2014年12月7日日曜日

今週の為替相場を考える、経済指標・その他(12月8日~12月12日)

今週の為替相場を考える、経済指標・その他(12月8日~12月12日)

12月も一週間が過ぎました。まず、先週の動きを振り返ってみましょう。ムーディーズは日本格付けを引き下げ、円売りが加速。また、衆議院選挙では、与党の支持率は高く300議席を超えるとの予想に、「BOJ追加緩和期待=株高=円安」へ。

さらに、ECB理事会は政策を据え置きながらも、来年の第1四半期にQEの可能性は高くユーロは下落へ「1兆ユーロ規模を話し合ったとも」。

そして、原油価格下落=資源国通貨下落=米経済へのプラス材料。英利上げ期待後退、中国景気弱含み、強い米雇用統計に、来年の早い時期に利上げ開始へとの思惑と、全てがドルに有利にドル買いは全開で、USDJPYは驚きの121円台まで上昇しています。


「今週は重要なイベントは少ない」
今週は、政策金利の発表は、NZ中銀だけで最重要国での発表はありません。重要な経済指標の発表も少なく、「豪雇用統計」、「中国貿易収支+CPI+小売売上高」、「米週間新規失業保険申請件数+ミシガン大消費者信頼感指数」など限られています。そのため日本発のイベントがより重要になっています。

「メインイベントは、日本GDP+衆議院選挙」
8日(月)=日本第3四半期GDP・第2次速報値は、弱すぎた第1次速報値から上方修正されルことは間違いなく、前期比予想-0.1(第1次-0.4%)と、前月比でプラス成長にでもなれば、驚きで、結果を受けた円相場の動きは注目に値します。ただ、日本株がどのように反応するのか非常に複雑な読みが必要で、「株安=円安」になるのか「株高=円高」へと動くのか?

14日(日)=衆議院選挙の投票・開票日です。自公民の与党圧勝で300議席を超える可能性まで指摘されていますが、さてどのような結果になるのでしょうか? 翌日12月15日(月)のオセアニア市場からの相場展開を考えれば、今週後半には選挙結果の予想に、ポジション調整の円買い戻しが強まるのか? 逆に、強い選挙結果を意識した、より円売りポジションの積み増しをしようとするのか? 今現在では判断をできずにいます。

≪ドル高材料は変わらず≫
直近では、米第4四半期のGDP予想で下方修正も見受けられますが、他国と比較すると、はるかに強いとしか言いようがありません。米株は最高値を更新、米金利は強含み、原油価格の下落は米経済にプラスとの意見が多く見受けられます。米経済は普通と言っても、他の主要国があまりにも弱過ぎるので、結果的に米経済(米ドル)が光って見えます。

≪USDJPY≫
円売り変わらず、最高値トライへ。株と選挙を気にしながらも、日本GDP第2次速報値と衆議院選挙の結果を注目。USDJPYは120円台の攻防から、いきなり121円台まで上昇し越週となったことで、119.50円をボトムに123.50円を目指す新たな展開がスタートしました。もちろん、GDPや衆議院選挙の結果を受けた、上下変動にさらされながらも、円安誘導を止める、または、ドル高を危惧する米国発の動きがあるまでは、円安の流れは変わりそうにありません。

≪EURUSD≫
1.23を割り込み安値を更新、ユーロ売り変わらず。バイトマン独連銀総裁など、一部理事は量的緩和を阻止する動きが見られますが、CPIやGDPは伸び悩み、原油価格の下落によるデフレ懸念も強くなっています。ECBスタッフはGDPとCPI見通しを引き下げ、ドラギECB総裁は、直ぐにでもQEができる準備を各担当者に指示しており、一部報道では1兆ユーロ規模のQEが協議されたともあります。来年1~3月のQE実施の可能性が続く以上、ユーロ売りの流れは変わりそうにありません。

≪GBPUSD≫
1.56を割り込み売りを継続、1.55で下げ止まることができるか。オズボーン英財務相は、英GDPは2014年3.0と過去10年間で最高となるが、2015年、2016年は減速を予想。BOE調査では1年以内の利上げ予想が49%から37%に低下予想が多く、今までの早期利上げ観測は大幅に後退している。ただ、景況感は強く、ユーロ圏や日本を圧倒している事を考えれば、GBPUSDでの売りプレッシャーは続く可能性はあるが、他の主要通貨ではポンド買いの流れが続くことが予想されます。

≪AUDUSD≫
0.85を大幅に下回り0.83台前半で終了、弱さが目立つ。鉄鉱石価格の下落が目立ち、商品の輸出価格が下落し、投資家の間では利下げが必要との意見もみられます。インターバンク先物市場では、来年8月までの利下げの可能性が60%程度織り込まれ、大手銀行でも2015年に計2回で0.5%利下げ予想もありました。スティーブンス豪中銀総裁は、今後数四半期にわたってトレンドを下回る成長が続く見通しと弱気ムードが広まっています。









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