2013年12月18日水曜日

12月18日(水曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

12月18日(水曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し

*** ポイント ***

いよいよ今日は18日、FOMCの結果待ち。雇用、小売売上高、鉱工業生産など主要な経済指標が強く、景気の伸びを示しているが、消費者物価指数は前年比1.2%、コア前年比1.7%と相変わらず弱くターゲット2.0%を下回り、可能性は五分五分との見方が強い。

USDJPYは平穏な値動きが続いていたが、午前零時過ぎから急変し102.50円の円高へ、クロスでも円全面高の動きが強まる。

AUDUSDの下落は止まらず。今年最安値0.8847に迫る、0.8880台まで下落へ。豪政府は、2014・2015年度のGDP見通し「3.0%→2.5%」に下方修正。豪中銀議事録は「追加利下げの可能性を排除せず」、「一段の下落が必要になる可能性」をいつもながら示唆。

GBPUSDは一時100ポイント近く下落へ。英国の消費者物価指数の前年比は2.1%と約4年ぶりの低水準に、GBP売りの流れが強まるが、カーニーBOE総裁「これ以上の追加緩和の必要はない、引き市値の最初の行動は利上げへ」との議会証言でやや値を戻す。

EURUSDは、強い独ZEW景気期待指数にも、第3次メルケル政権の発足にも、ギリシャ融資本決まりにも、1.3780台の上値は重く、一時1.3720台まで下落するも、米金利の低下やEURクロスの買いに1.3770台まで値を戻す。


*** 今後の見通し ***

中長期的な流れは変わらないが、短期的には今日18日のFOMCで、量的緩和の縮小を開始することになるのか? その結果次第。仮になくても今後の可能性を残すことになると思われ、不透明感が続く可能性が高くなる。また、18日には米上院で超党派予算案を採決し承認される見込みが高い。

USDJPYは、上昇トレンドは変わらず。目先は、103円台を回復できず、クロスでも円買いが続き、102.50円割れにあるストップロスを狙いやすい水準にとどまっている。今日のFOMCで明暗がはっきりすると思われ、それまでは、新たな円ショートポジションの積み増しも可能性は低く、円ショートポジションの巻き戻しが要因となる円高の動きも意識。引き続き102円をボトムとした値動きに変わりなし。

EURUSDは、上昇トレンド変わらず。目先は、1.3700をボトムに1.3700~1.3800のレンジで、FOMCを迎える可能性が高く、後は、その結果次第。テクニカルでは上値の最初のターゲットは1.3880で上昇トレンドは変わらないが、1.3810を超えるまでは強気にはなれず、1.37を割り込んでも、短期のEURロングポジションの切りと、実需の買いで交錯し大幅な下落も考えにくい。

AUDUSDは、下落トレンド変わらず。センチメントはやり過ぎ感が強いものの、AUDの売り材料が続き、戻りも非常に限定的で0.8970がいっぱい。8月の最安値0.8847を試さずにはいられない勢いがあり、0.8800~0.9000のレンジ入りへ。


*** 発言・その他 ***

PIMCO・エラリアン氏=18日のFOMCで資産購入プログラムを縮小する可能性は40~60%。

米上院=超党派予算案の審議打ち切りを可決し、反対の動きを封じ、18日に採決し承認される見込み。

ジェフリーズ・インターナショナル=ユーロ圏のデフレ圧力が強まる。

ダイセルブルーム・ユーログループ議長=週内にギリシャ融資10億ユーロを実施。

ギリシャ中銀=2014年ギリシャは6年続いたリセッションを脱却し、回復を始める見通し。

カーニーBOE総裁(上院の経済問題委員会)=これ以上の追加緩和の必要はない。引き市値の最初の行動は利上げへ→ GBPUSDの買い戻しが強まる。

カーニーBOE総裁(上院の経済問題委員会)=成長回復はまだ、通常への回帰を意味しない。利上げ検討には、持続的な景気回復が必要。中銀金融監督委員(FPC)は、住宅市場のリスクを特に注意。

スウェーデン中銀=政策金利を0.25%引き下げ0.75%に決定、予想通り。

ハンバリー中銀=政策金利を0.20%引き下げ3.0%に決定、予想通り。7月に3.0%で緩和サイクルの終了を示していたが、今後の再引き下げの可能性を示唆し変化へ。

英国立統計局(ONS)=借入額算出方法の変更を提言し、借入額が1120億ポンド押し上げられる可能性。

第3次メルケル政権が発足=総選挙から3ヵ月の時間を経て独大連立政権がようやく発足。

豪州から撤退する企業が増加=先週のGM2017年末までに撤退、トヨタの撤退の可能性に続き、英BPが豪州の製油所を売却する計画を発表。

豪政府の半期経済・財政見通し=2014・2015年度のGDP見通=3.0%(8月時点)→2.5%へ下方修正、2013・2014年は2.5%に据え置く。財政赤字は301億豪ドル(8月時点)→470億豪ドルへ上方修正。

豪中銀議事録(12月3日分)=過去の利下げが経済を刺激している兆候がある。豪ドルは過去1カ月で大幅に下落したが、引き続き不快なほど高水準にある。必要なら追加利下げの可能性を排除しない。一段の下落が必要になる可能性がある。

中国銀行監督管理委員会=2014年主要課題は、流動性の状況を適切に管理し、シャドーバンキングのリスク回避を銀行に要請。


*** 経済指標の結果 ***

18:30 GBP 11月 消費者物価指数=前月比0.1%(予想0.2% 前回0.1%)、前年比2.1%(予想2.2% 前回2.2%)、コア前月比0.1%(予想 前回0.2%)、コア前年比1.8%(予想 前回1.7%)、小売物価指数(RPI)=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.0%)、前年比2.6%(予想2.7% 前回2.6%)、実勢インフレ率(RPIX)=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.0%)、前年比2.7%(予想2.7% 前回2.7%)→ 前年比は約4年ぶりの低水準
18:30 GBP 11月 生産者物価指数: 投入指数=前月比-0.7%(予想-0.5% 前回-0.4←-0.6%)、前年比-1.0%(予想-1.15% 前回0.0←-0.3%)、コア前月比-0.4%(予想 前回-0.1←-0.3%)、コア前年比-0.8%(前回-0.2←-0.3%)、産出指数=前月比-0.2%(予想-0.1% 前回-0.3%)、前年比0.8%(予想0.9% 前回0.8%)、コア前月比-0.1%(予想0.1% 前回0.0←0.1%)、コア前年比0.7%(予想0.9% 前回0.8←0.9%)
18:30 GBP 11月 DCLG住宅価格=前月比5.5%(予想4.2% 前回3.8%)→ 予想と前回を大幅に上回り、3年弱ぶりの大幅な伸び率
19:00 EUR 11月 消費者物価指数・改定値=前月比-0.1%(予想-0.1% 前回-0.1%)、前年比0.9%(予想0.9% 前回0.7%)、コア前年比0.9%(予想1.0% 前回0.8%)
19:00 GER 12月 ZEW景気期待指数=62.0 (予想55.0 前回54.6)、現況指数=32.4(予想30.0 前回28.7)→ 前回と予想を大幅に上回り、一時EUR買いが強まるが長続きできず
19:00 EUR 12月 ZEW景気期待指数=68.3(前回60.2)→ 前回と予想を大幅に上回る
20:00 GBP 12月 CBI製造業受注指数=12(予想11 前回11)
22:30 USD 11月 消費者物価指数=前月比0.0%(予想0.1% 10月-0.1%)、前年比1.2%(予想1.3% 前回1.0%)、コア前月比0.2%(予想0.1% 10月0.1%)、コア前年比1.7%(予想1.7% 前回1.7%)→ 10月を上回るが予想に届かず
22:30 USD 第3四半期経常収支=-948.4億ドル(予想-1005億ドル 第2四半期-966.1←-988.9億ドル)→ 赤字額は予想と前期を下回り、4年ぶりの水準へ縮小
22:30 CAD 10月 製造業出荷=前月比1.0%(予想-0.2% 前回0.6%)→ 食品関連の増加に予想と前回を上回る
0:00 USD 12月 NAHB 住宅建設業者指数=58(予想55.0 前回54)→ 予想と前回を上回り、8年ぶりの高水準

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