不透明な時代。『ギリシャ問題』、『中国株』、『FRBの利上げの有無とその時期』。
ギリシャ支援策はいまだに結論を出せず。ギリシャが15日までに改革案を法制化できるのであろうか? 国民投票で「NO」を突き付けたギリシャ国民の総意を考えると、簡単なことではない。
また、ドイツなどが求めている一時的なユーロ圏離脱も、「選別を渡すから出ていけ!」と言わんばかりで、ユーロ圏各国でも意見の相違があり、ユーロ圏首脳会議では声明に織り込めず。
主要国の首相とチプラス・ギリシャ首相との話し合いは続けているようで、大逆転劇は否定できないものの、ギリシャのユーロ圏離脱の可能性は強まっているといわざるを得ない。
中国株の変動は、政府の力技により下げ止まったのか、続落するのか、いまだ不明。市場では続落を懸念する声も強いが、政府の国家的な維新をかけて政策だけに、予想することは困難。しかし、ギリシャ問題が解決すれば、リスク選好の動きが期待で、株価にとってはプラス要因で、逆の場合にはさらなる売りの可能性が高かる。また、貿易収支(14日)、中国GDP・小売売上高・鉱工業生産・固定資産投資(15日)の結果次第では、変動も覚悟。
イエレンFRB議長は「年内の利上げ開始との見方は変わらず」と、講演で発言している。そして、米経済のマイナス要因は二つ、「ドル高による輸出への影響」と「原油安に伴う設備投資の落ち込み」で、「ドルの価値や原油価格が安定するとともに年を通じて弱まっていく」と言う。
今後のドルの下落と原油価格の上昇を予測しているのか? それとも、単なる希望的な観測なのか? その、イエレンFRB議長は半期に一度の議会証言を、下院(15日)、上院(16日)に実施。相場が動くことは間違いなく、週後半の市場にとっては最も重要なイベントでもある。
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リスク選好の動き「ドル売り+円売り+株高+債権売り」。円クロスは円安+USDJPYは上昇。
リスク回避の動き「ドル買い+円買い+株安+債権買い」。円クロスは円高+USDJPYは下落。
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ドル相場
週末のリスクを考えれば、ドルロングを織り込んでいることは事実と思われるも、ギリシャ支援策の混迷を考えれば、安全資産のドルに分がある。
また、中国株は中国政府の力技でボトムアウトしたのか? それとも、構造的な問題を抱えて、続落傾向が続くのか? いまだに市場がオープンしてみないと何とも言えない。
そして、今週はイエレンFRB議長の半期に一度の議会証言が控えている。先の議長の講演では、年内の利上げを強調していたことを考えれば、議会証言でも利上げ姿勢を示すことが考えられ、これも織り込み済みのことではあるが、材料としてはドルにとってはプラス。問題は、「ギリシャ+中国株」への考慮で、この点は不安定要因として残る。
また、気になるのは先の議長の発言で、米経済のマイナス要因は二つ、「ドル高による輸出への影響と原油安に伴う設備投資の落ち込みだが、ドルの価値や原油価格が安定するとともに年を通じて弱まっていく」と言い、ドルの価値が本当に弱まっていくと考えているのか? これが全面に出てくるようであれば、ドル相場の今後を考えることはより難しくなる。
EURUSD 1.0750~1.1250
またしても、ギリシャ第3次支援で合意に至らず。直前の楽観的なムードを考えれば、失望感がより強いと考えたい。そして、ギリシャに求めた改革案の法制化と、一時的なユーロ圏離脱の選択肢は、今までの経緯を考えれば、受け入れやすいものとは考え人くい。今週はECB理事会が開催されるが、ギリシャ支援策が解決されるまではユーロ買いの材料とはなりにくい。
GBPUSD 1.5400~1.5600
ユーロの悪影響を受けるのか? 逆に、EURGBPの売りの好機なのか? この狭間にあり動き一方向になるのかやや疑問。ただ、ドル高・ドル安の影響を直接受けることになり、リスク回避の動きが強まるとクロスではポンド高の流れが期待できる。
AUDUSD 0.7250~0.7500
ギリシャ問題ではリスク回避の動きによる売り圧力が強まることが予想されるも、より重要な中国株価の動きを確認する必要がある。中国株が安定すれば、予想外に売り圧力は弱まることが予想される。そのためには、中国株への動きが注目される、中国発の経済指標の、貿易収支(13日)、GDP・小売売上高・鉱工業生産・固定資産投資(15日)を注目。この結果では、上下変動がより強まる。
USDJPY 120.50~123.50
第1段階のギリシャ支援策の難航と、現状の問題を考えれば、安全資産としての円買いが強まることが予想できる。特に、先週末にかけては、中国株や日本株が値を戻していたこともあり、円売りへ動いた反動も気になる。そして、中国株とイエレンFRB議長の議会証言という、不透明要因が控えていることで、レンジを予想することは難しくなるが、要因が確定するまでは、円買い傾向が続く考えたい。
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