今週の為替相場を考える、経済指標・その他(11月17日~11月21日)
活況を呈するとでも言うのか、円売りへと舵が切り替わってから、ドル円は115円台が一つの節目と見られていましたが、ついにその壁も壊れ円安が新たなステージに突入へ。
日本の、日銀による追加緩和の実施と、GPIFの株式と外物投資拡大に対して、米国では、相反する、量的緩和の終了と、来年のいずれかの時期から始まる利上げに、「円を売らなきゃ損」と言われているように思えてなりません。もっとも先週までの相場のように、1円近くの調整が入るなど、落とし穴があることは覚悟しなければなりません。
≪円売りの材料は多い≫
「日本の衆議院解散や、消費増税の延期」の本決まり期待感、そして、「日銀のさらなる追加緩和と政府の景気対策」が期待されています。
17日(月曜)日本の第3四半期GDP1次速報値は、消費増税の有無を判断する一つの大きな材料と言われており、17日(月曜)、18日(水曜)の消費増税判断の点検会合と合わせ、円相場の動きが大きくなることでしょう。
そして、19日(水曜)の日銀金融政策決定会合と、黒田日銀総裁の記者会見で、市場参加者は更なる円安材料を期待しており、この前後が今週の日本発の円売りのピークになりそうです。
≪G20は円安の懸念はなく、日本に追加刺激策を求める≫
ル―米財務長官から麻生財務相に「景気回復とデフレ回避を確実にするため、短期的な悪影響を相殺する以上のことが必要」と言われており、心配された円安が進んでいる為替の水準でも、「円安を懸念する声」はなかったと政府関係者は語っています。
≪クロスでも円安傾向変わらず≫
円安のシナリオの一つでもある、「クロスの円安」の方程式も引き続き有効で、弱いと思われているユーロに対しても円は値を下げている。AUDJPYは上昇を続け、GPIFの資金流入を感じている豪中銀は、自国通貨高をけん制しているものの、日本からの投資拡大を予想し、一つのリスクと考えていますが、今後もAUDJPYの買いの流れは変わりそうにありません。
≪円安のターゲットは?≫
次の円安水準は何処なのでしょうか? USDJPY117.50円、120円が次のターゲットと考えていますが、いずれにしても、長期チャートではドル円はダウントレンドを上抜け、上昇トレンドが既に始まっており、長期スタンスは円売りに変化は見られません。(※ドル円の月次チャートを参照)
≪今週のドル円相場は?≫
短期では、1円程度の調整局面を切りかえしている先週の動きが続きそうで、サプライズに瞬間的に115円を割り込むことがあっても、直ぐに値を戻し、瞬間芸で終わりそうです。ベースは115.50~116.50円のレンジから、時間をかけて116.50円を超えて、117.50円が、来週以降のターゲットに入ってくると考えています。
XXXXX
さて、今週も重要な経済指標や金融政策に関連しての発表も多くあります。
米国、
17日(月曜)米NY連銀製造業景気指数、米設備稼働率・鉱工業生産
18日(火曜)NAHB住宅市場指数
19日(水曜)FOMC議事録、米住宅建設許可・住宅着工件数
20日(木曜)米消費者物価指数、米週間新規失業保険申請件数、米中古住宅販売、米景気先行指数、米フィラデルフィア連銀景況感指数
ユーロ圏
17日(月曜)ドラギECB総裁議会証言
20日(木曜)ユーロ圏PMI・速報値
21日(金曜)ドラギECB総裁発言
豪州
18日(火曜)豪中銀議事録、スティーブンス豪中銀総裁のスピーチ
カナダ
21日(金曜)カナダ消費者物価指数
英国
18日(火曜)英消費者物価指数
19日(水曜)BOE議事録
20日(木曜)英小売売上高
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