今週の為替相場を考える(8月17日~8月21日)
早ければ今週、遅くとも来週からは海外主力勢はサマーバケーションから戻り本格的に参戦すると思われるが、過去の経験則から、お盆明けはドル高・円安を期待したくなるが?
今週の為替相場を考えると、先週序盤に、中国の輸出低迷と景気減速を阻止すべく発表した「人民元大幅切り下げ=世界的な株安」から、終盤には資本流出を危惧し「人民元安阻止=中国株下げ止まり」へと変化した流れが、本物なのか? まずこの動きに注意しなければならない。
そして、この影響は9月のFOMCでどのように影響をあたえるのか? 市場では一時利上げ観測が後退しドル売りへと変化していたが、米経済指標も強さが目立ち米経済に不安感は見当たらない。
ブルームバーグ調査(8月7~12日)では、中国の人民元大幅切り下げを受けながらも、77%が9月のFOMCで利上げを予測している。ゆえに株価が大幅下落しない限り、現状ではドル高の動きは変わらずと判断したい。そして、いつもながら、今週も株価と債券利回りに為替市場は影響を受ける動きに変わりない。
先週一時強まった、「リスク回避=ユーロ買い+円売り」が将来の円安を示唆しているのか? 気になってしょうがない。リスク回避の動きとして、ドイツ債へ資金移動が強まっていたが、今までの円買は何処へ?
先週一週間に限らず、先週人民元大幅切り下げ後に一時値を下げた豪ドルを含め、ユーロの買いは今月に入って続いており、大きなトレンドの変化なのか? または、一時的な変動なのか、今週一週間を通じて見守る必要もある。
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ドル相場
9月のFOMCで利上げするのか、しないのか? 今週のドル相場はこの思惑で左右されることになる。
不安定な中国経済とその影響を受ける米株の下落傾向は引き続き気になるが、先週の輸入物価指数の下落幅も予想より低く、米小売売上高は比較的強く、ドル高傾向が続くと判断している。
今週19日(水)のFOMC議事録をあまり期待はしていないが、米消費者物価指数を注目し、主要な米経済市場の結果で、一喜一憂することになりそうである。
ロックハート・アトランタ連銀総裁は持論の利上げを支持、ダドリーNY連銀総裁は、慎重姿勢を維持しながらも条件次第では利下げ支持。重鎮のフィッシャーFRB副議長は相変わらず慎重で、イエレンFRB議長も沈黙を守っており、今週も通貨当局者の発言の予定は少ない。
EURUSD 予想1.1000~1.1200、「8月9日予想1.0800~1.1000→結果1.0925~1.1214」
先週の中国人民元大幅切り下げ後の、ユーロ高の傾向は本物なのか? 欧州債へ資金が移り、ギリシャ第3次救済支援策も本決まりとなり、一時1.1200台を達成したが、ユーロショートの巻き戻しが要因で、本格的なユーロ買いとはどうしても思えない。引き続き1.1100を中心としたレンジと考えたいが、1.0800を割り込み続落のリスクは次第に弱まっている。
GBPUSD 予想1.5450~1.5700、「8月9日予想1.5400~1.5600→結果1.5437~1.5659」
先週のスーパー・サーズデー直前の、投機的に膨らみ過ぎた利上げ期待が剥げ、失望感のポンド売りも収まり、今週の英国発の消費者物価指数(18日)、小売売上高(20日)に素直に反応する相場展開を考えたい。基本は米国に次ぐ利上げ期待が持てる国で、潜在的なポンド高の流れは変わらず。
AUDUSD 予想0.7300~0.7450、「8月9日予想0.7300~0.7450→結果0.7215~0.7439」
人民元の切り下げ+株安+商品価格の下落の影響を受け、一時0.7215と予想外に値を下げたが、週を終わってみれば、0.7300~0.7450のレンジに収まり、安定した値動きとも言える。今週も「人民元相場+商品価格+株価」に連動した動きとなりそうだが、続落傾向が収まったかはやや疑問。
USDJPY 予想124.00~125.50、「8月9日予想124.00~125.00→結果123.79~125.27」
セオリーの安全資産の円買いは何処へ? 日本国債の利回り低下し他の主要国との金利差は拡大傾向にあり、潜在的な円安傾向は変わらず、再び125円台を狙う動きを期待したくなる。
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