今週の為替相場を考える(7月27日~7月31日)
先週一週間の動きは、今週も継続へ。株価は弱く、債権利回りは低下し、商品価格の下落は止まらず、リスク回避のパターンの継続が予想される。
ドル高の傾向が続き、本来ならリスク回避=円高の動きは見られず円の弱さが目立ち、逆に、ユーロ買いが続いている。
ギリシャへの支援が始まり、市中銀行も営業を再開したが、今後も資金の補充が必要で、年末までに相当量の資金が必要とある。潜在的なギリシャのユーロ圏離脱も残ったままで、どこまでEUR買いが続くのか? 今週のテーマでもある。
為替相場と連動性の高い株価を見てみよう。中国株は、政府の力技で安定し値を上げているが、米株は弱く、新興市場国株は続落傾向を続け、まだまだ十分に安心できる水準ではない。
ブラジル株、ボベスバ指標は6営業日続落、USDBRLは上昇し、ブラジル・レアルは10年ぶりの安値へ値を下げ、新興国の株価も弱く、MSCIEMは7月9日の安値に近付きつつある。
トルコはイスラム国との直接対決へと動き、トルコ中銀は、ドル建て預金金利を引き下げたが、TRYの売りは止まらず。商品価格の下落に、USDCADは上昇し、カナダドルは10年来の安値へ。
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ドル相場
今週も、リスク回避の動きが続くことが予想され、強い米経済指標に敏感に反応し、相場が動きドル高の流れは変わらずと考えている。
世界的な長期金利の低下に、米10年債利回りも低下傾向にあるが、米2年債利回りは引き続き高値圏を維持し、年内の利上げ期待が強い。
イエレンFRB議長をはじめタカ派はもちろんのこと、スタッフ予測でも、年末までに0.25%の利上げ一度を行うとある。引き続き為替相場もこの予測をベースにしてドル買いの流れが継続すると考えたい。
今週は、29日にFOMCが開催され、年内の利上げ期待が続く中で、ドルロングに偏り安く、30日の米第2四半期GDPの第一次速報値も重要である。
EURUSD 1.0800~1.1150
ギリシャ問題に大きく傾斜した、EURショートポジションの巻き戻しが続いているが、積極的にEURを買う材料も見当たらない。ユーロ圏各国の景況感も一時ほど強くはなく、ECBのQEの加えてギリシャ支援に資金供給が拡大し、潜在的なEUR売り材料となっている。
先週は1.0800をボトム下げ止まり、大枠1.08~1.1200の400ポイントレンジを約4週間続けている。今週、このレンジを抜け出すことができるか? 夏休み真最中のこの時期には期待はできにくいが、1.1200を超えると話は別だが、EURGBPの売りの流れは変わらず。
GBPUSD 1.5400~1.5700
カーニーBOE総裁の発言から、年末には来年の利上げ時期が明確になるとの期待感は、ハルデーンBOE理事のハト派の発言に気勢をそがれた。結局は、GBPロングポジションの激しい巻き戻しが続いたが、GBPは他国と異なり、利上げ開始は米国に次ぐ2番手の位置にあり、基本は買いの流れ変わらず。
AUDUSD 0.7200~0.7400
中銀の豪ドル安政策+緩和傾向の維持、中国経済の成長鈍化と資源国通貨安に、売りの流れは変わらず。先週は0.7500のビックポイントを割り込み続落中で、戻り売り圧力が続く。
USDJPY 123.00~124.50円
先の、ギリシャ問題+中国株の下落にも、USDJPYの安値は120.50円割れが精一杯で、すぐに124円台まで値を戻した。また、直近の商品価格の下落や新興国の株安や通貨安にも、積極的な円買いは見られず。逆にUSDは紆余曲折を繰り返しながらも、USD高傾向を続けている。
市場は、124円台のミドルに上昇すると、黒田デフェンスゾーンと言い、6月中旬以降は上げ止まり、ドルロングは利食い、ドル売りへと変化はしているが、はたして本当なのだろうか? どうしても信じがたい。
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