2014年8月24日日曜日

今週の為替相場(8月25日~8月29日)

今週の為替相場(8月25日~8月29日)

今週の見通し

ようやく、本当にようやく円相場に動きが見られた。日本の市場参加者にとっては、待ち焦がれた一大ニュースで、円安傾向が続けば、東京市場での取引はより活発になり、大手投機筋も円相場に関心を持つことになる。

夏季休暇が終了し、事前にドルロングのポジション調整が進んでいたことで、先週はFOMC議事録で、量的緩和の終了と、より早期のゼロ金利終了の可能性が指摘され、ドル買いの第一弾ロケットが発射された。

そして、イエレンFRB議長講演(ジャクソンホール・年次経済シンポジウム)で、ハト派発言を意識した、調整のドル売りにも進んだが、結果はご存じの通り、今までと大差はないものの、よりハト派ではなかったとの判断(ある意味では不思議なものだが、市場センチメントがドル買いの臨んでいる時はこんなものである)に、第二段のドル買いが強まった。

4月の高値となる104.13円を一時的にせよ上回ったことで、この水準を再トライせずに、ドル円相場は終了することもなく、103.50~60円のボトムを確認した意味は大きい。

それ以外でも、BOE金融政策委員会議事録で、3年ぶりに7対2で金融政策が決定され、2名は0.25%の利上げを支持していた。後のポンド相場はそれでも下落したが、その多くの理由はEURGBPの買い戻しによるものが大きいと思われ、遅かれ早かれ、EURGBPが売りに変化しGBPUSDは買い復活すると見ている、その時期はテクニカル・ポイントで判断したい。

今週の経済指標は、正直なところ特に重要と思われるものは少ない。
しいて言えば、28日(木曜)の米GDP改定値だが、日々の米金利と米株の動きをフォローしながら、各々の米経済指標で強ければ、ドル買い、弱ければ利食いのドル売り、& 押し目買いの展開を予想している。



最新のIMMポジションと相場の動き 2014/08/24

最新のIMMポジションと相場の動き  2014/08/24


≪最近のデーターが示すもの(8月19日データーから)≫ 

7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドルのネットは-172,414コントラクトで、前週-155,448からショートが16,966増加、前週に4週間ぶりにショートが若干減少していたが、再び増加傾向に逆戻り。

ドルに換算したポジションはドル買いで約294億ドルと前週の269億ドルから増加し、ドルロングポジションは一週間で復活。FRBの早期利上げ観測も加わり、ドル高センチメントは根強い。

7月のFOMC議事録が公表され、議論ではよりタカ派になり、早期利上げ観測も加わり、ジャクソン・ホールでのイエレンFRB議長の講演でも、今まで以上のハト派の発言は見られず、通貨間により温度差はあるものの、ドル買いの流れは変わらず。

円に関しては、イラク、リビア、イスラエル・ガザ地区、そして、ウクライナの地政学的リスクによる円買いも限定的で、104円台まで上昇しても達成感は見られず、ドル円の先高感がより強まっている。

EURはウクライナの親ロシア派の武装勢力に対するロシア関与で、対ロシア制裁措置の影響を受けやすく、フランスはユーロ安支持の音頭を取り続け、消費者物価指数は上がらず、追加緩和策の可能性は消えず、EURGBPの買い戻しに、EURUSDは下げ止まってはいるが、底打ち感は見られず。

≪各通貨での変化≫
円=-87,271コントラクトと、前週の-81,097から、ショートは再び増加。ドル換算では約106億ドルのドル買いポジションで、前週の約99億ドルからドルロング(円売り)は再び拡大していた。4月4日の高値104.13円を一時超えたが、達成感は見られず円の先安観は続く。

ユーロ=-138,825コントラクトと、前週の-126,017からショートが拡大。ドル換算では約231億ドルのドル買いポジションで、前週の211億ドルか再び増加、200億ドル台の大台を維持し、市場センチメントのユーロ先安間はデーター上からは変わっていない。

ポンド=+13,287コントラクトと、前週の+18,799からロングは減少。ドル換算では約14億ドルのドル売りポジションで、前週約29億ドルからドル売りは減少、BOE金融政策委員会の議事録では、3年ぶりに二人の反対者があり、7対2で金融政策の据え置きが決定し、ポンド買いの材料にも反応できず。ポンド高の期待感は残るも、現実はポンド売りが続いている。

豪ドル=+36,574コントラクトと、前週の+18,799からロングは増加。トータルでは20週連続でプラス圏を維持している。ドル換算では約34億ドルのドル売りポジションで、前週の17億ドルから増加へ。

NZドル=+12,032コントラクトと、前週の+13,429からロングは小幅減少。昨年9月以来、49週間に渡りネットではロングを維持し、ドル換算では約10億ドルのドル売りポジションで前週の11億ドルから小幅減少となった。