2014年7月6日日曜日

イベント・経済指標から考える今週の為替相場(7月7日~7月11日)

イベント・経済指標から考える今週の為替相場(7月7日~7月11日)

米国の強い雇用統計の小さな嵐も過ぎ、ドル買いの流れが続いている。しかし、賃金の伸びは緩慢で、FRBは年内の量的緩和の縮小はすると思われるも、利上げに向けた動きは遅くなるとの思惑に、極端なドル買いも見られない。

「資金じゃぶじゃぶ相場」とでも言えばいいのか、かつての「低金利を借り・高金利で運用」する、キャリートレードとは異なるが、中銀が市場に大量に放出した膨大な余剰資金は、安全で比較的高金利に向け、相変わらず動き続けている。

また、利上げできる国の通貨「GBP+USD」+利上げしている国の通貨(NZD)は買いで、利上げできない国の通貨(JPY+EUR)は売り。ただし、EURは実需の買いが下支えし売りも限定的。そして、資源国通貨(AUD+CAD)は紆余曲折の中で、買いの流れが続き、当面、変わりそうにない。

気になる、イラクやウクライナ情勢などの地政学的リスクも、やや小康状態で新たな展開も見られず。懸念している中国経済も潜在的な景気の悪化は払しょくできないものの、ある程度は相場に織り込み済みで、次の新たな展開が見られるまでは動けず。


今週のメインイベントは、9日(水曜)の米FOMC議事録(6月17日・18日分)が公表される。その時の動きを振り返ってみよう。

『金利は据え置き、債券買い入れを100億ドル削減していた。経済成長が回復し、雇用市場は改善していると指摘した上で、資産購入規模の縮小を続ける方針に、直後はドル買いへ。

しかし、2014年の米成長見通しを下方修正し、量的緩和が終了しても利上げまでには相当の期間が必要との判断に、米債券利回りは低下。より強気な見通しへの反動に、ドルは全面安』となっていた。

その後も、雇用統計の改善にも、賃金上昇が見られず、引き続き緩和的な政策が継続されることを市場は織り込みつつある。今回のFOMC議事録で、タカ派の内容にでもなれば、当然ドル買いの流れが強まる。

市場との対話をくりかえしながら、いつの日か訪れる利上げサイクルのインパクトを徐々に弱めることを浸透させているとしか思いようがない。その間、景気鈍化やデフレの危惧、突発的な出来事など、予期しない事態が訪れ、利上げができなくなれば、当然ドル売りへと動くことになるが、今は、そこまで考える必要はない。材料から引き続きドルのプラスは多い。

さて、話が長くなってしまったが、次に重要なのは、10日(木曜)のBOE金融政策委員会で、現行の政策金利と資産買入枠の据え置きが予想されており、変更がなければ、記者会見も開かれず、次の議事録公表が待たれる。

発言で注目したいのは、8日のユーロ高をけん制し続けている、リンデ・スペイン中銀総裁講演。9日のいつもインパクトの大きいウィーラーNZ中銀総裁講演、マクダーモットNZ中銀総裁候補講演、マニング豪中銀理事講演で、9日のAUD+NZDへの影響は大きいと思われる。

経済指標では、9日(水曜)の中国消費者物価指数、10日(木曜)の中国貿易収支、新規人民元建てローンでいつもながら豪ドルへの影響は最も大きい。10日(木曜)の豪雇用統計と、11日(金曜)のカナダの雇用統計は、間違いなく相場が動く材料で、短期的な変動に注意が必要。



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