今週の為替相場を考える(6月22日~26日)
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今週は最重要の経済指標やイベントは少なく、毎週のことで恐縮でもあり、やや使い古され、相場への織り込み度は高いが、ギリシャ債務返済の協議と、FRBの利上げ開始時期が重要となっている。
特に、先週18日のユーロ圏財務相会とギリシャ政府とで、6月末のデフォルト回避の重要な話し合いが決裂したことで、22日(日本時間23日午前2時)に開催される、緊急のユーロ圏首脳会議が俄然、注目度を高めている。
もちろん、結果しだいでは、ユーロ相場のみならず、為替市場全体の波乱要因となる可能性が高い。
IMFを除くか否かは別として、債権者側が返済の猶予を認めれば、ユーロの買い戻しへと動きやすく、デフォルトに陥る結果ではEURは一時的に売られ、それが、ポルトガル・スペインへと波及するようなら、さらなるユーロ売りと考える。
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一方、FRBの利上げ開始の時期を巡っては9月のFOMCが有力となっており、ギリシャ問題が良い結果で解決でもすれば、その可能性がより高まりそうである。
さて、今週の経済指標とイベントでは、ユーロ圏の首脳会議以外では重要度の高い発表は極めて少ない。しいて言えば、米国発では、23日(火)=米耐久財受注と、24日(水)=米第1四半期GDP・確報値、25日(木)=米個人所得+個人支出、26日(金)=米ミシガン大学消費者信頼感指数を挙げたいが、重要度は最上級から落ちる。
ユーロ圏発では、23日(火)=ユーロ圏総合・製造業・サービス業の各PMI、24日(水)=仏第1四半期GDP・確報値、独IFO業況指数。日本発では、26日(金)=全国消費者物価指数となっている。
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ドル相場
ギリシャ・リスクの存在はドルにとってはプラス材料ながら、ギリシャ債務交渉の結果に大きく影響を受けることで、それを確認するまでは、積極的なドル売りもドル買いも考えにくい。
アトランタ連銀のGDPNowは、先週16日の弱い米住宅着工件数を受け、予想数字を1.9%→1.1%へと下方修正している。FRBの9月利上げ開始の時期がより明確になるかは、今週の米国発の経済指標の結果次第ではあるが、予想の段階ではやや改善傾向が目立つ。
米国の信任を考えれば、米国議会での貿易促進権限(TPA)法案の行方も金融市場にとっては重要で、15日に一度下院で否決され、18日に修正・再可決で下院を通過したが、上院での採決がカギを握る。
EURUSD 予想レンジ1.0800~1.1500(全てがギリシャ次第)
ユーロ圏首脳会議の結果がすべて。ただし、リスクを気にしながらも、最近のEURUSDの相場は底堅い。18日のユーロ圏財務相会合で物別れに終わり、週末を迎えても1.1300を維持していることを考えれば、ギリシャ・リスクへの市場の織り込み度は高く、ギリシャ問題が周辺国へ波及しない限り、底固めの最中で、ギリシャ問題の先送りでは1.1500への可能性が高まる。
GBPUSD 予想レンジ1.5800~1.6000(1.5800を割り込むまでは強気)
FRBが利上げ時期を明確にすることをためらっている中で、BOEの来年利上げの可能性はより高まり、ひょっとしたら、年内の利上げの可能性も! との期待感がポンドの買いに表れている。
ドル高傾向が続く中で、ドルロングのリスクをヘッジする通貨として、または、ユーロのリスクをヘッジする通貨としてのポンド買いは強い。ただし、直近2週間では、ポンドのロングポジションが積みあがっている可能性も高く注意が必要だが、調整の売りを受けながらも、押し目買いで、上昇傾向は変わらず。
AUDUSD 0.7650~0.7850(または、0.7700~0.7800)
0.7600をボトムに緩やかな豪ドル買いが続いている。相変わらず、追加利下げの可能性は完全に否定できず、豪ドル安の誘導も変わっていない。しかし、デフレリスクは弱まりつつあり、雇用統計も強く、豪中理事会と銀議事録でも追加緩和は経済指標次第と、変化が確認されていることも事実で、直近の豪ドル買いにつながっている。引き続き、弱気にも強気にもなれない通貨。
USDJPY 122.50~123.50(または、121.50~123.50)
直近のドル円相場は、上値が重く、見ているだけでも下値リスクが気になる。ギリシャ・リスクのヘッジとして、安全資産の円買いとの声も強く、FRBの利上げ時期が不透明なこともあり、リスク回避の株売り(世界的な株価下落)+債権買い(世界的に債券利回り低下)を意識。一時的な円買いも気になるが、潜在的な円売りがギブアップするとは考え難く、122.50円の攻防をみてから、次の流れを判断したい。
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6/22(月)
07:00 NZ 第2四半期 ウエストパック消費者信頼感指数
14:00 JPY 日銀・金融経済月報
23:00 EUR 消費者信頼感・速報値
23:00 USD 中古住宅販売件数
2:00 EUR ユーロ圏首脳会議(事前にユーロ圏財務相会合を開催する可能性)
6/23(火)
10:45 CNY HSBC製造業PMI・速報値=予想49.5 前回49.2
17:00 EUR 総合PMI・製造業PMI・サービス業PMI・速報値
20:00 トルコ中銀 金融政策発表
21:30 USD 耐久財受注
23:00 USD 新築住宅販売件数
6/24(水)
8:50 JPY 日銀金融政策決定会合・議事要旨(5月21~22日)
15:45 FRN 第1四半期 GDP・確報値
17:00 GER IFO業況(総合)指数
21:30 USD 第1四半期GDP・確報値
6/25(木)
15:00 GER GfK消費者信頼感
21:30 USD 個人所得・個人支出
21:30 USD 米週間新規失業保険申請件数
6/26(金)
7:45 NZD 貿易収支
8:30 JPY 全国消費者物価指数
23:00 USD ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値
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