2015年7月12日日曜日

今週の為替相場を考える(7月13日~7月17日)

今週の為替相場を考える(7月13日~7月17日)

月並みながら、市場の関心は、『ギリシャ問題の決着のつけ方』、『中国株』、『FRBの利上げの有無とその時期』。

そのギリシャ問題は、今日、12日がEUとギリシャとの交渉最終期限で、ユーロ圏首脳会議・EU首脳会議の結果次第で、相場見通しも大きく変わってくる。

そのため、今回は詳しい予想を省き、全体的な流れのみを考えてみたい。

「ギリシャ新提案を紆余曲折ながら採択」→ リスク選好の動き「ドル売り+円売り+株高+債権売り」。円クロスは円安+USDJPYは上昇。ただし、ある程度想定済み。

「ギリシャ新提案を拒否」→ リスク回避の動き「ドル買い+円買い+株安+債権買い」。円クロスは円高+USDJPYは下落。


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≪ギリシャ≫
今日、7月12日には、ロングランのギリシャ問題もようやく決着を見ることができそうである。
結果待ちながら、ギリシャ国債の欧州安定メカニズム(ESM)への移管が実現すれば、約70億ユーロの国債償還を回避できる。また、救済資金の準備までのつなぎ融資と、債務負担の軽減が決定し、支援交渉の開始で合意ともなれば、EURの買い戻しが強まることが予想される。ただ、緩やかなユーロ圏離脱への道筋に沿った結果と思われ、中長期のユーロ買いとなるかは疑問が残る。


≪中国株≫
中国株の変動は、政府の力技により下げ止まったのか、続落するのか、いまだ不明。市場では続落を懸念する声も強いが、政府の国家的な維新をかけて政策だけに、予想することは困難。しかし、ギリシャ問題が解決すれば、リスク選好の動きが期待で、株価にとってはプラス要因で、逆の場合にはさらなる売りの可能性が高かる。また、貿易収支(14日)、中国GDP・小売売上高・鉱工業生産・固定資産投資(15日)の結果次第では、変動も覚悟。


≪米利上げの有無とその時期≫
イエレンFRB議長は「年内の利上げ開始との見方は変わらず」と、講演で発言している。そして、米経済のマイナス要因は二つ、「ドル高による輸出への影響」と「原油安に伴う設備投資の落ち込み」で、「ドルの価値や原油価格が安定するとともに年を通じて弱まっていく」と言う。 

今後のドルの下落と原油価格の上昇を予測しているのか? それとも、単なる希望的な観測なのか? その、イエレンFRB議長は半期に一度の議会証言を、下院(15日)、上院(16日)に実施。相場が動くことは間違いなく、週後半の市場にとっては最も重要なイベントでもある。


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今週の主な経済指標・予定(特にインパクトの大きなものの選択)

今週は、すでに説明の通り、中国株への動きが注目されるため、中国発の経済指標の、貿易収支(13日)、GDP・小売売上高・鉱工業生産・固定資産投資(15日)を注目。

英国発では、消費者物価指数(14日)、雇用統計(15日)、

カナダ発では、カナダ中銀金融政策(15日)、消費者物価指数(17日)

ユーロ圏発では、ECB理事会+ドラギECB総裁記者会見(16日)

日本発では、日銀金融政策決定会合+黒田日銀総裁記者会見(15日)

米国発では、イエレンFRB議長の半期に一度の議会証言が最も重要(15日-16日)で、消費者物価指数(17日)がそれに続く。それ以外では、小売売上高(14日)、輸入物価指数(14日)、企業在庫(14日)、鉱工業生産(15日)、NY連銀製造業景気指数(15日)、新規失業保険申請件数(16日)、フィラデルフィア連銀景況感指数(16日)、住宅着工件数(17日)、ミシガン大学消費者信頼感指数(17日)と続く。


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今週の主な経済指標・予定


7/13月)  
11:00 CNY 貿易収支
22:00 ユーロ圏財務相会合
3:00 USD 財政収支


7/14(火)    
15:00 GER 消費者物価指数・確報値
17:30 GBP 消費者物価指数 小売物価指数 実勢インフレ率
17:30 GBP 生産者物価指数
18:00 EUR 鉱工業生産
18:00 GER ZEW景況感調査
21:30 USD 小売売上高
21:30 USD 輸入物価指数
23:00 USD 企業在庫


7/15(水)    
11:00 CNY 第2四半期GDP
11:00 CNY 小売売上高
11:00 CNY 鉱工業生産
11:00 CNY 固定資産投資(都市部)
昼過 JPY 日銀金融政策決定会合
15:45 FRN 消費者物価指数
16時頃 JPY 黒田日銀総裁記者会見
17:30 GBP 雇用統計
21:30 USD 生産者物価指数
21:30 USD NY連銀製造業景気指数
22:15 USD 鉱工業生産
23:00 CAD カナダ中銀金融政策発表
23:00 USD イエレンFRB議長 下院金融委員会で半期に一度の議会証言
3:00 USD 米地区連銀経済報告書(ベージュブック)


7/16(木)  
7:45 NZD 消費者物価指数
18:00 EUR 貿易収支
18:00 EUR 消費者物価指数
20:45 EUR ECB理事会
21:30 USD 新規失業保険申請件数
22:30 EUR ドラギECB総裁記者会見
23:00 USD フィラデルフィア連銀景況指数
23:00 USD イエレンFRB議長 上院銀行委員会で半期に一度の議会証言


7/17金)     
21:30 CAD 消費者物価指数
21:30 USD 消費者物価指数
21:30 USD 住宅着工件数
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値
23:00 USD フィッシャーFRB副議長講演
----- EUR ECB景気予測専門家調査




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