2014年5月30日金曜日

5月29日(木曜)昨日、海外市場の動き


5月29日(木曜)昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

◎独5月の輸入物価指数は予想外のマイナス。
◎独5月の失業率は横ばいながら、失業者数が予想外に増加。
◎ユーロ圏の景況感指数と業況判断指数は予想を上回り、消費者信頼感指数は速報値と変わらず。
◎メルシュECB専務理事は、6月5日のECB理事会で複数の措置を打ち出す可能性を示唆。
◎ショイブレ独財務相は、金利は中期的に上昇すると想定。
◎ECBレポートは、投資家による利益追求の拡大が、不均衡の蓄積と、投資フローの急激な巻き戻しの可能性を懸念。

予想通り緩和縮小と利上げに向かっているドルへの信認が高まっているのか? ドルショートポジションの巻き戻しが強まっているのか? ユーロ圏や独経済指標へ結果とは異なりドル買いが強く、主要通貨ではテクニカルポイントを試す動きが続いた。不思議なのは、ECBの追加緩和の可能性に反し、ショイブレ独首相は、二日間に渡り金利上昇の可能性を示唆し、ECBレポートでは、ユーロ圏国債が管理不能になる恐れを懸念していた。


アジア市場は、早朝に102円台を試したが続かず、大枠101.90~95円の極狭いレンジで推移。EURUSDは1.3625~40のレンジで動けず、GBPUSDは1.6800~15で動けず、AUDUSDは0.9280失敗し、一時0.9230台まで下落したが、直ぐに0.9260台を回復。

欧州市場は、主要国通貨でドルは全面高。早朝に発表された独失業率は、予想外に失業者数が増加、ユーロ圏の業況判断指数や景況感指数は予想を上回ったが、ユーロ売りの流れは変わらず。メルシェECB専務理事が「6月5日のECB理事会で複数の措置を打ち出す可能性がある」と指摘、EUR売りの流れは止まらず1.3600を割り込む。GBPUSDは1.6800を割り込みストップの売りが続き1.6760まで下落、英CB報告済売上高が弱く、1.6740台まで続落となった。AUDUSDも0.9220台まで、NZDUSDも0.8480台まで続落、USDJPYだけは逆に101.80円を割り込み、クロスを含め円は全面高。

米国市場に入っても、ドル全面高の流れは変わらず。唯一ドル売り傾向が続いたUSDJPYは、101.60円台をボトムに下げ止まり、クロスの円買いも弱まり101.80台へ値を戻した。EURUSDは1.3600のオプション・バリアをつけ、1.3590台まで続落し安値圏で推移。GBPUSDは1.67台を試しながらも下げ止まり、安値圏で推移。AUDUSDはなんとか0.9210台で下げ止まり、0.9200の大台を維持し、0.9240まで値を戻した。NZDUSDとUSDCADでもドル買いの流れは止まらず。


***** 発言・その他 *****

◎メルシュECB専務理事=インフレの観点から為替の役割は増大。低インフレと信用の伸び低下で、6月5日のECB理事会で複数の措置を打ち出す可能性がある。伝統的・非伝統的措置のどちらでも問題ないと認識。
◎イタリア国家統計局=低成長が公的債務の持続性に対する主要リスク。
◎ECB半年に一度のレポート=投資家による利益追求の拡大が、不均衡の蓄積と、投資フローの急激な巻き戻しの可能性を懸念。最高値のユーロ圏国債は、経済改革が停滞し成長率が低水準で、管理不能になる恐れがある。借り入れコストの低下につながる政策を導入しているFRBや日銀も直面する問題。
◎コンスタンシオECB副総裁=投資家は欧資産を信頼、債務危機のリスクは非常に低下した。銀行の資金調達環境はもはやリスクにならず。
◎ショイブレ独財務相=金利は中期的に上昇すると想定している。現在の金利は金融市場の不均衡を反映。
◎黒田日銀総裁=物価や実体経済の安定、金融の安定も重要。政策金利がゼロ近傍にあっても、資産買入れや時間軸など金融緩和は可能。市場等とのコミュニケーションを通じた期待形成への働きかけが重要。時間軸の強さと柔軟性のバランスをどう取るかが重要なポイント
◎ロックハート・アトランタ連銀総裁=米第2四半期は3%近い成長が可能。米経済の先行きは総じて明るいが、労働市場には大きなスラック(需給の緩み)があり、緩和的な金融政策が必要。利上げ局面に入れば、FF金利は長期的中立水準の4%近くに上昇すると予想。
◎ロックハート・アトランタ連銀総裁=QE終了について、10月、12月のFOMCどちらがいいという強い見解は無い。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

14:45 CHF 第1四半期 GDP=前期比0.5%(予想0.6% 前回0.2%)、前年比2.0%(予想1.9% 前回1.7%)
15:00 GER 5月 輸入物価指数=前月比-0.3(予想0.1% 前回-0.6%)、前年比-2.4%(予想-2.2% 前回-3.3%)→ 予想よりマイナス幅が拡大
16:55 GER 5月 雇用統計: 失業率=6.7%(予想6.7% 前回6.7%)、失業者数=24,000人(予想-15,000人 前回-25,000人)→ 予想外に失業者数が増加し、EURは小幅下落。
18:00 EUR 5月 消費者信頼感指数・確報値=-7.1(予想-7.1 速報-7.1)
18:00 EUR 5月 業況判断指数=0.37(予想0.31 前回0.28←0.27)
18:00 EUR 5月 景況感指数=102.7(予想102.2 前回102.0)、企業景況感=-3.0(予想-3.9 前回-3.5←-3.6)、サービス業景況感=3.8(予想3.8 前回3.5)
19:00 GBP 5月 CB報告済売上高=16(予想35 前回30)


***** 今日の、主な経済指標・その他 *****

10:00 AUD 4月 HIA新築住宅販売件数=予想 前回0.2%
21:30 USD 第1四半期 GDP・確報値: 前期比年率=予想-0.5% 前回0.1%、PCE価格指数=前期比予想1.4% 前回1.4%、コアPCE価格指数=前期比予想1.3% 前回1.3%、GDP価格指数=前期比予想1.3% 前回1.3%、個人消費支出=前期比予想3.1% 前回3.0%
21:30 USD 新規失業保険申請件数=予想31.8万件 前回32.6万件
21:30 CAD 経常収支=予想-130億カナダドル 前回-160億カナダドル
23:00 USD 4月 中古住宅販売保留=前月比予想1.0% 前回3.4%、前年比予想 前回-7.4%

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