2014年6月6日金曜日

6月6日(金曜) 昨日、海外市場の動き

6月6日(金曜) 昨日、海外市場の動き

***** 昨日のポイント *****

ECBはドラギ総裁を含め、ついに本気で追加の緩和措置を決定した。バイトマン独連銀総裁の反対はなく、利下げに反対していたドイツ政府を横目に、南欧諸国の銀行による不良債権処理の活性化を目的に決定したとも言われている。

本格的な量的緩和まで踏み込めなかったが、流動性供給に動き、ABS購入に向けた準備を加速させ、不胎化オペも中止し、流動性の供給に動き、必要があれば速やかに追加緩和に動くという。

EURUSDは、直後の1.3500台までの急落から1.3650超えまで反発、利益確定と材料の出尽くし感による変動となったが、即、本格的なユーロ買いにつながるとは思えない。

ボトムアウトしたことを確認する、再下押しの動きもなく、米国の緩和縮小・利上げと、ユーロ圏の緩和加速・利下げと、相反する動きに、金利差は間違いなく拡大していることを考えれば、1.37台を超えて続伸することは難しく、何度も下押しし、1.35がボトムであることが確認し実証できるまでは、1.35~1.37のレンジと考えたい。

◎豪貿易収支は、予想外のマイナスに豪ドル売りが強まるが、輸入の増加に景気拡大がテーマとなり直ぐに回復。
◎英ハリファックス住宅価格は、11年ぶりの大幅な伸び率にポンド買いが強まる。
◎ユーロ圏小売売上高は、予想外に上昇し、7年ぶりの高水準に、一時EUR買いが強まる。
◎BOE金融政策は、政策金利0.50%、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定、予想通りで動けず。
◎ECB金融政策は、0.25%の政策金利を0.1%引き下げ0.15%に決定、預金ファシリティ金利0.0%→-0.10%、限界貸付ファシリティ金利0.75%→0.40%「に引き下げ、EUR急落から反発へ。
◎ドラギECB総裁の記者会見は、ドラギECB総裁の記者会見=新たな長期リファイナンスオペ(LTRO)を含むパッケージを発表、ABS購入に向けた準備を加速させ、不胎化オペも中止し、流動性の供給に動く。必要があれば速やかに追加緩和に動く。EURUSDは上下しながらも買い戻しが強まる。
◎新規失業保険申請件数は、予想より若干悪化したが、4週平均では2007年以来の低水準。
◎カナダの住宅建設許可件数と、Ivey購買部協会指数は、予想を下回る。

XXXXXX

欧州市場は、ユーロ圏の小売売上高の前年比が7年ぶりの高水準に弱いながらもユーロ買いが強まり、米金利の低下にGBPUSDを含めややドル売りが先行して始まった。BOEは予想通り政策金利1.0%と、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定、相場への影響は見られず。

ECBは政策金利を0.1%引き下げ0.15%に、下限金利を-0.1%、上限金利を0.4%に引き下げた。発表直後の反応は複雑で、上下の近くにあるストップを共に付けてから続落。EURUSDは一時1.3550台まで下落、ドル売りの流れをリードして、USDJPYは上昇、GBPUSD、AUDUSD、NZDUSDもドル買いの流れが続いた。

ドラギECB総裁の記者会見は、QEに言及したことでユーロ売りが強まる。ユーロ売り主導にドルは上昇したが、AUDUSDとNZDUSDは上昇しドル売りへ。ドラギECB総裁は「必要とあれば、速やかに追加緩和に動く」、「的を絞るLTROを含むパッケージを発表、QEに取り組んでいる」との発言にEURUSDは一時1.3500台まで下落。

米国市場は、ECB理事会の利下げ決定と、ドラギECB総裁が記者会見で、新LTROを含むパッケージを発表、ユーロ売りが加速するも、EURUSDは1.35の大台から逆戻りし上昇へ。E新規失業保険申請件数は予想より若干悪化、カナダの住宅建設許可件数は弱かったが、今日のテーマにならず。

終わって見れば、ドルは全面安。USDJPYは終値ベースでも102.50円を割り込み102.40円近辺で終了。EURUSDは1.3650台の高値圏で終了、GBPUSDも1.6820台まで値を戻し、1.6800台で終了した。AUDUSDは0.9340台まで一方向で上昇、NZDUSDも一時0.8510台まで続伸し0.85000近辺で終了した。



***** 発言・その他 *****

◎中国当局=成長率を7.2%に維持することに自信。過去1週間に実施した財政支出の加速や2度目となる一部の銀行を対象とした預金準備率の引き下げを通じ、大型の景気刺激策を講じることなく経済への支援範囲を広げた。
◎ドラギECB総裁の記者会見=新たな長期リファイナンスオペ(LTRO)を含むパッケージを発表、ABS購入に向けた準備を加速させ、不胎化オペも中止し、流動性の供給に動く。必要があれば速やかに追加緩和に動く。政策金利は長期にわたり現在の水準で推移。決定は全会一致。主要政策金利は当面は現在の水準にとどまる見込み。大規模な資産買い入れはまだ先で、可能性を排除しない。
◎ドラギECB総裁の記者会見=オぺ応札額の全額供給を延長。証券市場プログラムの不胎化は終了へ。低インフレを受けて不胎化を終了。長い期間に的を絞り、流動性の供給で、期間4年間のLTROを当初規模が4000億ユーロで、今年9月と12月の2回実施へ。金利は事実上、下限に到達したと考えている。
◎ドラギECB総裁の記者会見=ECBは為替相場を注視。為替相場はインフレと成長で重要。最近のインフレは為替相場の影響を受けている。資金流入によるユーロへの圧力は和らいだ。
◎ECBスタッフ予測=GDP成長見通し、2014年を1.2%→1.0%に引き下げ、2015年度は1.5%→1.7%に引き上げへ。インフレ見通しを下方修正、2014年1.0%→0.7%、2015年1.3%→1.1%、2016年1.5%→1.4%。
◎クノット・オランダ中銀総裁=今回の緩和は、企業融資の活性化が主たる目的。
◎安倍首相=株式投資を増やすように年金基金に要請
◎ウィリアムズ・SF連銀総裁=良好な金融政策においてインフレ抑制が最も重要な要素。金融の安定に金融政策を用いる事の代償は相当大きい。名目所得ターゲットと、銀行以外に利子付き口座を拡充することで、金融安定につながる可能性がある。
◎コチャラコトタ・ミネアポリス連銀総裁=FRBは政策金利を数年、低く維持する必要になる可能性がある。



***** 結果、主な経済指標・その他 *****

8:50 JPY 対外証券投資:中長期ネット=-7213億円(予想 前回898←905億円)、株式ネット=2771億円(予想 前回-755←-753億円)
8:50 JPY 対内証券投資:中長期ネット=5464億円(予想 前回-2393億円)、株式ネット=817億円(予想 前回337←326億円)
10:30 AUD 4月 貿易収支=-1.22億豪ドル(予想3億豪ドル、前回9.02←7.31億豪ドル)、輸出-1%、284.97億豪ドル、輸入2%、286.19欧豪ドル→ 予想外のマイナスに豪ドル売りが強まるが、輸入の増加に景気拡大がテーマとなり直ぐに回復
10:45 CNY 4月 HSBC サービス業PMI=50.7(予想 前回51.4)→ 前回を下回る
15:00 GER 4月 製造業受注指数=前月比3.1%(予想1.3% 前回-2.8%)→ 予想外に増加
16:00 OTH G7首脳会議
16:00 GBP 4月 ハリファックス住宅価格=前月比3.9%(予想0.7% 前回-0.3%←)、前年比・3カ月比=8.7%(予想7.4% 前回8.5%)→ 11年ぶりの大幅な伸び率
18:00 EUR 4月 小売売上高=前月比0.4%(予想0.1% 前回0.1←0.3%)、前年比2.4%(予想1.5% 前回1.0←0.9%)→ 予想外に上昇し、7年ぶりの高水準にEUR買いが強まる
20:00 GBP BOE 金融政策発表=政策金利0.50%、資産買入枠3750億ポンドの据え置きを決定、予想通り
20:45 EUR ECB 金融政策発表=0.25%の政策金利を0.1%引き下げ0.15%に決定、預金ファシリティ金利0.0%→-0.10%、限界貸付ファシリティ金利0.75%→0.40%「に引き下げた。
21:30 USD 新規失業保険申請件数=31.2万件(予想31.0万件 前回30.4←30.0万件)→ 予想より若干悪化、4週平均では2007年以来の低水準
21:30 CAD 4月 住宅建設許可件数=前月比1.1%(予想4.2% 前回-3.2←-3.0%)→ 予想より弱い
21:30 EUR ドラギECB総裁記者会見
23:00 CAD Ivey購買部協会指数=48.2(予想56.0 前回54.1)→ 予想と前回を下回る


***** 本日予定、主な経済指標・その他 *****

14:00 JPY 4月 景気一致指数CI指数・速報値=予想110.9 前回114.5、景気先行CI指数・速報値=予想106.1 前回107.1
15:00 GER 4月 鉱工業生産指数=前月比予想0.4% 前回-0.5%、前年比予想2.7% 前回3.0%
15:00 GER 4月 貿易収支=予想152億ユーロ 前回164億ユーロ、経常収支=予想151億ユーロ 前回195億ユーロ
16:15 CHF 5月 消費者物価指数=前月比予想0.2% 前回0.1%、前年比予想0.1% 前回0.0%
17:30 GBP 5月 貿易収支=-86.5億ポンド 前回-84.78億ポンド
21:30 USD 5月 雇用統計: 失業率=予想6.4% 前回6.3%、非農業部門雇用者数=21.5万人 前回28.8万人
21:30 CAD 5月 雇用統計: 失業率=予想6.9% 前回6.9%、雇用ネット変化=予想25,000人 前回-28,900人
4:00 USD 4月 消費者信用残高=予想150億ドル 前回175.29億ドル

0 件のコメント:

コメントを投稿