-0.7%)、前年比2.0%(予想2.4% 前回1.8%)→ 前月比は11月として2010年以来の高水準

12月19日(木曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

12月19日(木曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

*** ポイント ***

FOMCはついに、量的緩和の縮小を決定し1月から開始へ。米住宅着工は記録的な上昇+政策金利をゼロ近辺に維持に米株は急騰、VIX指数は急落、新興国株(MSCIEM)は小幅上昇。円全面安+ポンド全面高。

FOMCは、政策金利0.0%~0.25%に据え置き、債券購入額を850→750億ドルへ縮小を決定。米株は直後の小幅下落から急変し大幅上昇(+292.71+1.84%)、米10年債利回りは直後の上昇(2.92%)から急変し下落(2.82%)、そしてほぼ同水準へ(2.88%)。

USDJPYは続伸しついに2008年9月の水準となる104円台へ、円はクロスでも全面安。他の主要通貨でも直後のドル買いは瞬間で終わりドル売りへと変化。そして、米株の上昇にドル買いへ変化へ。

しかし、失業率の大幅改善=利上げ観測の高まりに、英ポンドは堅調に推移。EURUSD下落+GBPUSD上昇=EURGBPは0.8450台→0.8350割れへ下落。

USDJPYは、103.20から→102.72→103.66→103.10→104.20。
EURUSDは、直前になぜか1.3758→1.3788、1.3797から→1.3703→1.3798→1.3760→1.3811→1.3674。
AUDUSDは、直前になぜか0.8888→0.8911、0.8915から→0.8820→0.8925→0.8864→0.8943→0.8836。

*** 今後の見通し ***

FOMCの決定を身構えていた市場参加者も多かったようで、直後の激しいい売り買いの攻防ご後には、米株高に連動するかのようにドル高の流れと変化した。

円安の流れは決定的となり、USDJPYは5月の高値103.73を超えて新たな水準に突入し、クロスでも全面安の形相が強まる流れは変わらず。特に、GBPJPYはリーマンショック後の急落当時の水準を目指し順調に回復し、171円台に上昇。

USDJPYは、103.50円をボトムに、103.50~104.50のレンジを意識しながらも、105円の大台を狙える水準にあり、遅かれ早かれ試さずには終わりそうにない。

EURUSDは、1.3810トライをまたしても失敗。1.3543→1.3810の50%戻し1.3678近辺をボトムにし下げ止まり、1.3646を大底とし上昇トレンド変わらずだが、1.3810を超えるまでは強気なムードも高まりそうにない。1.3650~1.3750のレンジから、徐々に上値トライを再開と考えたい。

アンタッチャブルのAUDUSDは、ついに0.89の大台を割り込み、ターゲットの0.88に迫っている。米株も強く、新興国株も比較的堅調、VIX指数は急落、引き続き0.8800~0.9000のレンジを予想。

GBPは雇用統計の大幅改善もさることながら、利上げ観測の高まりにEURGBPの急落傾向は止まらず、一時的な戻しは覚悟しながらも、ポンド高の方向性は変わらず。


*** 発言・その他 ***

FOMC=債券購入額を850億ドル→750億ドルへと100億ドル縮小し、1月から実施へ。政策金利0.00~0.25%を据え置き、住宅ローン担保証券(MBS)買い入れ月間400→350億ドル、米国債買い入れ450→400億ドルへ縮小。

FOMC声明=失業率が6.5%を下回った後もかなりの間、政策金利のFF金利をゼロ付近に据え置く→ 利上げを急がないと思われ、米金利先物市場では2015年7月の利上げ開始の予想確立は52%でFOMC前57%とあまり変わらず。

FOMC声明=経済見通しと労働市場へのリスクは一段とほぼ均衡。失業率が6.5%、インフレ見通しが2.5%を超えない限り、政策金利をゼロ近辺に維持する。資産買い入れペースを一段と慎重に緩めていく。決定は9対1でボストン連銀総裁は反対。

バーナンキFRB議長の記者会見=経済は進展し続けていが、正常な状態になったとの判断を下せるまでまだ道のりは長いとの見解を反映。財政面の向かい風でも経済は緩やかなペースで拡大。米成長は今後数四半期で幾分上向く予想。成長のペースには失望。

バーナンキFRB議長の記者会見=本日の行動は、緩和措置の継続を意図とする。量的緩和の縮小は引き締めではない。低いインフレを非常に深刻にとらえており、加速しなければFOMCは行動する。将来の緩和縮小ペースも100億ドル規模で、指標で正当化できれば一段の縮小も。

FOMC経済予測(前回は9月予想)=FOMCメンバー利上げ開始で、12名2015年、3名2016年(前回12名2015年、2名2016年)。適正FF金利の予想中央値1.75%(前回2.0%)。2014年GDP予想2.8~3.2%。2014年失業率6.4~6.8%→6.3~6.6%に引き下げへ。

PIMCOグロス氏=2016年まで政策金利は0.25%に据え置くと予想。

米上院=イエレン氏のFRB議長承認は20日になる可能性。

メルケル独首相=欧州銀行同盟は2014年に発足。

フィッチ=英国格付けを「AA+」に据え置き、見通しは「安定的。

英失業率の予想外の低下を受け、BOEの利上げ観測が強まり、ポンド買いが強まる。EURUSD下落+GBPUSD上昇=EURGBPは0.8450台→0.8350割れへ下落。

独IFO業況指数=109.5(予想109.5 前回109.3)→ 予想通りだが前回を上回り、2012年4月以来の高水準。

中国新築住宅価格=前年同月比9.9%(10月9.6%)→ 前年比は政府による不動産価格の抑制策にもかかわらず、前月を上回り、上昇率は集計開始以来で最大。

英失業率=ILO(8~10月)=7.4%(予想7.6% 前回7.6%)→ 予想外に低下し将来の利上げ期待が膨らみ、GBP買いが強まる。

BOE議事録は、さらなるポンド高を懸念するが、生産性が向上しなければインフレが高まり、予想より早く利上げが迫られる可能性を指摘。

流行はいつもの自国通貨安?
BOE議事録は、さらなるポンド高を懸念。
レッタ・イタリア首相は、EURUSDの現行水準1.36~1.38の是正を指摘。
スティーブンス豪中銀総裁は議会証言で、AUDUSD0.90超えは国内経済にふさわしくないと発言、0.90台を回復できず。

日経平均株価は15587.80円(+309.17+2.02%)とFOMCを前にして海外勢の日本株買いが続き、日本の本格的な景気回復を期待してなのか大幅上昇。中国株・豪州株は小幅下落したが、全体的に小幅ながら円売りの流れが続く。


*** 経済指標の結果 ***

6:45 NZD 第3四半期 経常収支=-47.8億NZドル(予想-46億NZドル、前回-12.52億NZドル)、経常赤字の対GDP比率=-4.1%(予想-4.1% -4.3%)
8:30 AUD 11月 ウエストパック先行指数=前月比-0.1%(予想 前回0.1%)
8:50 JPY 11月 通関ベース貿易収支=-12929億円(予想-13359億円 前回-10907億円)、輸出前年比18.4%、輸入前年比21.2% → 輸入の伸び率が大きく11月では過去最高で、2カ月連続で赤字額が1兆円台
9:00 NZD 12月 NBNZ ビジネス信頼感=64.1(予想 前回60.5)→ 前回を大幅に上回る
10:30 CHN 11月 新築住宅価格=前月比0.5%(10月0.6%)、前年同月比9.9%(10月9.6%)→ 前年比は政府による不動産価格の抑制策にもかかわらず、前月を上回り、上昇率は集計開始以来で最大
18:00 GER 12月 IFO業況指数=109.5(予想109.5 前回109.3)、現況指数=111.6(予想112.5 前回112.2)、期待指数=107.4(予想106.5 前回106.3)→ 予想通りだが前回を上回り、2012年4月以来の高水準
18:30 GBP 10月 失業率=3.8%(予想3.8% 前回3.9%)、 ILO(8~10月)=7.4%(予想7.6% 前回7.6%)、失業保険申請件数=-3.67万人(予想-3.5万人 前回-4.28万人-4.17万人→ ILO方式は予想外に低下し、GBP買いが強まる
18:30 GBP BOE議事録(12月5日分)
19:00 CHF 12月 ZEW 期待指数=39.4(予想 前回31.6)→ 前回を大幅に上回る
19:00 EUR 10月 建設支出=前月比-1.2%(予想 前回-0.5%)、前年比-2.4%(予想 前回-0.7%)
20:00 GBP 12月 CBI 報告済売上高指数=34(予想10 前回1)→ 予想と前回を上回る大幅な伸び率
22:30 USD 9月、10月、11月 住宅着工件数=9月前年比87.3万件、10月前年比88.9万件(予想92万件)、11月 前年比109.1万件(予想95.5万件)→ 予想を大幅に上回り2008年2月以来の高水準、伸び率は1990年1月以来、約23年ぶりの伸び率。
22:30 USD 11月 住宅建設許可件数=-3.1%(予想-4.7% 前回6.7%)、100.7万件(予想99.0万件 前回1039←103.4万件)→ 予想を上回る
4:00 USD FOMC=債券購入額を850億ドル→750億ドルへと100億ドル縮小し、1月から実施へ。政策金利0.00~0.25%を据え置き、住宅ローン担保証券(MBS)買い入れ月間400→350億ドル、米国債買い入れ450→400億ドルへ縮小。

2013年12月18日水曜日

2月18日(水曜)アジア・欧州・米国市場序盤の動きと、今後の見通し

2月18日(水曜)アジア・欧州・米国市場序盤の動きと、今後の見通し

*** ポイント ***

FOMCで量的緩和の縮小が開始されるのか? その結果待ちで動きにくい中、米住宅着工件数は23年ぶりの伸び率、住宅建設許可件数は予想を上回り、ドル高の流れへ。

英失業率の予想外の低下を受け、クロスでのGBP買いによる上昇したGBPUSDを除き、ドル高の流れへ。EURUSD下落+GBPUSD上昇=EURGBPは0.8450台→0.8400割れへ下落。

独IFO業況指数=109.5(予想109.5 前回109.3)→ 予想通りだが前回を上回り、2012年4月以来の高水準。

中国新築住宅価格=前年同月比9.9%(10月9.6%)→ 前年比は政府による不動産価格の抑制策にもかかわらず、前月を上回り、上昇率は集計開始以来で最大。

英失業率=ILO(8~10月)=7.4%(予想7.6% 前回7.6%)→ 予想外に低下し将来の利上げ期待が膨らみ、GBP買いが強まる。

BOE議事録は、さらなるポンド高を懸念するが、生産性が向上しなければインフレが高まり、予想より早く利上げが迫られる可能性を指摘。

流行はいつもの自国通貨安?
BOE議事録は、さらなるポンド高を懸念。
レッタ・イタリア首相は、EURUSDの現行水準1.36~1.38の是正を指摘。
スティーブンス豪中銀総裁は議会証言で、AUDUSD0.90超えは国内経済にふさわしくないと発言、0.90台を回復できず。

日経平均株価は15587.80円(+309.17+2.02%)とFOMCを前にして海外勢の日本株買いが続き、日本の本格的な景気回復を期待してなのか大幅上昇。中国株・豪州株は小幅下落したが、全体的に小幅ながら円売りの流れが続く。


*** 今後の見通し ***

午前4時のFOMC待ち。その結果次第で相場は変化へ。

1.資産買い入れ100億ドル減少。サプライズだが相場への影響力は弱く、一時的なドル高で時間・値幅は限定的。米株の動きを見ながら、リスク資産売り+安全資産買いとなるかを見極める。

2.資産買い入れ200億ドル以上減少。サプライズで金利上昇、株価下落、新興国通貨安ドル買いへ。株価の下落幅次第ながら、リスク資産売り+安全資産買いへと動き一時的な円買い戻しへ。

3.今回は見送り、今後の量的緩和の縮小を示唆。膠着状態変わらず、円安変わらず。


*** 発言・その他 ***

レッタ・イタリア首相=EURUSD相場はとんでもなく高く、現行1.36~1.38の是正を目指すべき。

BOE議事録=ポンドの2%上昇は景気見通しの改善を反映するが、さらに上昇すれば英国の輸出に打撃を与える可能性があり、バランスの取れた需要の伸びや景気回復で、一段のリスクをもたらす。

BOE議事録=政策金利と資産買入枠3750億ポンドの据え置きは全会一致で決定。公共料金の上昇が抑制されると、インフレ率予想が0.15%引き下げられ、2014年序盤で4年ぶりに2%の目標に達成する可能性がある。

BOE議事録=8月のフォワードガイダンスを維持し、失業率7%に低下するまで金利をひいき上げない方針を維持。生産性が向上しなければインフレが高まる可能性があり、予想より早く利上げを迫られる可能性がある。

ユーロ圏財務相会合=銀行の破綻処理の費用分担方法で合意へ。


中国の第3四半期、資本・金融収支・改定値=805億ドル(速報値573億ドル)、経常収支404億ドル(速報値397億ドル)

豪政府=GMの豪州撤退による影響を受ける労働者支援で、1億豪ドルの基金を設立。

スティーブンス豪中銀総裁(議会証言)=低水準の借り入れコストで、景気支援に役立っている→ 差し迫った追加利下げの必要性がないことを示唆。

スティーブンス豪中銀総裁(議会証言)=最近の豪ドル下落を歓迎、さらなる下落がバランスの取れた景気回復を支援する。AUDUSD0.90超えは国内経済にふさわしくない。

*** 経済指標の結果 ***


6:45 NZD 第3四半期 経常収支=-47.8億NZドル(予想-46億NZドル、前回-12.52億NZドル)、経常赤字の対GDP比率=-4.1%(予想-4.1% -4.3%)
8:30 AUD 11月 ウエストパック先行指数=前月比-0.1%(予想 前回0.1%)
8:50 JPY 11月 通関ベース貿易収支=-12929億円(予想-13359億円 前回-10907億円)、輸出前年比18.4%、輸入前年比21.2% → 輸入の伸び率が大きく11月では過去最高で、2カ月連続で赤字額が1兆円台
9:00 NZD 12月 NBNZ ビジネス信頼感=64.1(予想 前回60.5)→ 前回を大幅に上回る
10:30 CHN 11月 新築住宅価格=前月比0.5%(10月0.6%)、前年同月比9.9%(10月9.6%)→ 前年比は政府による不動産価格の抑制策にもかかわらず、前月を上回り、上昇率は集計開始以来で最大
18:00 GER 12月 IFO業況指数=109.5(予想109.5 前回109.3)、現況指数=111.6(予想112.5 前回112.2)、期待指数=107.4(予想106.5 前回106.3)→ 予想通りだが前回を上回り、2012年4月以来の高水準
18:30 GBP 10月 失業率=3.8%(予想3.8% 前回3.9%)、 ILO(8~10月)=7.4%(予想7.6% 前回7.6%)、失業保険申請件数=-3.67万人(予想-3.5万人 前回-4.28万人-4.17万人→ ILO方式は予想外に低下し、GBP買いが強まる
18:30 GBP BOE議事録(12月5日分)
19:00 CHF 12月 ZEW 期待指数=39.4(予想 前回31.6)→ 前回を大幅に上回る
19:00 EUR 10月 建設支出=前月比-1.2%(予想 前回-0.5%)、前年比-2.4%(予想 前回-0.7%)
20:00 GBP 12月 CBI 報告済売上高指数=34(予想10 前回1)→ 予想と前回を上回る大幅な伸び率
22:30 USD 9月、10月、11月 住宅着工件数=9月前年比87.3万件、10月前年比88.9万件(予想92万件)、11月 前年比109.1万件(予想95.5万件)→ 予想を大幅に上回り23年ぶりの伸び率
22:30 USD 11月 住宅建設許可件数=-3.1%(予想-4.7% 前回6.7%)、100.7万件(予想99.0万件 前回1039←103.4万件)→ 予想を上回る

12月18日(水曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

12月18日(水曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

*** ポイント ***

いよいよ今日は18日、FOMCの結果待ち。雇用、小売売上高、鉱工業生産など主要な経済指標が強く、景気の伸びを示しているが、消費者物価指数は前年比1.2%、コア前年比1.7%と相変わらず弱くターゲット2.0%を下回り、可能性は五分五分との見方が強い。

USDJPYは平穏な値動きが続いていたが、午前零時過ぎから急変し102.50円の円高へ、クロスでも円全面高の動きが強まる。

AUDUSDの下落は止まらず。今年最安値0.8847に迫る、0.8880台まで下落へ。豪政府は、2014・2015年度のGDP見通し「3.0%→2.5%」に下方修正。豪中銀議事録は「追加利下げの可能性を排除せず」、「一段の下落が必要になる可能性」をいつもながら示唆。

GBPUSDは一時100ポイント近く下落へ。英国の消費者物価指数の前年比は2.1%と約4年ぶりの低水準に、GBP売りの流れが強まるが、カーニーBOE総裁「これ以上の追加緩和の必要はない、引き市値の最初の行動は利上げへ」との議会証言でやや値を戻す。

EURUSDは、強い独ZEW景気期待指数にも、第3次メルケル政権の発足にも、ギリシャ融資本決まりにも、1.3780台の上値は重く、一時1.3720台まで下落するも、米金利の低下やEURクロスの買いに1.3770台まで値を戻す。


*** 今後の見通し ***

中長期的な流れは変わらないが、短期的には今日18日のFOMCで、量的緩和の縮小を開始することになるのか? その結果次第。仮になくても今後の可能性を残すことになると思われ、不透明感が続く可能性が高くなる。また、18日には米上院で超党派予算案を採決し承認される見込みが高い。

USDJPYは、上昇トレンドは変わらず。目先は、103円台を回復できず、クロスでも円買いが続き、102.50円割れにあるストップロスを狙いやすい水準にとどまっている。今日のFOMCで明暗がはっきりすると思われ、それまでは、新たな円ショートポジションの積み増しも可能性は低く、円ショートポジションの巻き戻しが要因となる円高の動きも意識。引き続き102円をボトムとした値動きに変わりなし。

EURUSDは、上昇トレンド変わらず。目先は、1.3700をボトムに1.3700~1.3800のレンジで、FOMCを迎える可能性が高く、後は、その結果次第。テクニカルでは上値の最初のターゲットは1.3880で上昇トレンドは変わらないが、1.3810を超えるまでは強気にはなれず、1.37を割り込んでも、短期のEURロングポジションの切りと、実需の買いで交錯し大幅な下落も考えにくい。

AUDUSDは、下落トレンド変わらず。センチメントはやり過ぎ感が強いものの、AUDの売り材料が続き、戻りも非常に限定的で0.8970がいっぱい。8月の最安値0.8847を試さずにはいられない勢いがあり、0.8800~0.9000のレンジ入りへ。


*** 発言・その他 ***

PIMCO・エラリアン氏=18日のFOMCで資産購入プログラムを縮小する可能性は40~60%。

米上院=超党派予算案の審議打ち切りを可決し、反対の動きを封じ、18日に採決し承認される見込み。

ジェフリーズ・インターナショナル=ユーロ圏のデフレ圧力が強まる。

ダイセルブルーム・ユーログループ議長=週内にギリシャ融資10億ユーロを実施。

ギリシャ中銀=2014年ギリシャは6年続いたリセッションを脱却し、回復を始める見通し。

カーニーBOE総裁(上院の経済問題委員会)=これ以上の追加緩和の必要はない。引き市値の最初の行動は利上げへ→ GBPUSDの買い戻しが強まる。

カーニーBOE総裁(上院の経済問題委員会)=成長回復はまだ、通常への回帰を意味しない。利上げ検討には、持続的な景気回復が必要。中銀金融監督委員(FPC)は、住宅市場のリスクを特に注意。

スウェーデン中銀=政策金利を0.25%引き下げ0.75%に決定、予想通り。

ハンバリー中銀=政策金利を0.20%引き下げ3.0%に決定、予想通り。7月に3.0%で緩和サイクルの終了を示していたが、今後の再引き下げの可能性を示唆し変化へ。

英国立統計局(ONS)=借入額算出方法の変更を提言し、借入額が1120億ポンド押し上げられる可能性。

第3次メルケル政権が発足=総選挙から3ヵ月の時間を経て独大連立政権がようやく発足。

豪州から撤退する企業が増加=先週のGM2017年末までに撤退、トヨタの撤退の可能性に続き、英BPが豪州の製油所を売却する計画を発表。

豪政府の半期経済・財政見通し=2014・2015年度のGDP見通=3.0%(8月時点)→2.5%へ下方修正、2013・2014年は2.5%に据え置く。財政赤字は301億豪ドル(8月時点)→470億豪ドルへ上方修正。

豪中銀議事録(12月3日分)=過去の利下げが経済を刺激している兆候がある。豪ドルは過去1カ月で大幅に下落したが、引き続き不快なほど高水準にある。必要なら追加利下げの可能性を排除しない。一段の下落が必要になる可能性がある。

中国銀行監督管理委員会=2014年主要課題は、流動性の状況を適切に管理し、シャドーバンキングのリスク回避を銀行に要請。


*** 経済指標の結果 ***

18:30 GBP 11月 消費者物価指数=前月比0.1%(予想0.2% 前回0.1%)、前年比2.1%(予想2.2% 前回2.2%)、コア前月比0.1%(予想 前回0.2%)、コア前年比1.8%(予想 前回1.7%)、小売物価指数(RPI)=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.0%)、前年比2.6%(予想2.7% 前回2.6%)、実勢インフレ率(RPIX)=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.0%)、前年比2.7%(予想2.7% 前回2.7%)→ 前年比は約4年ぶりの低水準
18:30 GBP 11月 生産者物価指数: 投入指数=前月比-0.7%(予想-0.5% 前回-0.4←-0.6%)、前年比-1.0%(予想-1.15% 前回0.0←-0.3%)、コア前月比-0.4%(予想 前回-0.1←-0.3%)、コア前年比-0.8%(前回-0.2←-0.3%)、産出指数=前月比-0.2%(予想-0.1% 前回-0.3%)、前年比0.8%(予想0.9% 前回0.8%)、コア前月比-0.1%(予想0.1% 前回0.0←0.1%)、コア前年比0.7%(予想0.9% 前回0.8←0.9%)
18:30 GBP 11月 DCLG住宅価格=前月比5.5%(予想4.2% 前回3.8%)→ 予想と前回を大幅に上回り、3年弱ぶりの大幅な伸び率
19:00 EUR 11月 消費者物価指数・改定値=前月比-0.1%(予想-0.1% 前回-0.1%)、前年比0.9%(予想0.9% 前回0.7%)、コア前年比0.9%(予想1.0% 前回0.8%)
19:00 GER 12月 ZEW景気期待指数=62.0 (予想55.0 前回54.6)、現況指数=32.4(予想30.0 前回28.7)→ 前回と予想を大幅に上回り、一時EUR買いが強まるが長続きできず
19:00 EUR 12月 ZEW景気期待指数=68.3(前回60.2)→ 前回と予想を大幅に上回る
20:00 GBP 12月 CBI製造業受注指数=12(予想11 前回11)
22:30 USD 11月 消費者物価指数=前月比0.0%(予想0.1% 10月-0.1%)、前年比1.2%(予想1.3% 前回1.0%)、コア前月比0.2%(予想0.1% 10月0.1%)、コア前年比1.7%(予想1.7% 前回1.7%)→ 10月を上回るが予想に届かず
22:30 USD 第3四半期経常収支=-948.4億ドル(予想-1005億ドル 第2四半期-966.1←-988.9億ドル)→ 赤字額は予想と前期を下回り、4年ぶりの水準へ縮小
22:30 CAD 10月 製造業出荷=前月比1.0%(予想-0.2% 前回0.6%)→ 食品関連の増加に予想と前回を上回る
0:00 USD 12月 NAHB 住宅建設業者指数=58(予想55.0 前回54)→ 予想と前回を上回り、8年ぶりの高水準

2013年12月17日火曜日

12月17日(火曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

12月17日(火曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し


*** ポイント ***

米国では日本の正月のような感謝祭が終われば、大手投機筋は積極的に新規ポジションを取ることは稀で、一部にはクリスマス後に、元旦明けを待たずに積極的に動き始めることが多い。

ましては、今週18日には、今年の5月以降の相場を翻弄させたFOMCが控えている。量的緩和の縮小の可能性が五分五分とも言われており、極々短期の取引は別としても、トレンドを見て決め打ちすることも叶わない。「ほどほど」という言葉が最もぴったり。

USDJPYは103円近辺で動けず、EURUSDは1.38台トライをまたしても失敗、GBPUSDはダウントレンド1.6350を超えられず、AUDUSDは0.8950近辺の安値圏で動けず。

日本株や中国株は大幅に値を下げたが、欧州株は強く、米株も上昇し、日本株先物も上昇へ。

ドラギECB総裁(欧州議会の公聴会)=主要政策金利は長期間、現行や、より低い水準にとどまると予想。回復は緩慢なペースで継続すると予想、見通しに対するリスクは引き続き下向き。

ユーロ圏の総合PMI速報値は強いが、フランスは弱くドイツは強く温度差があり、弱い米製造業PMIと対象的で、ユーロ圏貿易収支は予想外の黒字へ。

米労働生産性は2009年第4四半期以来の大幅な伸び率となったが、単位労働コストは予想外にマイナス幅が拡大し、インフレ圧力は抑制されている。

対米証券投資はリーマンブラザーズ破綻して逃避資金が膨らんだ2008年10月以来、5年ぶりの高水準。米鉱工業生産指数は1年ぶりの高水準で、設備稼働率も強く、米株は上昇。


*** 今後の見通し ***

今週は、イエレン氏の次期FRB議長の指名承認待ち、米上院による超党派委員会の財政合意の承認待ち。昨日も、FOMCで量的緩和の縮小の有無が最大の焦点で、動きには積極性に欠ける。

USDJPY、引き続き102.00円を大底として上昇トレンドは変わらず。短期的には103.10~20円では円ショートポジションを閉じる動きが強く、この水準を上抜けできるかが一つのポイント。102.60円を割り込むと引き続き下値リスクが残る。

EURUSD、1.3700をベースに上昇へと変化し、1.3740~50が底堅くなっている。ただ、1.3810をクリアに上回るまでは、安心して買いを継続することはできず、1.37台で時間を費やす可能性がある。FOMC後の最初のターゲットは1.3880。

AUDUSD、0.8900の底値を試す動きも見られず、かといって、0.8980台まで値を戻すこともできず、アンタッチャブルの通貨。大きなバンドは0.8850~0.9050のレンジ内を予想。むしろ、AUDNZDの売りがまだ続きそう。


*** 発言・その他 ***

バーナンキFRB議長(FRB創設100周年記念式典)=FRBの政策は国民の利益になると納得させる必要がある。政党性と独立性は国民とFRBとの双方向の意思伝達にかかっている。透明性と説明責任の二つの重要な要素を引き続き強調すべき。金融政策の正当性は米国民の理解と支持にかかっている。金融政策の立案は公平かつ客観的で事実に基づいた分析に依存すべき。

ドラギECB総裁(欧州議会の公聴会)=主要政策金利は長期間、現行や、より低い水準にとどまると予想。回復は緩慢なペースで継続すると予想、見通しに対するリスクは引き続き下向き→ ユーロ売りへと変化。

ドラギECB総裁(欧州議会の公聴会)=長期にわたる低インフレ局面後、2%弱のインフレ率に向けて徐々に上昇する可能性。破綻処理の決定が過度に複雑で、十分な資金準備ができない恐れがあるとの懸念。名ばかりの単一破綻処理メカニズム(SRM)を作るべきではない。

中国国家統計局=四川省塩亭県の統計当局が組織的に鉱工業生産の数値ねつ造が判明。

ドイツ連銀月報=2013年第4・四半期と2014年第1・四半期のドイツ経済は、製造業の回復や消費者や企業の業況感改善を背景に力強く成長する見通し。金融取引税が導入された場合にはレポ市場に影響を与える。

欧州委員会=スペインは金融支援で同意した条件をクリア、1月に救済プログラムから脱却する。

ポルトガル政府=トロイカ調査団の経済審査を通貨。

ドラギECB総裁=フランスは改革を継続することが重要。競争力は不十分で増税に頼る公的財政の強化は不可能。

米上院民主党のダービン院内幹事=超党派の予算案を可決するには後8人の共和党議員の賛成が必要。


*** 経済指標の結果 ***

6:00 NZD ウエストパック消費者信頼感指数=前期比120.1(予想 前回115.4)→ 前回を上回る
8:50 JPY 日銀短観: 大企業製造業業況判断=16(予想15 前回12)、大企業製造業先行き=14(予想17 前回11)、大企業非製造業業況判断=20(予想16 前回14)、大企業非製造業先行き=17(予想19 前回14)、設備投資計画=前年比4.6%(予想5.5% 前回5.1%)、中小企業製造業業況判断=1(予想-7 前回-9)、中小企業非製造業業況判断=4(予想4 前回-1)→ 
9:01 GBP 12月 ライトムーブ住宅価格=前月比-1.9(予想 前回-2.4%)、前年比5.4%(予想 前回4.0%)→ 前月より強含む
10:45 CHN 12月 HSBC 製造業PMI・速報値=50.5(予想50.9 前回50.8)→ 予想と前月を下回りながらも改善傾向は続くが、発表直後はAUD売りが強まる。
17:00 FRN 12月 総合PMI・速報値=47.0(予想 11月48.0)、製造業PMI・速報値=47.1(予想49.0 11月48.4)、サービス業PMI・速報値=47.4(予想48.7 11月48.0)→ 全てが前月より弱く、EUR売りとなる
17:30 GER 12月 総合PMI・速報値=55.2(予想 11月55.4)、製造業PMI・速報値=54.2(予想53.0  11月52.7)、サービス業PMI・速報値=54.0(予想55.3 11月55.7)→ 製造業は前月と予想を上回わたっが、サービス業・総合は弱く、EURは売り買い交錯
17:58 EUR 12月 総合PMI・速報値=52.1(予想51.9 11月51.7)、製造業PMI・速報値=52.7(予想51.8 11月51.6)、サービス業PMI・速報値=51.0(予想51.5 11月51.2)→ サービス業は弱かったが、総合・製造業は前月と予想を上回り、EURの買い戻しが強まる
19:00 EUR 10月 貿易収支=172億ユーロ(予想150.0億ユーロ 9月109←131億ユーロ 8月71億ユーロ)、季調後145億ユーロ(予想145億ユーロ 9月124←143億ユーロ 8月126億ユーロ)→ 予想外の黒字額
22:30 USD 第3四半期 労働生産性=前期比年率3.0%(予想2.2% 速報1.9% 第2四半期1.8%)、単位労働コスト=前期比年率-1.4%(予想-1.0% 速報-0.6% 第2四半期2.0%)、時給=前期比年率1.6%(速報1.3% 第2四半期3.8%)→ 労働生産性は大幅に上方修正され、前期も上回り2009年第4四半期以来の大幅な伸び率。単位労働コストは、予想外にマイナス幅が拡大し、インフレ圧力が抑制。
22:30 USD 12月 NY連銀製造業景気指数=0.98 (予想4.75 前回-2.21)、支払価格=15.66(前回17.11)、新規受注=3.61(前回-5.53)、従業員数=0.00(前回0.0)→ 前回のマイナスからプラスへと改善したが、予想を大幅に下回る
22:58 USD 12月 製造業PMI・速報値=54.4(予想55.0 11月54.7)、生産指数57.3(11月57.4)、雇用指数53.7(11月52.3)、
23:00 USD 10月 対米証券投資: ネットフロー合計=1949億ドル(予想 前回-976←-1068億ドル)、ネット長期フロー=354億ドル(予想400億ドル 9月313←255億ドル)→ 対米証券投資は1カ月の買い越し額としてリーマンブラザーズ破綻して逃避資金が膨らんだ2008年10月以来、5年ぶりの高水準
23:15 USD 11月 鉱工業生産指数=前月比1.1%(予想0.4% 10月0.1←-0.1% 9月0.5←0.7%)、設備稼働率=79.0(予想78.3 10月78.2←78.1 9月78.3)→ 共に予想と前回を上回り、鉱工業生産指数は、1年ぶりの高水準
23:15 USD 11月 製造業生産高=前月比0.6%( 予想0.4% 前回0.5←0.3%)

2013年12月16日月曜日

12月16日(月曜) アジア・欧州市場の動きと、今後の見通し

12月16日(月曜) アジア・欧州市場の動きと、今後の見通し


*** ポイント ***

米国では日本の正月のような感謝祭が終われば、大手投機筋は積極的に新規ポジションを取ることは稀で、一部にはクリスマス後に、元旦明けを待たずに積極的に動き始めることが多い。

ましては、今週18日には、今年の5月以降の相場を翻弄させたFOMCが控えている。量的緩和の縮小の可能性が五分五分とも言われており、極々短期の取引は別としても、トレンドを見て決め打ちすることも叶わない。ポジションタークは、「ほどほど」という言葉が最もぴったりするような気がしてならない。

日経平均株価は15152.91円(前日比-250.20、-1.62%下落)、中国株や豪州株も弱い。

日銀短観では、大企業の業況判断が2007年12月以来の高水準で、景気回復傾向が中小企業まで進んでいるが、大企業の先行きは弱く、設備投資計画も低調で、円相場は動けず。

中国HSBC製造業PMI・速報値は、予想と前月を下回りながらも改善傾向は続くが、発表直後は一時AUD売りが強まる。


11月の総合・製造業・サービス業PMI・速報値は、フランスが弱くEUR売りへ、ドイツは製造業が前月と予想を上回わたっが、サービス業・総合は弱く、EURは売り買い交錯。ユーロ圏は、サービス業は弱かったが、総合・製造業は前月と予想より強く、EURUSDは1.3760を上回る。

10月ユーロ圏貿易収支は、前月が大幅に下方修正されたが、予想を上回る黒字額の増加に、EUR買いの流れが続く。


*** 今後の見通し ***

USDJPY、日本株の大幅下落により、ボトムラインの102.80を一時割り込み102.60台と下げ幅が大きくなったが、103円近くまで値を戻している。コアは102.80~103.50円のレンジに入っているが、103.10~20円では円ショートポジションを閉じる動きが強い。この水準を上抜けできるかが一つのポイント。

EURUSD、1.3700をベースに上昇へと変化し、1.3740~50が底堅くなっている。ただ、1.3810をクリアに上回るまでは、安心して買いを継続することはできず、1.3740~1.3810のレンジから、時間をかけて1.3880までの上昇が期待できる。

AUDUSD、0.8900を試す動きも見られず、かといって、0.8980台まで値を戻すこともできず、アンタッチャブルの通貨。大きなバンドは0.8850~0.9050のレンジ内を予想。むしろ、AUDNZDの売りがまだ続きそう。


*** 発言・その他 ***

ドラギECB総裁=フランスは改革を継続することが重要。競争力は不十分で増税に頼る公的財政の強化は不可能。

米上院民主党のダービン院内幹事=超党派の予算案を可決するには後8人の共和党議員の賛成が必要。

*** 経済指標の結果 ***

6:00 NZD ウエストパック消費者信頼感指数=前期比120.1(予想 前回115.4)→ 前回を上回る
8:50 JPY 日銀短観: 大企業製造業業況判断=16(予想15 前回12)、大企業製造業先行き=14(予想17 前回11)、大企業非製造業業況判断=20(予想16 前回14)、大企業非製造業先行き=17(予想19 前回14)、設備投資計画=前年比4.6%(予想5.5% 前回5.1%)、中小企業製造業業況判断=1(予想-7 前回-9)、中小企業非製造業業況判断=4(予想4 前回-1)→ 
9:01 GBP 12月 ライトムーブ住宅価格=前月比-1.9(予想 前回-2.4%)、前年比5.4%(予想 前回4.0%)→ 前月より強含む
10:45 CHN 12月 HSBC 製造業PMI・速報値=50.5(予想50.9 前回50.8)→ 予想と前月を下回りながらも改善傾向は続くが、発表直後はAUD売りが強まる。
17:00 FRN 12月 総合PMI・速報値=47.0(予想 11月48.0)、製造業PMI・速報値=47.1(予想49.0 11月48.4)、サービス業PMI・速報値=47.4(予想48.7 11月48.0)→ 全てが前月より弱く、EUR売りとなる
17:30 GER 12月 総合PMI・速報値=55.2(予想 11月55.4)、製造業PMI・速報値=54.2(予想53.0  11月52.7)、サービス業PMI・速報値=54.0(予想55.3 11月55.7)→ 製造業は前月と予想を上回わたっが、サービス業・総合は弱く、EURは売り買い交錯
17:58 EUR 12月 総合PMI・速報値=52.1(予想51.9 11月51.7)、製造業PMI・速報値=52.7(予想51.8 11月51.6)、サービス業PMI・速報値=51.0(予想51.5 11月51.2)→ サービス業は弱かったが、総合・製造業は前月と予想を上回り、EURの買い戻しが強まる
19:00 EUR 10月 貿易収支=172億ユーロ(予想150.0億ユーロ 9月109←131億ユーロ 8月71億ユーロ)、季調後145億ユーロ(予想145億ユーロ 9月124←143億ユーロ 8月126億ユーロ)→ 予想外の黒字額

今週の相場見通し

今週の相場見通し

先週後半は、18日のFOMCで量的緩和の縮小開始を意識したドル買い戻しや、その余波に他通貨のクロスでも調整が続いた。

今週は、その結果を見るまでは本格的な値動きは期待できず、先週後半のレンジ内での取引が予想される。

USDJPYは、上昇トレンドに変化はなく、102.80~00円をボトムに103.50~104.10円の間のレンジでの推移から、104.40円を試す動きを予想。






EURUSDは、上昇トレンドに変化はないが、1.3810を高値に調整色が強まり、1.38台は引き続き鬼門となっており、この水準を超えるまでは、積極的なEURロングもためらわれる。1.3545→1.3810のリトレースメント38.2%=1.3709、50%=1.3676をボトムに、1.3810のレンジ相場と考えたい。その後、時間の経過が必要ながら、1.3880が次のターゲットとして視野に入ってくる。




AUDUSDは、相変わらず期待を裏切る通貨であり、下降トレンドに変化はないが、どうしても積極的に売る気にはなれない通貨である。積極的なAUD高けん制発言や0.8500のレベル示唆発言に、0.90の大台を割り込んだことで短期投機筋のAUDロングポジションは切らされ、0.8900の大台で下げ止まっている。今後も戻り売りが続くことが予想されるが、今週は0.88を割り込むことは予想できず、0.8800~0.9000、または、0.8850~0.9050のレンジを予想。






2013年12月15日日曜日

今週の経済指標から(12月16日~20日)

今週の経済指標から(12月16日~20日)


***** 今週の経済指標と、今週の流れ *****


今週は、クリスマス休暇や年末・年始を直前に控え、特に重要な週となっている。

①上院で次期FRB議長にイエレン氏が承認されことは確実で、今回のFOMC後に暫くはイエレン氏に敬意を表する蜜月期間が始まる可能性。

②財政協議では超党派の予算案を先週の下院に続き、今週上院で可決され、オバマ米大統領が署名して成立することになり、1月15日の政府機関が閉鎖されるという再燃はなさそう。

③12月18日にはご存じのFOMCがあり、量的緩和の縮小の可能性にポジション調整が進み、結果待ちとなっている。バーナンキ氏やFOMCのメンバーの手のひらでうまく踊らされているのか、「量的緩和の縮小」という「パンドラの箱」は、FOMCごとに「縮小する、しない」の左右に振らされながら、本心が読めず長期間安定し現在に至る。

それを繰り返し、今後も同じ状態が続く可能性もるが、緩和の縮小期待による金利の上昇をうまくコントロールし、市場に緩やかに織り込ませる動きは、さすがといわざるを得ない。

緩和終了の可能性は、直近の強い米経済指標と雇用統計に五分五分に近づきつつあり、予想していない市場参加者でも「やっても驚きではない」と思っているのが本音ではないだろうか。しかし、12月年末ぎりぎりに、量的緩和の縮小を始め、市中金利を上昇させ、金融市場を不安定にさせ、イエレン新FRB議長にバトンタッチすることも考えにくく、正論は来年3月以降では?

このような状況を考えると、またしても、市場参加者の多くがFOMC参加者の「手のひらの上で踊らされている」ように思えてならない。

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今週も多くの重要な経済指標の発表を控えている。

16日(月曜) 日銀短観、中国HSBC製造業PMI、ユーロ圏総合・製造業・サービス業PMI速報値、米労働生産性・単位労働コスト、米NY連銀製造業景気指数、米製造業PMI速報値、米鉱工業生産。

17日(火曜) 豪中銀議事録、英CPI、ユーロ圏CPI、独ZEW景気期待指数、米CPI、米住宅建設業指数。

18日(水曜) 日本貿易収支、独IFO業況指数、英失業率、英BOE議事録、米住宅着工件数・許可件数、FOMC、バーナンキFRB議長記者会見。

19日(木曜) NZ第3四半期GDP、日本対外内証券投資、米新規失業保険申請件数、スイス中銀四半期レポート、米中国住宅販売、米CBけき先行指数、米フィラデルフィア連銀業況指数。

20日(金曜) 日本金融政策決定会合、英第3四半期GDP確報値、米第3四半期GDP確報値、カナダCPI、ユーロ圏消費者信頼感指数速報値。

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詳細は以下をご覧下さい。

12/16
6:00 NZD ウエストパック消費者信頼感指数=前期比予想 前回115.4
8:50 JPY 日銀短観: 大企業製造業業況判断=予想15 前回12、大企業製造業先行き=予想17 前回11、大企業非製造業業況判断=予想16 前回14、大企業非製造業先行き=予想19 前回14、設備投資計画=前年比予想5.5% 前回5.1%
9:01 GBP 12月 ライトムーブ住宅価格=前月比予想 前回-2.4%、前年比予想 前回4.0%
10:45 CHN 12月 HSBC 製造業PMI・速報値=予想50.9 前回50.8
17:00 FRN 12月 総合PMI・速報値=予想 前回48.0、製造業PMI・速報値=予想49.0 前回48.4、サービス業PMI・速報値=予想48.7 前回48.0
17:30 GER 12月 総合PMI・速報値=予想 前回55.4、製造業PMI・速報値=予想53.0  前回52.7、サービス業PMI・速報値=予想55.3 前回55.7
17:58 EUR 12月 総合PMI・速報値=予想 前回51.7、製造業PMI・速報値=予想51.8 前回51.6、サービス業PMI・速報値=予想51.5 前回51.2
19:00 EUR 10月 貿易収支=予想150.0億ユーロ 前回131億ユーロ、季調後予想145億ユーロ 前回143億ユーロ
22:30 USD 第3四半期 労働生産性=前期比年率予想2.2% 前回1.9%&、単位労働コスト=前期比年率予想-1.0% 前回-0.6%
22:30 USD 12月 NY連銀製造業景気指数=予想5.0 前回-2.21、支払価格=前回17.11、新規受注=前回-5.53、従業員数=前回0.0
22:58 USD 12月 製造業PMI・速報値=予想55.0 前回54.7
23:00 USD 10月 対米証券投資: ネットフロー合計=予想 前回-1068億ドル、ネット長期フロー=予想400億ドル 前回255億ドル
23:15 USD 11月 鉱工業生産指数=前月比予想0.4% 前回-0.1%、設備稼働率=予想78.3 前回78.1
23:15 USD 11月 製造業生産高=前月比予想0.4% 前回0.3%
ドラギECB総裁講演

12/17
9:30 AUD 豪中銀議事録(12月3日分)
18:30 GBP 11月 消費者物価指数=前月比予想0.2% 前回0.1%、前年比予想2.2% 前回2.2%、コア前月比予想 前回0.2%、コア前年比予想 前回1.7%、小売物価指数(RPI)=前月比予想 前回0.0%、前年比予想 前回2.6%、実勢インフレ率(RPIX)=前月比予想 前回0.0%、前年比予想 前回2.7%
18:30 GBP 11月 生産者物価指数: 投入指数=前月比前月比予想 前回-0.6%、前年比予想 前回-0.3%、産出指数=前月比予想 前回-0.3%、前年比予想 前回0.8%、コア前月比予想 前回0.1%、コア前年比予想前回0.9%
19:00 EUR 11月 消費者物価指数・改定値=前年比予想0.9% 速報値0.9%、コア前年比予想1.0% 前回1.0%
19:00 GER 12月 ZEW景気期待指数=予想55.0 前回54.6、現況指数=予想29.9 前回28.7
20:00 GBP 12月 CBIトレンド売上価格=予想5 前回5
22:30 USD 11月 消費者物価指数=前月比予想0.1% 前回-0.1%、前年比予想1.3% 前回1.0%、コア前月比予想0.1% 前回0.1%、コア前年比予想1.7% 前回1.7%
22:30 USD 第3四半期経常収支=予想-1005億ドル 前回-988.9億ドル
0:00 USD 12月 NAHB 住宅建設業者指数=予想55.0 前回54

12/18
6:45 NZD 第3四半期 経常収支=予想-46億NZドル、前回-12.52億NZドル、経常赤字の対GDP比率=予想-4.1% -4.3%
8:30 AUD 11月 ウエストパック先行指数=予想 前回0.1%
8:50 JPY 11月 通関ベース貿易収支=予想-13359億円 前回-10907億円
9:00 NZD 12月 NBNZ ビジネス信頼感=予想 前回60.5、ビジネス活動=予想 前回47.1
10:30 CHN 11月 新築住宅価格
18:00 GER 12月 IFO業況指数=予想109.5 前回109.3、現況指数=予想112.5 前回112.2、期待指数=予想106.5 前回106.3
18:30 GBP 10月 失業率=予想3.8% 前回3.9%、 ILO(8~10月)予想7.6% 前回7.6%、失業保険申請件数=予想-3.5万件 前回-4.17万件
18:30 GBP BOE議事録(12月5日分)
19:00 CHF 12月 ZEW 期待指数=予想 前回31.6
19:00 EUR 10月 建設支出=前月比予想 前回-1.3%、前年比予想 前回-0.2%
20:00 GBP 12月 CB 報告済売上高=予想10 前回1
22:30 USD 9月、10月、11月 住宅着工件数=予想 8月89.1万戸
22:30 USD 11月 住宅着工許可件数=予想-4.7% 前回6.2%、予想99.0万件 前回103.4万件
4:00 USD FOMC=政策金利0.00~0.25%、住宅ローン担保証券(MBS)買い入れ月間400億ドル、米国債買い入れ450億ドルの据え置きを予想
4:00 USD FOMC=経済・金利見通しを公表
4:30 USD バーナンキFRB議長記者会見


12/19
6:45 NZD 第3四半期GDP=前期比予想1.1% 前回0.2%、前年比予想3.4% 前回2.5%
8:50 JPY 対外証券投資:中長期ネット=予想 前回4132億円、株式ネット=予想 前回-1275億円、対内証券投資:中長期ネット=予想 前回-139億円、株式ネット=予想 前回1138億円
13:30 JPY 10月 全産業活動指数=前月比予想0.3% 前回0.4%
16:00 CHF 11月 貿易収支=予想28.0億スイス 前回24.3億スイス、輸出予想 前回-2.6%、輸入予想 前回-2.3%
18:00 EUR 10月 経常収支=予想 前回140億ユーロ
18:30 GBP 11月 小売売上高=前月比予想0.2% 前回-0.7%、前年比予想2.4% 前回1.8%
22:30 USD 新規失業保険申請件数=予想35.5万件 前回36.8万件
23:00 CHF スイス中銀四半期レポートの公表
23:00 EUR EU首脳会議(20日まで)
0:00 USD 11月 リアルター協会 中古住宅販売=予想-2.2% 前回-3.2%、年率予想510万戸 前回512万戸
0:00 USD 11月 CB景気先行指数=予想0.6 前回0.2、一致指数=前回0.2%、遅行指数=前回0.3%
0:00 USD 12月 フィラデルフィア連銀業況指数=予想10.0 前回6.5、新規受注=前回11.8、支払価格=前回29.9、従業員数=前回1.1


12/20
未定 JPY 日銀金融政策決定会合=マネタリーベースを年間60兆~70兆円増、現行の資産買い入れの継続を予想
9:05 GBP 12月 GfK消費者信頼感調査=予想-11 前回-12
16:00 GER 11月 生産者物価指数=前月比予想-0.1% 前回-0.2%、前年比予想-0.8% 前回-0.7%
16:00 GER 1月 GfK 消費者信頼感指数=予想 前回7.4
18:30 GBP 第3四半期 GDP・確報値=前期比予想0.8% 前回0.8%、前年比予想1.5% 前回1.5%
18:30 GBP 第3四半期 経常収支=予想-140億ポンド 前回-130億ポンド
22:30 USD 第3四半期 GDP・確報値=前期比年率予想3.6% 前回3.6%、PCE価格指数=前期比予想 前回1.9%、コアPCE価格指数=前期比予想 前回1.4%、個人消費支出=前期比予想 前回1.4%、デフレーター=予想 前回2.0%
22:30 USD 第3四半期 企業利益・改定値=前期比予想 速報値2.6%
22:30 CAD 11月 消費者物価指数=前月比予想0.1% 前回-0.2%、前年比予想1.0% 前回0.7%、BOC・CPI=前月比予想0.1% 前回0.2%、前年比予想1.2% 前回1.2%
22:30 CAD 10月 小売売上高=前月比予想0.2% 前回1.0%
0:00 EUR 12月 消費者信頼感・速報値=予想-15.0 前回-15.4

米CFTC発表の通貨先物取引(IMMポジション) 12月10日分

米CFTC発表の通貨先物取引(IMMポジション) 12月10日分

カナダドルと豪ドルのショートポジションは増加傾向にあり、コモディテー通貨安=リスク資産売りの流れが続いている。安全資産のスイスフランはロングを維持し、ユーロとポンドを含めてた3通貨が選好される動きとなっている。

円は、10月29日の週から続いた円ショートの増加傾向が久々に変化し、全体では引き続き円ショートポジションは大きいものの、前週比では3672コントラクト減少した。

ユーロは、ロングポジションは2週目となったが増加幅は限定的で、全体でのユーロのロングも低水準。

カナダドルと豪ドルは、円と同様にショートポジションは定番で、今回もショートポジションが増加している。

スイスフランとNZドルは、引き続きロングが定番となり、スイスフランのロングは拡大し、ポンドも3週間連続してロングを維持しているが、急上昇した3日の週からはほとんど増加していない。