先週は米感謝祭の祭日による影響で発表が遅れ、掲載できませんでしたが、今週2日現在では、ムーディーズが日本政府債務の格付けを引き下げたことで円売りが加速しました。また、今回のデータには集計されていませんが、ECBは来年第1四半期にQEを実施する可能性が高まり、EURは下落。強い米雇用統計にドルは全面高の展開で、ドルは独り勝ちとなっており、ドルの天井感は全く感じられません。
集計日が2日(火曜)で多くの材料が含まれず、今回発表された数字より、さらに大幅な通貨売り(ドル買い)となっていると考えた方がいいでしょう。
円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドルの計7通貨合計では、ネットショートは-385,554コントラクト(約47,499,612,649ドル)と前週から719減少していますが、高水準を維持しています。
円は、-111,160と前週より売りが6,780増加し、5週連続で円売りが増加しています。衆議院選挙では自民党が300議席を上回るとの予想もあり、株高=日銀追加緩和期待=円売りの流れが続き、120円の大台を集計後に達成しながらも、調整は極めて限定的で円先安観は続きました。週末に121円台に入っていることで、さらに円売りは大幅に拡大していることでしょう。
ユーロは、-159,279と前週より売りが5,801減少しています。1.23で一時的なボトム感が見られ、米感謝祭を過ぎたことでポジション調整によるユーロ買い戻しが見られました。集計後のドラギECB総裁の記者会見でQEの可能性は強まり、ユーロ先安観が続き、ドル高の流れにユーロ売りは増加していることが考えられます。
ポンドは、-31,014と前週より売りが348増加しています。9週連続で売りが増加し、予想外にポンド安相場が続いています。その多くは、BOEの利上げ観測がさらに遠のいたこともありますが、年末に向けたポジション調整の可能性や、原油価格の下落による影響も考えられます。ただ、その後のドル高の流れに、売りがさらに増加していると考えられます。
スイスは、-22,922と前週より売りが502減少しています。他の主要通貨と同じく、米感謝祭を過ぎたことによるポジション調整の域を脱せず、また、EURCHF1.200を死守する姿勢を貫いていることで、どうしても、ユーロと同じ方向に動きやすくなっています。
カナダドルは、-18,389と前週より2,048売りが増加しています。正、原油価格の下落による影響に売りが増加していますが、経済は予想外に堅調である程度は相殺されていると考えてもいいでしょう。ただ、集計後もカナダドル売りが続いていることを考えれば、さらに売りが増加していると考えられます。
豪ドルは、-41,110と前週より売りが2,978減少しています。前週に中国の利下げによる影響がやや薄らいでいると思われますが、その後の商品価格の下落やドル高の流れに、豪ドル売りがさらに増加している可能性が高くなっています。
NZドルは、-1,680と前週より売りが614減少しています。前週に、NZ第4四半期の中銀インフレ期待が弱くNZドル売りが強まっていましたが、その反動と考えられます。ただ、他の主要通貨と同じく、その後のドル高の影響にNZドル売りがさらに増加している可能性が高くなっています。
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