ギリシャ問題は支援への動きが加速しているが継続できるかは疑問で、中国株は持ち直してはいるも、新興国と米国の株安は止まらず、不安が残る動きが続いている。また、米利上げを9月か12月かは別として、年内に一度は利上げすることを為替相場は織り込みながら、ドル先高観が強く、緩やかなドル高傾向を維持している。
最新7月21日集計分のIMMポジションでは、7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)7通貨のポジションはネット・ショートが、-293.713 コントラクトと、前週の-270,191から、売り越し額が23,522コントラクト増加し、6月2日の週と同レベルの売り越し額となっている。
傾向としては、円+ユーロ+豪ドル+NZドル+カナダドルで、ショートポジションは拡大し、ポンドのショートポジションは逆に減少し、スイスのロングは微増している。
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円
7/14 (-47,371)→(-62,314)
4週間ぶりにネットでショートが拡大。ギリシャ問題と中国の株安を危惧したリスク回避の動きの巻き戻しが強まっているが、ドルベースの円の売り越し額は、7月7日週の水準にとどまり、引き続き資源国通貨では円高傾向を維持し、通貨間で異なる動きとなっている。
ユーロ
7/14 (-107,781)→(-112,976)
2週連続でショートポジションが拡大。ギリシャ問題が一段落し底値を切り上げながらも、強いユーロの買い戻しは見られず。逆に、ネットショートポジションと、ドルベースの売り越し学は2週連続で拡大し、ユーロの先安観は続いている。
ポンド
7/14 (-24,199)→(-21,468)
3週間ぶりにネットでショートが減少。BOEの利上げ観測の高まりにポンド買いが強まっていることが要因と考えらえるが、6月23日の週に見られたリスク回避から、積極的なポンド買いは見られず、緩やかな動きに留まっている。
スイスフラン
7/14 (+3,081)→(+3,417)
4週間ぶりにネットでロングが微増。6月30日の週からロングが減少傾向にあったが、米株と新興国株の下落し、スイスフラン買いの動きが再浮上していると思われる。
カナダドル
7/14 (-40,726)→(-43,568)
5週連続でショートポジションが拡大。ネット売り越し額は先週に続き、4万コントラクトを超え、差は大きいものの、3月18日の-69,805に次ぐ水準へと拡大している。中銀の予想外の利下げ、デフレリスクと原油価格の低迷、成長の鈍化など、プラス思考になりにくい。
豪ドル
7/14 (-33,541)→(-40,850)
5週間連続でショートポジションが拡大。ネット売り越し額は4月14日の水準へと拡大し、先安傾向が続いている。中銀の豪ドル安政策+緩和傾向の維持、中国経済の成長鈍化と資源国通貨安に、売りが続いている。
NZドル
7/14 (-19,654)→(-15,954)
5週間ぶりにショートポジションが減少。10週連続でショートポジションを続け、5月5日以降、計12週の内、今回を含め2度前週比でショートが減少している。中銀の利下げ、NZドル安誘導、酪農製品の価格低迷で、追加利下げの観測も強く、負け組の第一人者。
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