2014年10月5日日曜日

今週の為替相場を考える(10月6日~10月10日)

今週の為替相場を考える(10月6日~10月10日)

ドル高を止める材料は、自律的なポジション調整とドル高懸念だけ。

≪現状は≫
2日にラガルドIMF専務理事は、市場参加者の多くがそう思っている通りのことではあるが、「EURUSDの調整は成長ベースに関連、主要中銀の金融政策の方向性に違いが出ている」、「日銀、ECBなどは景気を支援するため共に大幅な緩和策を実施しているが、FRB、BOEは金融政策の正常化に向け動き始めており、政策の方向性の違いで外国為替相場が乱高下する恐れがある」という。

3日の米雇用統計では、失業率はついに6%を割り込み5.9%まで低下、非農業部門雇用者数も増加幅を拡大し、10月のFOMCで量的緩和の終了と来年の早い時期に利上げ実施の期待感が、ドル高相場を押し上げている。

年初来の値動きを見ても、USDJPYは続伸し高値を更新、EURUSDは1.4(5月)→1.25まで安値を更新し続落、AUDUSDは年初の安値1.8650→1.9550(7月)→1.8650と安値をやや更新している。GBPUSDは他とやや異なり、年初1.63→1.72(7月)→1.6割れまで下落(スコットランド住民投票の影響も大きい)しているが、年初の安値を更新できずにいる。

ラガルドIMF専務理事の言うとおり、利上げできる通貨が強く、そうでない通貨が弱い動きが大きな為替相場の流れを作っている。

≪今週の相場を考えるときに≫
今週の相場を考えるときに、多くの要因を想定する。①先週の値動きとポジションの偏りがベースとなり、②米国の金利と金利差や株価の動向を考へる。そして、③テクニカルチャートで方向性を考えながら、④今週の経済指標やインパクトのあるイベントや発言予定などを考慮する。

①先週の値動きとポジションの偏り
円以外の主要通貨ではスピード違反の可能性があり、仮に入ったとすると円クロスでは円売りの要因になりやすい。
USDJPYは108円近くまで調整が入った後のドル買い戻しで、週間ベースでは7月21日の週に4%近く上昇した以外、現在に至り2%近くの上昇幅にとどまっており、大幅なポジションの偏りは考えにくい。

②米国の金利と金利差や株価の動向
米10年債利回りは低下傾向にあるが、2年債利回りは上昇を続けている。
相変わらず株価とUSDJPYの相関関係は強く、株価の上昇に連動中で、株高=ドル高(円安)の流れは変わらず。

③テクニカルチャート
1時間チャートの200時間SMA=109.21円が上下方向性を示す相場水準で、2日にこの水準を割り込み下落へ、3日にこの水準を上抜け上昇へと変化し、この水準を割り込むまでは押し目買い。110円では終値ベースでは示現しておらず、引き続き上値は重く、目先は109.20~110.20円のレンジを予想。Dailyベースでは108.50~110.20円のレンジに入り、110円台を終値ベースで確保できるまでは、積極的に上値も買いにくい。

④今週の経済指標やインパクトのあるイベントや発言予定
今週は最重要なイベントが何件かあり、G20を含め公的機関による会合は経済見通しが相次いで発表される。
7日=豪中銀理事会では現行の金融政策の据え置きが予想されるが、豪ドル安が進んでいる、為替水準に関して注目したい。
8日=FOMC議事録では、変更されなかった「資産買い入れ終了後も相当な期間、事実上ゼロ金利を維持」の説明と、金利見通しの引き上げへの説明を注目したい。
9日=豪雇用統計はいつもながら短期的な相場変動に大きな影響力があり、見かけの数字に反して、フルタイムなのかパートタイムなのかによって流れが変わることもある。BOEの金融政策(据え置きが予想され、記者会見はないと思われる)。
10日=カナダ雇用統計もいつもながら短期的な相場変動に大きな影響力があり、見かけの数字に反して、フルタイムなのかパートタイムなのかによって流れが変わることもある。

発言では、7日=ダドリーNY連銀総裁、バーナンキ前FRB議長講演、8日=バーナンキ前FRB議長講演、9日=ドラギECB総裁講演を特に注目したい。ただ、大きな材料にならないと見ている。

イベント=IMF世界経済見通し(7日)、IMF国際金融安定性報告書(8日)、G20(9~10日)、世銀・IMF年年次総会(10日)から何らかの材料が提示される可能性が高く、最近の動きを見れば、米金利の引き上げや、ドル高に関して、何らかの材料が飛び出す可能性がある。






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