*** 昨日のポイント ***
米国の兆緩和策の正常化の影響なのか? VIX指数は29.77%上昇、世界的に株価は大幅下落し、アルゼンチンペソ・トルコリア・南アランド・ロシアルーブル・インドルピー・ブラジルレアルなど新興国通貨の急落。そして円高。
さらに、米債務上限問題へのリスク、中国の景気鈍化へのリスク、前日のスイスの不動産抑制策発表、豪中銀理事のAUDUSD0.80が妥当発言、カーニーBOE総裁の「英経済は刺激策の解除に耐えられる程強くない、ポンド高は輸出を抑制する可能性がある」と驚きの発言。週末金曜日の金融市場は変動へ。
①USDJPYは、世界的な株価の下落に、円ショートポジションの巻き戻しが強く、安全資産の円買い戻しは止まず、一時102円まで続落し、ようやく下げ止まる。三谷・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)理事長の、外債購入も考慮との発言も買い材料。
②EURUSDは、前日スイス政府は不動産抑制策発表し、スイス高になった影響もあり、USDCHFの下落に、EURUSDは1.3700のポイントをブレークし1.3738まで上昇。しかし、ビスコ・イタリア中銀総裁+カーニーBOE総裁発言を受けたGBPUSDの急落に、1.37を割り込み、結局は元の水準近くへ値を戻す。
③AUDUSDは、リドアウト豪中銀理事(豪中銀理事会メンバー外で、理事会の意見を反映していない)の、「豪ドルの下落は不十分で、豪経済にとってUSDAUD0.80が妥当と発言」と発言、この影響にAUDUSDは0.8750台→0.8690割れまで下落、2010年8月のAUDUSD上昇出発点に逆戻りしたことになる。そして、ようやく下げ止まり一時0.8720まで値を戻すが戻りも弱い。
④GBPUSDは、カーニーBOE総裁(ダボス会議)が、「英経済は刺激策の解除に耐えられる程強くない、ポンド高は輸出を抑制する可能性がある」と驚きの発言。 この発言を受けGBPUSDは1.6610→1.6480で急落、前日も同様の発言をし、オズボーン英財務相も失業率7%はBOEの利上げ行動に直結するものではないと発言しており、1.6580~00のストップロスを付ける材料にされた可能性がある。
*** 今後の見通し ***
米国の兆緩和策の正常化の影響なのか? 昨年5月の流動性危機=新興国市場の混乱時は、金利上昇=株価下落だったが、今回は金利低下=株価下落で動きは異なる。しかし、新興市場国の混乱=円高の流れに、今後の相場展開を見守る必要がある。
29日のFOMCは、債券買い入れの100億ドル縮小は既定事実で織り込み済み。更なる縮小の可能性の有無。
追加の縮小=株価下落=円高+ドル安。100億ドルの縮小=織り込み済みで相場急変のリスクなし、見送り=株高=円安、ドルは不安定で主要通貨で下落、円はクロスで円安へ。
ルー米財務長官の円安けん制発言=TPP交渉で参加国が輸出を伸ばすために自国の通貨を安く誘導する為替操作をしないよう監視することを米議会の多数が求めている。
目先は、ダボス会議が25日で終了し、その後の報道による変化も考慮にいれる必要があり、この週末明けの月曜日の為替相場には注意が必要。
ただし、これで目先の変動要因はとりあえず一つ終了。本題の29日のFOMCが終わるまでは積極的に動けず。むしろ、リスクは中国発の材料で、本当に景気鈍化傾向が継続するのか?
中国は1月30日が大みそかで、旧正月に突入し、次の発表は1月30日製造業PMIまで見当たらない。
(来週の相場見通しは、別途お送りします。)
*** 発言・その他 ***
◎金融安定理事会(FSB)=為替取引の指標レート(ベンチマーク)を見直す方針
◎ドラギECB総裁(ダボス会議)=①資産査定やストレステストで存続困難な銀行は破たんさせるべき、②ユーロ圏にはデフレは見られず、③景気回復派始まっているが弱く、リスクは下向き、④インフレは相当の期間ECBの目標水準を下回るだろう。
◎カルアナBIS総支配人(ダボス会議)=各国は大規模な金融緩和政策を縮小し、経済改革に注力する必要がある
◎三谷・年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)理事長=外債購入も考慮
EUR ビスコ・イタリア中銀総裁=①ユーロ圏諸国の多くがインフレ率の著しい低下に直面、②ユーロは強くなる兆候はない、③ECBは必要なら追加利下げや資産買い入れも可能→ EURUSDは下落に転じる
◎カーニーBOE総裁(ダボス会議)=英経済は刺激策の解除に耐えられる程強くない、ポンド高は輸出を抑制する可能性がある→ この発言を受けGBPUSDは1.6610→1.6500割れまで急落、前日も同様の発言をし、オズボーン英財務相も失業率7%はBOEの利上げ行動に直結するものではないと発言しており、1.6580~00のストップロスを付ける材料にされた可能性がある。
◎4中銀ドル資金供給オペ終了へ=①段階的に縮小し、7月末で終了。②2008年のリーマンショック後に導入、2010年2月の終了したが、2010年5月にギリシャショック(欧州危機)で再開していた。
◎黒田日銀総裁(ダボス会議)=①消費増税で新たな問題が起こることはない、②ユーロ圏がデフレに陥る可能性は低い
◎ウィールBOE政策委員=①失業率が予想以上に改善しているが、政策金利は過去最低に据え置かれる、②利下げ検討基準の失業率7%の引き下げは反対。
◎オズボーン英財務相(23日ダボス会議)=①BOEの利下げ検討基準の失業率7%はBOEが行動に直結するものではない、②BOEは住宅バブルに対応するツールを持っている。
◎リドアウト豪中銀理事(豪中銀理事会メンバー外で、理事会の意見を反映していない)=豪ドルの下落は不十分で、豪経済にとってUSDAUD0.80が妥当→ この発言を受けてAUDUSDは0.8750台→0.8690割れまで下落、2010年8月のAUDUSD上昇出発点に逆戻りしたことになる。
◎ロックリア米太平洋軍司令官=日中間の緊張状態の長期化を懸念。
◎ルー米財務長官(23日ダボス会議)=①米成長率は3%予想は妥当、②米経済指標は全て成長の軌道が押し上げられていることを示唆。
◎アルゼンチン=為替規制を解除し、ドルの購入を容認
◎ジョーダン・スイス中銀総裁=EURCHF1.20の防衛ラインは必要な限り継続
*** 経済指標の結果 ***
18:30 GBP 12月 BBA住宅ローン承認件数=4.65万件(予想4.72万件 前回4.5万件)
22:30 CAD 12月 消費者物価指数=前月比-0.2%(予想-0.2% 前回0.0%)、前年比1.2%(予想1.3% 前回0.9%)、コア前月比-0.4%(予想-0.4% 前回-0.1%)、コア前年比1.3%(予想1.3% 前回1.1%)→ 予想通りで相場は動けず
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