***** 昨日の注目点 *****
米フィラデルフィア連銀景況指数は-6.3と予想外の大幅減少、米成長が危惧されたが、米株は強く、豪ドルやNZドルは堅調で、逆に主要国通貨ではドル買いの流れが続く。
日本の貿易赤字の拡大にも円相場は動きが鈍い。発表直後は円売りへと動くが、リスクオフの流れにドル円は一時107.70円割れまで下落。弱い米経済指標にも株価は堅調で円売りが続き、一時102.40円近くまで上昇するも、戻りも限定的。引き続きレンジ相場から、手さぐりで下値を試す動きが続きそうに思えてならない。
中国HSBC製造業PMIの鈍化による、豪ドル、NZドルの売りも続かず、欧米市場では株価の上昇もあり、ショートポジションの巻き戻しに逆に買いへと変化。AUDUSDは0.90台を境にした変動が引き続き続いている。
EURUSDは、ユーロ圏の経済指標は総じて弱く、ウクライナ情勢の深刻化に、クロスを含めEUR売りの流れが続いた。独1月生産者物価指数は予想外のマイナス、仏1月消費者物価指数はマイナス幅が拡大、仏2月PMIとユーロ圏総合PMIは予想を下回り、ユーロ圏消費者信頼感指数はマイナス幅が拡大へ。EURUSDは、1.3700割れでは実需ベースの買いが続くが、1.38台を超えられず、弱気な流れが続く。
英ポンドは、ウィールBOE金融政策委員は「BOEは2015年春に利上げの可能性が高い」との発言に一時上昇するも続かず、ドル買いの流れに一時1.6630を割り込む。
***** 今日の注目点 *****
今日は週末の金曜日。イベントはシドニーG20だけで、特に気にする必要も感じられない。重要な経済指標の発表も見られず、英小売売上高、カナダ小売売上高と消費者物価指数、米国の中古住宅販売だけで、予想外の数字か、極端に相場を動かす連中が登場する以外に、大きな変動は期待できない。
ただし、ウクライナ問題や、G20での予想外の発言のイベントリスクも週末ということを考えれば、円売りへとなりにくく、ユーロも買いにくい通貨となっている。
***** 昨日の主な発言・出来事 *****
◎英国の2013年住宅着工件数は2007年来の高水準=前年比24%(12.301万件)と大幅に増加したが、前年の2012年の低水準からの反動や、政府の住宅購入者への補助制度の導入も要因。
◎ムーディーズの欧州・中東・アフリカ部門ダイレクター=イタリアの成長見通しが大幅に改善すれば、格付けの引き上げを検討する。
◎オズボーン英財務相=英国の景気回復は不確実で均衡に欠く。英経済が消費やロンドンの金融業に依存しすぎており、製造業の輸出や企業投資の拡大が必要。新興国は、自国の問題で先進国の中銀へ責任を転嫁すべきでない。
◎ウィールBOE金融政策委員=BOEは2015年春に利上げの可能性が高い。平均所得の伸び率が強まれば、早期利上げの可能性は排除できない。総選挙の期間中は利上げは困難(予定は2015年5月)。
◎ダイセルブルーム・ユーログループ議長=独経済は非常に堅調で、大幅な経常黒字は、今のところ問題にならない。
***** 経済指標の結果 *****
◎8:50 JPY 1月 通関ベース貿易収支=-27,900億円(予想-24,890億円 前回-13,042←-13,021億円)→ 予想外に赤字が膨らみ初の2兆円台となり、1979年の統計開始来、最大の赤字額。
◎10:45 CHN 2月 HSBC製造業PMI・速報値=48.3(予想49.4 前回49.5)→ 予想外の低下に豪ドル売りが強まり、資源国通貨の売りも強まる
◎16:00 GER 1月 生産者物価指数=前月比-0.1%(予想0.2% 前回0.1%)、前年比-1.1%(予想-0.8% 前回-0.5%)→ 予想外のマイナスとなる
◎16:00 CHF 1月 貿易収支=25.94億スイス(予想1.47億スイス 前回5.21←5.03億スイス)
FRN 1月 EU基準消費者物価指数=前月比-0.6%(予想-0.5%)、前年比0.8%(予想0.9%)→ マイナス幅が拡大
◎16:58 FRN 2月 総合PMI・速報値=47.6(予想 前回48.9)、製造業PMI・速報値=48.5(予想49.3 前回48.8)、サービス業PMI・速報値=46.9(予想48.9 前回48.9)→ 予想と前回を下回る
◎17:30 GER 2月 総合PMI・速報値=56.1(予想 前回55.5)、製造業PMI・速報値=54.7(予想56.3 前回56.5)、サービス業PMI・速報値=55.4(予想53.4 前回53.1)→ 前回を上回る
◎17:58 EUR 2月 総合PMI・速報値=52.7(予想53.1 前回52.9)、製造業PMI・速報値=53.0(予想54.0 前回54.0)、サービス業PMI・速報値=51.7(予想51.9 前回51.6)→ 前回と予想を下回る
◎22:30 USD 週間新規失業保険申請件数=33.6万件(予想33.5万件 前回33.9万件)→ 予想を若干上回るが前週より改善
◎22:30 USD 1月 消費者物価指数=前月比0.1%(予想0.1% 前回0.2←0.3%)、前年比1.6%(予想1.6% 前回1.5%)、コア前月比0.1%(予想0.2% 前回0.1%)、前年比1.6%(予想1.6% 前回1.7%)→ 前月比は小幅低下、前年比は小幅上昇、全体としてほぼ変わらず
◎22:58 USD 2月 製造業PMI・速報値=56.7(予想53.7 前回53.7)→ 予想と前回を上回り、2010年5月以来の高水準
◎0:00 USD 1月 CB景気先行指数=前月比0.3%(予想0.4% 前回0.1%)、一致指数=前回0.1%(前回0.2%)、遅行指数=前月比0.3%(前回0.3%)→ 予想を若干下回るが、前回より拡大へ
◎0:00 USD 2月 フィラデルフィア連銀景況指数=-6.3(予想10.0 前回9.4)、→ 新規受注・従業員数・支払価格などの減もあり、予想外の昨年5月来のマイナスへ
◎0:00 EUR 1月 消費者信頼感指数=-12.7(予想-11.25 前回-11.7)→ 前回と予想を上回るマイナス幅
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