2015年6月28日日曜日

今週の為替相場を考える(6月2日~7月3日)

今週の為替相場を考える(7月6日~7月10日)

先週も今週もギリシャで始まる!

先週はギリシャ交渉の決裂と、デフォルトリスクで相場が変動し、今週もギリシャの国民投票で相場が変動しスタートすることになりそうである。

その国民投票は、日本時間午前1時に投票を締め切り、出口調査が始まり、午前3時頃には最初の暫定結果が公表されと言われている。

世界中の市場参加者が注目し、多くの金融機関の担当者が休みを返上し結果を注目しているギリシャの国民投票も、直近では「YES」が「NO」を上回る予想となっている。

月並みで恐縮ながら、リスクオン+リスクオフの動きに、「NO」→ EURUSD売り+USDJPY売り=EURJPYの売り。「YES」→ EURUSD買い+USDJPY買い=EURJPYの買いと考えているが、それほどこの考えに固執はしていない。

市場は学習するものである。先週明けのアジア市場での反騰と、欧米市場の真逆の反応を教訓として考えれば、状況の差は異なるも、市場の心理は複雑で、短期的には、「下がれば買い」+「上がれば売り」の順張りを考えたくなる。

中期的には、ギリシャ国論が二分する中、「ギリシャ試合」はさらなる延長戦に突入することは避けられず、「通貨ユーロ」にとっては、長期的な信任を得ることはなかなか難しそうである。

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月並みながら、今後の為替相場のテーマは相変わらず、「ギリシャの今後の行方」+「FRBの利上げ開始の有無とその時期」。

何処を見ても、何を見ても、市場参加者が考えていることは、この2点に集約していることであろう! 

ギリシャ国民が真二つに分かれる考え方を持つということは、どちらに転んでも「ギリシャ試合」はエンドレスで、さらなる延長戦に突入することを意味しているのではと、不安になる。

ECBの量的緩和とユーロ安で、ドイツを中心とする好調な経済が期待できるユーロ圏。ユーロ高を予想したくなる半面、ギリシャリスクの不安が明確に解消できるまでは、ユーロ買いも限定的と思われ、EURUSDの底値も確認できず。

一方の米金利と言えば、この混乱時期にあえて利上げ時期をうやむやにしているFRBにとっては、ギリシャ問題の先行き見通しがハッキリとすればするほど、利上げのタイミングを明確にすることが必要となる。

最近の第2四半期GDP見通しの上方修正や、雇用情勢を考えれば、先の米雇用統計を受けた利上げ時期見通しの先送りによる失望感は、それほど深刻にとらえることもないと考えたい。

市場は、ドル高の弊害を考え、ドル高政策の変化を意識し始めていることは確かで、特に最近では円高方向を気に掛ける発言も多い。

USDJPY相場は、管理相場的な動きとなっており、「円安加速時=円安阻止」の発言をし、「円高方向転換時=円安を容認する発言」が目についた。結局のところ、日米でUSDJPY相場をある一定の範囲で安定させたいのであろうか? 115~125円の間は許容範囲と思いたくなる。

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さて、ギリシャを除き、今週のメインイベントは8日のFOMC議事録で、10日のイエレンFRB議長の講演と合わせ注目したい。それ以外では、豪中銀(7日)と英中銀(9日)が金融政策を発表し、の豪雇用統計(9日)とカナダ雇用統計(10日)も重要となっている。

米国発では、ISM非製造業景気指数・労働市場情勢(6日)、貿易収支(7日)、新築住宅価格指数・新規失業保険申請件数(9日)、卸売在庫(10日)が注目される。

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ドル相場
先の弱い米雇用統計を受け、米利上げ開始時期の先延ばし+ドル高懸念の拡大=ドル売り要因。一方、ギリシャ問題による市場混迷のリスクに安全資産としてのドル買いが上回っている。

ギリシャ国民投票の結果によって左右されることは避けられず、結果待ちとなるが、今週発表されるFOMC議事録と米貿易収支が予想の範囲内なら、米金利の上昇傾向は続き、根本的なドル高の流れは変わりそうにない。

EURUSD 1.0950~1.1350(ワイド過ぎるかもしれませんが!)
まずは、ギリシャ国民投票の結果次第! 前週明けの予想外の相場展開を考えれば、結果による相場変動が一方向に加速できるかは疑問で、「下がれば買い」+「上がれば売り」の逆張りを考えたい。ただし、ユーロ売り相場が終焉したかは、いまだ疑問。

GBPUSD 1.1500~1.5800
ギリシャ国民投票の結果で、EURGBPが影響を受け、少なからずGBPUSDに影響を及ぼす。先週はホールデン英中銀チーフエコノミスト「早期利上げ政策は、自滅的となる恐れ」と早期利上げをけん制、ポンド売りが加速したが、カンリフ英中銀副総裁は「国内の生産性に回復の兆しがある」といい、直近の経済指標も強弱混在で、上下大きく動けず。

AUDUSD 0.7500が維持できるかで判断
豪中銀の豪ドル安誘導にも、追加利下げ観測がやや弱まり底堅く推移したが、リスク回避の動きに0.7600を割り込み0.7500の大台直前まで値を下げた。NZ中銀の追加利下げ観測は強く、AUDNZDの買い期待は残るも、ギリシャ国民投票の結果で、リスク回避へと動くのか、または、リスク選好へと変化するのか見極めが必要。ただし、水準的には0.7500を重要なポイントに差し掛かっているので、注意したい。

USDJPY 121.50~124.50
ギリシャ国民投票の結果で、リスク回避へと動くのか、または、リスク選好へと変化するのか見極めが必要。ただし、先週明けの相場変化が思い出され、一方向へと動くよりも、とりあえずはレンジの上下限で固定された動きになることを期待し、レンジの上下では順張りで臨みたい。


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