*** 昨日のポイント ***
欧米株は小幅下落、長期金利は上昇、GBPは上昇、CADは下落、NZDも下落。
◎安倍首相(ダボス会議の基調演説)=法人税に関しては発言したが、特に為替相場へ影響する発言はなし。
◎カナダ中銀は政策金利を据え置いたが、利下げの可能性を示唆しCAD安を容認か? 低インフレを懸念し、CADドルが輸出を支援と通貨を容認。USDCADは上昇しCADは全面安(USDCAD1.0970台→1.1040台→1.1080台へと続伸、CADJPY95.30円台→94.50台へ、安値94.10台へ続落)
◎ユーロへの材料は強弱混在。①OECDチーフエコノミストは、ユーロ圏のデフレリスクを危惧、量的緩和も選択肢。②ウェーバーUBS会長は、欧州銀行の懸念が再燃する可能性と、各国金融政策の違いでドル高を予想。③ギリシャ国家評議会は、国際支援の条件となる警察官・軍人の給料削減を違憲と判断。④2013年第3四半期のユーロ圏政府債務残高は6年ぶりに減少→EURUSDは動けず、ただ上値は重い。
◎BOE金融政策委員会議事録は、失業率目標値7%に達しても直ぐに利上げはしないとあり、GBP買いの圧力が弱まる。
◎英失業率(ILO・9~11月)は7.1%に低下、利上げ目標値直前まで改善、失業者数も予想を上回る減少に、GBP買いが強まる(GBPUSD1.6460→1.6550へ、高値1.6580台、EURGBP0.8230台→0.8180へ、安値0.8160台へ、GBPJPY171.60円→172.70円台へ、高値173.20台へ上昇)。
◎日銀の金融政策決定会合は、物価見通しを据え置き、金融政策も現状維持で、早期の追加緩和の可能性が低下との判断に、一時株安+円高へと動いたが直ぐに切り返す。
◎豪消費者物価指数は予想外に強く、AUD買いが強まる(AUDUSD0.8780台→0.8860台へ、後0.8880台へ続伸、AUDJPY91.70円→92.40台へ、高値92.70円まで続伸)。
*** 今後の見通し ***
USDJPYは、昨日から始まったダボスでの国際フォーラム。ルー財務長官の円安けん制発言に続く第2・第3の矢がみられるか? 安倍首相の基調演説は相場への影響は見られなかったが、積極的な円売りも叶わず、円ショートの巻き戻しに上値は重い。逆に、29日のFOMCの警戒感や、円先安観+実需の買いに底堅く、103.80円~104.80円でサンドイッチ状態、やむを得ず。
EURUSDは、ユーロ圏の材料は強弱が混在、方向性示せず。プラス材料=2013年の独経常収支は、中国を抜き世界第1位が固く、ユーロ圏への積極的な投資や、膨大は貿易黒字に底堅く推移する。マイナス材料=ECBもついに量的緩和を選択か? と思わせるエコノミストの発言も多く、欧州銀行への不安感、デフレリスク、金融政策の違いにEUR先安観は消えず、センチメントはミックス。現状は1.3500~1.3580のレンジで動けず。ただ、1.3500を割り込みどのように展開するかを確かめたい心境に変わりなし。
AUDUSDは、昨日は強い消費者物価のサプライズにAUD買いが強まっているが、弱い雇用統計+インフレ率上昇=スタグフレーション=通貨安の方程式は有効。豪ドル高への反転はまだ先で、0.8750を割り込むと、続落を再開。16日に弱い雇用統計をきっかとし、0.8880~00を割り込み続落したが、今、その水準近くまで回復。0.8750~0.8850のレンジ上限をブレークしているが、0.8880~00を上回るまでは、どうも買いも疑い深くなる。
USDCADは、カナダ中銀は、利下げの可能性を示唆しCAD安を容認か? 前日に1.1000の大台を達成、2009年8月の水準へと逆戻りしており、CADは最も弱い通貨。流行のEURGBPの売り、AUDNZDの売りもフレッシュさを欠き、ある意味では最も興味深い通貨ペア。長期のMonthlyチャートを眺めていると、2008年~2009年前半の1.30台へのトライ再燃の思いが強まる。
*** 発言・その他 ***
マカファティーBOE政策委員=①ポンドの急変は常に懸念材料。②失業率が7%に低下したら、フォワードガイダンスを付け加えるが、早急は利上げは必要ない。
カナダ中銀=政策金利1.0%の据え置きを決定。低インフレを懸念し、次回の行動は利下げ・利上げと両方向の可能性を示唆。
ポロズ・カナダ中銀総裁=経済指標次第だが、インフレは下方リスクが上昇。供給過剰がインフレへ影響している可能性がある。CAD安は輸出企業にとり好材料。
イングリッシュNZ財務相(ダボス会議)=2014年の最大リスクは選挙。
スペイン長期金利低下=10年債利回は一時3.68%まで下落し、8年ぶりの低水準。
欧州連合(EU)統計局=2013年第3四半期のユーロ圏政府債務残高は、6年ぶりに減少し、8.842兆ドル(GDP比92.7%)で第2四半期93.4%から低下→→欧州債務危機からの転換している可能性がある。
ギリシャ国家評議会(行政裁判所の最上級審議)=国際支援の条件となる警察官・軍人の給料削減を違憲と判断。
ウェーバーUBS会長(ダボス会議)=ECBのストレステストで不合格の銀行があり、市場は疑いの銀行に十分は資本供給をせず、銀行の懸念再燃の可能性を指摘。
ウェーバーUBS会長(ダボス会議)=FRB、ECB、BOJの金融スタンスに相違があり、ドル上昇は数年続く可能性がある。①米=緩和策を解除を始め、数年後には引締めバイアスへと移行、②欧州=緩和バイアスを維持、③日本=大規模な緩和策を実行。
BOEのMPC(金融政策委員会)議事録=①失業率7%に低下しても政策金利引き下げ必要ない。②失業率目標値7%は想定より早く達する見通し。③利上げ時期が来たら段階的に引き上げが妥当。④2013年第4四半期、2014年第1四半期の成長見通しは上振れリスクがある。⑤9対0で政策金利と資産買入枠の据え置きを決定。
OECDチーフエコノミスト=①デフレリスクがあるが、その大きさは分からない。②ECBは中銀預金金利をマイナスに引き下げる準備をすべきで、量的緩和も含まれる。
黒田日銀総裁(金融政策決定会後の記者会見)=①全ての地域で景気回復のすそ野が広がる。②世界経済の下振れリスクは低下し、2014年ど後半以降に物価目標2.0%に達する可能性が高い。③消費増税による実質所得の減少を注視→→早期の追加緩和の可能性が低下との判断に、一時株安+円高へと動いたが直ぐに切り返す。
経済・物価情勢の展望(展望レポート・前回10月)=①GDP見通し2013年中央値2.7%、2014年1.5%→1.4%に下方修正、2015年1.5%。②コアCPIは2013年0.7%、2014年3.3%、2015年2.6%、③消費増税後の予想コアCPIは、2014年1.3%、2015年1.9%。
*** 経済指標の結果 ***
JPY 日銀金融政策決定回会合、金融政策の据え置きを決定。
8:30 AUD 1月 ウェストパック消費者信頼感=前月比-1.7%(予想 前回-4.8%)、指数103.3(予想 前回105)
9:30 AUD 第4四半期 消費者物価指数=前期比0.8%(予想0.5% 前回1.2%)、前年比2.7%(予想2.4% 前回2.2%)、RBAトリム平均CPI=前期比0.9%(予想0.6% 前回0.7%)、前年比2.6%(予想2.3% 前回2.3%)→トリム平均値の前月比は2年ぶりの高水準で、前年比は中銀目標値の2.0%~3.0%の中心値を上回り2011年半ば以来の高い伸び率に、AUD買いが強まる
13:30 JPY 11月 全産業活動指数=前月比0.3%(予想0.4% 前回-0.2%)
14:00 JPY 11月 景気一致CI指数・確報値=111.1(予想 速報値110.5)、景気先行CI指数・確報値=110.7 (予想 速報値110.8)
18:30 GBP BOE金融政策委員会議事録
18:30 GBP 12月 雇用統計: 失業率=3.7%(予想3.7% 前回3.8%)、ILO(9~11月)=7.1%(予想7.3% 前回7.4%)、失業保険申請件数=-2.4万人(予想-3.5万人 前回-3.43←-3.67万人)→ 予想外に失業者数が減少し、GBP買いが強まる
0:00 CAD カナダ中銀 金融政策発表=政策金利1.0%の据え置きを決定、予想通り→低インフレを懸念し、次回の行動は利下げ・利上げと両方向の可能性を示唆、CAD売りが強まる。
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