2014年6月17日火曜日

6月17日(火曜) 昨日、海外市場の動き

6月17日(火曜) 昨日、海外市場の動き


***** 昨日のポイント *****

FOMCを控え、全てに強い米経済指標に相場は踊らず(米NY連銀製造業景気指数、対米証券投資、鉱工業生産、設備稼働率、米NAHB住宅市場指数)。逆に、IMFは米経済見通しを下方修、正直ぐに利上げすると予想せず。

円相場は、日本の法人税減税、GPIFの運用見直し期待の円売り材料と、ウクライナ政府と親ロシア派の武力組織との対立継続、イラク過激派武装組織の戦いが激化、これらの地政学的リスクの円買い材料と強弱が混在し、テクニカルでも持ち合い相場の中に収まっている。GBPUSDは1.700を達成、BOEの金融政策委員会議事録の発表を前に利食い先行で一時的に休戦、ただ上昇傾向は止まらず。

◎公的通貨金融機関フォーラムは、世界の中銀は低金利で収益悪化し、株式投資を拡大。
◎ケント豪中銀総裁候補は豪ドル高をやんわりけん制、どこかの時点で下落しても驚きではない。
◎ビーンBOE副総裁は利上げ容認へ、利上げは英経済が正常化しつつあることを示す。
◎独連銀月報は、第2四半期の成長率は鈍化する可能性を指摘。
◎IMF米経済に関する報告書=米成長見通しを引き下げ、インフレは低水準で、完全雇用も2017年まで達成できず、2015年半ば以降でも利上げを予想せず。
◎ラガルドIMF専務理事は、IMFはFRBが量的緩和を縮小しても、直ぐに利上げすると予想せず。
◎全てに強い米経済指標(米NY連銀製造業景気指数、対米証券投資、鉱工業生産、設備稼働率、米NAHB住宅市場指数)
◎GBPUSDは一時1.70の大台を達成。
◎イラクでは政府軍と過激派組織との戦いが激化。


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週初のアジア市場は、いつもながら主体性は乏しく、小幅なドル売りの流れから始まった。USDJPYは小幅下落し円高へ、USDCADも小幅下落。AUDUSDやNZDUSDも底堅く小幅上昇、GBPUSDは先日のカーにBOE総裁発言に続き、ビーンBOE副総裁が利上げの、正当性に言及、終盤にかけてついに1.7000の大台を試し買いが強まった。

欧州市場の序盤は、アジア市場の流れは変化し、ドル買い戻しからスタート。GBPUSDは相次ぐ利上げを期待させる発言にも、市中金利は追従せず、1.70台→1.6950台まで下落。AUDUSDはケント豪中銀総裁候補の豪ドル高けん制発言もあり、0.9410台→0.9270台へ下落、USDCADは1.0840台→1.0880台へと上昇しカナダドルは下落、NZDUSDは0.8700を直前から0.8660台まで下落。USDPYは相変わらず10180~95円の狭いレンジで動けず。

米国市場は、イラクでは政府軍と過激派組織との戦いが激化、米経済指標は全て予想を上回るがドル買いは鈍く、IMFは米成長見通しを引き下げ終わって見ればドルは小幅下落。EURUSDはECBの金融緩和パッケージ発表後にも1.3500を割り込むことはできず、逆に早期利下げ観測が弱まり1.3580近くを回復。USDJPYはリスク回避の動きも加わり101.79~90円で動けず。GBPUSDは、欧州市場で念願の1.70を達成、BOE金融政策委員会議事録の発表前に、利食いの売りが先行し伸び悩み、他の主要国通貨も小幅な動きで推移した。



***** 発言・その他 *****

◎ケント豪中銀総裁候補=商品価格の下落で豪ドルは高すぎる。どこかの時点で下落しても驚きではない。失業率は2015年も高水準が続く見通し。
◎S&P=中国は米国を抜き、世界最大の債券発行国。
◎バイトマン独連銀総裁(独週刊誌フォークス)=通貨切り下げを狙えば、他中銀も追随し、敗者しか生み出さない切り下げ競争につながる。
◎ビーンBOE副総裁=利上げは英経済が正常化しつつあることを示す。英経済は楽観的になる理由が多くある。長期間低金利を続けることは好ましくない。
◎独連銀月報=第2四半期の成長率は鈍化する可能性がある。
◎日銀月報=景気の現状判断を据え置く。国内企業物価の先行きは当面緩やかな上昇を続ける。鉱工業生産は、基調として緩やかな増加を続けている。
◎政府成長戦略の素案=GPIFの組織改革等で、今後の法改正の必要性も含め検討する方針。
◎FT紙(15日)=公的通貨金融機関フォーラム(Omfif)レポートでは、世界の中央銀行は、低金利による収益悪化を補うため、運用資金を株式に振り向け、世界の株式市場で中銀の一群が主要な投資家になっている。潜在的に資産価格の過熱を助長する可能性がある。
◎FT紙(15日)=公的通貨金融機関フォーラム(Omfif)レポートでは、世界の公的投資家は、近年に少なくとも1兆ドルの資金を株式に振り向けたと推測。 近年の債券利回り低下による収入減で世界の中銀は合計で2000億ドルから2500億ドルの金利収益を失ったとの推計。
◎イラクは過激派武装組織の勢力拡大で、緊張が続く。米政府は空母ジョージ・H・W・ブッシュをアラビア海北部からペルシャ湾に移動。
◎IMF米経済に関する報告書=米成長見通しを引き下げ、インフレは低水準で、完全雇用も2017年まで達成できず、2015年半ば以降でも金利をゼロ近くにとどめる余地がある。
◎IMF米経済に関する報告書=米成長率見通しは、2014年2.8%→2.0%(第1四半期の落ち込みで下方修正)、2015年3.0%据え置き、2014年・2015年の成長は潜在成長率を大幅に上回るが、高齢化と生産性伸びの鈍化で、潜在成長率は2.0%近くにとどまる。
◎ラガルドIMF専務理事=IMFはFRBが量的緩和を縮小しても、直ぐに利上げすると予想していない。


***** 結果、主な経済指標・その他 *****

8:01 GBP 6月 ライトムーブ住宅価格=前月比0.1%(予想 前回3.6%)、前年比7.7%(予想 前回8.9%)
18:00 EUR 5月 消費者物価指数(HICP)・確報値=前月比-0.1%(予想-0.1% 前回0.2%)、前年比0.5%(予想0.5% 前回0.5%)、コア前年比0.7%(予想0.7% 前回0.7%)→ 速報値と変わらず
21:30 USD 6月 NY連銀製造業景気指数=19.28(予想15.0 前回19.01)、仕入価格=17.20(前回19.78)、新規受注=18.36(前回10.44)、雇用者数=10.75(前回20.88)→ 予想を上回る強い数字で4年ぶりの高水準
22:00 USD 4月 対米証券投資(ネットTICフロー合計)=1368億ドル(予想 前回-1223←-1261億ドル)→ 予想外に増加、長期有価証券(株式スワップなど除く・億ドル)・長期TICフロー=-242億ドル(予想375億ドル 前回41←40億ドル)
22:15 USD 5月 鉱工業生産指数=前月比0.6%(予想0.5% 前回-0.3←-0.6%)→ 予想を上回る
22:15 USD 5月 設備稼働率=79.1(予想78.9% 前回78.9←78.6%)→ 予想を上回る→ 予想を上回る
23:00 USD 6月 NAHB住宅市場指数=49(予想47 前回45)→ 予想を上回り年初来の高い上昇となる

***** 予定、主な経済指標・その他 *****

10:30 AUD  豪中銀 理事会義理録を公表
17:30 GBP 5月 消費者物価指数=前月比予想0.2% 前回0.4%、前年比予想1.7% 前回1.8%、コア前月比予想 前回0.5%、コア前年比予想 前回2.0%、小売物価指数(RPI)=前月比予想0.2% 前回0.4%、前年比予想1.7% 前回2.5%、実勢インフレ率(RPIX)=前月比予想 前回0.4%、前年比予想 前回2.6%
17:30 GBP 5月 生産者物価指数: 出荷=前月比予想0.2% 前回0.0%、前年比予想0.8% 前回0.6%、コア前月比予想 前回0.0%、コア前年比予想 前回1.0%、仕入=前月比予想0.2% 前回-1.1%、前年比予想-4.1% 前回-5.5%
18:00 GER 6月 ZEW景況感調査: 期待指数=予想35.0 前回33.1、現況指数=予想62.1 前回62.1
18:00 EUR 6月 ZEW景況感調査=予想55.0 前回55.2
21:30 USD 5月 消費者物価指数=前月比予想0.2% 前回0.3%、前年比予想2.0% 前回2.0%、コア(除く食品・エネルギー)前月比=予想0.2% 前回0.2%、コア前年比予想1.9% 前回1.8%
21:30 USD 5月 住宅着工件数=予想103.3万件 前回107.2万件、建設着工件数=予想106万件 前回108万件
23:00 CAD ステーブンス豪中銀総裁の講演(カナダ)

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