12月21日(土曜) 昨日の海外市場の動きと、今後の見通し
*** ポイント ***
週末金曜日、日本は3連休に突入、欧米は25日のクリスマス休暇を迎えて24日も時間短縮で休日ムード漂う。
昨日の相場変動は、米GDPは予想外に強く(3.6%→4.1%)、一時各国の長期金利は上昇、欧米株は上昇を維持しダウ平均は最高値を更新、円売り+カナダ売り、EUR買い+GBP買い+AUD買い+NZD買いへ。午前零時のオプションカットまでその流れが続き、ピークアウトから逆の流れに。ロンドンフィキシングで逆の流れも終了。
EURUSDは、欧州市場は独GfK消費者信頼感が強く、1.3620台を底値に下げ止まり、1.3620~65のレンジへ。強い米GDPを契機に上昇へ、予想より強いユーロ圏消費者信頼感にEUR買い戻しが加速、オプションカットでは1.3690台へ、ロンドンフィキシングに向けて1.37台へ上昇するも、フィキシング後には1.3650近くまで値を下げる。
USDJPYは、強い米GDPについにアジア市場の高値104.57を上回り、104.63まで上昇。利食いの売りやオプション勢の売りに104.40を割り割り込み値を下げ、オプションカットから下げ幅を加速し、ロンドンフィキシング近くでは103.80台まで続落し、ようやく下げ止まり104.10台を回復。
AUDUSDは、欧米市場で0.8850台を死守。強い米GDPを契機に上昇へ。米現物株の上昇しオプションカットでは0.8910台へ、ロンドンフィキシング近くでは0.8930台へ上昇、高値圏で推移。
*** 今後の見通し ***
日本は3連休に突入、欧米は25日のクリスマス休暇を迎えて24日も時間短縮で休日ムード漂う。
クリスマス明けまでは、よほど株価の変動がなければ、為替市場は休戦状態。クリスマス後の動きを予想したポジションテークも弱く、新たな相場展開の始まりは、例年ならばクリスマス明け直後から始まる。
円安の流れを変えるような材料も、ポジション調整以外には見られず、逆に、円売り材料は多い。①日本の恒常的な貿易赤字拡大。②金利上昇のリスクのヘッジによる外債・外株投資拡大。③日米金利差拡大、④来年の消費増税=追加緩和期待。円高へのリスクは、新興国の金利上昇と株価下落による金融市場の混乱と株価の急落。
USDJPYは、円売り材料に加え、テクニカルでも上昇トレンドが続き、一時的ながらも104.50を上抜けし、円クロスでは一時最近の円安値を更新している。クリスマス前の円ショートポジションの巻き戻しも力は弱く、103.50~80円をボトムに、104.75、105.35まで上昇する可能性が高くなっている。
EURUSDは、実需の買いに上昇トレンドは変わらないが、1.3810を過去何度もトライしながら超えられず、強い消費者信頼感指数にも、ポジションクローズによるEURクロスの売りが上値を重くしている。1.3600をボトムにし、時間が必要となるが1.3650~1.3710、1.3670~1.3750のレンジへとスライドする可能性が高く、遅かれ早かれ1.3810を超えて新たなEUR高が期待できる。
AUDUSDは、下降トレンド変わらず。アンタッチャブルの通貨でどうも気が進まず。0.8670をボトムとしてこの水準から続落も考えにくい。スティーブンス豪中銀総裁が示した0.8500の水準まで本当に下げることになるのであろうか? ただ単に、0.60(2008年安値)→1.1(2011年高値)の半値0.85と言っているだけでは?
*** 発言・その他 ***
オバマ米大統領=政府債務が法廷上限に達することで対立が起きると考えず、議会と交渉することは考えていない。
フィッチ=フランス格付けを「AA+」、見通し「安定的」に据え置く。
米上院=イエレン氏の次期FRB議長指名審査の打ち切り動議を可決し、1月6日に採決へ。
イタリア憲法裁判所=予算案に含まれる一部緊縮財政措置を違憲と判断、代替案を迫られる。
ECB=欧州の銀行は3年物LTRO207億ユーロを来週に返済へ。
中国人民銀行=短期金利の上昇抑制に、3日間で494億ドル超を供給→ 流動性の再ひっ迫を懸念。
日経平均株価は終了間際に値を戻し、15870.42(+11.20+0.07%)小幅ながら上昇へ。香港ハンセンは-0.44%と小幅下落、上海総合は-2.02%と大幅下落。
S&P=英国の景気は、個人消費や住宅投資に支えられ回復し、英長期格付け「AAA」に据え置き、見通しは成長持続性のリスクを反映し「ネガティブ」。
S&P=欧州連合(EU)は、予算交渉の意見対立で、一部加盟国のEUへの支持が弱まるリスクに、EU長期格付け「AAA」→「AA+」に引き下げた。
アジア新興国通貨続落しドル高へ=トルコリラ(USDTRY)過去最安値を更新、タイバーツ(USDTHB)3年ぶりの安値、インドネシアルピア(USDIDR)5年ぶりの安値へ。台湾ドル8月以来の安値、フィリピンペソ9月以来の安値。
日銀金融政策決定会合=資金供給量を年間60~70兆円の継続と、現行の資産買い入れ方針の継続も決定。
黒田日銀総裁=行き過ぎた円高の是正は、日本経済にプラスとして動いている。消費増税による駆け込み需要と反動減の影響を注視。
米上院=イエレン次期FRB議長の指名承認の手続きは20日、採決は1月6日の予定。
*** 経済指標の結果 ***
9:05 GBP 12月 GfK消費者信頼感調査=-13(予想-11 前回-12)
12:00 JPY 日銀金融政策決定会合=マネタリーベースを年間60兆~70兆円増、現行の資産買い入れの継続を決定、予想通り
16:00 GER 11月 生産者物価指数=前月比-0.1%(予想-0.1% 前回-0.2%)、前年比-0.8%(予想-0.8% 前回-0.7%)→ 予想通りで変わらず
16:00 GER 1月 GfK 消費者信頼感指数=7.6(予想7.4 前回7.4)→ 予想と前回を上回るが、EUR売りの流れは止まらず
18:30 GBP 第3四半期 GDP・確報値=前期比0.8%(予想0.8% 前回0.8%)、前年比1.9%(予想1.5% 前回1.5%)→ 前年比は上方修正
18:30 GBP 第3四半期 経常収支=-207億ポンド(予想-140億ポンド 前回-62←-130億ポンド)、 対GDP比5.1% → 赤字額が大幅に拡大し1989年以来の赤字額、対GDP比率は1989年第3四半期以来の高水準
22:30 USD 第3四半期 GDP・確報値=前期比年率4.1%(予想3.6% 改定値3.6% 第2四半期2.5%)、PCE価格指数=前期比年率1.9%(予想2.0% 改定値2.0% 第2四半期-0.1%)、コアPCE価格指数=前期比年率1.4%(予想 改定値1.5% 第2四半期0.6%%(、個人消費支出=前期比年率2.0%(予想 改定値1.4% 第2四半期1.8%)、デフレーター=前年比年率2.0%(予想 改定値2.0% 第2四半期0.6%)→ 改定値から上方修正され、前期・予想をも上回る強い伸び率
22:30 USD 第3四半期 企業利益・改定値=前期比2.4%(予想3.3% 速報値2.6%)
22:30 CAD 11月 消費者物価指数=前月比0.0%(予想0.1% 前回-0.2%)、前年比0.9%(予想1.0% 前回0.7%)、BOC・CPI=前月比-0.1%(予想0.1% 前回0.2%)、前年比1.1%(予想1.2% 前回1.2%)→ 予想を下回るが前月よりも上昇
22:30 CAD 10月 小売売上高=前月比-0.1%(予想0.2% 前回1.0%)、除く自動車前月比0.4%(予想0.1% 前回0.2%)
0:00 EUR 12月 消費者信頼感・速報値=-13.6(予想-15.0 前回-15.4)
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