1月24日(金曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し
*** 昨日のポイント ***
経済指標に相場が大きく動く変動、新興市場国の変動は大きく、USDARSは12%上昇・一時15%とアルゼンチンペソ下落)、VIX指数は大幅上昇し、USD下落+JPY買い+EUR買い+GBP買い、流れはリスクオフ。
新興市場の急変、弱い中国と一部弱い米経済指標に、世界的に株価は下落し、金利は大幅低下し、GBPUSDは2011年8月の高値を更新、EURUSDは1月14日の高値水準の1.37トライへ、USDJPYも103円トライへ、主要通貨でドルは全面安。豪ドルは弱い中国経済使用と成長不安にAUDUSDは一時0.8750を割り込む。
①中国発の弱い製造業PMI+中国首相の弱気発言+IMF首席エコノミスト成長6%下落予想、②欧州発の強いユーロ圏製造業PMI+消費者信頼感、③まだらな米経済指標(弱い製造業PMI+住宅価格指数+CB景気先行指数と、強い中古住宅販売+新規失業保険申請件数)。
スイス政府は不動産抑制策発表、USDCHFは0.9120→0.9020台へ急落、その後も0.8960台まで下落、EURCHFも1.2360→1.2280割れまで下落。
トルコ中銀は介入を継続、USDTRYは一時2.3台へ上昇。
*** 今後の見通し ***
新興市場国の変動が続くのか? 大きなカギ。中国初の弱気な材料が重なり、会計プロセスの透明性に中国銘柄が急落、株安、金利低下、ドル全面安の流れへと変化している。
29日のFOMCでは債券買い入れの縮小の継続が示される可能性によるドル高期待は変わらず、基本のドル高センチメントは強い。ただ、今後の動きはリスクオフで、新興国市場の動きを見守る必要がある。
最近の流行ではあるが、市場参加者の中では、ドルを含め、GBPやNZDのロング志向が根強い。ダボス会議で、ウェーバーUBS会長が、FRB(引締めバイアス)、ECB(バイアス維持)、BOJ(兆緩和策の実行)と、金融スタンスに相違があり、ドル上昇は数年続く可能性があると発言していたことに象徴される。
USDJPYは、今年に入り、105.40円台、105円台、104.80円台を高値に、上値が切り下がり、昨日はつに103.80円を割り込みストップの売りに103円近くまで下落した。ダボス会議とFOMCを前に、積極的な円ショートも控えられ、リスクオフの流れに円の買い戻しが強まっているが、基本の円安は変わらず。短期的には1月14日の安値102.80~90円が次の下値の重要なポイントとなり、102.80円~103.80円のレンジに入りやすい。
EURUSDは、欧州経済の拡大見通しが強まり、残念ながら下値1.3500を試すことなく、強いユーロ圏各国の強い製造業景況感にあっさり1.3580をクリアし、1.3700とポイントをトライ中。1.37のビックポイントをクリアに上回ると1.3750、1.3820、1.3880と上昇する可能性がでてくるが、1.37は1月14日の高値水準で、過去1月10日~15日続き失敗、下落へと繋がった水準だけに、そう簡単にクリアさせてくれそうにない。
AUDUSDは、中国の経済指標は弱く、弱気は材料が多く、豪中銀による利下げの可能性は払しょくできず、豪ドル高けん制発言の終了の有無もわからず。引き続き中銀総裁が示した、AUDUSD0.8500を忘れることはできない。AUDUSDは一時0.8750を割り込みながらもなんとか下げ止まっているが、0.8800を高値にクリアに0.8750を割り込むと続落の可能性が高まる。
*** 発言・その他 ***
ルー米財務長官=米経済は3%か、それ以上ペースでの成長を予想。
ラガルドIMF専務理事=FRBの緩和縮小は引き締めではない。
IMF首席エコノミスト=中国政府の消費主導型経済への再均衡化は時間がかかり、成長率は将来6%に減速。
カーニーBOE総裁=①当面は利上げの必要性はない、②失業率基準値の変更は金融政策委員会が決めること。
李克強中国首相=①経済は今年厳しい状況に直面している。②政府は安定的な成長のため動向を注視、③消費者物価の安定維持に努める。
ルービニ教授=①金融リスクという点で言うと、危機の最悪期は脱した。②過去数年間に見られたテールリスクのうちいくつかは、現実に起こる可能性が弱まった。③インフレは低水準。④中央銀行も緩和的な政策を継続。⑤先進国の成長が潜在成長率を上回るとは考えていない。⑥米国の経済成長率を2.5%と予想。
スペイン第4四半期失業率=第4新規失業率は26.3%で、前期25.98%から上昇し、6四半期連続で25%を上回る。
スイス=銀行の資本バファー基準を引き上げ、不動産ブーム抑制に動く。
フィッシャー・BOE理事=失業率が7%に低下しても利上げはまだ先。
トルコ中銀介入実施=USDTRYは過去最安値を更新し、一時2.2970近くまで上昇後、介入により値を下げる。その後も介入を実施。
ドラギECB総裁(スイス紙とのインタビュー)=①ユーロ圏の景気回復は力強い兆高が見られるが、揺り戻しのリスクは大きく、楽観的見通しには注意すべき。②デフレの危険性はない。
篠原IMF専務副理事(講演)=物価目標2%の達成には2年以上必要だが、目標に向かい進展している限り、追加緩和は必要ない。
ダボス会議参加者=61.7%は金融システムは5年前に比べて安全、改善していない38.3%。
キーNZ首相=今年のNZ経済は強く、来年には財政収支は黒字へ。
*** 経済指標の結果 ***
8:50 JPY 対外証券投資・中長期ネット=-2260億円(予想 前回-7504←-7406億円)、株式ネット=-520億円(予想 前回1552→1573億円)、対内証券投資・中長期ネット=-148億円(予想 前回-7433億円)、株式ネット=712億円(予想 前回-2186←-2191億円)
9:00 AUD 12月 消費者インフレ期待=前月比2.3%(予想 前回2.1%)
10:45 CHN 1月 HSBC製造業PMI・速報値=49.6(予想50.6 前回50.5)→ 予想と前回を下回り、春節の影響や、内需の低迷に昨年6月以来、久々に50を割り込み、AUDは急落
16:58 FRN 1月 総合PMI・速報値=48.5(前回47.3)、製造業PMI・速報値=48.8(予想47.5 前回47.0)、サービス業PMI・速報値=48.6(予想48.1 前回47.8)→ 予想を大幅に上回り、EUR買いが始まる
17:30 GER 1月 総合PMI・速報値=55.9(前回55.0)、製造業PMI・速報値=56.3(予想54.7 前回54.3)、サービス業PMI・速報値=53.6(予想54.0 前回53.5)→ 予想と前回を上回りEUR買いが強まる
18:00 EUR 1月 総合PMI・速報値=53.2(予想52.4 前回52.1)、製造業PMI・速報値=53.9(予想53.0 前回52.7)、サービス業PMI・速報値=51.9(予想51.4 前回51.0)→ 予想と前回を上回りEUR買いが強まる
18:00 EUR 11月 経常収支・季調済=235億ユーロ(予想 前回222←218億ユーロ)→ 黒字額は2カ月連続で過去最高、季調前=274億ユーロ)予想 前回266←262億ユーロ)、貿易収支188億ユーロ(前回192←196億ユーロ)
20:00 GBP 1月 報告済売上高=14(予想28 前回34)→ 前回と予想を下回る
22:30 USD 週間新規失業保険申請件数=32.6(予想33.0万件 前回32.5←32.6万件)→ 予想より改善
22:30 CAD 11月 小売売上高=前月比0.6%(予想0.2% 前回-0.1%)→ 予想を上回る、
22:30 USD 12月 シカゴ連銀全米活動指数=0.16(予想 前回0.69←0.6)
22:58 USD 1月 製造業PMI・速報値=53.7(予想55.2 前回55.0)→ 予想を下回りドル売りが強まる
23:00 USD 11月 住宅価格指数=前月比0.1%(予想0.3% 前回0.5%)→ 予想と前回を下回り、過去1年間で最低の伸び率
0:00 USD 12月 中古住宅販売件数=1.0%(予想0.0% 前回-5.9-4.3%)、487万件(予想495万件 前回482←490万件)→ 予想を上回り4カ月ぶりに増加
0:00 EUR 1月 消費者信頼感・速報値=-11.7(予想-13.0 前回-13.5←-13.6)→ 予想外にマイナス幅は縮小し、2011年7月以来の水準に改善
0:00 USD 12月 CB景気先行指数=前月比0.1%(予想0.2% 前回1.0←0.8%)→ 前月は上方修正されたが、予想をやや下回る
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