2015年6月7日日曜日

今週の為替相場を考える(6月8日~12日)


今週の為替相場を考える(6月8日~12日)

不確実性の高い昨今、独サミットからは期待薄で、先週末の強い米雇用統計を受けたドル買いが続くのか? それとも、ドル買いをけん制するのか?各国の金利変化に伴う、為替変動の高い状況になれる必要がありそう。

為替相場の2大変動要因となる、「米利上げ開始時期」+「ギリシャ債務交渉」は、共に不透明で暗中模索の状態が続く。

ボラティリティーが高い状態が続き、米経済指標に一喜一憂しながら、結果としてドル買いの流れが続く可能性高い。

今週は、主要な米経済指標+NZ中銀金融政策とウィーラー中銀総裁の記者会見+豪雇用統計+スティーブンス豪中銀総裁発言を注目。


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ドル相場
米経済指標は、引き続き強弱が混在しているが、心配された第2四半期の経済指標も若強めの指標が多い。ダメ押しは先週金曜日の米雇用統計で、非農業部門雇用者数と時間当賃金共に上昇し、ドルは全面高で越週。米国は6月~12月のFOMCで利上げを開始する可能性が高いく、米金利の上昇にドル買いの流れは続きそうである。

EURUSD
EURはユーロ圏経済の回復によるプラス材料と、不透明なギリシャ債務問題で、債権団とギリシャ政府との交渉決裂によるマイナス要因とが混在。

ECBスタッフ予想は、2015年インフレ見通し(3月比)を0.0%→0.3%に上昇修正し、ドイツ連銀=2015年の成長見通し(前回は12月見通し)1.0%→1.7%に引き上げており、景気のボトムアウトを示している。

一方、国際債権団による支援策の提案をギリシャは拒否し、6日のIMF支払い返済もせず、月末一括払いに先延しをした。ツイプラス・ギリシャ首相は「債務減免を確約しなければ、合意せず」。債権団側の提案は「非現実的」で「ばかげている」、「撤回を望んでいる」と強気な姿勢を変えず。

今週もギリシャ問題がEUR相場の上昇を阻害しているばかりではなく、ギリシャ側の出方次第ではEURUSDの下落も心配である。そして、サプライズのドラギECB総裁は、「ボラティリティーが高い状態になれる必要がある」との発言は、リスクオンの状態を意識せざるを得ない。EURUSD1.0800~1.1300のレンジを予想。

GBPUSD
予想外に弱いGBPUSD。債権利回りの上昇に伴う投資行動の変化なのか、ファンド資金のパーキング先のGBP売りは止まらず。しかし、この流れも一時的と思われ、BOE四半期インフレ調査では消費者インフレ期待が上昇しており、潜在的なGBP買い需要は高く下げ幅も限定的で、GBPUSD1.5100~1.5500のレンジを予想。

AUDUSD
豪中銀は、今まで続けた緩和バイアスを示さず、AUD買いの流れへと一時変化したが、豪貿易赤字額が急拡大、売りへと変化。今週は中国発の重要な経済指標も多く、いつも流れ、AUD相場への影響は大きい。10日のスティーブンス豪中銀総裁発言と豪雇用統計は波乱要因となる。AUDUSD0.7550 ~0.7750のレンジを予想。

USDJPY
三田GPIF理事長は、「為替ヘッジを導入する必要があるかは拙速に答えを出す必要はない」、円安が加速している現状でも、ヘッジの円買いを実施する必要性が低いことを示唆。最近の急速な円安局面に、上値を買い進めることに警戒感が強く、予想以上に投機的なUSDJPYロングは少ない。

先週末の米雇用統計を受け、USDJPYは上昇しており、通貨当局者の円安けん制発言も気になるが、円安の流れは変わらず、警戒感が強いだけ。8日の日本GDPの第2次速報値は、日本発の相場変動要因で。USDJPY124.60~126.50のレンジを予想。


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さて、今週のメインイベントは、各米経済指標であることはあえて言う必要もないが、11日の米小売売上高+輸入物価指数は、ドル高による輸入物価の上昇が指摘さて久しく、ドル相場への影響は大きい。

また、11日の新規失業保険申請件数、企業在庫、12日の生産者物価、ミシガン大学消費者信頼感は速報値で重要となっている。

それ以外では、中国発の重要な指標も多く、9日のCPI、11日の小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資もAUD相場への影響は強く、8日の日本GDP、11日のNZ中銀金融政策、豪雇用統計は見逃せない。


6/8(月)  
JPY 4月 国際収支: 経常収支
JPY 第1四半期 GDP・第二次速報
GER 4月 鉱工業生産
GER 4月 経常収支と貿易収支
EUR 6月 センティックス投資家信頼感=予想18.9 前回19.6
CAD 5月 住宅着工件数=予想18.5万件 前回18.31万件
CAD 4月 住宅建設許可=前月比予想-5.0% 前回11.6%
CNY 5月 貿易収支
G7サミット ドイツG7(6月7日~8日)

6/9(火)   
CNY 5月 消費者物価指数
CHF 5月 失業率
CHF 5月 消費者物価指数
GBP 4月 貿易収支
USD 4月 JOLT労働調査
USD 4月 卸売在庫

6/10(水)  
AUD  スティーブンス豪中銀総裁スピーチ
GBP 4月 鉱工業生産
GBP 4月 製造業生産高

6/11(木)
NZD NZ中銀 金融政策発表+ウィーラー中銀総裁の記者会見
AUD 6月 消費者インフレ期待
AUD 5月 雇用統計
CNY 5月 小売売上高
CNY 5月 鉱工業生産
CNY 5月 固定資産投資
FRN 5月 消費者物価指数
CAD 第1四半期 設備稼働率
CAD 4月 新築住宅価格指数
USD 5月 小売売上高
USD 5月 輸入物価指数
USD 週間 新規失業保険申請件数
USD 4月 企業在庫

6/12(金) 
JPY 4月 鉱工業生産・設備稼働率
EUR 4月 鉱工業生産
USD 5月 生産者物価指数
USD 6月 ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値


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