6月4日(水曜) 昨日、海外市場の動き
***** 昨日のポイント *****
不思議なもので、ECBはマイナス金利を採用するとの思惑が強い中でも、ユーロ売りは限定的で、1.36台を維持。マイナス金利の弊害が語られる中で、市場は既に利下げとマイナス金利を織り込み、量的緩和のサプライズがなければ、これ以上ユーロ売りが加速することがないような動きを示している。これは潜在的なユーロ買いの強さを示しており、何もなければユーロ買いが続くことを意味しているが、問題は、ユーロ高を抑制し低インフレの脱出手段の一つとするのか? これだけである。
USDJPYは牛歩の歩みながらも円売りが続き、市場参加者の関心は全く薄れ、今、円相場の動向に注意を払っている投資家も少なく、円クロスの動きを見ると逆に、潜在的な円安相場の継続を示唆。少し前まではヒーローだったNZドルは栄光が薄れ続落、ポンドの強さも影が薄らいでいる。
◎豪中銀は、政策金利2.50%の据え置きを決定。声明では金利の安定期間を設けることが最も賢明と判断。ハト派予想の反動にAUD買い戻しへ。
◎豪小売売上高は、予想通りで動けず。
◎ユーロ圏のCPIは、予想を上回る低下にECBの追加緩和の可能性がより高まるが、失業率の低下もあり、利食い先行のEUR買いへ。
◎英建設業PMIが弱く、GBP売りの流れが続く。
◎カルアナBIS総支配人は、ECBはマイナス金利の導入で、非常に慎重になる。
◎厚生労働省(社会保障審議会年金部会に報告した14年財政検証の結果)=5年に1度点検の財政検証で、約100年にわたる年金財政の見通しが判明。
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アジア市場は、AUDUSDの上昇が相場をリードし、ドルは小幅ながら全面安。市場の関心は豪州に関連の経済指標で、中国国家統計局・非製造業PMIは強く、HSBC製造業PMIは弱く強弱が混在。豪小売売上高は予想通りの結果にも、第1四半期・経常収支は予想外に赤字幅が縮小し、AUDUSDは緩やかな上昇が続いた。注目の豪中銀の金融政策では政策金利2.5%の据え置きを決定、一部には昨日の弱い豪経済指標を受けたハト派のムードがまん延していたが、「金利の安定期間を設けることが最も賢明と判断」と利下げムードは見られず、現行水準の維持が示された。
欧州市場は、ユーロの上昇が相場をリードするドル売りへ。注目のユーロ圏CPIは前月と予想に届かず、ECBの追加緩和の可能性が一段と強まったが、ユーロ圏の失業率は若干改善、EURUSDは逆に1.3590近辺の買いの厚さを確認し、1.3640台へ上昇。GBPUSDは一時1.6780台まで上昇したが、英建設業PMIが弱く買いも続かず、逆に下落へ。AUDUSDとNZDUSDは欧州市場の序盤に上昇するも続かず下落へ。USDJPYは大枠102.25~45円のレンジで上下。
米国市場は、米製造業受注指数が予想外に強く、ドル買いが強まる。GPIFの積立金残高の減少見通しへの変化に、運用の見直しが意識され、USDJPYはついに102.50円のポイントを上回る。EURUSDは1.3620まで小幅下落、GBPUSDは一時1.6730まで下落、AUDUSDとNZDUSDも弱含みで推移した。
***** 発言・その他 *****
◎豪中銀の声明=政策金利2.50%の据え置きを決定。緩和的な金融政策の継続が需要を支援し、成長加速に寄与する。金利の安定期間を設けることが最も賢明と判断。理事会は金融政策がインフレを実現に向け適切に設定されていると判断。
◎豪中銀の声明=新興国には再び資本が流入している。豪経済は2013年にトレンドを下回る成長だったが、2014年に入ると、新たな設備稼働による資源輸出の大幅増加によりペースが上昇。増加幅は今後の数四半期で縮小する見通し。
◎豪中銀の声明=失業率が継続的に低下すには一定の時間を要する。最近のデータは、賃金の伸びが減速したことが確認できる。豪ドルが下落しても、インフレ率は今後1~2年間、目標を下回る水準で推移.
◎豪中銀の声明=豪ドル下落は、均衡のとれた成長の達成を支援。ここ数カ月の豪ドル高で効果は低下。特にコモディティ価格の一段の下落を踏まえると、豪ドルはなお歴史的に高水準。
◎カルアナBIS総支配人=マイナス金利は見識が得られていない手段で、ECBは導入で非常に慎重になる。中銀預金金利がマイナスになったとしても銀行が融資を増加させるとの確認はない。
◎コエリョ・ポルトガル首相=最高裁判所が緊縮財政の一部を違憲と判断したことで、最後の支援を受け取れない可能性がある。
◎厚生労働省(社会保障審議会年金部会に報告した14年財政検証の結果)=5年に1度点検の財政検証で、約100年にわたる年金財政の見通しが判明。GPIFの積立金残高は今年度145.9兆円(前年3.4兆円)と2009年度の試算に反して減少する見通し。黒字転換の時期は18年度に先送りされ、積立金残高は70年度までは増加傾向が続き、その後は減少が加速する見通し。
◎エルアドン・トルコ首相=中銀の利下げは不十分と、中銀の金融優政策を批判。
◎ジョージ・カンザスシティー連銀総裁=資産買い入れは10月か12月に終了させ、利上げ前に満期となる保有証券の元本再投資を止めるべき。雇用とインフレは他が予想しているより早い時期に目標を達成する可能性があり、速いペースの引き上げが適切。刺激策の解消は必ずしもスムーズとは限らない。
***** 結果、主な経済指標・その他 *****
10:00 CNY 5月 国家統計局 非製造業PMI=55.5(予想 前回54.8)→ 前回を上回る
10:30 AUD 4月 小売売上高=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.1%)→ 前回を上回りほぼ予想通り
10:30 AUD 第1四半期 経常収支=-57億ドル(予想-70億豪ドル 前回-101億豪ドル)→ 予想外に赤字幅は減少
10:45 CNY 5月 HSBC 製造業PMI・確報値=49.4(予想49.7 前回49.7)→ 予想と前回を下回る
13:30 AUD 金融政策発表=政策金利2.50%の据え置きを決定、予想通り。
15:00 GBP 5月 ネーションワイド住宅価格=前月比0.7%(予想0.6% 前回1.2%)、前年比11.1%(予想10.9% 前回10.9%)
17:30 GBP 5月 建設業PMI=60(予想60.8 前回60.8)
18:00 EUR 5月 消費者物価指数(HICP)・速報値=前年比0.5%(予想0.6% 前回0.7%)、コア前年比=0.7%(予想0.9% 前回1.0%)
18:00 EUR 4月 失業率=11.7%(予想11.8% 前回11.8%)
23:00 USD 4月 製造業受注指数=前月比0.7%(予想0.5% 前回1.5←0.9%)
***** 本日予定、主な経済指標・その他 *****
8:01 GBP 5月 BRC店頭価格指数=前月比予想-1.2% 前回1.4%
8:01 GBP 5月 RICS住宅価格指数=予想 前回54%
10:30 AUD 第1四半期 GDP=前期比予想0.9% 前回1.0%、前年比予想3.3% 前回2.8%
16:00 GBP 4月 ハリファックス住宅価格指数=前月比予想0.7% 前回-0.2%、前年比(3カ月比)=予想7.4% 前回8.5%
16:50 FRN 5月 総合PMI・確報値、予想 前回49.3、サービス業PMI・確報値=予想49.2 前回49.2
16:55 GER 5月 総合PMI・確報値、予想 前回56.1、サービス業PMI・確報値=予想56.4 前回56.4
17:00 EUR 5月 総合PMI・確報値、予想53.9 前回53.9、サービス業PMI・確報値=予想53.5 前回53.5
17:30 GBP 5月 サービス業PMI=予想58.2 前回58.7
18:00 EUR 第1四半期 GDP・改定値=前期比予想0.2% 前回0.2%、前年比予想0.9% 前回0.9%
18:00 EUR 4月 生産者物価指数=前月比予想-0.1% 前回-0.2%、前年比予想-1.2% 前回-1.6%
18:00 EUR 第1四半期 政府支出=前期比予想 前回-0.3%、家計支出=前期比予想 前回0.1%、総固定資本=前期比予想 前回1.0%
21:15 USD 5月 ADP雇用統計=前月比予想21.8万件 前回22.0万件
21:30 USD 4月 貿易収支=予想-408億ドル 前回-404億ドル
21:30 USD 第1四半期 非農業部門生産性・確報値=前期比年率 予想-2.2% 前回-1.7%、単位労働コスト・確報値=前期比年率 予想4.7% 前回4.2%
21:30 CAD 4月 貿易収支=予想-23億カナダドル 前回8億カナダドル
22:45 USD サービス業PMI・確報値=予想58.2 前回58.4
23:00 USD 5月 ISM非製造業景況指数=予想55.5 前回55.2
23:00 CAD カナダ中銀 金融政策発表=政策金利1.0%の据え置きを予想
3:00 OTH G7首脳会議
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