*** ポイント ***
毎日色々なことがある。
◎29日のFOMCでは量的緩和の縮小の思惑が広まる→ ドル買いの材料。
WSJ紙の記事を引き金に、それがドル買いにつながっていると思われ、米株は弱くトータルではドル買いへ。しかし、逆になぜか、米金利は低下しドル円は下落。
◎今日からダボスで世界経済フォーラムが開催→ 円安抑制材料。
ルー米財務長官の円安けん制発言が後を引き、他のだれか要人が、何かを言うのではないのか? との不安感に、積極的に円を売ることもできず、円ショートポジションだけが気になっている。
◎IMF世界経済見通しは英国を評価→ ポンドは堅調に推移。
市場参加者の思惑通り(GBPロングポジションの意味!)、英国を評価し、2014年英国=1.9%→2.4%に大幅に上方修正し、上方修正幅は主要国で最大。世界経済見通しは3.6%→3.7%に上方修正、米国の2.6%→2.8%に上方修正は分かるが、期待の日本も1.2%→1.7%に上方修正。
◎バンカメ・ファンドマネジャー調査は英国や欧州を拡大→ ポンド選好志向。
新興国市場の株式のアンダーウェート10.0%→15.0%に拡大。逆に、英国や欧州は拡大しており、ユーロ圏のオーバーウェートはネット41.0%で5カ月連続、英国は6.0%と10年間の平均を上回り、ここでも英ポンド買いの世相を反映。
*** 昨日の出来事 ***
◎注目した連休明けの米国市場は、株安、金利低下、ドルは小幅安+ポンド高。総じて前日とあまり変わらず。
◎アジア市場の朝方発表されたNZ消費者物価指数が強く、政策金利の引き上げ期待に、NZドル買いが強まる。
◎3連休明けの米国市場の動き待ちながら、29日のFOMCでは100億ドルの資産買い入れ縮小が始まることになり、継続的な縮小期待と、その確認待ちの動き。
USDJPYは、先に102.80円台まで値を下げたことで、103円台での調整局面を継続。アジアと欧州市場では株高に104.80円をトライしたが失敗。米国市場に入り、株安+米金利低下+上値トライ失敗に104.10円割れまで続落。一時104.40円近くまで値を戻すが、結局は前日の終値とあまり変わらず。
EURUSDは、1.3560台の上値は重く、FOMCで量的緩和縮小の期待感が強まっていた。欧州市場に入り、堅調な欧州株にドル売りの流れに、AUDUSDやEURUSDは小幅上昇、弱い独ZEW景況感調査をテーマに、1.3520割れまで下落。1.3500以下のストップやオプション絡みの動きを試したが、ユーロ圏ZEW景況感は強く、独現況指数も大幅に上昇していたことで説得力も弱く、失敗。米国市場に入ると、逆に買い戻しが始まり、オプション後には1.3560台へ上昇、実需や資本筋の買いは厚く、結局は前日終値とあまり変わらず。
AUDUSDは、ダウントレンド継続しながらも、0.88中心としたレンジ取引に入っている。アジア市場は強いNZDUSDの買いの影響と、AUDNZDの売りにサンドイッチ状態。欧州市場に入ると0.8780割れまで続落、連休明けの米国市場に入ると、買い戻しが強まり、0.8810台を回復したが、結局は前日終値とあまり変わらず。
*** 今後の見通し ***
投機筋の思惑は一致し、円安+GBP高+NZD高+USD高を期待。それらのポジションを維持する傾向が続いている。FRBは量的緩和の縮小に動き、BOEは資産買入枠の縮小や利上げ期待が強く、RBNZは主要国で最も早い時期に利上げに移行するとの期待感が強い。もちろん、それなりにポジションも増えており、一時的な調整に振らされないように注意が必要。
直近でも、昨日のIMF経済成長見通しも英国を最評価、17日の英小売売上高の前年比は2004年以来の高水準、今日のNZ消費者物価指数は、予想を上回り利上げ期待がさらに膨らんでいる。先の弱い米非農業部門雇用者数にも、FRBの量的緩和縮小の流れは変わりそうにない。
逆に、16日の豪新規雇用者数はマイナスとなり、先のカナダ雇用ネット変化は予想外のマイナスで、ユーロ圏は成長拡大にユーロ高が負担気味になっている。
USDJPYは、先に103.80円台まで値を下げ、昨日は104.80円の上値を失敗いたことで、もうしばらくは、このレンジ内での調整局面の継続を予想。ルー財務長官が円安けん制発言をしても、TPP交渉で米自動車業界からの圧力と考える以外、その本心は不明で、警戒感に一時的な円買い戻しが続く可能性があり、短期のテクニカルでは円買いを継続している。
まだ、その時期を示すテクニカルのサインは見られないが、中期的には今回の円買いから売りへと変化するシグナルを待ち、105円を超え、108~109円を目指す動きを期待したい。
EURUSDは、1.3560台の上値は重く、引き続き短期のダウントレンドを継続中。1.3500を割り込むと続落の可能性が高まり、何が飛び出すかを試したくなる水準となっている。欧州株や欧州市場への資金流入に積極的なEUR売りは期待しにくいが、予想外に戻りも限定的で、引き続き1.35台前半の動きから、1.3480~00のトライを期待。
AUDUSDは、ダウントレンド継続。不思議なもので、0.89台、0.88台と、100ポイントごとの大台で動きが止まり、暫くはレンジ取引に入っている。弱い豪雇用統計の影響に、短期的なAUDロングはギブアップし、0.8900を割り込んだことで0.91トライは一体何だったのか? ただ単に、AUD高期待感だけだったのだろうか? 主要通貨ではカナダドルと並び、弱さが身にしみる通貨で、ボトムは見えず。暫くは0.8780~0.8830のレンジを予想。
*** 発言・その他 ***
バンカメ・ファンドマネジャー月次調査=新興国市場の株式、アンダーウェート10.0%→15.0%に拡大、逆に、英国や欧州は拡大。中国経済のハードランディングで商品相場の急落が最大のリスクと考えは25.0%→33.0%に拡大。ドルは過小評価との考え57.0%で2008年8月以来の高水準。ユーロ圏のオーバーウェートはネット41.0%で5カ月連続、英国は6.0%と10年間の平均を上回る。
IMFの2014年世界経済見通し(改定・前回10月)=①世界経済の成長率予測は2014年3.6%→3.7%に上方修正、2015年3.9%。②緊縮財政の影響が軽減し不透明性は低下、金融システムの健全性向上により、先進国が新興国から成長のローテーションがさらに進む。③先進国のデフレリスクは景気回復の阻害要因。
IMFの2014年世界経済見通し(改定・前回10月)=①2014年成長率予想、日本=1.2%→1.7%に上方修正、財政刺激が支援し、春の消費増税の影響が弱まるが、政府の歳出や輸出依存から、消費や投資に注力すべき。②米国=2.6%→2.8%に上方修正、議会の予算協議が決着し、財政のリスクが一部軽減され、内需が成長を押し上げる。③英国=1.9%→2.4%に上方修正、低水準の信用コスト、信頼感の改善が期待でき、上方修正幅は主要国で最大。④中国は経済改革の効果表れ、2014年7.5%、2015年7.3%。
IMFの2014年世界経済見通し(改定・前回10月)=①日本はデフレリスクは少ない。②日本が経験した問題が先進国の脅威。③経済活動のマイナスになれば、ディスインフレがあり、経済を衰弱させる。④低インフレ・高デフレは、ユーロ圏経済回復へのリスク。
IMFの2014年世界経済見通し(改定・前回10月)=①FRBは2015年まで利上げは実行しない。②FRBの緩和縮小による資金引き上げに、大規模な経常赤字や脆弱は経済の一部途上国は、大きな打撃を受ける恐れがあり、為替相場の下落容認、金融政策の引き締め、規制・監督強化の検討が必要。
IMF首席エコノミスト=FRBの早期緩和縮小を予想していない。ユーロ圏は最大20%の確立で、デフレリスクがあるが、基本予想は引き続きプラス。
WSJ紙=1月29日のFOMCで、資産買い入れを減額する可能性がある。
ノボトニー・オーストリア中銀総裁=ECBは3月の次回経済成長見通しの公表で、上方修正する可能性がある。ドイツとオーストリアの経済は順調、スペインとアイルランドは予想より順調、フランスは安定している→ 昨年12月時点の2014年成長見通しは上方修正され1.1%となっている。
甘利経済再生担当相=デフレの状況に戻るリスクは残っており、デフレ脱却を宣言するには時期尚早。物価上昇を超える賃金上昇が鮮明になれば好循環が自動的に回りだす。
麻生財務相=法人実効税率引き下げで、具体的なタイミングが言える段階ではない。
中国人民銀行=短期流動背ファシリティー(SLF)で、緊急の流動性を供給。
サマラス・ギリシャ首相=今年のギリシャ経済は、6年間続いたリセッションを脱し、プラス成長の見通し。
*** 経済指標の結果 ***
6:45 NZD 第4四半期 消費者物価指数=前期比0.1%(予想-0.1% 前回0.9%)、前年比1.6%(予想1.5% 前回1.4%)→ 予想を上回り、利上げ期待でNZD回が強まる
19:00 GER 1月 ZEW景況感調査: 期待指数=61.7(予想64.0 前回62.0)、現況指数=41.2(予想34.1 前回32.4)→ 期待指数が弱くEUR売りが強まるが、引き続き高水準で現況指数は大幅な伸び
19:00 EUR 1月 ZEW景況感調査=73.3(予想70.2 前回68.3)→ 予想を上回る伸び率
22:30 CAD 1月 製造業売上高=前月比0.0%(予想0.5% 前回1.2←1.4%)、製造業出荷=前月比1.0%(予想0.3% 前回0.7←1.0%)
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