2015年8月30日日曜日

今週の為替相場を考える(8月31日~9月4日)

今週の為替相場を考える(8月31日~9月4日)

中国は先週、中国人民元の下落を介入で阻止、追加の景気対策を発表、リバースレポのガイダンス金利を0.15%引き下げ、米国に利上げをけん制する発言を送るなど、世界恐慌の引き金となりうる株安を必至に阻止した。

現状は功を奏し、中国株をはじめ、世界的に株価は持ち直し大幅に上昇。強い米国発の経済指標も支援し、米2年債利回りは上昇し、原油価格も下げから大幅上昇に転じ、気が付いたらドル高の一週間となった。

米国は強い米耐久財受注+米第2四半期GDP改定値も株高が、米国発のドル高要因となっていた。しかし、アトランタ連銀のGDPNowでは米第3四半期GDP予測を1.4%(8月26日)→1.2%へ低下させ、重鎮のフィッシャーFRB副議長は、9月の利上げは検討中とし、10月の新たな利上げの可能性を示唆。最近の市場の混乱の影響を見極める必要性を示し、相変わらず米利上げの行方は不透明。

そうなると、今週の注目は相変わらず、中国株と米株、そして、米国発の経済指標では、得に米雇用統計が焦点となり、米金利に連動したドル相場になることは避けられない。早々と9月17日のFOMCが今週のテーマとなっており、FRBはどのような答えを市場に示すのか? 

また、ECB理事会とドラギECB総裁の記者会見で、最近の世界的な金融市場の混乱の影響がユーロに与える影響をどのように判断しているのか?気になる。 今週は週末にG20が控えているが、市場への影響は限定的と考える。

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ドル相場
9月のFOMCで利上げ観測が遠のくとの思惑に ドル売りだ! いや、米経済指標が強く9月の利上げ観測は残っている、ドル買いだ! 為替市場は9月17日のFOMCに向けドル売りとドル買い思考が交錯している。もちろん、このような単純な発想で取引をしているとは思っていないが、結果はその通りになっているように思えてない。

中国経済の成長は拡大傾向が弱まり、世界経済を牽引する力は今後も弱まることが予想されている。相変わらず中国との貿易関係の強い通貨と、国際商品の輸出依存度の高い国の通貨安の流れが、急変するとは考えにくい。

FRBが利上げをするかしないか? するとすれば、その時期は9月なのか?新たに浮上した10月なのか? 12月なのか? それとも来年なのか? 米第2四半期GDPの改定値は3.7%とユーロ圏の1.2%を大幅に上回り、他国を圧倒していることは間違いなく、主要国では引き続き唯一年内に利上げ可能な国でもある。

アトランタ連銀の最新版GDPNowでは、米第3四半期GDP予測 1.4%(8月26日)→1.2%へ低下しているが気になるが、それでも、他国よりはましだと思え、ドルの優位性は変わらず。

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EURUSD 予想 1.1050~1.1300
中国株の大幅下落や中国経済の成長鈍化の影響が、ユーロ圏の輸出に波及する可能性が強まっている。先週は株高=ファンディング通貨として1.1700まで急伸していたが、逆に4日続落し200日MAを割り込み1.1150台まで大幅下落。目先のEUR買いポジションは極めて少なくなっており、逆に押し目買いの動きが強まることが予想され、今週のECB理事会・ドラギECB総裁の記者会見で、ユーロ圏経済の先行懸念が薄らぐと、上昇する可能性も高くなるが、先週の急落の余波に上値も限定的。

GBPUSD 予想 1.5250~1.5550
米国の次に利上げ可能なBOE。その期待に1.5800を目指して上昇していたが、逆に4日連続の陰線引け、200日MA近辺でようやく下げ止まる。過去2日間は下髭も見られることで、売りの勢いは弱まりつつあり、終値ベースで1.5370を維持するか、1.5280で下げ止まることができるか? 今週の反発にはこの水準を維持できるかがカギとなっており、世界的な株安の影響を受けにくいメリットもある。

AUDUSD 予想 0.7050~0.7300
世界的な株暴落から反発し上昇、リスク回避の動きが弱まり、原油価格や商品価格の上昇の支援材料にも、中国経済の成長は弱くAUD買いが盛り上がらない。0.7050ボトムから値を戻すも、豪中銀のAUD安思考は変わらずクロスのAUD売りは止まらず、人民元安の影響は消えずAUD買いの動きは鈍いままである。今週も、中国発の経済指標の影響を強く受け、その結果と中国株の動向を注目したい。

USDJPY 予想 119.50~122.50
世界的な株価暴落によるリスク回避の円買いに、200日MAを割り込み、一時116.14円まで下落するも一週間で終了。先週は逆に株価の上昇に、200日MAを上抜け三連騰で121.70台まで上昇した。その差約5.5円で、8月12日の高値125.27→8月24日安値116.14の61.8%戻し121.75近くまで上昇して終了している。セオリーとして再び安値116.14の円高水準を試すことを期待していたが、戻りが強すぎ、中国株や米株の再暴落がなければその可能性も非常に薄い。今週の円高水準は119.80をターゲットとし、120~122.50のコアレンジを考えたい。













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