2015年8日15日(土曜) 最新のIMMポジション(8月11日集計分)から
中国人民銀行は、8月11日(火曜)IMMデータ集計日に、中国経済の成長ペースの鈍化を阻止すべく、約3年ぶりに人民元を切り下げ、ドルは全面高へ。逆に、中国経済的に関係の強い国の通貨と資源国通貨(AUD+NZD+CAD)は下落した。
今回のIMMデータでもその動きがよくわかる。7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)のポジションはネット・ショートが-367,066コントラクトと、前週-326,624から通貨ショートが40,442拡大している。
7通貨でNZドルだけが、ショートは微減したが、他の6通貨は全てショートが増加し、安全資産のドルへ買いが一時強まっていたこともがわかる。もっとも、その後は、金融市場の混乱を回避すべく、9月のFOMCで利上げ先送りとの思惑に、ドル売りも見られた。
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円
8/4(-79,716)→8/11(-105,226)
4週連続で円のショートが拡大し、6月9日週以来となる10万コントラクト台へショートが膨らむ。中国人民元の大幅切り下げ+株価下落と、リスクヘッジの円買いとはならず(後に円買いへと変化)。
ユーロ
8/4(-113,394)→→8/11(-115,210)
2週連続でユーロのショートは拡大するも、EURUSDは逆に上昇し、クロスでのユーロ買いが目立った。ギリシャ第3次支援策の合意に向けた動き(後に、ギリシャ議会+ユーロ圏財務相会合は承認)や、リスクヘッジとしての独債買いが目立った。
ポンド
8/4(-6,557)→→8/11(-10,371)
4週間ぶりにポンドのショートが拡大。ショートは約1万コントラクトにとどまり、BOE金融政策委員会・四半期インフレレポートの結果を受けたポンド売りが続くも、その影響は限定的。
スイスフラン
8/4(-1,466)→→8/11(-7,012)
2週連続でショートが拡大、3月24日週と同じ水準へ。スポット市場では週後半からスイス高が強まり、中国人民元の急落+株安によるリスク回避の動きに、スイスフランの上昇が目立った。
カナダドル
8/4(-64,180)→8/11(-67,405)
8週連続でショートは拡大。昨年9月30日の週にロングからショートへ変化してから、計46週の内、44週でショートを維持。原油価格・商品価格の続落の影響も響いている。
豪ドル
8/4(-49,412)→→8/11(-51,270)
前週のショート減少から今回はショートが拡大へ。カナダドルと同じで、昨年9月30日の週にロングからショートへ変化してから、計46週の内、44週でショートを維持。中国経済のスローダウン、商品価格の下落の影響が続く。ただ、追加利下げ観測は弱まる。
NZドル
8/4(-11,899)→→8/11(-10,572)
3週連続でショートは減少。他の主要国通貨でドル買いが強まる中で、NZドルだけはショートが減少し、今までのショートポジションの巻き戻しが続いている。
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