2014年5月31日土曜日

最新のIMMポジション(5月27日)と相場の動き


≪最近のデータが示すもの≫ 
7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネットはショート-32,255コントラクトで、前週-14,376コントラクトかショートが-17,879が増加した。ドルに換算したポジションはロング59.09億ドルに増加し、ドル先高期待が続いている。

≪各通貨での変化≫
円=-59,036コントラクトと、前週の-53,787から、ショートポジションは拡大。スポット・レートは20日101.32円から、27日101.96円へと約0.6円程度の円安へと動き、動きを裏付けているが、円安トレンドの再開を示すような大きな変化になっていない。

ユーロ=-16,633コントラクトと、前週の-9,220からショートが増加、3週連続の増加となった。スポット・レートは20日1.3701から、27日1.3634とユーロ高が続き、動きを裏付けている。ちなみに、2月4日に-13,018の水準にあった際のスポット・レートは1.3634で同水準であった。

ポンド=+35,304コントラクトと、前週の+33,090からロングは微増。スポット・レートは20日1.6838から27日1.6809へ下落、例外的なのかポジションが微増しスポット・レートは低下していたが、ドル高の流れで健闘していると言わざるを得ない。

豪ドル=+15,848コントラクトと、前週の+19,462から減少。8週連続でプラス圏を維持しており、スポット・レートは20日0.9242から27日0.9257と逆に上昇、0.92台ボトムに、対ドルで上昇している数少ない通貨。

NZドル=+17,944コントラクトと、前週の+17,594からほぼ変わらず。スポット・レートは20日0.8572から27日0.8561と小幅下落したが、トータルではロングの常連通貨としての位置は不動。先高期待が続いている。




5月31日(土曜)昨日、海外市場の動き


5月31日(土曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎ジョージ・カンザスシティー連銀総裁(29日)は、FRBは量的緩和を終了後、速やかに金利を引き上げるべきで、より早いペースを主張。
◎中国国務院は、一部の銀行を対象に預金準備率を引き下げると発表。
◎ビスコ・イタリア中銀総裁=ユーロ高はインフレ率の低下を招いた。過度の低インフレは断固とした措置が必要。
◎米国防総省報道官は、ロシア兵力の大半が、ウクライナ国境から引き上げた。
◎プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁は、失業率は年内に6.0%を割り込み見通し。弱い第1四半期GDPは、悪天候などの一時的な要因で、年末にかけ平均で3.0%に上昇の可能性。
◎日本の全国消費者物価指数は、予想通り前年比3.4%。
◎米個人消費は予想通り、個人消費支出は予想外にマイナスへ。
◎カナダGDP前月比は予想通りながら、前期比年率は厳冬の影響に予想を下回り、前期が下向修正。
◎シカゴ購買部協会景気指数は、強く予想を上回る。
◎ミシガン大学消費者信頼感指数は、所得の伸び低下を懸念し予想を下回る。


中国は一部の銀行を対象に預金準備率を引き下げると発表、ロシア軍の多くがウクライナ国境近くからの撤退し、リスク回避の動きが弱まるが、AUDの買いは鈍い。弱い米個人消費支出にドル売りへと変化し、ドルは全面安。月末・週末の特殊要因に、ロンドンフィキシングで流れが変化。そして、ダウ平均株価は終値ベースで最高値を更新。

アジア市場は、月末の特殊要因の影響を強く受けならの展開となった。USDJPYは、仲値から円買い戻しが強まり、101.50円まで下落するも続かず。EURUSDは1.36近辺をボトムに1.3600~10の極狭いレンジで推移。堅調だったAUDUDは0.93台を底値に0.9320台まで上昇するも買いも限定的。

欧州市場に入っても動きは鈍く、GBPUSDは1.6750台で上げ渋り一時1.6720台まで下落。AUDUSDも上昇力は鈍く0.9300を割り込むと売りへと変化。EURUSDはビスク・イタリア中銀総裁のユーロ高けん制発言もあり、1.3600~20の狭いレンジで推移。

米国市場に入り、ロシア軍の多くがウクライナ国境近くからの撤退し、弱い米個人消費支出にドル売りへと変化し、ロンドンフィキシングまでドルは全面安へ。EURUSDは1.3620を超え続伸、ロンドンフィキシングの1.3650近辺をピークに上げ止まる。GBPUSDもロンドンフィキシングに1.6780近くまで上昇し、上げ止まる。 逆に、AUDUSD、NZDUSDの上値は重く小幅下落し伸び悩む。USDCADは、弱いカナダGDPにUSDCADは一時1.0870近くまで上昇後、上昇直前の水準1.0840まで値を戻す。USDJPYは、101.70円台に上昇し大枠101.70~85円の狭いレンジで終始。


***** 発言・その他 *****

◎在中国の欧州連合(EU)商工会議所が会員企業を対象に行った調査=46%の企業が中国の黄金期は終わったと見ている。約半数の企業は、景気減速と人件費の上昇を最大の課題に、2年以内に有意義な改革が行われる可能性は低いと回答。
◎中国国務院=一部の銀行を対象に預金準備率を引き下げると発表。予防的な政策微調整を行う。 的を絞った預金準備率引き下げの影響力を高める。
◎ビスコ・イタリア中銀総裁=インフレが2%を下回る水準にとどまると予想されれば、ECBは行動する決意。ユーロ高はインフレ率の低下を招いた。過剰な低インフレは高インフレと同様に断固とした措置必要。低ボラティリティーは急激な変動の前段階となる可能性。
◎コンスタンシオECB副総裁=デフレの明確な兆候はなく、消費は抑制されていないが、低インフレ、マイナスのインフレ率が長期化すれば、定着回避で行動の用意がある。
◎リプトンIMF筆頭副専務理事=日銀の量的・質的緩和政策(QQE)は現状維持が望ましく、追加緩和も出口戦略の準備も現時点で不要。日本の潜在成長率が現状0.5~1.0%にとどまり低下傾向にあることを懸念。デフレ脱却に成功したか判断するのは時期尚早。第3の矢で成長率引き上げられるか懸念。
◎リプトンIMF筆頭副専務理事=経常収支は、中期的な日本経済の基礎的条件に合致、円安でも円高でもない。輸出促進は成長戦略で競争力を高めるべき(暗にさらなる円安による輸出促進をけん制)。消費税率は従来の見解通り2015年以降中期的に15%に引き上げるべき。
◎IMF日本経済に関する報告書(IMF対日4条協議)=構造改革など成長戦略と財政再建の実行を強く求めた。
◎IMF日本経済に関する報告書(IMF対日4条協議)=日本が成長戦略・財政再建に取り組まず、金融政策への負担が過大になれば、金利が急上昇するリスクがあると警告。金利上昇を主要で中期的なテールリスクと位置づける。
◎IMF日本経済に関する報告書(IMF対日4条協議)=2%の物価安定目標は2017年までに達成されるとの見通し。日銀による現在の量的・質的金融緩和(QQE)の長期化は、金融不安定化のリスクを生じさせる可能性がある。
◎総務省4月の家計調査=実質消費支出は前年比-4.6%で、2011年3月の東日本大震災の影響を除くとリーマン・ショック以来の減少幅。
◎ラスムセンNATO事務総長=ウクライナ国境近くのロシア軍は1/3が徹底の模様。
◎米国防総省報道官=ロシア兵力の大半が、ウクライナ国境から引き上げた。
◎スウェーデン第1四半期GDP=前期比-0.1%と、予想外のマイナスへ。
◎ジョージ・カンザスシティー連銀総裁(29日)=FRBは量的緩和を終了後、速やかに金利を引き上げるべき。FRBの金利見通しより早いペースを主張。
◎ウィリアムズSF連銀総裁=FRBは2015年に利上げを始め、2016年末までにFF金利は2.0%~2.5%まで上昇の可能性がある。
◎プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁=失業率は年内に6.0%を割り込み見通し。第1四半期のマイナスGDPは、悪天候などの一時的な要因で、年末にかけ平均で3.0%に上昇の可能性がある。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

7:45 NZD 4月 住宅建設許可件数=前月比1.5%(予想-3.5% 前回9.2←8.3%)
8:05 GBP 5月 GfK消費者信頼感調査=0(予想-2 前回-3)→ 予想外にマイナスを脱し、経済に力強さが拡大
8:30 JPY 4月 全国消費者物価指数=前年比3.4(予想3.4% 前回1.6%)、除生鮮=前年比3.2%(予想3.1% 前回1.3%)、除食料・エネルギー=前年比2.3%予想2.3% 前回0.7%)
8:30 JPY 5月 東京都消費者物価指数=前年比3.1%(予想3.0% 前回2.9%)、除生鮮=前年比2.8%(予想2.9% 前回2.7%)、除食料・エネルギー=前年比1.9%(予想2.1% 前回2.0%)
8:30 JPY 4月 雇用統計: 失業率=3.6%(予想3.6 前回3.6%)、有効求人倍率=1.08(予想1.07 前回1.07)
8:50 JPY 4月 鉱工業生産=前月比-2.5%(予想-2.0% 前回3.8%)、前年比4.1%(前回7.4%)
15:00 GER 5月 小売売上高=前月比-0.3%(予想-0.4% 前回0.1←-0.7%)、前年比3.4%(予想1.5% 前回-1.1-1.9%)
16:00 CHF 5月 KOF先行指数=99.8(予想101.7 前回101.8←102)→ 予想外の低下で2012年7月以来の低水準
21:30 USD 4月 個人所得=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.5%)、個人消費支出=-0.1%(予想0.2% 前回1.0←0.9%)、PCEデフレータ=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.2%)、PCEデフレータ=前年比1.6%(予想1.6% 前回1.1%)、コアPCEデフレータ=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.2%)、コアPCEデフレータ=前年比1.4%(予想1.4% 前回1.2%)→ 個人消費が予想外のマイナスで、ドル売りが強まる
21:30 CAD 第1四半期 GDP・改定値=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.2%)、前期比年率=1.2%(予想1.8% 前回2.7←2.9%)、前年比2.1%(予想2.3% 前回2.3←2.5%)→ 厳冬の影響に予想を下回り、直後はカナダドル売りが強まる
22:45 USD 5月 シカゴ購買部協会景気指数=65.0(予想61.0 前回63.0)→ 予想を上回る
22:55 USD 5月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=81.9(予想82.5 速報値84.1←81.8)、景気現況指数=94.5(予想95.8 速報値95.1)、消費者期待指数=73.7(速報値73.2)→ 予想をしたまわり、所得の伸び低下を懸念

2014年5月30日金曜日

5月30日(金曜)昨日、海外市場の動き


5月30日(金曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎米第1四半期GDP確報値は-1.0%と、予想外にマイナス幅が拡大。
◎米新規失業保険申請件数は30万件と、予想外に改善。
◎米中古住宅販売保留は、予想を下回る。
◎ビーンBOE副総裁は、早期利上げは想定せず。
◎ウィールBOE政策委員は、利上げは遅くなるよりも早くなる。
◎ラッカー・リッチモンド連銀総裁は、第2四半期の成長はマイナス成長から回復。
◎ゴールドマンサックスは、米第2四半期GDP予測を3.7%→3.9%に上方修正。

豪ドルとカナダドルは堅調に推移し、ポンドとユーロは月末の特殊要因で上下しながらも買い戻しは鈍く、円の買い戻しも短時間で終了。弱い米GDPと強い米新規失業保険申請件数が同時に発表され、相場はちょっとした混乱の後は、過去の弱い数字の米GDPより、現在の強い数字の雇用統計に反応し、結局は緩やかなドル買いへ。その動きも続かず、弱い米中古住宅販売保留にドル売りへと変化し、月末の特殊要因にロンドンフィキシングで、またしても変化。終わって見ればドルインデックスは小幅下落。

アジア市場はご多分にもれず、大きな動きもなく平穏無事に終了した。その中で、USDJPYは102円台のトライがまたしても失敗、逆にレンジの下限となる101.60円台まで値を下げた。EURUSDは利食いの買い戻しが見られた1.3610台まで上げられず、GBPUSDは1.6720台まで緩やかに上昇した。AUDUSDは第1四半期の民間資本支出が-4.2%と予想外のマイナス幅拡大に、直後は0.9210まで下落したが、逆に買いへと急変し0.9280台まで上昇。USDCADは開始直後の1.0875台から1.0855まで緩やかに下落、カナダドル買いが目立った。

欧州市場に入り動きが見られたのはGBPの売りで、GBPJPY主導とも言われている。GBPJPYが170.00→169.50台まで急落、USDJPYも101.60円を割り込み一時101.40台まで下落、GBPUSDは1.6720→1.6690台まで一時下落したが、ウィールBOE政策委員の早期利上げ観測に1.6740近くまで値を戻した。EURUSDもその影響を受け一時1.3580台まで値を下げたが、EURGBPは上昇、1.36台へ値を戻した。USDCADとAUDUSDでドル売り傾向は止まらず、

米国市場に入り、弱い米GDPと強い米新規失業保険申請件数に、直後は売り買いが交錯したが、結局はドル買いへと変化したが、GBPUSDは実需の買いに下げ止まり、1.67台を維持するも、ビーンBOE副総裁の「早期利上げは想定していない」との発言に買いも続かず。弱い米中古住宅販売保留に、ドル売りへと変化し、ロンドンフィキシングではUSDJPYは一時101.50円を割り込むが、実需の買いにUSDJPYは101.80円まで値を戻し、ドルは弱含みで推移した。


***** 発言・その他 *****

◎ウィールBOE政策委員(FT紙)=利上げは遅くなるよりも早くなる。
◎ビーンBOE副総裁=早期利上げは想定していない。大幅な利上げを行えば、間違いを犯す可能性が高まる。慎重に小幅な利上げを求める声がある。
◎ラッカー・リッチモンド連銀総裁=利上げは2015年第2四半期になる可能性がある。金利引き上げ決定の前提で、インフレ率の高水準は必要ない。
◎ラッカー・リッチモンド連銀総裁=長期の構造的成長率は2%近くか若干上回る水準になる。今年の成長は2.0%~2.5%を予想。第2四半期の成長はマイナス成長から回復。インフレは底入れし今後は加速へ。
◎ゴールドマンサックス=米第2四半期GDP予測を3.7%→3.9%に上方修正。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

10:00 AUD 4月 HIA新築住宅販売件数=2.9%(予想 前回0.2%)
21:30 USD 第1四半期 GDP・確報値: 前期比年率=-1.0%(予想-0.5% 速報0.1% 第4四半期2.6%)、個人消費支出=前期比3.1%(予想3.1% 速報3.0% 第3四半期3.3%)→ 在庫積み増しペースの鈍化、予想を上回る貿易赤字の拡大で、予想外にマイナス幅が拡大、3年ぶりのマイナス成長。
21:30 USD 新規失業保険申請件数=30.0万件(予想31.8万件 前回32.7←32.6万件)→ 予想外に改善
21:30 CAD 経常収支=第1四半期-124億カナダドル(予想-130億カナダドル 前回-156←-160億カナダドル)
23:00 USD 4月 中古住宅販売保留=前月比0.4%(予想1.0% 前回3.4%)、前年比-9.2%(予想 前回-7.4%)→ 予想を下回る


***** 今日の、主な経済指標・その他 *****

7:45 NZD 4月 住宅建設許可件数=予想-3.5% 前回8.3%
8:05 GBP 5月 GfK消費者信頼感調査=予想-2 前回-3
8:30 JPY 4月 全国消費者物価指数=前年比予想3.4% 前回1.6%、除生鮮=前年比予想3.1% 前回1.3%、除食料・エネルギー=前年比2.3%予想 前回0.7%
8:30 JPY 5月 東京都消費者物価指数=前年比予想3.0% 前回2.9%、除生鮮=前年比予想2.9% 前回2.7%、除食料・エネルギー=前年比予想2.1% 前回2.0%
8:30 JPY 4月 雇用統計: 失業率=予想3.6 前回3.6%、有効求人倍率=予想1.07 前回1.07
15:00 GER 5月 小売売上高=前月比予想-0.4% 前回-0.7%、前年比予想1.5% 前回-1.9%
16:00 CHF 5月 KOF先行指数=予想101.7 前回102
21:30 USD 4月 個人所得=前月比予想0.3% 前回0.5%、個人消費支出=予想0.2% 前回0.9%、PCEデフレータ=前月比予想 前回0.2%、PCEデフレータ=前年比予想1.6% 前回1.1%、コアPCEデフレータ=前月比予想 前回0.2%、コアPCEデフレータ=前年比予想1.4% 前回1.2%
21:30 CAD 第1四半期 GDP・改定値=前月比予想0.1% 前回0.2%、前期比年率=予想1.8% 前回2.9%、前年比予想2.3% 前回2.5%
22:45 USD 5月 シカゴ購買部協会景気指数=予想61.0 前回63.0
22:55 USD 5月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=予想82.5 前回81.8

5月29日(木曜)昨日、海外市場の動き


5月29日(木曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎独5月の輸入物価指数は予想外のマイナス。
◎独5月の失業率は横ばいながら、失業者数が予想外に増加。
◎ユーロ圏の景況感指数と業況判断指数は予想を上回り、消費者信頼感指数は速報値と変わらず。
◎メルシュECB専務理事は、6月5日のECB理事会で複数の措置を打ち出す可能性を示唆。
◎ショイブレ独財務相は、金利は中期的に上昇すると想定。
◎ECBレポートは、投資家による利益追求の拡大が、不均衡の蓄積と、投資フローの急激な巻き戻しの可能性を懸念。

予想通り緩和縮小と利上げに向かっているドルへの信認が高まっているのか? ドルショートポジションの巻き戻しが強まっているのか? ユーロ圏や独経済指標へ結果とは異なりドル買いが強く、主要通貨ではテクニカルポイントを試す動きが続いた。不思議なのは、ECBの追加緩和の可能性に反し、ショイブレ独首相は、二日間に渡り金利上昇の可能性を示唆し、ECBレポートでは、ユーロ圏国債が管理不能になる恐れを懸念していた。


アジア市場は、早朝に102円台を試したが続かず、大枠101.90~95円の極狭いレンジで推移。EURUSDは1.3625~40のレンジで動けず、GBPUSDは1.6800~15で動けず、AUDUSDは0.9280失敗し、一時0.9230台まで下落したが、直ぐに0.9260台を回復。

欧州市場は、主要国通貨でドルは全面高。早朝に発表された独失業率は、予想外に失業者数が増加、ユーロ圏の業況判断指数や景況感指数は予想を上回ったが、ユーロ売りの流れは変わらず。メルシェECB専務理事が「6月5日のECB理事会で複数の措置を打ち出す可能性がある」と指摘、EUR売りの流れは止まらず1.3600を割り込む。GBPUSDは1.6800を割り込みストップの売りが続き1.6760まで下落、英CB報告済売上高が弱く、1.6740台まで続落となった。AUDUSDも0.9220台まで、NZDUSDも0.8480台まで続落、USDJPYだけは逆に101.80円を割り込み、クロスを含め円は全面高。

米国市場に入っても、ドル全面高の流れは変わらず。唯一ドル売り傾向が続いたUSDJPYは、101.60円台をボトムに下げ止まり、クロスの円買いも弱まり101.80台へ値を戻した。EURUSDは1.3600のオプション・バリアをつけ、1.3590台まで続落し安値圏で推移。GBPUSDは1.67台を試しながらも下げ止まり、安値圏で推移。AUDUSDはなんとか0.9210台で下げ止まり、0.9200の大台を維持し、0.9240まで値を戻した。NZDUSDとUSDCADでもドル買いの流れは止まらず。


***** 発言・その他 *****

◎メルシュECB専務理事=インフレの観点から為替の役割は増大。低インフレと信用の伸び低下で、6月5日のECB理事会で複数の措置を打ち出す可能性がある。伝統的・非伝統的措置のどちらでも問題ないと認識。
◎イタリア国家統計局=低成長が公的債務の持続性に対する主要リスク。
◎ECB半年に一度のレポート=投資家による利益追求の拡大が、不均衡の蓄積と、投資フローの急激な巻き戻しの可能性を懸念。最高値のユーロ圏国債は、経済改革が停滞し成長率が低水準で、管理不能になる恐れがある。借り入れコストの低下につながる政策を導入しているFRBや日銀も直面する問題。
◎コンスタンシオECB副総裁=投資家は欧資産を信頼、債務危機のリスクは非常に低下した。銀行の資金調達環境はもはやリスクにならず。
◎ショイブレ独財務相=金利は中期的に上昇すると想定している。現在の金利は金融市場の不均衡を反映。
◎黒田日銀総裁=物価や実体経済の安定、金融の安定も重要。政策金利がゼロ近傍にあっても、資産買入れや時間軸など金融緩和は可能。市場等とのコミュニケーションを通じた期待形成への働きかけが重要。時間軸の強さと柔軟性のバランスをどう取るかが重要なポイント
◎ロックハート・アトランタ連銀総裁=米第2四半期は3%近い成長が可能。米経済の先行きは総じて明るいが、労働市場には大きなスラック(需給の緩み)があり、緩和的な金融政策が必要。利上げ局面に入れば、FF金利は長期的中立水準の4%近くに上昇すると予想。
◎ロックハート・アトランタ連銀総裁=QE終了について、10月、12月のFOMCどちらがいいという強い見解は無い。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

14:45 CHF 第1四半期 GDP=前期比0.5%(予想0.6% 前回0.2%)、前年比2.0%(予想1.9% 前回1.7%)
15:00 GER 5月 輸入物価指数=前月比-0.3(予想0.1% 前回-0.6%)、前年比-2.4%(予想-2.2% 前回-3.3%)→ 予想よりマイナス幅が拡大
16:55 GER 5月 雇用統計: 失業率=6.7%(予想6.7% 前回6.7%)、失業者数=24,000人(予想-15,000人 前回-25,000人)→ 予想外に失業者数が増加し、EURは小幅下落。
18:00 EUR 5月 消費者信頼感指数・確報値=-7.1(予想-7.1 速報-7.1)
18:00 EUR 5月 業況判断指数=0.37(予想0.31 前回0.28←0.27)
18:00 EUR 5月 景況感指数=102.7(予想102.2 前回102.0)、企業景況感=-3.0(予想-3.9 前回-3.5←-3.6)、サービス業景況感=3.8(予想3.8 前回3.5)
19:00 GBP 5月 CB報告済売上高=16(予想35 前回30)


***** 今日の、主な経済指標・その他 *****

10:00 AUD 4月 HIA新築住宅販売件数=予想 前回0.2%
21:30 USD 第1四半期 GDP・確報値: 前期比年率=予想-0.5% 前回0.1%、PCE価格指数=前期比予想1.4% 前回1.4%、コアPCE価格指数=前期比予想1.3% 前回1.3%、GDP価格指数=前期比予想1.3% 前回1.3%、個人消費支出=前期比予想3.1% 前回3.0%
21:30 USD 新規失業保険申請件数=予想31.8万件 前回32.6万件
21:30 CAD 経常収支=予想-130億カナダドル 前回-160億カナダドル
23:00 USD 4月 中古住宅販売保留=前月比予想1.0% 前回3.4%、前年比予想 前回-7.4%

2014年5月28日水曜日

5月28日(水曜)昨日、海外市場の動き


5月28日(水曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎ドラギECB総裁は、低インフレが定着するリスクがあり、インフレ率を目標の2%を若干下回る水準まで上昇させるために必要な手段がある。
◎ショイブレ独財務相は、異例の金融政策の実施は、近く終了される必要がある
◎米経済指標は強い内容が続く→ 1.米耐久財受注は、-0.7%予想が+0.8%に拡大。2.米S&P/ケース・シラー住宅価格指数は、予想を上回る増加へ。3.FHFA住宅価格指数は、予想を上回る。4.CB消費者信頼感指数は、予想通りながら2008年以降で2番目に強い数字。
◎FRB公定歩合会合の議事録は、景気判断を上方修正し、3地区連銀は公定歩合とFFレートを1.0%に戻すことを主張。

ウクライナ大統領選も無事に終了し、ウクライナ東部では衝突が見られた、最悪の事態に至らず、リスク回避の巻き戻の動きへ。6月5日のECB理事会では追加緩和を実施する可能性を意識し、強い米経済指標とFRBの公定歩合議事録では景気判断を上方修正し、3地区連銀が利上げを主張。異なる方向性にドルは全面高。

アジア市場は、特に材料はなく、日経平均株価が一時前日比150円近く上昇し、円売りの材料となったが、終盤にかけて上昇幅を縮小、USDJPYは一度も102円台をトライできず、逆に101.80円台まで下落。EURUSDは1.3660台まで上昇したが続かず、GBPUSDは1.6850を超えると買い戻しが強まり1.6870を狙う動きへ。AUDUSDは0.9250を超えて買い戻しが強まり0.9260台へ上昇。

欧州市場は、USDJPYは101.90~00円のレンジで動けず、EURUSDは6月5日のECB理事会での追加緩和を意識して上値は重く、ECBフォーラムでドラギECB総裁が追加緩和の可能性を示唆、1.3640を割り込み続落へ。GBPUSDは1.68台を維持しながらも上値は限定的で、AUDUSDも0.9270台の売りは厚く、0.9250~70の狭いレンジで推移。

米国市場は、米耐久財受注を含め米経済指標は予想外に強く、FRB公定歩合議事録での景気判断を上方修正し、利上げ支持の連銀も多数あり、ドルは全面高。USDJPYはようやく102.10円台まで上昇したが続かず。EURUSDは1.3610台まで続落、GBPUSDはついに1.6800台を割り込み、AUDUSDは1.9230台まで下落するも底堅く1.9230~60で推移し健闘が目立った。


***** 発言・その他 *****

◎オランド仏大統領=欧州議会選挙で極右政党が勝利したことで、EUは緊縮路線から方針を変更するように求める。
◎ダイセル・ユーログループ議長=欧州議会選挙の結果を受け、欧州連合(EU)は雇用創出に注力すべきだということをこれまで以上に確信した。
◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁=ユーロ圏の景気回復が、今年と来年に加速する兆し。今年と来年のユーロ圏インフレ率は2.0%を大幅に下回る。
◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁=来週のECB理事会では利下げを討議。ユーロ圏の低インフレにより引き起こされる可能性のあるデフレや景気停滞を懸念。
◎ドラギECB総裁(ECBフォーラム)=一部のユーロ圏加盟国で物価調整プロセスが長引き、低インフレが定着するリスクがある。低インフレ局面が過度に長期化するリスクを認識している。
◎ドラギECB総裁(ECBフォーラム)=ECBはインフレ率を目標の2%を若干下回る水準まで上昇させるために必要な手段を有する。ECBは証券化市場における規制基準の見直しを計画。
◎ショイブレ独財務相=異例の金融政策の実施は、近く終了される必要がある。
◎ベトナム漁船が中国船衝突され沈没。
◎ウクライナ政府=東部の主要空港を奪回。東部の戦闘で親ロシア派50名以上が死亡。
◎NATO高官=ロシア軍はウクライナ国境地帯から撤収準備の可能性がある。
◎FRB公定歩合会合の議事録=大半の地区連銀は経済が穏やかなペースで拡大を続けると景気判断を上方修正。3地区連銀が公定歩合を0.75%→1.0%に引き上げを要求。9地区連銀は据え置きを要求、3地区連銀は公定歩合とFFレートを1.0%に戻すことが正当化されると主張。長期インフレ期待に変化はなく、引き続き安定的。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

15:00 CHF 4月 貿易収支=24.25億スイス(予想20.52億スイス 前回19.96←20.5億スイス)
17:30 GBP 4月 BBA住宅ローン承認件数=42,173件(予想45,100件 前回45,933件)→ 予想を下回り、GBP売りが強まる
21:30 USD 4月 耐久財受注=前月比0.8%(予想-0.7% 前回3.6←2.6%)、除輸送機器=前月比0.1%(予想0.0% 前回2.9←2.0%)、除非国防・航空機器=前月比-1.2%(予想-0.3% 前回4.7%)→ 予想外の上昇
22:00 USD 5月 S&P/ケース・シラー住宅価格指数 総合20都市=前月比1.2%(予想0.7%)、前年比12.4%(予想11.8% 前回12.86%→ 予想を上回る
22:00 USD 3月 FHFA住宅価格指数=前月比0.7%(予想0.5% 前回0.6%)→ 予想を上回る
22:45 USD 5月 サービス業PMI・速報値=58.4(予想54.5 前回55.0)→ 予想を大幅に上回る
23:00 USD 5月 CB消費者信頼感指数=83.0(予想83.0 前回81.7←82.3)、期待指数84.8(前回83.9)、現況指数=80.4(前回8.5)→ 予想通りながら2008年以降で2番目に強い数字
23:30 USD 5月 ダラス連銀製造業活動指数=8.0(予想9.0 前回11.7)


***** 今日の、主な経済指標・その他 *****

9:00 JPY 黒田日銀総裁の講演
14:45 CHF 第1四半期 GDP=前期比予想0.6% 前回0.2%、前年比予想1.9% 前回1.7%
15:00 GBP 5月 ネーションワイド住宅価格指数=前月比予想 前回1.2%、前年比予想 前回10.9%
15:00 GER 5月 輸入物価指数=前月比予想0.1% 前回-0.6%、前年比予想-2.2% 前回-3.3%
16:55 GER 5月 雇用統計: 失業率=予想6.7% 前回6.7%、失業者数=予想-15,000人 前回-25,000人
18:00 EUR 5月 消費者信頼感指数・確報値=予想-7.1 速報-7.1
18:00 EUR 5月 景況感指数=予想102.2 前回102.0、企業景況感=予想-3.9 前回-3.6、サービス業景況感=予想3.8 前回3.5、業況判断指数=予想0.31 前回0.27
19:00 GBP 5月 CB報告済売上高=予想35 前回30

2014年5月27日火曜日

5月27日(火曜)昨日、海外市場の動き

5月27日(火曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎米英市場は休場、米国では債券・株式市場は休場で、為替取引は極めて限定的。
◎ウクライナ大統領選は無事終了、ポロシェンコ氏が勝利し安心感が広まるが、軍事衝突は続く。
◎欧州議会選挙は、欧州連合(EU)離脱支持勢力が急拡大するも、保守連合は過半数を維持。
◎ドラギECB総裁は、引き続き次回のECB理事会で行動する可能性を示唆。

英国・米国市場が休場の月曜日、積極的な動きは見られず。ウクライナ大統領選は無事終了、ポロシェンコ氏が勝利し安心感が広まったが、ウクライナ東部では親ロシア派が空港を閉鎖し、軍と衝突。欧州議会選挙は反EU正当が躍進したものの、中道右派と左派で過半数を確り維持。EURUSDは、ドラギECB総裁は、引き続き次買いECB理事会で行動する可能性を示唆したが、ポジションの巻き戻しに小幅上昇、全体的に小幅ながらドル買いの調整が見られた。

アジア市場は、いつもながら週初のスローペースの取引が続き、USDJPYは102.00円台を試しながらも抜けきれず。EURUSDは1.3615~45のレンジで動けず、GBPUSDは1.6820~45で動けず、AUDUDも0.9230~45で動けず。

欧州市場は、米英市場が休場で、主要な経済指標の発表もなく、次回ECB理事会で何らかの行動が期待される中、欧州議会選挙は反EU派が躍進したが、保守連合が過半数を維持し株価は上昇。EURUSDは1.36台を維持し底堅く推移、GBPUSDも1.6820台を維持するも、積極性に乏しく上昇は限定的。USDJPYは動けず102円台を達成できず、AUDUSDは0.9235~50で動けず。

米国市場が休場で株式・債券市場は取引がなく、北米市場は予想通り小幅な値動きに終始。小幅ながら全体的に先週末のドル買いの調整に、ドルは軟調に推移した。


***** 発言・その他 *****

◎クーレECB専務理事=6月5日の理事会で、マイナス預金金利を含め様々な選択肢がある。金利水準は低いが一段と低下することが可能。
◎ドラギECB総裁(ECBフォーラム)=デフレリスクに注視し、兆候があれば行動する用意がある。
◎ドラギECB総裁(ECBフォーラム)=特に警戒が必要なのは経済が悪化している国で、低インフレ、インフレ期待の低下、信用の収縮で、景気回復を妨げる。為替レートや、市場の動向が正当化できない金融の引き締まりがみられた場合は伝統的手段の調整が必要になる。
◎欧州議会選挙(第一回公式発表)=フランス、ギリシャ、英国で反EU政党が躍進。中道右派政党が211議席、中道左派系193議席、中道リベラル系74議席、緑の党58議席、極左正当47議席。
◎英国、欧州議会選挙の結果と影響=欧州連合(EU)離脱を主要政策とする、ファラージュ党首の英国独立党(UKIP)が第一党(70議席中、UKIP24、労働党20、保守党19、自由民主党1議席)になる。キャメロン首相は、EU離脱を問う国民投票の早期実施を否定。
◎ギリシャ、欧州議会選挙の結果と影響=反緊縮派野党、ツィプラス党首の急進左派連合(SYRIZA)が、近代の歴史の中で初めて多数票を獲得(SYRIZA26.5% 親民主主義党(ND)22.8%、全ギリシャ社会主義運動(PASOK)8.0%)
◎フランス、欧州議会選挙の結果と影響=移民排斥を主張するルペン党首の国民戦線(FN)が躍進。
◎ビーンBOE副総裁(BBCラジオ)=現時点では利上げの必要はなく、景気回復に配慮した慎重な政策運営が必要だが、穏やかな利上げをするのであれば、早めの利上げ開始が必要になる。
◎日銀金融政策決定会合の議事要旨=需給ギャップの解消は、思いのほか早い。日本経済の持続的な成長には、成長戦略などで潜在成長率を引き上げていくことが重要。
◎岩田日銀副総裁=2.0%の物価目標の実現に確かな手ごたえ。異次元緩和で物価上昇率が目標の2%を超え続ければ「政策を調節する。
◎日本の大手生保=オープン外債投資に積極的。
◎ウクライナ大統領選=ポロシェンコ氏が勝利。ラボロフ・ロシア外相は選挙結果を尊重、ポロシェンコ氏と対話の用意がある。
◎ウクライナ東部=武装した親ロシア派がドネスク空港を閉鎖、ウクライナ軍が空から攻撃し軍と親ロシア派が衝突。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

7:45 NZD 4月 貿易収支=5.34億NZドル(予想6.67億NZドル 前回9.2億NZドル)→ 予想を下回る
15:00 GER 6月 GfK消費者信頼感=8.5(予想8.5 前回8.5)→ 予想・前回と変わらず

***** 今日の、主な経済指標・その他 *****

14:45 CHF 第1四半期 GDP=前期比予想0.6% 前回0.2%、前年比予想1.9% 前回1.7%
15:00 CHF 4月 貿易収支=予想20.52億スイス 前回20.5億スイス
17:30 GBP 4月 BBA住宅ローン承認件数=予想4.52万件 前回4.59万件
18:30 EUR 欧州議会、選挙結果を議論
21:30 USD 4月 耐久財受注=前月比予想-0.5% 前回2.6%、除輸送機器=前月比予想0.0% 前回2.0%、除非国防・航空機器=前月比予想-0.3% 前回2.2%
22:00 USD 5月 S&P/ケース・シラー総合20=前年比予想11.85% 前回12.86%
22:00 USD 5月 FHFA住宅価格指数=前月比予想0.5% 前回0.6%
22:30 EUR ドラギECB総裁発言
22:45 USD 5月 マークイット・サービス業PMI・速報値=予想54.5 前回55.0
23:00 USD 5月 消費者信頼感指数=予想83.0 前回82.3
23:00 EUR EU保守党リーダー、プレ・首脳会議開催
23:30 USD 5月 ダラス連銀製造業活動指数=予想9.0 前回11.7
2:00 EUR EU首脳会議