2015年8日23日(日曜) 最新のIMMポジション(8月18日集計分)から
中国株安は止まらず、日米欧や他の新興国の株価も大幅下落し、世界的な金融不安が広まりつつある。米株も前週比5.82%下落、原油価格も4.42%下落、米10年債利回りも2.198→2.049%へ低下し、9月FOMCの利上げ観測が後退しドル売りへと変化し、中国との貿易関連性の強い通貨は弱く、逆うに、主要国通貨が上昇している。
今回のIMMデータでもその動きがよくわかる。7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)のポジションはネット・ショートが-323,335コントラクトと、前週の-367,066から通貨ショートが7週間ぶりに43,731減少し、一時的と思われるがドルに対する信認は低下している。
7通貨で見ると、スイスフランを除き、他の6通貨ペアでショートが減少している。安全資産のドル買いよりも、米利上げ観測の後退懸念もあるが、積みあがったドル資産への投資が世界経済の不安からの巻き戻され、自国に回帰しているのではと思えてならない。
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円
8/11(-105,226)→8/18(-90,130)
5週間ぶりに円ショートが減少し、円買いの流れへと変化している。中国や欧米株や、日本株の続落の影響に、円の買い戻しが続き、9月FOMCで利上げ観測も微妙に変化し、円買いの流れが強まっている。
ユーロ
8/11(-115,210)→8/18(-92,732)
前週比22,478コントラクトの増加で、ドルベースに換算したポジションから6月16日の週以来の水準まで戻している。ギリシャ第3次救済支援も決まり、ギリシャ国内の政治的な混迷は残るも、チプラス・ギリシャ首相の求心力は強くユーロへ資金が戻っている。集計後のEURUSDの上昇を考えれば、ユーロショートの減少幅はより拡大していると思われる。
ポンド
8/11(-10,371)→8/18(-3,971)
8月4日の週-6,557コントラクトを割り込み、ポンドショートは減少、ショートは約1万コントラクトへ減少し、水準的には昨年10月近くまで下がっている。BOE金融政策委員会・四半期インフレレポートの結果を受けたポンド売りが続くも、その影響は限定的。
スイスフラン
8/11(-7,012)→8/18(-9,868)
3週連続でショートが拡大、ドル安の中で唯一売りが強まっているが? スポット市場では19日以降USDCHFの急落が目立ち、スイスフランは上昇しているため、集計日の数字だけで判断できず。
カナダドル
8/11(-67,405)→8/18(-66,794)
8週連続で前週比ショートが増加していたが、9週目でようやくショートが多少ながら減少。ドル安センチメントに便乗した形ではあるが、原油価格の下落にカナダドルの強さは今一つ。
豪ドル
8/11(-51,270)→8/18(-49,883)
前週のショート増加から今回はショートが減少へ。ドル売りの流れに豪ドル売りが弱まるも、中国経済の成長鈍化や中国株の大幅下落に、上昇力は鈍い。
NZドル
→8/11(-10,572)→8/18(-9,957)
5週連続でショートは減少。ドル売りの流れにNZドル売りが弱まるも、豪ドルと同じく、中国発の材料に積極的な上昇は見られず。
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