2013年12月19日木曜日


12月19日(木曜)アジア・欧州市場の動きと、今後の見通し


*** ポイント ***

昨日のFOMCの量的緩和の縮小後の米株の大幅上昇の流れを受け、日経平均株価は15859.22(+271.42+1.74%)に上昇し、年初来高値を更新、欧州株も上昇したが、香港ハンセン+上海総合は短期金利の大幅上昇に下落へ。

量的緩和の縮小は基本的には、ドル高要因ながら、株価にとっては逆風の売り要因と思われ、円高への期待感も一部には残っていた。

実際にふたを開けてみれば、「失業率が6.5%を下回った後もかなりの間、政策金利のFF金利をゼロ付近に据え置く」とのフォーワードガイダンスがなぜかより強く意識され、米株が上昇=円安への流れは止まらず。

結果的に、FOMC直後の乱高下から、GBPUSDを除きドル高へ動いているが、大きな流れの変化を確認できるような急激な値動きとはほど遠く、ドル高トレンドへの変化を予想するに至っていない。

もちろん、新興国市場で、金利上昇=株価下落=安全資産買い=リスク資産売りの流れが再開することになれば話は別だが、中国を除き株価は強く、どうもその可能性は杞憂に終わりそうである。

*** 今後の見通し ***

USDJPYは、日本の膨大な貿易赤字の傾向も変わらず、盤石と思われていた安倍政権の支持率も高水準ながら低下を始め、米量的緩和縮小=金利上昇のリスクのヘッジに、日本の資金が海外へと向かう可能性も高まり、来年の消費増税=追加緩和期待もあり、円売りの流れが変わるような気がしない。

USDJPYは、年初の高値を昨日更新し、クロスでも円安が続いている。特に、GBPJPYは、強い雇用の改善に資産買い入れ枠の縮小へと変化する可能性も意識され、NZDJPYは、NZの第3四半期GDPは4年ぶりの高水準で、来年3月の利上げ観測も見られ、CHFJPYも、今後数年間の成長率拡大が予想され、高値更新の流れは止まりそうにない。

テクニカルでも、USDJPYの上昇トレンドは変わらず。上昇トレンドの中間となる104.00円近辺での取引から、ボトムラインは103.50円で、目先は103.50~104.50円のレンジでもみ合う可能性がある。しかし、時間の経過とともに上値トライの再開し、104.50円を超えてくれば、104.00~105.00の新たなレンジへとかさ上げされ、105円のビックポイントを試す動きに変わりはない。(ただし、新興国市場の動きには注意)

EURUSDは、実需の買いに投機的な動きも加わり、上昇トレンドは変わらないが、1.3810を過去何度もトライしながら超えられず、EURGBPを中心とし、EURクロスの売りに逆に値を下げている。1.3600をボトムにし目先は1.3640~50が重要サポートラインで、時間が必要となるが1.3650~1.3710、1.3670~1.3750のレンジへとスライドする可能性が高い。

AUDUSDは、下降トレンド変わらず。アンタッチャブルの通貨でどうも気が進まず。やるならAUDNZDのベアトレンドを狙う売り。目先は0.8800~0.8900のレンジで戻り売りの流れ変わらず。スティーブンス豪中銀総裁が示した0.8500の水準まで本当に下げることになるのであろうか? ただ単に、0.60(2008年安値)→1.1(2011年高値)の半値0.85と言っているだけでは? 相場感ではそれほどAUD売りも長続きせずと考えたい。

*** 発言・その他 ***

キール大学世界経済研究所(IFW)=独GDP予想、2013年0.5%(9月時予想)→0.4%、2014年1.8%→1.7%に下方修正。CPI予想、2014年1.7%、2015年2.5%。

スイス経済省経済事務局(SECO)=2013年GDP見通しを引き上げ、今後2年間成長率の加速を予想。2013年=1.9%に引き上げ、2014年2.3%据え置き、2015年2.7%に引き上げた。CPI(9月予想との比較)=2013年-0.1%→-0.2%、2014年=0.2%、2015年0.4%。

政府筋=12月内閣府の月例経済報告で、4年2ヵ月ぶりにデフレの表現を削除へ。

中国人民銀行=短期流動性オペ(SLO)を通じ、銀行間市場に資金を供給。

中国人民銀行=短期金利の急上昇に銀行間市場の取引時間を午後5時まで30分間延長。

中国短期金利は上昇=指標の7日物レポ金利は一時10%に迫り、6月の流動性ひっ迫以来の高水準で、1年物金利スワップは4.99%と過去最高を更新。

中国人民銀行の四半期経済調査はインフレ加速期待が強まる=第4四半期インフレ期待指数は72.2%、前期比1.7%上昇、物価上昇との回答は61.6%、前期比1.8%。

米上下両院が超党派予算案を可決=政府機関の閉鎖回避の可能性が強まる。債務上限の引き上げが次の焦点に。

*** 経済指標の結果 ***

6:45 NZD 第3四半期GDP=前期比1.4%(予想1.1% 前回0.3←0.2%)、前年比3.5%(予想3.4% 前回2.3←2.5%)→ 予想を大幅に上回り4年ぶりの高水準で、来年3月の利上げ観測も見られる
8:50 JPY 対外証券投資:中長期ネット=1105億円(予想 前回3901←4132億円)、株式ネット=-2125億円(予想 前回-1275億円)、対内証券投資:中長期ネット=4255億円(予想 前回-124億円←-139億円)、株式ネット=6193億円(予想 前回1140億円←1138億円)
13:30 JPY 10月 全産業活動指数=前月比-0.2%(予想0.3% 前回0.5←0.4%)
16:00 CHF 11月 貿易収支=21.1億スイス(予想28.0億スイス 前回22.8←24.3億スイス)
18:00 EUR 10月 経常収支=262億ユーロ(予想 前回152←140億ユーロ)、貿易収支196億ユーロ(前回137億ユーロ)→ 予想外の増加で、過去最大の黒字額
18:30 GBP 11月 小売売上高=前月比0.3%(予想0.2% 前回-0.9←-0.7%)、前年比2.0%(予想2.4% 前回1.8%)→ 前月比は11月として2010年以来の高水準

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