2014年6月7日土曜日

6月7日(土曜) 最新のIMMポジションと相場の動き

2014年6月7日(土曜)

【ストラテジー】

6月7日(土曜) 最新のIMMポジションと相場の動き

≪最近のデータが示すもの(6月3日データ)≫ 

7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネットはショート-57,954コントラクトで、前週-32,255コントラクトからショートが-25,699増加した。ドルに換算したポジションはロング約99.1億ドルと前週の59.1億ドルから大幅に増加し、ドル先高期待が続いている。

コモンウェル通貨と呼ばれる、大英帝国とその旧連邦だった国の通貨、ポンド、豪ドル、NZドルが堅調に推移した。ウクライナ情勢も危惧が薄れ、ECBの追加利下げと、BOEの予想外に遅い利上げ見通しと、年内緩和縮小と来年の利上げをにらむ豪州、そして、既に引き上げを開始し今後の追加利上げが期待されるNZドルはようやく下げ止まり、金利差相場の流れは続く。

≪各通貨での変化≫
円=-74,218コントラクトと、前週の-59,036から、ショートポジションは拡大。スポット・レートは3日の102.50円台から、翌4日には102.80円近くまで円安が進みながらも加速することはできず、金曜日には一時102.10円台まで下落、一進一退の動きとなっている。

ユーロ=-33,025コントラクトと、前週の-16,633からショートが増加、4週連続の増加となった。スポット・レート3日に1.36台を維持していたが、5日のECB理事会後に1.35台まで急落した後、再び1.36台へ値を戻し、ショートポジションが減少している可能性がある。

ポンド=+34,974コントラクトと、前週の+35,304からロングは微減。スポット・レートは4日に1.67近くまで下落した後に、1.6850近くまで値を戻し、底堅く推移。市場参加者は1年以来の利上げ予想が増えており、ポンドの先高期待は強い。

豪ドル=+21,527コントラクトと、前週の+15,848からロングが増加。9週連続でプラス圏を維持しており、スポット・レートは3日の0.92台から0.93台へ上昇し、先高期待が続いている。

NZドル=+17,944コントラクトと、前週の+17,944から微減。スポット・レートは3日の0.84台から一時0.86近くまで上昇、先週末には0.85近辺で終了、久しぶりの上昇になっている。





6月7日(土曜) 昨日、海外市場の動き

6月7日(土曜) 昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

バイトマン独連銀総裁の記事で、ECBが決定した一連の緩和措置は、長く激しい議論の末に決定されたことが判明した。「国債購入に関する姿勢は変わらず」とのことで、量的緩和に反対していた可能性があり、インフレ率が低過ぎる水準へ低下することも容認できないことが、今回の措置を決定した要因とのこと。ただ、他の理事も含め、現状ではこれ以上の緩和措置を検討することがあり得ないことを示していた。

週末金曜日の為替相場は、前日のECB理事会決定をドラギECB総裁の記者会見を受けた直後の動きとは異なり、米雇用統計がほぼ予想通りの結果で動きにくいこともあるが、ポジション調整に上下に振れながらも、終わって見れば大きな動きは見られず。主要通貨は安定し、金利差相場は変わりなく、欧州債利回りは低下、欧米の株価は上昇。EURUSDは1.36台を維持、GBPUSDも1.68台を維持、AUDUSDも0.93台を維持、USDJPYは102.50円近辺で変わらず。

◎独貿易収支は、輸出の伸びが大きく予想外に黒字額は拡大。
◎英貿易収支は、赤字額が拡大へ。
◎米雇用統計は、失業率は前月と変わらず、非農業部門雇用者数もほぼ予想通り。
◎カナダ雇用統計は、失業率は若干上昇したが、雇用ネット変化は予想とあまり変わらず。
◎デンマーク中銀=政策金利0.05%の据え置きを決定。ECBの利下げにもかかわらず利下げを実施せず。
◎コンスタンシオECB副総裁、ユーロ圏が負のスパイラルに陥れば、大規模な資産買い入れが必要となる。
◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁、インフレ率はECBの目標を大幅に下回っている。スペインとイタリア経済を懸念。
◎バイトマン独連銀総裁は、国債購入に関する姿勢は変わらず。ECBの一連の緩和措置は、長く激しい議論の末に決定された。直ちに追加措置を検討することは適切でない。
◎BOEインフレと利上げ期待に関する四半期調査結果は、回答者の42%が1年以来に政策金利が引き上げられると予想(前回2月40%)
◎IMF(英経済に関する返事報告書)は、過熱気味の住宅市場の沈静化で、リスクの高い住宅ローンの組成の抑制を求めた。
◎ドイツ連銀レポート=2014年インフレ率見通し1.3%(12月時点)→1.1%に引き下げた。
◎メキシコ中銀=政策金利を0.50%引き下げ過去最低の3.0%に決定、予想外。
◎ポロシェンコ・ウクライナ次期大統領は、8日にロシアと平和計画を協議。
◎ボリ・スウェーデン財務相は、通貨クローナが高すぎる。

XXXXXX

アジア市場は、ECBが追加緩和を実施したことで、金利差相場とリスク許容度が拡大との両方向の流れが強まったが、アジア市場は週末と米雇用統計の発表を控え、積極的な動きは見られず、ドル安値件で小幅な値動きで推移した。USDJPYは、仲値過ぎに一時102.25円まで下落、102.30~38円のレンジで推移。EURUSDは、1.3650台を維持するも1.3650~60のレンジで動けず。GBPUSDも1.6800台を維持したが1.6805~15の狭いレンジで推移。AUDUSDも0.9330を中心に狭いレンジで推移、NZDUSDも0.8480~00の狭いレンジで取引が続いた。

欧州市場は、相変わらず積極的な動きは見られず。EURUSDは、デンマーク中銀は利下げを実施せずEURDKKは下落、ノボトニー・オーストリア中銀総裁が、スペインとイタリア経済と、弱いインフレ率を懸念、ドイツ連銀レポートでは2014年のインフレ見通しを1.1%に下方修正、コンスタンシオECB副総裁は必要であれば幅広い資産購入は可能と発言、多くのマイナス材料にEUR売りが強まったが、それでも1.3620台を維持、底堅く推移。GBPUSDは1.6800~20で動けず、USDJPYも102.25~40円で動けず。AUDUSDとNZDUSDは引き続き底堅く、リスク選好の動きに緩やかな上昇が続いた。

米雇用統計は、ほぼ予想通り結果となったが、直後から投機筋による短期的な上下を試す動きは続いた。USDJPYは102.25円割れ、102.50円超えの上下を試し、一時102.60円台まで上昇。EURUSDは1.3670台まで上昇、前日のECB理事会前の水準を超えられず1.3620まで下落し、1.3620~75のレンジで推移。GBPUSDも1.6820台をボトムに1.6840台へ上昇後、1.6780まで一時下落し1.6800台を維持。AUDUSDは0.9350台で伸び悩むも、0.9320~55のレンジで安定推移。

***** 発言・その他 *****

◎中国銀行業監督管理委員会=クロスマーケット商品やシャドーバンキングへの監視を強化する方針。業界の資金調達に直ちに歯止めはかけないが、地方政府の資金調達や、不動産業界・供給能力が過剰な業界の資金調達についても、管理を強化。
◎習近平国家主席=財政改革は喫緊の課題。財政および税制の改革深化の重要性、緊急性、複雑さや難しさを十分に理解する必要がある。
◎デンマーク中銀=政策金利0.05%の据え置きを決定。ECBの利下げにもかかわらず利下げを実施せず、EURDKKは下落、ペック制度を守るために介入は必至。
◎ECB2016年12月までの金融政策運用についての声明(5日)=ECB理事会は、固定金利で全額供給する主要リファイナンシング・オペ(MRO)を必要な期間継続し、少なくとも2016年12月の積み期間終了まで実施。期間3カ月の長期リファイナンスオペ(TLTRO)を固定金利・全額供給方式で複数回行うことも決めた。3カ月物LTROの金利は期間中のMROの平均を用いる。特別リファイナンスオペについて、6月10日に行われるオペ後の積み期間終了をもって打ち切る。証券市場プログラム(SMP)で供給した流動性を吸収する毎週の不胎化オペも6月10日で停止。
◎コンスタンシオECB副総裁=ユーロ圏が負のスパイラルに陥れば、大規模な資産買い入れが必要となる。ユーロ圏内の各国で突出した債務を削減するため、インフレを加速させ、成長率を上向かせることが必要。必要であれば幅広い資産購入は可能。
◎レーン欧州委員会副委員長=ECBの決定は欧州の回復に重要と評価。
◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁=インフレ率はECBの目標を大幅に下回っている。スペインとイタリア経済を懸念。ユーロ圏は世界で最も成長が弱い地域。ECBの決定は易しくはなかったが、最終的に全員一致で決定した。
◎バイトマン独連銀総裁=国債購入に関する姿勢は変わらず→ 量的緩和に反対していた可能性がある。インフレ率が長期間低水準にとどまれば経済に悪影響があり、インフレ率が低過ぎる水準へ低下することも容認できない。ECBの一連の緩和措置は、長く激しい議論の末に決定された。直ちに追加措置を検討することは適切でない。
◎バイトマン独連銀総裁=ユーロ圏には与信があふれているという状況ではくその逆。銀行の貸出は非常に慎重で、多くの国で企業の資金需要も極めて弱いく、この状況を変えるためのECBはできることを行った。
◎コンスタンシオECB副総裁=ドラギECB総裁は金利が事実上、下限に達したと言明したが、状況の変化に応じ行動することも排除しなかった。政策金利を引き下げる可能性は少ないが、他の金利を微調整する可能性は残っている。一連の措置が効果を発揮せず、インフレ期待が低下し始めるようであれば、年末までに広範な資産買い入れ策を実施する可能性がある
◎BOEインフレと利上げ期待に関する四半期調査結果=回答者の42%が1年以来に政策金利が引き上げられると予想(前回2月40%)。金利据え置きは36%。向こう1年のインフレ率予想は2.6%と、2月時点に見込まれた2.8%を下回り、10年2月以来の低水準。
◎IMF(英経済に関する返事報告書)=大きな兆候はないが、事態が急速に変化する恐れがあり、過熱気味の住宅市場の沈静化で、リスクの高い住宅ローンの組成の抑制を求めた。住宅市場の沈静化に向けた取り組みが奏功しなければ、英中銀は早い時期に利上げを整える必要に迫られる
◎オズボーン英財務相=住宅市場の動向を警戒、英中銀は必要であれば行動をちゅうちょすべきではない。
◎ドイツ連銀レポート=2014年インフレ率見通し1.3%(12月時点)→1.1%に引き下げ、2015年1.5%、2016年1.9%と予想。成長率は2014年1.7%→1.9%に上昇修正、2915年2.0%、2016年1.8%と予想。
◎安倍首相=GPIF運用の見直しを今秋までに前倒しして見直す方針へ。
◎田村厚生労働相=GPIFに運用資産の構成見直しを前倒しするように要請。
◎メキシコ中銀=政策金利を0.50%引き下げ過去最低の3.0%に決定、予想外。インフレ圧力を高めることなく、一度限りの利下げで景気を下支える余地があると説明。
◎ポロシェンコ・ウクライナ次期大統領=8日にロシアと平和計画を協議。ロシアはウクライナ大統領選の結果を承認することで 合意。
◎ボリ・スウェーデン財務相=通貨クローナが高すぎる。ECBの利下げの影響を受け、これ以上通貨高が進むことがあってはならない。通貨高が進まないよう中銀が為替動向を注視すべき。決定を下すのは中銀で、私は中銀の決定を尊重するが、通貨高を正当化できないと考えていることを示すことが重要。
◎FRB発表の米第1四半期の資金循環統計(5日)=家計純資産は株価と不動産価格の上昇が寄与し、2.0%増加し、81.8兆ドルと過去最高を更新。
◎S&P=米国の格付けを「AA+/A-1+」で確認、見通しは安定的。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

14:00 JPY 4月 景気動向指数・速報: 一致指数CI指数=111.1(予想110.9 前回114.5)→ 予想を上回ったが2カ月ぶりに低下、先行CI指数=106.6(予想106.2 前回107.1)→ 3カ月連続で低下し、基調判断を下方修正
15:00 GER 4月 鉱工業生産指数=前月比0.2%(予想0.4% 前回-0.6←-0.5%)、前年比1.8%(予想2.7% 前回2.9←3.0%)
15:00 GER 4月 貿易収支=174億ユーロ(予想151億ユーロ 前回166←164億ユーロ)、輸出=前月比3.0%(予想1.5% 前回-1.8%)、輸入=前月比0.1%(予想0.6% 前回-1.1%)、経常収支=184億ユーロ(予想156億ユーロ 前回197←195億ユーロ)→ 輸出の伸びが大きく、予想外に黒字額は拡大
16:15 CHF 5月 消費者物価指数=前月比0.3%(予想0.2% 前回0.1%)、前年比0.2%(予想0.1% 前回0.0%)、HICP前月比0.1%(予想0.1% 前回0.1%)、HICP前年比0.2%(予想0.2% 前回0.1%)
17:30 GBP 5月 貿易収支=-96.24億ポンド(-86.5億ポンド 前回-82.93←-84.78億ポンド)→ 赤字額が拡大へ
21:30 USD 5月 雇用統計: 失業率=6.3%(予想6.4% 前回6.3%)、非農業部門雇用者数=21.7万人(21.5万人 前回28.2←28.8万人)→ 失業率は前月と変わらず、非農業部門雇用者数もほぼ予想通り
21:30 CAD 5月 雇用統計: 失業率=7.0%(予想6.9% 前回6.9%)、雇用ネット変化=25,800人(予想25,000人 前回-28,900人)→ 失業率は若干上昇したが、雇用ネット変化は予想とあまり変わらず
4:00 USD 4月 消費者信用残高=268 億ドル(予想150億ドル 前回175.29億ドル)

2014年6月6日金曜日

6月6日(金曜) アジア市場は、週末と米雇用統計の発表を控えて動けず。株価も動かず。

6月6日(金曜) アジア市場は、週末と米雇用統計の発表を控えて動けず。株価も動かず。

ECBが追加緩和を実施したことで、金利差相場とリスク許容度が拡大との両方向の流れが強まったが、アジア市場は週末と米雇用統計の発表を控え、積極的な動きは見られず、ドル安値件で小幅な値動きで推移した。

USDJPYは、仲値過ぎに一時102.25円まで下落、102.30~38円のレンジで推移。EURUSDは、1.3650台を維持するも1.3650~60のレンジで動けず。GBPUSDはも1.6800台を維持したが1.6805~15の狭いレンジで推移。AUDUSDも0.9330を中心に狭いレンジで推移、NZDUSDも0.8480~00の狭いレンジで取引が続いた。

6月6日(金曜) 昨日、海外市場の動き

6月6日(金曜) 昨日、海外市場の動き

***** 昨日のポイント *****

ECBはドラギ総裁を含め、ついに本気で追加の緩和措置を決定した。バイトマン独連銀総裁の反対はなく、利下げに反対していたドイツ政府を横目に、南欧諸国の銀行による不良債権処理の活性化を目的に決定したとも言われている。

本格的な量的緩和まで踏み込めなかったが、流動性供給に動き、ABS購入に向けた準備を加速させ、不胎化オペも中止し、流動性の供給に動き、必要があれば速やかに追加緩和に動くという。

EURUSDは、直後の1.3500台までの急落から1.3650超えまで反発、利益確定と材料の出尽くし感による変動となったが、即、本格的なユーロ買いにつながるとは思えない。

ボトムアウトしたことを確認する、再下押しの動きもなく、米国の緩和縮小・利上げと、ユーロ圏の緩和加速・利下げと、相反する動きに、金利差は間違いなく拡大していることを考えれば、1.37台を超えて続伸することは難しく、何度も下押しし、1.35がボトムであることが確認し実証できるまでは、1.35~1.37のレンジと考えたい。

◎豪貿易収支は、予想外のマイナスに豪ドル売りが強まるが、輸入の増加に景気拡大がテーマとなり直ぐに回復。
◎英ハリファックス住宅価格は、11年ぶりの大幅な伸び率にポンド買いが強まる。
◎ユーロ圏小売売上高は、予想外に上昇し、7年ぶりの高水準に、一時EUR買いが強まる。
◎BOE金融政策は、政策金利0.50%、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定、予想通りで動けず。
◎ECB金融政策は、0.25%の政策金利を0.1%引き下げ0.15%に決定、預金ファシリティ金利0.0%→-0.10%、限界貸付ファシリティ金利0.75%→0.40%「に引き下げ、EUR急落から反発へ。
◎ドラギECB総裁の記者会見は、ドラギECB総裁の記者会見=新たな長期リファイナンスオペ(LTRO)を含むパッケージを発表、ABS購入に向けた準備を加速させ、不胎化オペも中止し、流動性の供給に動く。必要があれば速やかに追加緩和に動く。EURUSDは上下しながらも買い戻しが強まる。
◎新規失業保険申請件数は、予想より若干悪化したが、4週平均では2007年以来の低水準。
◎カナダの住宅建設許可件数と、Ivey購買部協会指数は、予想を下回る。

XXXXXX

欧州市場は、ユーロ圏の小売売上高の前年比が7年ぶりの高水準に弱いながらもユーロ買いが強まり、米金利の低下にGBPUSDを含めややドル売りが先行して始まった。BOEは予想通り政策金利1.0%と、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定、相場への影響は見られず。

ECBは政策金利を0.1%引き下げ0.15%に、下限金利を-0.1%、上限金利を0.4%に引き下げた。発表直後の反応は複雑で、上下の近くにあるストップを共に付けてから続落。EURUSDは一時1.3550台まで下落、ドル売りの流れをリードして、USDJPYは上昇、GBPUSD、AUDUSD、NZDUSDもドル買いの流れが続いた。

ドラギECB総裁の記者会見は、QEに言及したことでユーロ売りが強まる。ユーロ売り主導にドルは上昇したが、AUDUSDとNZDUSDは上昇しドル売りへ。ドラギECB総裁は「必要とあれば、速やかに追加緩和に動く」、「的を絞るLTROを含むパッケージを発表、QEに取り組んでいる」との発言にEURUSDは一時1.3500台まで下落。

米国市場は、ECB理事会の利下げ決定と、ドラギECB総裁が記者会見で、新LTROを含むパッケージを発表、ユーロ売りが加速するも、EURUSDは1.35の大台から逆戻りし上昇へ。E新規失業保険申請件数は予想より若干悪化、カナダの住宅建設許可件数は弱かったが、今日のテーマにならず。

終わって見れば、ドルは全面安。USDJPYは終値ベースでも102.50円を割り込み102.40円近辺で終了。EURUSDは1.3650台の高値圏で終了、GBPUSDも1.6820台まで値を戻し、1.6800台で終了した。AUDUSDは0.9340台まで一方向で上昇、NZDUSDも一時0.8510台まで続伸し0.85000近辺で終了した。



***** 発言・その他 *****

◎中国当局=成長率を7.2%に維持することに自信。過去1週間に実施した財政支出の加速や2度目となる一部の銀行を対象とした預金準備率の引き下げを通じ、大型の景気刺激策を講じることなく経済への支援範囲を広げた。
◎ドラギECB総裁の記者会見=新たな長期リファイナンスオペ(LTRO)を含むパッケージを発表、ABS購入に向けた準備を加速させ、不胎化オペも中止し、流動性の供給に動く。必要があれば速やかに追加緩和に動く。政策金利は長期にわたり現在の水準で推移。決定は全会一致。主要政策金利は当面は現在の水準にとどまる見込み。大規模な資産買い入れはまだ先で、可能性を排除しない。
◎ドラギECB総裁の記者会見=オぺ応札額の全額供給を延長。証券市場プログラムの不胎化は終了へ。低インフレを受けて不胎化を終了。長い期間に的を絞り、流動性の供給で、期間4年間のLTROを当初規模が4000億ユーロで、今年9月と12月の2回実施へ。金利は事実上、下限に到達したと考えている。
◎ドラギECB総裁の記者会見=ECBは為替相場を注視。為替相場はインフレと成長で重要。最近のインフレは為替相場の影響を受けている。資金流入によるユーロへの圧力は和らいだ。
◎ECBスタッフ予測=GDP成長見通し、2014年を1.2%→1.0%に引き下げ、2015年度は1.5%→1.7%に引き上げへ。インフレ見通しを下方修正、2014年1.0%→0.7%、2015年1.3%→1.1%、2016年1.5%→1.4%。
◎クノット・オランダ中銀総裁=今回の緩和は、企業融資の活性化が主たる目的。
◎安倍首相=株式投資を増やすように年金基金に要請
◎ウィリアムズ・SF連銀総裁=良好な金融政策においてインフレ抑制が最も重要な要素。金融の安定に金融政策を用いる事の代償は相当大きい。名目所得ターゲットと、銀行以外に利子付き口座を拡充することで、金融安定につながる可能性がある。
◎コチャラコトタ・ミネアポリス連銀総裁=FRBは政策金利を数年、低く維持する必要になる可能性がある。



***** 結果、主な経済指標・その他 *****

8:50 JPY 対外証券投資:中長期ネット=-7213億円(予想 前回898←905億円)、株式ネット=2771億円(予想 前回-755←-753億円)
8:50 JPY 対内証券投資:中長期ネット=5464億円(予想 前回-2393億円)、株式ネット=817億円(予想 前回337←326億円)
10:30 AUD 4月 貿易収支=-1.22億豪ドル(予想3億豪ドル、前回9.02←7.31億豪ドル)、輸出-1%、284.97億豪ドル、輸入2%、286.19欧豪ドル→ 予想外のマイナスに豪ドル売りが強まるが、輸入の増加に景気拡大がテーマとなり直ぐに回復
10:45 CNY 4月 HSBC サービス業PMI=50.7(予想 前回51.4)→ 前回を下回る
15:00 GER 4月 製造業受注指数=前月比3.1%(予想1.3% 前回-2.8%)→ 予想外に増加
16:00 OTH G7首脳会議
16:00 GBP 4月 ハリファックス住宅価格=前月比3.9%(予想0.7% 前回-0.3%←)、前年比・3カ月比=8.7%(予想7.4% 前回8.5%)→ 11年ぶりの大幅な伸び率
18:00 EUR 4月 小売売上高=前月比0.4%(予想0.1% 前回0.1←0.3%)、前年比2.4%(予想1.5% 前回1.0←0.9%)→ 予想外に上昇し、7年ぶりの高水準にEUR買いが強まる
20:00 GBP BOE 金融政策発表=政策金利0.50%、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定、予想通り
20:45 EUR ECB 金融政策発表=0.25%の政策金利を0.1%引き下げ0.15%に決定、預金ファシリティ金利0.0%→-0.10%、限界貸付ファシリティ金利0.75%→0.40%「に引き下げた。
21:30 USD 新規失業保険申請件数=31.2万件(予想31.0万件 前回30.4←30.0万件)→ 予想より若干悪化、4週平均では2007年以来の低水準
21:30 CAD 4月 住宅建設許可件数=前月比1.1%(予想4.2% 前回-3.2←-3.0%)→ 予想より弱い
21:30 EUR ドラギECB総裁記者会見
23:00 CAD Ivey購買部協会指数=48.2(予想56.0 前回54.1)→ 予想と前回を下回る


***** 本日予定、主な経済指標・その他 *****

14:00 JPY 4月 景気一致指数CI指数・速報値=予想110.9 前回114.5、景気先行CI指数・速報値=予想106.1 前回107.1
15:00 GER 4月 鉱工業生産指数=前月比予想0.4% 前回-0.5%、前年比予想2.7% 前回3.0%
15:00 GER 4月 貿易収支=予想152億ユーロ 前回164億ユーロ、経常収支=予想151億ユーロ 前回195億ユーロ
16:15 CHF 5月 消費者物価指数=前月比予想0.2% 前回0.1%、前年比予想0.1% 前回0.0%
17:30 GBP 5月 貿易収支=-86.5億ポンド 前回-84.78億ポンド
21:30 USD 5月 雇用統計: 失業率=予想6.4% 前回6.3%、非農業部門雇用者数=21.5万人 前回28.8万人
21:30 CAD 5月 雇用統計: 失業率=予想6.9% 前回6.9%、雇用ネット変化=予想25,000人 前回-28,900人
4:00 USD 4月 消費者信用残高=予想150億ドル 前回175.29億ドル

2014年6月5日木曜日

ユーロ買い戻しも限定的で、基本なレンジから売り継続。

ECB理事会とドラギECB総裁の記者会見でEURは下落後、逆に上昇へ。

おいそれとは、1.37台へ戻すことは予想できず、EURUSD1.3550~1.3650のレンジでの取引を考えたい。

米国市場は、ECB理事会の利下げ決定と、ドラギECB総裁が記者会見で、新LTROを含むパッケージを発表、ユーロ売りが加速するも、EURUSD1.35の大台で逆戻りし上昇へ。E新規失業保険申請件数は予想より若干悪化、カナダの住宅建設許可件数は弱かったが、今日のテーマにならず。


相場をリードするEURUSDは、ECB理事会の利下げ決定と、ドラギECB総裁が記者会見で、新LTROを含むパッケージを発表したことで下落したが、目先の材料は出尽くし、今後の指標を見守る可能性に、EURUSD1.3650近くまでの買い戻しが強まった。
USDJPYは、ドル買いの流れに一時102.70円台まで上昇すると、逆に直近の安値102.45円を割り込み、102.30円台まで続落。
GBPUSDも、EURUSDの動きをフォロー。一時1.6720台まで値を下げたが、1.6810台まで上昇。
AUDUSDは、値を下げることはなく、0.9320台まで続伸、NZDUSDも、0.8430台をボトムに底堅く一時0.8470台まで上昇。

XXXXXX

ドラギECB総裁の記者会見=新LTROを含むパッケージを発表、QEに取り組んでいる。必要があれば、速やかに追加緩和に動く。政策金利は長期にわたり現在の水準で推移。決定は全会一致。主要政策金利は当面は現在の水準にとどまる見込み。

ドラギECB総裁の記者会見=オぺ応札額の全額供給を延長。証券市場プログラムの不胎化は終了へ。低インフレを受けて不胎化を終了。銀行に新たな長期リファイナンスオペ(LTRO)を提供。長い期間に的を絞り、LTRO計画の当初規模は4000億ユーロで、今年9月と12月の2回実施へ。ABS購入に向け、準備を加速。

ドラギECB総裁の記者会見=ECBは為替相場を注視。為替相場はインフレと成長で重要。最近のインフレは為替相場の影響を受けている。

ドラギECB総裁の記者会見=資金流入によるユーロへの圧力は和らいだ。


ECBスタッフ予測=GDP成長見通し、2014年を1.2%→1.0%に引き下げ、2015年度は1.5%→1.7%に引き上げへ。インフレ見通しを下方修正、20141.0%→0.7%、20151.3%→1.1%、20161.5%→1.4%。

6月5日(木曜) 昨日、海外市場の動き

6月5日(木曜) 昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

ECB理事会では、金利引き下げが既定事実となりつつあり、量的緩和まで踏み込むか判断ができず、ユーロ相場が動かない。利下げを織り込み現在のEURUSD1.3600近辺に留まっていることは、ユーロの強さを反映していると考えたいが、結果を見て相場変動を確認しないと、なんとも言えない分があり、今は動きを潜めている。その影響に他の主要通貨でも動きが鈍く、方向性を示すことができずにいるが、今日のECB理事会と、ドラギECB総裁の記者会見で白黒が判明する。


◎豪第1四半期GDPは、予想を上回り、直後は豪ドル買いが強まる。
◎ユーロ圏各国の総合PMIは弱く、GDPは速報値・予想と変わらず。
◎米ADP雇用統計は、予想を下回り、直後はドル売りが強まる。
◎米貿易赤字が拡大、2年ぶりの水準に逆戻り。
◎カナダ貿易収支は、予想外のマイナスで、直後はカナダドル売りが強まる。
◎カナダ中銀は、政策金利1.0%の据え置きを決定、予想通りだが、低インフレのリスクを警戒。
◎米ISM非製造業景況指数は、予想外に強く、直後はドル全面高。
◎ベージュブックは、12地区連銀全てで景気は拡大。

XXXXXX

アジア市場は、豪第1四半期GDPは予想より強く、AUDUSDは0.9300の大台直前まで上昇したが、早期利上げ期待も見られず直ぐに0.9260まで下落。EURUSD、GBPUSDとNZDUSDは続落傾向が続いた。
欧州市場は、ポンド買いがリードするドル売りの流れが続き、AUDUSDとNZDUSDも下げ止まる。GBPUSDは1.6700割れをボトムに、強い英サービス業PMIを契機に買い戻しが強まり1.6760台まで上昇。

EURUSDはユーロ圏各国のPMIでの反応は鈍く、1.3600の攻防に売り買いが活発になり上下変動した後、ユーロ圏GDPは予想通りとなったが、1.3635台まで上昇。NZDUSDの弱い下落傾向は止まらず、0.8400を試す動きが続き、USDJPYは102.60~70円のレンジから一時102.45円を割り込に円高に動いた。
米国市場は、米ADP雇用統計が弱く、米貿易赤字が2年ぶりの水準へ拡大し、一時ドル売りへ傾いたが、予想外に強い米ISM非製造業景況指数にドルは全面高、ベージュブックでも全ての地区連銀で景気は拡大。カナダ中銀は予想通り政策金利1.0%の据え置きを決定「低インフレのリスクはこれまで以上に強まる」に、カナダドル売りが強まる。USDJPYは他旅102.70円台へ上昇、EURUSDは1.3600割れまで続落。GBPUSDは1.3730台で下げ止まり、AUDUSDとNZDUSDは大きな動きは見られず。


***** 発言・その他 *****

◎カナダ中銀の声明=物価上昇ペースは予想を上回ったが、低インフレのリスクはこれまで以上に強まる。次の金利操作はデータ次第。世界経済の下振れや米経済の基調的な勢いがやや弱まっている可能性がある。第1四半期のカナダ経済も低成長にとどまった。
◎カナダ中銀声明=コアインフレ率はカナダドル安とエネルギーコスト高に上昇したが、2%を著しく下回っている。カナダドル安と外需拡大が輸出の回復を支援し企業利益の増加が投資を促進。
◎ユーロ圏中銀当局者=ドラギECB総裁は、6月の引き下げ後も、追加の利下げを選択する可能性がある。
◎ドイツ連邦金融サービス監督庁(BAFin)の銀行監督責任者=低金利の長期化が銀行利益を圧迫。
◎シャープBOE政策委員=最近の指標は回復の兆しが見られるが、英経済は弱い。アジアなどの海外からのリスクが見られる。
◎第一生命=米プロテクティブ生命を570億ドルで買収。
◎シリア大統領選=アサド大統領が圧勝し再選へ、反政府は選挙結果は不正と主張。
◎G7声明草案=G7は対ロシア制裁を強化する用意がある。ロシアにウクライナ反体制派への影響力行使を要求。
◎フィッシャー・ダラス連銀総裁(3日)=FRBは10月に債券買い入れを終了することを支持するが、年内に利下げする可能性は少ない。
◎米地区連銀経済報告(ベージュブック)=12地区全てで経済活動が、控えめから穏やかに拡大へ(前回8地区)→ 米経済の拡大を確認。 労働市場は全般的に回復。 賃金圧力は抑制されている。物価情勢は大半がインフレは抑制されている。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

8:01 GBP 5月 BRC店頭価格指数=前月比-1.4%(予想-1.2% 前回1.4%)
8:30 AUD 5月 AiGサービスインデッス=予想49.9(前回48.6)
10:30 AUD 第1四半期 GDP=前期比1.1%(予想0.9% 前回1.0%)、前年比予想3.5%(3.3% 前回2.7←2.8%)
16:50 FRN 5月 総合PMI・確報値=49.3(予想 速報値49.3)、サービス業PMI・確報値=49.1(予想49.2 速報値49.2)
16:55 GER 5月 総合PMI・確報値=55.6(予想 速報値56.1)、サービス業PMI・確報値=56.0(予想56.4 速報値56.4)
17:00 EUR 5月 総合PMI・確報値、53.5(予想53.9 速報値53.9)、サービス業PMI・確報値=53.2(予想53.5 速報値53.5)
17:30 GBP 5月 サービス業PMI=58.6(予想58.2 前回58.7)→ 予想を上回りポンド買いが強まる
18:00 EUR 第1四半期 GDP・改定値=前期比0.2%(予想0.2% 前回0.2%)、前年比0.9%(予想0.9% 前回0.9%)→ 予想・速報値と変わらず
18:00 EUR 4月 生産者物価指数=前月比-0.1%(予想-0.1% 前回-0.2%)、前年比-1.2%(予想-1.2% 前回-1.6%)→ 前回より改善したが予想と変わらず
18:00 EUR 第1四半期 政府支出=前期比0.3%(予想0.2% 前回-0.4←-0.3%)、家計支出=前期比0.1%(予想0.1% 前回0.0←0.1%)、総固定資本=前期比予想 前回1.0%
21:15 USD 5月 ADP雇用統計=前月比17.9万件(予想21.0万件 前回21.5←22.0万件)→ 予想を下回り、直後はドル売りが強まる
21:30 USD 4月 貿易収支=-472億ドル(予想-408億ドル 前回-442←-404億ドル)→ 赤字額は2年ぶりの水準に拡大
21:30 USD 第1四半期 非農業部門生産性・確報値=前期比年率-3.2%(予想-2.2% 前回-1.7%)、単位労働コスト・確報値=前期比年率5.7%(予想4.7% 前回-0.4←4.2%)
21:30 CAD 4月 貿易収支=-6.4億カナダドル(予想2億カナダドル 前回7.7億カナダドル←0.8億カナダドル)→ 予想外の赤字額に、直後はカナダドル売りが強まる
22:45 USD 総合PMI・確報値=58.4(前回58.6)、サービス業PMI・確報値=58.1(予想58.2 前回58.4)
23:00 USD 5月 ISM非製造業景況指数=56.3(予想55.5 前回55.2)→ 予想外に強く、直後はドル全面高
23:00 CAD カナダ中銀 金融政策発表=政策金利1.0%の据え置きを決定、予想通り
3:00 USD 米ベージュブック
3:00 OTH G7首脳会議


***** 本日予定、主な経済指標・その他 *****

8:50 JPY 対外証券投資=中長期ネット 予想 前回905億円、株式ネット 予想 前回-753億円
8:50 JPY 対内証券投資=中長期ネット 予想 前回-2393億円、株式ネット 予想 前回326億円
10:30 AUD 4月 貿易収支=予想3億豪ドル、前回7.31億豪ドル
10:45 CNY 4月 HSBC サービス業PMI=予想 前回51.4
15:00 GER 4月 製造業受注指数=前月比予想1.3% 前回-2.8%
16:00 OTH G7首脳会議
18:00 EUR 4月 小売売上高=前月比予想0.1% 前回0.3%、前年比予想1.5% 前回0.9%
20:00 GBP BOE 金融政策発表=政策金利0.50%、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを予想
20:45 EUR ECB 金融政策発表=政策金利0.25%→0.10%、預金ファシリティ金利0.0%→-0.10%、限界貸付ファシリティ金利0.75%→0.60%に引き下げを予想
21:30 USD 新規失業保険申請件数=予想31.0万件 前回30.0万件
21:30 CAD 4月 住宅建設許可件数=前月比予想4% 前回-3.0%
21:30 EUR ドラギECB総裁記者会見
23:00 CAD Ivey購買部協会指数=予想56.0 前回54.1

2014年6月4日水曜日

6月4日(水曜) 昨日、海外市場の動き



6月4日(水曜) 昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

不思議なもので、ECBはマイナス金利を採用するとの思惑が強い中でも、ユーロ売りは限定的で、1.36台を維持。マイナス金利の弊害が語られる中で、市場は既に利下げとマイナス金利を織り込み、量的緩和のサプライズがなければ、これ以上ユーロ売りが加速することがないような動きを示している。これは潜在的なユーロ買いの強さを示しており、何もなければユーロ買いが続くことを意味しているが、問題は、ユーロ高を抑制し低インフレの脱出手段の一つとするのか? これだけである。

USDJPYは牛歩の歩みながらも円売りが続き、市場参加者の関心は全く薄れ、今、円相場の動向に注意を払っている投資家も少なく、円クロスの動きを見ると逆に、潜在的な円安相場の継続を示唆。少し前まではヒーローだったNZドルは栄光が薄れ続落、ポンドの強さも影が薄らいでいる。


◎豪中銀は、政策金利2.50%の据え置きを決定。声明では金利の安定期間を設けることが最も賢明と判断。ハト派予想の反動にAUD買い戻しへ。
◎豪小売売上高は、予想通りで動けず。
◎ユーロ圏のCPIは、予想を上回る低下にECBの追加緩和の可能性がより高まるが、失業率の低下もあり、利食い先行のEUR買いへ。
◎英建設業PMIが弱く、GBP売りの流れが続く。
◎カルアナBIS総支配人は、ECBはマイナス金利の導入で、非常に慎重になる。
◎厚生労働省(社会保障審議会年金部会に報告した14年財政検証の結果)=5年に1度点検の財政検証で、約100年にわたる年金財政の見通しが判明。

XXXXXX

アジア市場は、AUDUSDの上昇が相場をリードし、ドルは小幅ながら全面安。市場の関心は豪州に関連の経済指標で、中国国家統計局・非製造業PMIは強く、HSBC製造業PMIは弱く強弱が混在。豪小売売上高は予想通りの結果にも、第1四半期・経常収支は予想外に赤字幅が縮小し、AUDUSDは緩やかな上昇が続いた。注目の豪中銀の金融政策では政策金利2.5%の据え置きを決定、一部には昨日の弱い豪経済指標を受けたハト派のムードがまん延していたが、「金利の安定期間を設けることが最も賢明と判断」と利下げムードは見られず、現行水準の維持が示された。

欧州市場は、ユーロの上昇が相場をリードするドル売りへ。注目のユーロ圏CPIは前月と予想に届かず、ECBの追加緩和の可能性が一段と強まったが、ユーロ圏の失業率は若干改善、EURUSDは逆に1.3590近辺の買いの厚さを確認し、1.3640台へ上昇。GBPUSDは一時1.6780台まで上昇したが、英建設業PMIが弱く買いも続かず、逆に下落へ。AUDUSDとNZDUSDは欧州市場の序盤に上昇するも続かず下落へ。USDJPYは大枠102.25~45円のレンジで上下。

米国市場は、米製造業受注指数が予想外に強く、ドル買いが強まる。GPIFの積立金残高の減少見通しへの変化に、運用の見直しが意識され、USDJPYはついに102.50円のポイントを上回る。EURUSDは1.3620まで小幅下落、GBPUSDは一時1.6730まで下落、AUDUSDとNZDUSDも弱含みで推移した。


***** 発言・その他 *****

◎豪中銀の声明=政策金利2.50%の据え置きを決定。緩和的な金融政策の継続が需要を支援し、成長加速に寄与する。金利の安定期間を設けることが最も賢明と判断。理事会は金融政策がインフレを実現に向け適切に設定されていると判断。
◎豪中銀の声明=新興国には再び資本が流入している。豪経済は2013年にトレンドを下回る成長だったが、2014年に入ると、新たな設備稼働による資源輸出の大幅増加によりペースが上昇。増加幅は今後の数四半期で縮小する見通し。
◎豪中銀の声明=失業率が継続的に低下すには一定の時間を要する。最近のデータは、賃金の伸びが減速したことが確認できる。豪ドルが下落しても、インフレ率は今後1~2年間、目標を下回る水準で推移.
◎豪中銀の声明=豪ドル下落は、均衡のとれた成長の達成を支援。ここ数カ月の豪ドル高で効果は低下。特にコモディティ価格の一段の下落を踏まえると、豪ドルはなお歴史的に高水準。
◎カルアナBIS総支配人=マイナス金利は見識が得られていない手段で、ECBは導入で非常に慎重になる。中銀預金金利がマイナスになったとしても銀行が融資を増加させるとの確認はない。
◎コエリョ・ポルトガル首相=最高裁判所が緊縮財政の一部を違憲と判断したことで、最後の支援を受け取れない可能性がある。
◎厚生労働省(社会保障審議会年金部会に報告した14年財政検証の結果)=5年に1度点検の財政検証で、約100年にわたる年金財政の見通しが判明。GPIFの積立金残高は今年度145.9兆円(前年3.4兆円)と2009年度の試算に反して減少する見通し。黒字転換の時期は18年度に先送りされ、積立金残高は70年度までは増加傾向が続き、その後は減少が加速する見通し。
◎エルアドン・トルコ首相=中銀の利下げは不十分と、中銀の金融優政策を批判。
◎ジョージ・カンザスシティー連銀総裁=資産買い入れは10月か12月に終了させ、利上げ前に満期となる保有証券の元本再投資を止めるべき。雇用とインフレは他が予想しているより早い時期に目標を達成する可能性があり、速いペースの引き上げが適切。刺激策の解消は必ずしもスムーズとは限らない。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

10:00 CNY 5月 国家統計局 非製造業PMI=55.5(予想 前回54.8)→ 前回を上回る
10:30 AUD 4月 小売売上高=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.1%)→ 前回を上回りほぼ予想通り
10:30 AUD 第1四半期 経常収支=-57億ドル(予想-70億豪ドル 前回-101億豪ドル)→ 予想外に赤字幅は減少
10:45 CNY 5月 HSBC 製造業PMI・確報値=49.4(予想49.7 前回49.7)→ 予想と前回を下回る
13:30 AUD 金融政策発表=政策金利2.50%の据え置きを決定、予想通り。
15:00 GBP 5月 ネーションワイド住宅価格=前月比0.7%(予想0.6% 前回1.2%)、前年比11.1%(予想10.9% 前回10.9%)
17:30 GBP 5月 建設業PMI=60(予想60.8 前回60.8)
18:00 EUR 5月 消費者物価指数(HICP)・速報値=前年比0.5%(予想0.6% 前回0.7%)、コア前年比=0.7%(予想0.9% 前回1.0%)
18:00 EUR 4月 失業率=11.7%(予想11.8% 前回11.8%)
23:00 USD 4月 製造業受注指数=前月比0.7%(予想0.5% 前回1.5←0.9%)


***** 本日予定、主な経済指標・その他 *****

8:01 GBP 5月 BRC店頭価格指数=前月比予想-1.2% 前回1.4%
8:01 GBP 5月 RICS住宅価格指数=予想 前回54%
10:30 AUD 第1四半期 GDP=前期比予想0.9% 前回1.0%、前年比予想3.3% 前回2.8%
16:00 GBP 4月 ハリファックス住宅価格指数=前月比予想0.7% 前回-0.2%、前年比(3カ月比)=予想7.4% 前回8.5%
16:50 FRN 5月 総合PMI・確報値、予想 前回49.3、サービス業PMI・確報値=予想49.2 前回49.2
16:55 GER 5月 総合PMI・確報値、予想 前回56.1、サービス業PMI・確報値=予想56.4 前回56.4
17:00 EUR 5月 総合PMI・確報値、予想53.9 前回53.9、サービス業PMI・確報値=予想53.5 前回53.5
17:30 GBP 5月 サービス業PMI=予想58.2 前回58.7
18:00 EUR 第1四半期 GDP・改定値=前期比予想0.2% 前回0.2%、前年比予想0.9% 前回0.9%
18:00 EUR 4月 生産者物価指数=前月比予想-0.1% 前回-0.2%、前年比予想-1.2% 前回-1.6%
18:00 EUR 第1四半期 政府支出=前期比予想 前回-0.3%、家計支出=前期比予想 前回0.1%、総固定資本=前期比予想 前回1.0%
21:15 USD 5月 ADP雇用統計=前月比予想21.8万件 前回22.0万件
21:30 USD 4月 貿易収支=予想-408億ドル 前回-404億ドル
21:30 USD 第1四半期 非農業部門生産性・確報値=前期比年率 予想-2.2% 前回-1.7%、単位労働コスト・確報値=前期比年率 予想4.7% 前回4.2%
21:30 CAD 4月 貿易収支=予想-23億カナダドル 前回8億カナダドル
22:45 USD サービス業PMI・確報値=予想58.2 前回58.4
23:00 USD 5月 ISM非製造業景況指数=予想55.5 前回55.2
23:00 CAD カナダ中銀 金融政策発表=政策金利1.0%の据え置きを予想
3:00 OTH G7首脳会議

2014年6月3日火曜日

主要通貨の見通し

主要通貨の見通し

USDJPYは、ようやく102.20円を超え、新たな円安相場へ。ただし、USDJPYの特性で50ポイントごとに大きな壁があり、過大な変動期待は禁物で、押し目買い変わらず。目先は、102.20~50円のレンジでの取引が続きそうだが、リスクは上。102.70~80円までの上昇余地は引き続き残っている。

EURUSDは、追加緩和の可能性が強まり、相場に織り込みながらも、EUR売りは限定的。潜在的なユーロ買いを確認。利下げが現実化するまでは、EUR売り景況は変わらずで、下値の最大リスクは1.3540近辺。金利引き下げが実施されると買い戻される可能性も気になる。

AUDUSDは、0.92~0.94のレンジ内で推移。ただ、0.92を割り込むと0.9130台までの下落余地が生まれる。昨日の豪経済指標は弱く、今日はまあまあ強く、豪中銀の声明では現状の緩和的な政策を継続させるとのことで、ハト派の動きは見られず、AUD買い戻しが見られるが、明日の豪GDPを見るまでは決定打は期待できず。

6月3日(火曜) アジア市場の動き

6月3日(火曜) アジア市場の動き

アジア市場は、AUDUSDの上昇が相場をリードし、ドルは小幅ながら全面安。市場の関心は豪州に関連の経済指標で、中国国家統計局・非製造業PMIは強く、HSBC製造業PMIは弱く強弱が混在。豪小売売上高は予想通りの結果にも、第1四半期・経常収支は予想外に赤字幅は縮小し、AUDUSDは緩やかな上昇が続いた。

注目の豪中銀の金融政策では政策金利2.5%の据え置きを決定、一部には昨日の弱い豪経済指標を受けたハト派のムードがまん延していたが、「金利の安定期間を設けることが最も賢明と判断」と利下げムードは見られず、将来の変化は利上げとの期待感も聞こえてくる。

6月3日(火曜) 昨日、海外市場の動き


6月3日(火曜) 昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

重要なイベントの多い今週のスタート。弱い豪経済指標に豪ドルの売りは止まらず、弱い独CPIに6月5日のECB理事会では追加緩和が既成事実と思われ、ユーロ売りの流れは止まらず、ただ、ユーロ売りはあまりにもスロー。円は久しぶりにレンジ上限を上抜け、新たな円売りの期待感が強まるが、過大な期待は禁物の円相場。

◎豪住宅建築許可件数と、豪第1四半期・企業在庫が予想外に弱く、豪中銀の緩和姿勢は変わらず、GDPの下方修正の可能性も高まり、AUD売りが強まり、下落傾向は止まらず→ 今日の豪小売売上高と豪中銀の金融政策は非常に重要。
◎ユーロ圏製造業PMI・確報値は、速報値から下方修正され、独CPI・速報値の前年比は0.9%と、1.0%を割り込み4年ぶりの低水準→ ユーロ圏CPIが注目されるが、5日のECB理事会で追加緩和の可能性が強まり、EUR売り圧力が続く。
◎米FRBの年内に緩和を縮小させ、来年か再来年に利上げの期待感がより強まる。

週明けのアジア市場は、豪ドル安+円安から始まった。豪住宅建築許可件数は予想外に悪く大幅なマイナスとなり、同時刻に発表された、第1四半期の企業在庫は予想外にマイナス幅が拡大。豪中銀の緩和スタンスが変更される可能性は弱まり、GDPが下方修正される可能性に、豪ドルは下落。また、円は先週下値攻めが失敗、ウクライナ情勢もやや落ち着きを取り戻し、金価格も弱く、日経平均株価は大幅上昇したことで、USDPYは一時102円台まで上昇するも、維持することはできず。
欧州市場は、EURUSDの下落からスタートし、GBPUSDも下落、AUDUSD+NZDUSDは続落傾向が止まず。EURUSDは弱いユーロ圏製造業PMI・確報値に1.3600を割り込みながらも、買いは厚く値を戻し、弱い独CPIでECBの追加緩和の可能性が高まり、上下変動するも1.3610中心に動けず。 GBPUSDは強さが見られない英製造業PMIと弱い住宅ローン承認件数に1.6720台まで一時下落した後に値を戻し、1.6750を中心に動けず。AUDUSDはアジア市場の弱い経済市場の影響が続き続落、NZDUSDも続落傾向は止まらず。

米国市場は、米ISM製造業景気指数で混乱。当初の発表は53.2と予想外に弱くドル売りへと変化、次に56.0と大幅に改善して訂正されドル買いへと変化、次に、55.4に訂正。結局は市場予想の55.5とほぼ変わらずで、為替相場は混乱しながらも、結局ドルは強含みで推移。USDJPYは102.50円直前まで上昇、EURUSDはウクライナ政府軍がルガンスクを空爆したことも加わり1.3590を一時割り込み、AUDUSDは0.9240を一時割り込み、NZDUSDは0.8840まで下落、続落景況は止まらず。


***** 発言・その他 *****

◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁=理事会でマイナス金利が協議される。ECBは為替レートにも注意を払う必要がある。中銀はインフレを抑制してきたが、デフレを止めることはそれ以上に難しい。
◎リンデ・スペイン中銀総裁=ユーロ高は有害。低インフレの長期化は良くない。
◎第一生命=米生保買収へ
◎ウクライナ政府軍=ルガンスクを空爆。
◎ヤンソン・スウェーデン中銀総裁=第1四半期GDPの前期比がマイナスとなったが、大きな懸念材料ではない。低インフレが深刻な問題。 高水準の家計債務で対応するさらなす措置で必要がある。
◎エバンズ・シカゴ連銀総裁=緩和縮小は年内に終了、利上げはインフレ見通し次第だが、2015か2016年の見通し。インフレ目標2.0%は上限ではない。失業率が若干上昇しても以外ではなく、FRBの見通しに織り込まれている。労働参加率は予想以上に低下。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****


10:00 CNY 5月 国家統計局 製造業PMI=50.7(予想50.7 前回50.4)→ 予想通りながら前回を上回る
ウェリントン市場、香港市場は休場
10:30 AUD 4月 住宅建築許可件数=前月比-5.6%(予想1.8% 前回-4.8←-3.5%)、前年比1.1%(予想 前回-20.9←-3.5%)→ 予想外の減少に、GDPの下方修正の可能性も高まり、AUD売りが強まり、
10:30 AUD 第1四半期 企業在庫=前期比-1.7%(予想-0.4% 前回-0.5%)→ 予想外に弱く、豪中銀の緩和姿勢、変わらず。
16:30 CHF 5月 SVME購買部協会景気指数=52.5(予想55.5 前回55.8)
16:50 FRN 5月 製造業PMI・確報値=49.6(予想49.3 速報値49.3 4月51.2)→ 前回を下回ったが速報値と予想を上回る
16:55 GER 5月 製造業PMI・確報値=52.3(予想52.9 速報値52.9 4月54.1)→ 前月から低下し速報と予想を下回る
17:00 EUR 5月 製造業PMI・確報値=52.2(予想52.5 速報値52.5 4月53.4)→ 前月から低下し速報と予想を下回る
17:30 GBP 5月 製造業PMI=57.0(予想57.0 前回57.3)
17:30 GBP 4月 消費者信用残高=6.66億ポンド(予想8億ポンド 前回10.28←11.3億ポンド)
17:30 GBP 4月 BOE住宅ローン承認件数=62918件(予想64750件 64750件←前回67135件)→ 予想外に弱く、9カ月ぶりの低水準でGBP売りが強まる
21:00 GER 5月 消費者物価指数・速報値=前月比-0.1%(予想0.1% 前回-0.2%)、前年比0.9%(予想1.1% 前回1.3%)、HICP・前月比-0.3%(予想0.1% 前回-0.3%)、前年比0.6%(予想1.0% 前回1.1%)→ 予想を下回り、前年比は1.0%を割り込み2010年6月以来の低水準
22:45 USD 5月 製造業PMI・確報値=56.4(予想55.5 前回56.2)
23:00 USD 5月 ISM製造業景況指数=55.4(予想55.5 前回54.9)→ 53.2と予想を下回り、直後はドル売りが強まる。しかし、季節調整に誤りがあり、訂正の見込みと発表し56.0に訂正され、ドル買い戻しが強まったが、これも間違いで、後に55.4に訂正された。
23:00 USD 4月 建設支出=前月比0.2%(予想0.6% 前回0.6←0.2%)→ 前月が上方修正されたが、予想を下回る


***** 本日予定、主な経済指標・その他 *****

10:00 CNY 5月 国家統計局 非製造業PMI=予想 前回54.8
10:30 AUD 4月 小売売上高=前月比予想0.3% 前回0.1%
10:30 AUD 第1四半期 経常収支=予想-70億豪ドル 前回-101億豪ドル
10:45 CNY 5月 HSBC 製造業PMI・確報値=予想49.7 前回49.7
13:30 AUD 金融政策発表=政策金利2.50%の据え置きを予想
15:00 GBP 5月 ネーションワイド住宅価格=前月比予想0.6% 前回1.2%、前年比予想10.9% 前回10.9%
17:30 GBP 5月 建設業PMI=予想61 前回60.8
18:00 EUR 5月 消費者物価指数(HICP)・速報値=前年比予想0.6% 前回0.7%、コア前年比=予想0.9% 前回1.0%
18:00 EUR 4月 失業率=予想11.8% 前回11.8%
23:00 USD 4月 製造業受注指数=前月比予想0.5% 前回0.9%

2014年6月2日月曜日

5月28日の高値102.13円は既に射程距離

欧州市場は、EURUSDの下落からスタートし、GBPUSDも下落、AUDUSD+NZDUSDは続落傾向が止まず。EURUSDは弱いユーロ圏製造業PMI・確報値に1.3600を割り込み、GBPUSDは強さが見られない英製造業PMIと弱い住宅ローン承認件数に1.6720台まで一時下落した後に値を戻す。AUDUSDはアジア市場の弱い経済市場の影響が続き続落、NZDUSDも続落傾向は止まらず。


重大イベント続出の今週の為替市場は、ドル買いへ。 USDJPYは5月28日の高値102.13円は既に射程距離で、いつ試しても不思議手はなく、期待感は102.70~80円。まあ、時間がかかりそうだが、方向性は円売り。
EURUSDは、またしても1.3600を割り込み、残念ながら底打ち感は見えず。相場感は1.3580ボトムに5日のECB理事会までは小幅上昇と考えていたが、マイナス金利の見通しに買いの力は弱い。いずれにしても、1.3600台前半でのもみ合いは、あっても,5日の理事会までで、その後は新たな展開へと変化を予想。
AUDUSDは、200日SMAを死守。反発かと思いきや、0.93台は定着できず。0.92~0.93から大幅に変動することもなさそう。明日の豪中銀の金融政策、明後日の豪GDPはあまりにも重要で、その後は、0.9100~0.9200、または、0.9300~0.9400のレンジどちらの方向も可能性がありそう。

6月2日(月曜) 週明けのアジア市場は、豪ドル安+円安から始まった。

6月2日(月曜) 週明けのアジア市場は、豪ドル安+円安から始まった。

豪住宅建築許可件数は予想外に悪く大幅なマイナスとなり、同時刻に発表された、第1四半期の企業在庫は予想外にマイナス幅が拡大。豪中銀の緩和スタンスが変更される可能性は弱まり、GDPが下方修正される可能性に、豪ドルが下落した。また、円は先週下値攻めが失敗、ウクライナ情勢もやや落ち着きを取り戻し、金価格も弱く、日経平均株価は大幅上昇したことで、USDPYは一時102円台まで上昇するも、維持することはできず。

2014年6月1日日曜日

今週の経済指標・発言の注目点(6月2日~6月6日)


今週の経済指標・発言の注目点(6月2日~6月6日)

USDJPY相場は101.50~102.00円の50ポイントのレンジで固定相場の状況を呈しているが、ユーロ相場は今週5日のECB理事会で利下げを織り込み下落傾向が続きながらも、EURUSDは1.36近辺を底値になんとか下げ止まり、ECB理事会の結果と、ドラギECB総裁の記者会見を見守る状況になっている。

ポンドも近い将来の利上げ観測が薄れ、緩和の長期化がBOEから示されており、調整の売りが続いているが、英経済状況は改善が進み、先にカーニーBOE総裁が「利上げ時期がやや近づいた」との発言も思いだされ、GBPUSDは1.6700をボトムに下げ止まり、ようやくポンド買い支持者が増えている。

豪ドルは、一人堅調で、0.92の重要なポイントを試すことなく0.93台まで値を戻し、中国経済の先行き不透明感が弱まるとともに、また、新たな外貨準備通貨としての買いが続いている。今週の

XXXXXX

さて、今週は、金融政策の発表が多く、米雇用統計も控えるなど、重要なイベントが多い週となっている。


≪金融政策に関して≫
3日の豪中銀の理事会では政策金利2.5%の据え置きが予想されており、ほぼ確実と思われている。いつもながら注目は、スティーブンス豪中銀総裁の声明文で、いつもながらのやんわりとした豪ドル高けん制発言と、現在の金利水準で据え置くことが予想される。ただ、直後の相場変動は比較的大きく、文言の解釈で相場が動くことが予想される。

4日のカナダ中銀の理事会では政策金利1.0%の据え置きが予想されており、こちらもほぼ確実と思われている。こちらもご多分にもれず、やんわりとしたカナダドル高けん制発言と、バイアスは中立ながらも、金利は相当程度の間、低水準で推移する可能性が示される可能性がある。こちらも、直後の相場変動は比較的大きく、文言の解釈で相場が動くことが多い。

5日のBOEの金融政策委員会は、政策金利0.5%と資産買入枠3750億ポンドの据え置きが予想されており、こちらもほぼ確実を思われる。金融政策に変更がなければ、記者会見の開かれず動きようがなく、手の打ちようがない。緩和的金融政策の長期化が示されている中で、市場の期待感は量的緩和の終了と、将来の利上げ期待は続き、ポンドの潜在的な支援材料となっている。

さて、5日のECB理事会では、政策金利0.25%→0.1%へ、下限金利0.0%→-0.10%とマイナス金利の実施予想、上限金利0.75%→0.60%への引き下げが予想されている。仮に、利下げがなければEUR買いへ。仮に、予想通りの結果で実施された場合には、直後売り反応と思われるが、ある程度は相場に織り込み済みで、後のドラギECB総裁の記者会見の内容で、勝負ができる。

≪米雇用統計に関し≫
週末6日金曜日には、米雇用統計が控えている。通貨当局者は年内に失業率6.0%の予想や雇用の改善を示唆する発言が多い。今回は、失業率が6.3%→6.4%に若干上昇が予想され、非農業部門雇用者数も前回の28.8万人→21.3万人の予想で、若干弱い数字になっている。忘れてはいけないのは、この数字はブレが大きく、過去数ヶ月間分を後で修正することは常で、多少の弱い数字は驚きではい。4日のADP民間雇用統計の結果である程度、予測してみたい。