イベント・経済指標から考える今週の為替相場(7月14日~7月18日)
先週を振り返る
予想外に強い米雇用統計に、早期利上げ観測の期待の高まりドル高へ動き、FOMC議事録では逆に、過大な期待感の反動と利食いにドル安値と動いていた。
FRB理事や連銀総裁のハト派グループは相変わらず早期利上げを支持し、米経済成長も第2四半期以降は、一部予想を引き下げる向きもあるが、回復傾向にあることは変わらず、極端に弱気になることはない。年内の量的緩和縮小と来年の利上げ開始の期待感は変わらずで、ドルに対して悪材料は少なく、基本はドル高傾向が続きそである。
ポルトガル大手銀行バンコ・エスピリト・サントの親会社の問題から、不穏な動きを見せた欧州金融市場も、現状では過度に心配することもなさそう。量的緩和の可能性など、多くのユーロ売り材料を背負いながらも、EURUSDは1.36台を維持している。ユーロの強さに敬服せざるを得ない、当面は杞憂に過ぎないが、これで、好材料がでてきたらどこまで上昇するのだろうか?
スティーブンス・豪中銀総裁の豪ドル高けん制発言に豪ドルも、AUDUSDが0.9500を超えてくるとやや気がかりながら、0.9350~0.9450のレンジで様子を見る戦術を思われる。
今週の経済指標から
今週のも多くの経済指標の発表が予定されており、相変わらず注意すべき材料が多い。
今週のメインイベントは、15日、16日の両日のイエレンFRB議長の議会証言で、15日の上院銀行委員会の初日が最も重要である。年内の量的緩和の縮小の終了はもちろんのこと、利上げを示唆するような発言がでるのか? もっとも、先のカーニーBOE総裁が発言したような明確な文言を期待することはできず、玉虫色の表現にとどまる可能性も高い。
今後のFRBの緩和縮小と利上げ期待で相場が変動することは避けられず、米国発の経済指標の強弱で短期的な相場変動が続くと思われる。今週も米国発は多く、各々注目したい。
14日(月曜)のドラギECB総裁の講演は、いつもながら注目度は高いが、金融緩和パッケージの行方を見守る以外、期待できそうにない。
15日(火曜)の豪中銀議事録は、いつもながら相場変動のリスクは高く、AUD相場に対しては警戒感が必要。
15日(火曜)のカーニーBOE総裁の金融安定報告に関する委員会への出席では、今後のインフレ警戒感を示せば、利上げ期待にポンドにとっては買い要因。しかし、それまでに市場は相場に織り込み、現時点でもポンドロングポジションを維持しているので、上昇力は鈍そう、可能性は低いが逆の発言ではインパクトは大きい。
16日(水曜)
中国の第2四半期GDPは、7.4%で前期7.4%と同水準が込まれており、この通りならば豪ドル相場への影響は少ないが、数字がぶれるようならAUD相場の変動が期待できる。
16日(水曜)
英雇用統計は、ILO方式の失業率の増減と、失業保険申請件数の増減で、過去相場が大きく動くケースが多い。素直に反応することにしたい。
16日(水曜)
カナダ中銀の金融政策発表は、政策金利1.0%の据え置きが予想され、まず間違いないと思っている。予想通りならば、カナダ中銀の声明文で素直に反応することにしたい。
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