6月18日(水曜) 昨日、海外市場の動き
***** 昨日のポイント *****
アジア市場で、現行の景気刺激策に対して疑問を呈した弱気な豪中銀議事録に、豪ドルが下落。欧州市場では、弱い英消費者物価指数と生産者物価指数に対して、明日のBOE金融政策委員会期待のポンド買いに、上下のジェットコースター。そして、米国市場では、弱い米住宅着工・許可件数は無視され、予想より伸び率が大きかった米消費者物価指数に強く反応。ドルは全面高へとなったが、FRBの早期利上げ観測への盛り上がりは弱く、イラク情勢の悪化と原油価格の上昇、ウクライナのガス・パイプラインの爆発と材料は複雑で、値幅は明日のFOMCを前に比較的小幅。
◎マイルズBOE政策委員(16日)は、来年5月の任期満了前に利上げを支持。
◎6月3日の豪中銀議事録=現行の景気刺激策で、資源投資の減少や政府の緊縮財政の落ち込の影響をどの程度相殺できるのかを判断することは困難。
◎独ZEWは期待指数は弱く、第2四半期は鈍化する兆候。
◎英消費者物価指数は、予想より弱く4年ぶりの低水準で、直後はポンド売りが強まるが、今日のBOE金融政策委員会議事録の一部利上げ支持への期待感に直ぐに値を戻す。
◎米消費者物価指数は、予想を上回り、前月比は昨年2月来で最大の伸びにドルは全面高へ。
◎米住宅着工・許可件数は、予想より弱い。
◎イラク情勢は悪化、米国はイラクに米兵を派遣する計画があり、イスラム過激派への空爆も検討。
◎◎ウクライナ中部でガスのパイプラインが爆発。
XXXXXX
アジア市場は、明日のFOMC前に動きにくい状況の中で、不透明なイラク情勢に、目先の材料だけで取引する参加者が増え動きも限定的。豪中銀議事録は、6月3日の声明では「現行の景気刺激策で、資源投資の減少や政府の緊縮財政の落ち込の影響をどの程度相殺できるのかを判断することは困難」と、近い将来の利上げ期待は払しょくされ、豪ドルのロングポジションの巻き戻しが活発に見られた。AUD安の影響にNZDUSDも下落、AUDEURは上昇、その影響にEURUSDは1.3550台→1.3580台まで一時上昇するも続かず下落、対円やその他のクロスでもAUD売りが目立った。
欧州市場は、弱い英消費者物価指数と生産者物価指数に、GBPUSDは1.6980→1.6930台まで急落、ポンドは一時全面安となったが、明日のBOE金融政策委員会の議事録との一大イベントを前に、ポンド買いは強く、直ぐに下落直前の水準まで値を戻した。EURUSDは1.3555~80、USDJPYは101.90~102.05円の狭いレンジとなる一方、AUDUSDの売りは止まらず、0.9330台まで続落となった。
米国市場に入り、米国市場に入り、米住宅着工件数と建設許可件数は若干弱い数字となったが、注目の米消費者物価指数は予想よりも強く、ドルは全面高。USDJPYはようやく102.10円を超えたものの、伸びは弱く。EURUSDは1.3530台へ、GBPUSDは1.6950台へ、AUDUSDは欧州市場の安値を更新に0.9330台まで値を下げた。
***** 発言・その他 *****
◎アイバシン・PIMCOのCIO=欧州の銀行はバランスシートのレバレッジ解消で、今後1兆ドルの資産処分をすることを見込む。
◎マイルズBOE政策委員(16日)=来年5月の任期満了前に、利上げを支持する投票を行い見通し。
◎豪中銀議事録=現行の景気刺激策で、資源投資の減少や政府の緊縮財政の落ち込の影響をどの程度相殺できるのかを判断することは困難。今後1年の経済成長率はトレンドを下回る見通し。現在の緩和的政策姿勢が当面は適切で、低金利を維持。第1四半期GDP、前年比3.5%の高成長は、輸出の急増が要因で今後は維持できず。為替相場は以前に比べ、成長の均衡回復への寄与度は低下へ。
◎欧州連合(EU)統計局の第1四半期ユーロ圏労働コスト=前年比0.9%(前回の前期比1.6%)に鈍化。2009年第1四半期以来の低い伸び率。
◎ホワイトハウス=米大使館の保全確保で、イラクに米兵を派遣する計画。イスラム過激派への空爆も検討。
◎S&P=アルゼンチンの格付けを「CCC+」→「CCC-」に格下し、格付け見通しもネガティブ。
◎ウクライナ中部でガスのパイプラインが爆発=アバコフ・アフガニスタン内相は爆破はおそらくテロテロの可能性も。
***** 結果、主な経済指標・その他 *****
10:30 AUD 豪中銀 理事会義理録を公表
17:30 GBP 5月 消費者物価指数=前月比-0.1%(予想0.2% 前回0.4%)、前年比1.5%(予想1.7% 前回1.8%)、コア前月比0.0%(予想 前回0.5%)、コア前年比1.6%(予想 前回2.0%)、小売物価指数(RPI)=前月比0.1%(予想0.2% 前回0.4%)、前年比2.4%(予想2.5% 前回2.5%)、実勢インフレ率(RPIX)=前月比0.1%(予想0.2% 前回0.4%)、前年比2.5%(予想2.6% 前回2.6%)→ 予想より弱く4年ぶりの低水準で、直後はポンド売りが強まるが、直ぐに値を戻す。
17:30 GBP 5月 生産者物価指数: 出荷=前月比-0.1%(予想0.2% 前回0.1←0.0%)、前年比0.5%(予想0.7% 前回0.6%)、コア前月比0.0%(予想0.1% 前回0.0)%、コア前年比1.0%(予想1.1% 前回1.0%)、仕入=前月比-0.9%(予想0.0% 前回-0.9←-1.1%)、前年比-5.0%(予想-4.1% -5.3←前回-5.5%)、コア前月比-0.2%(前回-0.3%)、コア前年比-4.2%(前回-5.1←-5.2%)→ 予想より弱く、直後はポンド売りが強まるが、直ぐに値を戻す。
18:00 GER 6月 ZEW景況感調査: 期待指数=29.8(予想35.0 前回33.1)、現況指数=67.7(予想62.6 前回62.1)→ 期待指数は弱く、現況指数は強い、独経済は好調だが、第2四半期は鈍化する兆候が見られる。
18:00 EUR 6月 ZEW景況感調査=58.4(予想55.0 前回55.2)
21:30 USD 5月 消費者物価指数=前月比0.4%(予想0.2% 前回0.3%)、前年比2.1%(予想2.0% 前回2.0%)、コア(除く食品・エネルギー)前月比=0.3%(予想0.2% 前回0.2%)、コア前年比2.0%(予想1.9% 前回1.8%)→ 予想を上回り、前月比は昨年2月来で最大の伸びに、ドルは全面高へ
21:30 USD 5月 住宅着工件数=前月比-6.5%、100.1万件(予想105.0万件 前回107.1←107.2万件)、建設許可件数=前月比-6.4%・99.1万件(予想106万件 前回105.9←108万件)→ 予想を下回る
***** 予定、主な経済指標・その他 *****
7:45 NZD 第1四半期 経常収支=予想14億NZドル、 前回-14.34億NZドル
8:50 JPY 5月 通関ベース貿易収支=予想-1兆1893億円、前回-8117億円
8:50 JPY 日銀金融政策決定会合 議事録公表(5月21日分)
9:30 AUD 5月 ウエストパック景気先行指数=予想 前回-0.5%
10:30 CNY 5月 住宅価格指数=予想 前回6.7%
17:30 GBP BOE金融政策委員会 議事録公表(6月5日分)=9対0で政策金利と資産買入枠の据え置きを予想
18:00 EUR 4月 建設支出=前月比予想 前回-0.6%、前年比予想 前回5.2%
21:00 USD 第1四半期 経常収支=予想-970億ドル 前回-811億ドル
21:30 CAD 4月 卸売売上高=前月比予想0.5% 前回-0.4%
3:00 USD FOMC 金融政策発表=政策金利0.25%の据え置き、住宅ローン担保証券(MBS)の月間買い入れ200億ドル→150億ドルへ、国債月間買い入れ250億ドル→200億ドルへ減少を予想
3:30 USD イエレンFRB議長の記者会見
0 件のコメント:
コメントを投稿