2013年12月17日火曜日

12月17日(火曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

12月17日(火曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し


*** ポイント ***

米国では日本の正月のような感謝祭が終われば、大手投機筋は積極的に新規ポジションを取ることは稀で、一部にはクリスマス後に、元旦明けを待たずに積極的に動き始めることが多い。

ましては、今週18日には、今年の5月以降の相場を翻弄させたFOMCが控えている。量的緩和の縮小の可能性が五分五分とも言われており、極々短期の取引は別としても、トレンドを見て決め打ちすることも叶わない。「ほどほど」という言葉が最もぴったり。

USDJPYは103円近辺で動けず、EURUSDは1.38台トライをまたしても失敗、GBPUSDはダウントレンド1.6350を超えられず、AUDUSDは0.8950近辺の安値圏で動けず。

日本株や中国株は大幅に値を下げたが、欧州株は強く、米株も上昇し、日本株先物も上昇へ。

ドラギECB総裁(欧州議会の公聴会)=主要政策金利は長期間、現行や、より低い水準にとどまると予想。回復は緩慢なペースで継続すると予想、見通しに対するリスクは引き続き下向き。

ユーロ圏の総合PMI速報値は強いが、フランスは弱くドイツは強く温度差があり、弱い米製造業PMIと対象的で、ユーロ圏貿易収支は予想外の黒字へ。

米労働生産性は2009年第4四半期以来の大幅な伸び率となったが、単位労働コストは予想外にマイナス幅が拡大し、インフレ圧力は抑制されている。

対米証券投資はリーマンブラザーズ破綻して逃避資金が膨らんだ2008年10月以来、5年ぶりの高水準。米鉱工業生産指数は1年ぶりの高水準で、設備稼働率も強く、米株は上昇。


*** 今後の見通し ***

今週は、イエレン氏の次期FRB議長の指名承認待ち、米上院による超党派委員会の財政合意の承認待ち。昨日も、FOMCで量的緩和の縮小の有無が最大の焦点で、動きには積極性に欠ける。

USDJPY、引き続き102.00円を大底として上昇トレンドは変わらず。短期的には103.10~20円では円ショートポジションを閉じる動きが強く、この水準を上抜けできるかが一つのポイント。102.60円を割り込むと引き続き下値リスクが残る。

EURUSD、1.3700をベースに上昇へと変化し、1.3740~50が底堅くなっている。ただ、1.3810をクリアに上回るまでは、安心して買いを継続することはできず、1.37台で時間を費やす可能性がある。FOMC後の最初のターゲットは1.3880。

AUDUSD、0.8900の底値を試す動きも見られず、かといって、0.8980台まで値を戻すこともできず、アンタッチャブルの通貨。大きなバンドは0.8850~0.9050のレンジ内を予想。むしろ、AUDNZDの売りがまだ続きそう。


*** 発言・その他 ***

バーナンキFRB議長(FRB創設100周年記念式典)=FRBの政策は国民の利益になると納得させる必要がある。政党性と独立性は国民とFRBとの双方向の意思伝達にかかっている。透明性と説明責任の二つの重要な要素を引き続き強調すべき。金融政策の正当性は米国民の理解と支持にかかっている。金融政策の立案は公平かつ客観的で事実に基づいた分析に依存すべき。

ドラギECB総裁(欧州議会の公聴会)=主要政策金利は長期間、現行や、より低い水準にとどまると予想。回復は緩慢なペースで継続すると予想、見通しに対するリスクは引き続き下向き→ ユーロ売りへと変化。

ドラギECB総裁(欧州議会の公聴会)=長期にわたる低インフレ局面後、2%弱のインフレ率に向けて徐々に上昇する可能性。破綻処理の決定が過度に複雑で、十分な資金準備ができない恐れがあるとの懸念。名ばかりの単一破綻処理メカニズム(SRM)を作るべきではない。

中国国家統計局=四川省塩亭県の統計当局が組織的に鉱工業生産の数値ねつ造が判明。

ドイツ連銀月報=2013年第4・四半期と2014年第1・四半期のドイツ経済は、製造業の回復や消費者や企業の業況感改善を背景に力強く成長する見通し。金融取引税が導入された場合にはレポ市場に影響を与える。

欧州委員会=スペインは金融支援で同意した条件をクリア、1月に救済プログラムから脱却する。

ポルトガル政府=トロイカ調査団の経済審査を通貨。

ドラギECB総裁=フランスは改革を継続することが重要。競争力は不十分で増税に頼る公的財政の強化は不可能。

米上院民主党のダービン院内幹事=超党派の予算案を可決するには後8人の共和党議員の賛成が必要。


*** 経済指標の結果 ***

6:00 NZD ウエストパック消費者信頼感指数=前期比120.1(予想 前回115.4)→ 前回を上回る
8:50 JPY 日銀短観: 大企業製造業業況判断=16(予想15 前回12)、大企業製造業先行き=14(予想17 前回11)、大企業非製造業業況判断=20(予想16 前回14)、大企業非製造業先行き=17(予想19 前回14)、設備投資計画=前年比4.6%(予想5.5% 前回5.1%)、中小企業製造業業況判断=1(予想-7 前回-9)、中小企業非製造業業況判断=4(予想4 前回-1)→ 
9:01 GBP 12月 ライトムーブ住宅価格=前月比-1.9(予想 前回-2.4%)、前年比5.4%(予想 前回4.0%)→ 前月より強含む
10:45 CHN 12月 HSBC 製造業PMI・速報値=50.5(予想50.9 前回50.8)→ 予想と前月を下回りながらも改善傾向は続くが、発表直後はAUD売りが強まる。
17:00 FRN 12月 総合PMI・速報値=47.0(予想 11月48.0)、製造業PMI・速報値=47.1(予想49.0 11月48.4)、サービス業PMI・速報値=47.4(予想48.7 11月48.0)→ 全てが前月より弱く、EUR売りとなる
17:30 GER 12月 総合PMI・速報値=55.2(予想 11月55.4)、製造業PMI・速報値=54.2(予想53.0  11月52.7)、サービス業PMI・速報値=54.0(予想55.3 11月55.7)→ 製造業は前月と予想を上回わたっが、サービス業・総合は弱く、EURは売り買い交錯
17:58 EUR 12月 総合PMI・速報値=52.1(予想51.9 11月51.7)、製造業PMI・速報値=52.7(予想51.8 11月51.6)、サービス業PMI・速報値=51.0(予想51.5 11月51.2)→ サービス業は弱かったが、総合・製造業は前月と予想を上回り、EURの買い戻しが強まる
19:00 EUR 10月 貿易収支=172億ユーロ(予想150.0億ユーロ 9月109←131億ユーロ 8月71億ユーロ)、季調後145億ユーロ(予想145億ユーロ 9月124←143億ユーロ 8月126億ユーロ)→ 予想外の黒字額
22:30 USD 第3四半期 労働生産性=前期比年率3.0%(予想2.2% 速報1.9% 第2四半期1.8%)、単位労働コスト=前期比年率-1.4%(予想-1.0% 速報-0.6% 第2四半期2.0%)、時給=前期比年率1.6%(速報1.3% 第2四半期3.8%)→ 労働生産性は大幅に上方修正され、前期も上回り2009年第4四半期以来の大幅な伸び率。単位労働コストは、予想外にマイナス幅が拡大し、インフレ圧力が抑制。
22:30 USD 12月 NY連銀製造業景気指数=0.98 (予想4.75 前回-2.21)、支払価格=15.66(前回17.11)、新規受注=3.61(前回-5.53)、従業員数=0.00(前回0.0)→ 前回のマイナスからプラスへと改善したが、予想を大幅に下回る
22:58 USD 12月 製造業PMI・速報値=54.4(予想55.0 11月54.7)、生産指数57.3(11月57.4)、雇用指数53.7(11月52.3)、
23:00 USD 10月 対米証券投資: ネットフロー合計=1949億ドル(予想 前回-976←-1068億ドル)、ネット長期フロー=354億ドル(予想400億ドル 9月313←255億ドル)→ 対米証券投資は1カ月の買い越し額としてリーマンブラザーズ破綻して逃避資金が膨らんだ2008年10月以来、5年ぶりの高水準
23:15 USD 11月 鉱工業生産指数=前月比1.1%(予想0.4% 10月0.1←-0.1% 9月0.5←0.7%)、設備稼働率=79.0(予想78.3 10月78.2←78.1 9月78.3)→ 共に予想と前回を上回り、鉱工業生産指数は、1年ぶりの高水準
23:15 USD 11月 製造業生産高=前月比0.6%( 予想0.4% 前回0.5←0.3%)

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