***** 昨日のポイント *****
EURUSDは再び、ECB理事会で追加緩和パッケージを発表した直後の安値1.3503に迫る水準まで値を下げている。ダブルボトムやトリプルボトムとして下げ止まる反発するのか? この1.3500近辺を巡る攻防は見ものである。米国はもちろんのことだが、欧州株は強くスペインの債券利回りは大幅に低下し、南欧諸国を含め、ユーロへの資金流入が弱まっていることも確認できない。ECB理事らの発言では、資金流入は既にピークアウトしていると言う。また、クーレECB専務理事は、先日にECB理事会の決定は「ユーロ圏と米英の金融状況は長期にわたってかい離する」と言いたかったとのこと。
ノワイエ仏中銀総裁は「最近の大規模な資本流入が長期金利を低下させ、ユーロを上昇させている」といい、「ユーロ圏は、名目上は米国よりも緩和的な状況にあるが、実質では米国よりも引き締まったスタンス」とのこと。金利差相場で、ユーロ売りなのか? 実質金利をにらみ継続的な資金移動によるユーロ買いなのか? 極端な言い方ながら、それらに投機筋がどのように提灯を付けて相場を動かそうとするのかが、見ものである。
◎中国CPIは予想を上回り、AUDUSD買いが強まる。
◎スイス小売売上高は、予想外に弱くUSDCHFは上昇し、ドル買いの流れをリード。
◎マカファーティーBOE政策委員は、英金利は上昇時期が近づいている。
◎ノワイエ仏中銀総裁は、低インフレ、実質金利の上昇、資本流入と為替相場の上昇へと負の連鎖に陥る可能性に、ECBは前週一連の力強い措置を実施。
◎バイトマン独連銀総裁は、ECBの追加緩和パッケージは、インフレ見通しに利下げ余地がいかに小さいかを示す。
◎メルシュECB専務理事=低インフレが長期化すれば、インフレ期待が増し、低下へのスパイラルに陥る可能性がある
◎米卸売在庫・売上高と米労働省求人労働異動調査は強く、第2四半期の米経済成長を裏付ける。
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アジア市場は、緩やかな円高へ。クロスで円買いが強まり、株価の下落も加わり、維持されていた102.50円台を割り込むと、102.30円割れまで続落。EURUSDは、1.3585~90の狭いレンジで推移、GBPUSDは、1.6800台を確りと維持しながら、1.6810台へ小幅上昇。AUDUSDとNZDUSDは小幅上昇、USDCADは下落と、小幅ながらドル売りの流れとなった。
欧州市場は、弱い経済指標を受けたスイス売りと、追加緩和を示唆する理事の発言が多く、EURの下落がリードするドル高へ。USDCHFは弱い小売売上高を受け、0.8970→0.9000の大台へ上昇、EURUSDは、1.3580を割り込み1.3530台へ急落し、ドル買いをリード。GBPUSDも上下しながら、1.6760台へ下落。AUDUSD、NZDUSDも買い圧力は弱まり小幅下落、カナダドル高が続いた、USDCADは1.0910台まで上昇し、カナダドルも弱含みで推移。
米国市場は、米卸売在庫・売上高は強く、米求人件数が2007年9月来の高水準に回復。相変わらず通貨間で動きが異なるが、EURUSDは1.3530台をボトムに売りも弱まり、GBPUSDの下落は止まらず1.6740台まで続落。AUDUSDとNZDUSDは高値を更新できないものの、買いの流れは変わらず。USDJPYは102.20円台をボトムに下げ止まるも戻りも限定的。
***** 発言・その他 *****
◎中国人民銀行=農村部や小規模企業への支援を強化するため、政策調整の度合いや頻度を高める方針。
◎ノワイエ仏中銀総裁(9日)=低水準、低下傾向のインフレ率と、右肩下がりにあるユーロ圏の短・中期的インフレ期待が主要な課題。成長加速に伴い、インフレ率は低下を続け、インフレ率と成長率が反対方向に向かっていることは不可解。
◎ノワイエ仏中銀総裁(9日)=最近の大規模な資本流入が長期金利を低下させ、ユーロを上昇させている。総合的な効果がポジティブであるかどうかは不明確。ユーロ圏は、名目上は米国よりも緩和的な状況にあるが、実質では米国よりも引き締まったスタンスであることを指標が示している。
◎ノワイエ仏中銀総裁(9日)=低インフレ、実質金利の上昇、資本流入と為替相場の上昇が互いに刺激し合う負の連鎖に陥る可能性がある。そのために、ECBは前週もマイナス預金金利を含む一連の力強い措置を発表した。
◎バイトマン独連銀総裁=利下げはインフレ見通しに対応したことで、ECBは新境地を開拓した。ECBの追加緩和パッケージは、インフレ見通しに利下げ余地がいかに小さいかを物語っている。
◎IMFのギリシャ支援に関する報告書=財政目標の達成に公的部門の大幅な効率化が必要。連立政権内に改革疲れが見られ、必要な改革を大胆かつ迅速に進める上で障害となり、追加の緊縮措置は避けるべき。ギリシャの債務水準は極めて高き、持続的な水準に維持するには欧州諸国の支援が不可欠。
◎マクチ・スロバキア中銀総裁=不十分と判断すれば一段の政策を講じ、追加利下げの余地がある。
◎メルシュECB専務理事=低インフレが長期化すれば、インフレ期待が増し、低下へのスパイラルに陥る可能性がある。
◎クーレECB専務理事=ユーロ圏はすでに危機モードを脱しており、政策担当者は長期的な成長を確保する必要がある。
◎リーカネン・フィンランド中銀総裁=ECBには必要な場合に活用できるツールがまだある。
◎マカファーティーBOE政策委員(9日)=判断する前にさらに多くの指標を見極める必要があるが、英金利が上昇を始めることが適切となる時期が近づいている。
◎英国立統計局=欧州連合(EU)統計ルールのへ改正で、9月からGDPの算出方法が変更され、英GDPが4.6%押し上げられる可能性がある。
◎米労働省=米4月の求人件数は446万件(3月417・速報401万件)で、2007年9月以来の水準に加速。
USD ブラード・セントルイス連銀総裁=6月18日のFOMCで量的緩和の終了次期の協議を望む。
***** 結果、主な経済指標・その他 *****
7:45 NZD 第1四半期製造業売上高=前期比0.5&(予想 前回6.0←6.3%)
8:01 GBP 5月 BRC小売売上高=前年比0.5%(予想1.6% 前回4.2%)
8:50 JPY 4月 第3次産業活動指数=前月比-5.4%(予想-3.5% 前回2.4%)
10:30 CNY 5月 消費者物価指数=前月比0.1%(予想-0.1% 前回-0.3%、 前年比2.5%(予想2.4% 前回1.8%)
10:30 CNY 5月 生産者物価指数=-1.4%(予想-1.5% 前回-2.0%)
10:30 AUD 5月 NAB企業景況感=-1(予想 前回0)、企業信頼感=7(予想 前回6)
14:45 CHF 5月 失業率=3.2%(予想3.1% 前回3.2%)
16:00 EUR バローゾ欧州委員会委員長、レーン欧州委員会副委員長の講演
16:15 CHF 4月 小売売上高=前年比0.4%(予想2.0% 前回3.4%←3.0%)→ 予想外に弱くUSDCHFは上昇へ
17:30 GBP 4月 鉱工業生産=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.1%←-0.1%)、前年比3.0%(予想2.8% 前回2.5←2.3%)
17:30 GBP 4月 製造業生産=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.5)%、前年比4.4%(予想4.0% 前回3.5←3.3%)
23:00 GBP 5月 NIESR GDP予測3カ月・3カ月=0.9%(予想 前回1.0%)
23:00 USD 4月 卸売在庫=前月比1.1%(予想0.5% 前回1.1%)、卸売売上高=前月比1.3%(予想0.8%)→ 予想を大幅に上回り、第2四半期の成長継続を示唆
***** 本日予定、主な経済指標・その他 *****
8:50 JPY 5月 国内企業物価指数=前月比予想0.1% 前回2.8%、前年比予想4.1% 前回4.1%
9:30 AUD 6月 ウェストパック消費者信頼感指数=予想 前回-6.8%・92.9
17:30 GBP 5月 失業率=予想3.2% 前回3.3%、ILO方式=前月比予想6.7% 前回6.8%、失業保険申請件数=前月比予想-25,000人 前回-25,100人、雇用者数増減=予想28万人 前回28.3万人
3:00 USD 5月 月次財政収支=予想-1,310億ドル、前回1,069億ドル
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