2014年6月7日土曜日

6月7日(土曜) 昨日、海外市場の動き

6月7日(土曜) 昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

バイトマン独連銀総裁の記事で、ECBが決定した一連の緩和措置は、長く激しい議論の末に決定されたことが判明した。「国債購入に関する姿勢は変わらず」とのことで、量的緩和に反対していた可能性があり、インフレ率が低過ぎる水準へ低下することも容認できないことが、今回の措置を決定した要因とのこと。ただ、他の理事も含め、現状ではこれ以上の緩和措置を検討することがあり得ないことを示していた。

週末金曜日の為替相場は、前日のECB理事会決定をドラギECB総裁の記者会見を受けた直後の動きとは異なり、米雇用統計がほぼ予想通りの結果で動きにくいこともあるが、ポジション調整に上下に振れながらも、終わって見れば大きな動きは見られず。主要通貨は安定し、金利差相場は変わりなく、欧州債利回りは低下、欧米の株価は上昇。EURUSDは1.36台を維持、GBPUSDも1.68台を維持、AUDUSDも0.93台を維持、USDJPYは102.50円近辺で変わらず。

◎独貿易収支は、輸出の伸びが大きく予想外に黒字額は拡大。
◎英貿易収支は、赤字額が拡大へ。
◎米雇用統計は、失業率は前月と変わらず、非農業部門雇用者数もほぼ予想通り。
◎カナダ雇用統計は、失業率は若干上昇したが、雇用ネット変化は予想とあまり変わらず。
◎デンマーク中銀=政策金利0.05%の据え置きを決定。ECBの利下げにもかかわらず利下げを実施せず。
◎コンスタンシオECB副総裁、ユーロ圏が負のスパイラルに陥れば、大規模な資産買い入れが必要となる。
◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁、インフレ率はECBの目標を大幅に下回っている。スペインとイタリア経済を懸念。
◎バイトマン独連銀総裁は、国債購入に関する姿勢は変わらず。ECBの一連の緩和措置は、長く激しい議論の末に決定された。直ちに追加措置を検討することは適切でない。
◎BOEインフレと利上げ期待に関する四半期調査結果は、回答者の42%が1年以来に政策金利が引き上げられると予想(前回2月40%)
◎IMF(英経済に関する返事報告書)は、過熱気味の住宅市場の沈静化で、リスクの高い住宅ローンの組成の抑制を求めた。
◎ドイツ連銀レポート=2014年インフレ率見通し1.3%(12月時点)→1.1%に引き下げた。
◎メキシコ中銀=政策金利を0.50%引き下げ過去最低の3.0%に決定、予想外。
◎ポロシェンコ・ウクライナ次期大統領は、8日にロシアと平和計画を協議。
◎ボリ・スウェーデン財務相は、通貨クローナが高すぎる。

XXXXXX

アジア市場は、ECBが追加緩和を実施したことで、金利差相場とリスク許容度が拡大との両方向の流れが強まったが、アジア市場は週末と米雇用統計の発表を控え、積極的な動きは見られず、ドル安値件で小幅な値動きで推移した。USDJPYは、仲値過ぎに一時102.25円まで下落、102.30~38円のレンジで推移。EURUSDは、1.3650台を維持するも1.3650~60のレンジで動けず。GBPUSDも1.6800台を維持したが1.6805~15の狭いレンジで推移。AUDUSDも0.9330を中心に狭いレンジで推移、NZDUSDも0.8480~00の狭いレンジで取引が続いた。

欧州市場は、相変わらず積極的な動きは見られず。EURUSDは、デンマーク中銀は利下げを実施せずEURDKKは下落、ノボトニー・オーストリア中銀総裁が、スペインとイタリア経済と、弱いインフレ率を懸念、ドイツ連銀レポートでは2014年のインフレ見通しを1.1%に下方修正、コンスタンシオECB副総裁は必要であれば幅広い資産購入は可能と発言、多くのマイナス材料にEUR売りが強まったが、それでも1.3620台を維持、底堅く推移。GBPUSDは1.6800~20で動けず、USDJPYも102.25~40円で動けず。AUDUSDとNZDUSDは引き続き底堅く、リスク選好の動きに緩やかな上昇が続いた。

米雇用統計は、ほぼ予想通り結果となったが、直後から投機筋による短期的な上下を試す動きは続いた。USDJPYは102.25円割れ、102.50円超えの上下を試し、一時102.60円台まで上昇。EURUSDは1.3670台まで上昇、前日のECB理事会前の水準を超えられず1.3620まで下落し、1.3620~75のレンジで推移。GBPUSDも1.6820台をボトムに1.6840台へ上昇後、1.6780まで一時下落し1.6800台を維持。AUDUSDは0.9350台で伸び悩むも、0.9320~55のレンジで安定推移。

***** 発言・その他 *****

◎中国銀行業監督管理委員会=クロスマーケット商品やシャドーバンキングへの監視を強化する方針。業界の資金調達に直ちに歯止めはかけないが、地方政府の資金調達や、不動産業界・供給能力が過剰な業界の資金調達についても、管理を強化。
◎習近平国家主席=財政改革は喫緊の課題。財政および税制の改革深化の重要性、緊急性、複雑さや難しさを十分に理解する必要がある。
◎デンマーク中銀=政策金利0.05%の据え置きを決定。ECBの利下げにもかかわらず利下げを実施せず、EURDKKは下落、ペック制度を守るために介入は必至。
◎ECB2016年12月までの金融政策運用についての声明(5日)=ECB理事会は、固定金利で全額供給する主要リファイナンシング・オペ(MRO)を必要な期間継続し、少なくとも2016年12月の積み期間終了まで実施。期間3カ月の長期リファイナンスオペ(TLTRO)を固定金利・全額供給方式で複数回行うことも決めた。3カ月物LTROの金利は期間中のMROの平均を用いる。特別リファイナンスオペについて、6月10日に行われるオペ後の積み期間終了をもって打ち切る。証券市場プログラム(SMP)で供給した流動性を吸収する毎週の不胎化オペも6月10日で停止。
◎コンスタンシオECB副総裁=ユーロ圏が負のスパイラルに陥れば、大規模な資産買い入れが必要となる。ユーロ圏内の各国で突出した債務を削減するため、インフレを加速させ、成長率を上向かせることが必要。必要であれば幅広い資産購入は可能。
◎レーン欧州委員会副委員長=ECBの決定は欧州の回復に重要と評価。
◎ノボトニー・オーストリア中銀総裁=インフレ率はECBの目標を大幅に下回っている。スペインとイタリア経済を懸念。ユーロ圏は世界で最も成長が弱い地域。ECBの決定は易しくはなかったが、最終的に全員一致で決定した。
◎バイトマン独連銀総裁=国債購入に関する姿勢は変わらず→ 量的緩和に反対していた可能性がある。インフレ率が長期間低水準にとどまれば経済に悪影響があり、インフレ率が低過ぎる水準へ低下することも容認できない。ECBの一連の緩和措置は、長く激しい議論の末に決定された。直ちに追加措置を検討することは適切でない。
◎バイトマン独連銀総裁=ユーロ圏には与信があふれているという状況ではくその逆。銀行の貸出は非常に慎重で、多くの国で企業の資金需要も極めて弱いく、この状況を変えるためのECBはできることを行った。
◎コンスタンシオECB副総裁=ドラギECB総裁は金利が事実上、下限に達したと言明したが、状況の変化に応じ行動することも排除しなかった。政策金利を引き下げる可能性は少ないが、他の金利を微調整する可能性は残っている。一連の措置が効果を発揮せず、インフレ期待が低下し始めるようであれば、年末までに広範な資産買い入れ策を実施する可能性がある
◎BOEインフレと利上げ期待に関する四半期調査結果=回答者の42%が1年以来に政策金利が引き上げられると予想(前回2月40%)。金利据え置きは36%。向こう1年のインフレ率予想は2.6%と、2月時点に見込まれた2.8%を下回り、10年2月以来の低水準。
◎IMF(英経済に関する返事報告書)=大きな兆候はないが、事態が急速に変化する恐れがあり、過熱気味の住宅市場の沈静化で、リスクの高い住宅ローンの組成の抑制を求めた。住宅市場の沈静化に向けた取り組みが奏功しなければ、英中銀は早い時期に利上げを整える必要に迫られる
◎オズボーン英財務相=住宅市場の動向を警戒、英中銀は必要であれば行動をちゅうちょすべきではない。
◎ドイツ連銀レポート=2014年インフレ率見通し1.3%(12月時点)→1.1%に引き下げ、2015年1.5%、2016年1.9%と予想。成長率は2014年1.7%→1.9%に上昇修正、2915年2.0%、2016年1.8%と予想。
◎安倍首相=GPIF運用の見直しを今秋までに前倒しして見直す方針へ。
◎田村厚生労働相=GPIFに運用資産の構成見直しを前倒しするように要請。
◎メキシコ中銀=政策金利を0.50%引き下げ過去最低の3.0%に決定、予想外。インフレ圧力を高めることなく、一度限りの利下げで景気を下支える余地があると説明。
◎ポロシェンコ・ウクライナ次期大統領=8日にロシアと平和計画を協議。ロシアはウクライナ大統領選の結果を承認することで 合意。
◎ボリ・スウェーデン財務相=通貨クローナが高すぎる。ECBの利下げの影響を受け、これ以上通貨高が進むことがあってはならない。通貨高が進まないよう中銀が為替動向を注視すべき。決定を下すのは中銀で、私は中銀の決定を尊重するが、通貨高を正当化できないと考えていることを示すことが重要。
◎FRB発表の米第1四半期の資金循環統計(5日)=家計純資産は株価と不動産価格の上昇が寄与し、2.0%増加し、81.8兆ドルと過去最高を更新。
◎S&P=米国の格付けを「AA+/A-1+」で確認、見通しは安定的。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

14:00 JPY 4月 景気動向指数・速報: 一致指数CI指数=111.1(予想110.9 前回114.5)→ 予想を上回ったが2カ月ぶりに低下、先行CI指数=106.6(予想106.2 前回107.1)→ 3カ月連続で低下し、基調判断を下方修正
15:00 GER 4月 鉱工業生産指数=前月比0.2%(予想0.4% 前回-0.6←-0.5%)、前年比1.8%(予想2.7% 前回2.9←3.0%)
15:00 GER 4月 貿易収支=174億ユーロ(予想151億ユーロ 前回166←164億ユーロ)、輸出=前月比3.0%(予想1.5% 前回-1.8%)、輸入=前月比0.1%(予想0.6% 前回-1.1%)、経常収支=184億ユーロ(予想156億ユーロ 前回197←195億ユーロ)→ 輸出の伸びが大きく、予想外に黒字額は拡大
16:15 CHF 5月 消費者物価指数=前月比0.3%(予想0.2% 前回0.1%)、前年比0.2%(予想0.1% 前回0.0%)、HICP前月比0.1%(予想0.1% 前回0.1%)、HICP前年比0.2%(予想0.2% 前回0.1%)
17:30 GBP 5月 貿易収支=-96.24億ポンド(-86.5億ポンド 前回-82.93←-84.78億ポンド)→ 赤字額が拡大へ
21:30 USD 5月 雇用統計: 失業率=6.3%(予想6.4% 前回6.3%)、非農業部門雇用者数=21.7万人(21.5万人 前回28.2←28.8万人)→ 失業率は前月と変わらず、非農業部門雇用者数もほぼ予想通り
21:30 CAD 5月 雇用統計: 失業率=7.0%(予想6.9% 前回6.9%)、雇用ネット変化=25,800人(予想25,000人 前回-28,900人)→ 失業率は若干上昇したが、雇用ネット変化は予想とあまり変わらず
4:00 USD 4月 消費者信用残高=268 億ドル(予想150億ドル 前回175.29億ドル)

0 件のコメント:

コメントを投稿